Sorry, Japanese only!

特集バックナンバー04

はじめに

このサイトで残念ながら今後書く予定のない、以下の条件を満たしている新幹線以外の特急についてここに書くことにいたします。

・ぼくが乗ったことがある
・まだ廃止されていない

ここに書かない理由はだいたい以下の理由のいずれかです。

・1985年5月以前に乗っている
・2003年3月4日以降に乗っている
・いつ乗ったかわからない

以上です。廃止された特急はぼくが生きている限りいずれ記述する予定ですので気長にお待ちください。


伊那路

東海道新幹線の豊橋駅から飯田線を通り、飯田駅に至る電車の特急である。

かつては夜行の快速ムーンライトながらとして毎日東京~大垣間を走り、ムーンライトながらとして使われなくなっても毎日東京~静岡間を走っていた電車がそれらの運用のついでに伊那路として走っていたというのが当時のこの電車の運用状況だったが、これらの運用がなくなると、特急伊那路の運用のほかはホームライナーとしての運用のみとなり、かつてよりこの電車の乗客は減っている。

飯田は高速道路が走っており、どちらかと言うと飯田の人は豊橋方面ではなく、松本・長野・東京・中津川・名古屋方面に用事のある人が多そうである。そのような人にはあまり特急伊那路が使われるとは思えない。

むしろ飯田以外の途中駅の客が相対的には多そうである。なぜなら飯田より南の飯田線沿線には、豊川まで大きな道路は走っていないからである。

とは言ってももともと客の少なさそうな場所を通る特急であり、今後たとえ今すぐ廃止されても困る人は少なさそうな特急である。


かもめ

鹿児島本線の博多駅から鹿児島線を通って鳥栖(とす)駅に行き、そこから長崎本線に乗り入れて終点の長崎に至る電車の特急である。

電車なので諫早~長崎間は市布・現川経由の区間を通る。博多〜長崎でなく、

・博多〜佐賀
・門司港〜博多〜佐賀
というかもめもある。

以前は博多~佐世保間を走る特急みどりや博多~ハウステンボス間を走る特急ハウステンボスと併結され、肥前山口で切り離されたりして運行されていたが、2011年3月からこれらの特急とは併結されなくなった。
特急リレーつばめが廃止されたので、博多~鳥栖間の列車の数が減ったのが理由のようである。

そのまま数年間かもめは他列車と併結していなかったが、2017年3月から一年間、なぜか特急有明と鳥栖~吉塚(博多のとなりの駅)間で併結するようになっていた。事情はわからない。

博多~長崎間は高速バスがあって運賃がかもめより安い。最近は高速道路も開通しており、かもめがどれくらい集客できるか心配である。


すずらん

函館本線の札幌駅から千歳線で苫小牧に行き、そこから室蘭本線に乗り入れて室蘭に至る電車の特急である。

ただし東室蘭~室蘭間は普通列車として運行され、各駅に停車する。

並行する特急スーパー北斗が停車しない沼ノ端・白老・幌別・鷲別にも停車する。どれくらいこれらの駅に客がいるかわからないが、普通列車の少ない区間なのでどうしても使う必要のある客はいるだろう。

札幌~室蘭間は高速バスがあって運賃がすずらんより安いので、すずらんがどれくらい集客できるか心配であるが、北海道は降雪時にはバスの運休が発生することが想定され、それなりに鉄道も乗客は集まると思われる。問題は北海道新幹線が札幌まで延伸するとどのような状況になるかということである。特急スーパー北斗に統合される可能性もある。

2016年3月の北海道新幹線の開業とともに、廃止された急行はまなすの代替としてすずらんが増便になった。室蘭行きはかつてはまなすが走っていた時刻とほぼ同時刻に発着するすずらんが増便されたが、札幌行きははまなすより1時間ほど遅いすずらんが増便された。


宗谷

函館本線の札幌駅から函館本線で旭川に行き、宗谷本線で稚内(わっかない)に至るディーゼル特急である。

以前は札幌と稚内を結ぶ列車に特急サロベツもあったのだが、2017年3月にサロベツは旭川~稚内間に短縮されてしまった。
宗谷も以前は「スーパー宗谷」という名称だったが、なぜか「スーパー」がなくなったわけである。

札幌~稚内間は高速バスがあって運賃が宗谷より安く、また高速バスには鉄道にない夜行便もあるので、宗谷がどれくらい集客できるか心配であるが、北海道は降雪時にはバスの運休が発生することが想定されるし、旭川~稚内間など途中駅どうしの行き来は高速バスではできないため、それなりに鉄道も乗客は集まると思われる。
である。

今後とも、北海道の鉄道交通が不便にならないよう願いたいものである。


とかち

函館本線の札幌駅から千歳線で南千歳に行き、石勝線で新得に行き、根室本線で帯広に至るディーゼル特急である。2020年2月までは「特急スーパーとかち」という名称だったが、JR北海道は同年3月にスーパー北斗、スーパーおおぞら、スーパーとかちの3列車からスーパーを取って北斗、おおぞら、とかちという名称に変えた。

並行する特急おおぞらの一部が停車しない追分(おいわけ)、新夕張、占冠(しむかっぷ)、十勝清水、芽室にすべて停車するのでそれなりに利用者はいそうである。特に追分と新夕張は、青春18きっぷで石勝線を通過する際に重要な駅なので18きっぷ利用者にとってとかちは重要な列車である。

つい最近札幌から帯広まで高速道路が開通し、高速バスも走っていてとかちより安いのであるが、冬季は積雪で時間がかかりそうだし、鉄道にもそれなりに乗客は集まると思われる。


成田エクスプレス

東海道新幹線などが通る東京駅から総武本線・成田線を通って成田空港駅に至る電車の特急である。

原則として東京~成田空港間の停車駅は空港第2ビルのみで、千葉や成田は通過であるが、朝早い東京行きや夜遅い成田空港行きの一部に千葉や成田などに停車する成田エクスプレスがある。

東京駅から先は2方向に行き先が分かれており、行き先の一つは渋谷・新宿方面で、もう一つは武蔵小杉・横浜方面である。
これらの列車は成田空港~東京間で併結されて運行されており、乗る際にどちらの行き先か良く確認して乗らなければならない。

一部の列車は新宿からさらに池袋、大宮方面に行くものもある。横浜行きも、さらに大船方面に行くものもある。さらに臨時列車には河口湖や横須賀に行くものもある。

最近はLCCと呼ばれる、うまく利用すれば安く利用できる航空会社が成田空港に乗り入れており、この列車は便利な場所を通るため今後ともそれなりに客はいると思われるが、ライバルの京成電鉄や高速バスが利便性を競っており、予断を許さない状況である。


はるか

東海道新幹線・東海道本線の京都駅から東海道本線で新大阪駅に行き、そこから貨物線・大阪環状線経由で天王寺に行き、阪和線・関西空港線で関西空港に至る電車の特急である。

一部列車は京都から草津・米原まで延長運転する。半分以上の列車は天王寺~関西空港間ノンストップであるが、夕方以降の関西空港行き、午前中の関西空港発の電車の一部は和泉府中・日根野にも停車する。

関西空港が開業した1990年代中期から運行されている電車で、運行開始当初は全車指定席であったが、2000年代初期に一部自由席として運行されるようになった。

関西空港にはJR以外にも、南海電鉄がなんばから特急を乗り入れており、一時期は南海の方が客が多かった時代もあったが、最近は特急はるかの方が客が多いとのことである。

関西空港は最近、LCCと呼ばれる、うまく利用すれば安く利用できる航空会社が乗り入れており、今後とも特急はるかは重要な列車である。

ただし関西空港は海上にあって長い橋を通るため強風で鉄道・自家用車ともに橋が通れなくなることがあるため利用には注意が必要である。


びわこエクスプレス

東海道新幹線・東海道本線の米原駅から東海道本線を経由し、大阪駅に至る特急である。毎日運転せず、平日のみの運行である。

大阪行きは早朝に運行され、米原行きは日没後に運行される。また、米原行きの一時間前に大阪発草津行きのびわこエクスプレスも運行される。なんと草津行きのみディーゼル車で、米原発着便は電車である。大阪近郊は特急はまかぜや特急スーパーはくとが走っているので、草津行きは都合によりいずれかのディーゼル車特急を「間合い運用」でびわこエクスプレスに充当しているのであろう。

新大阪~米原間には東海道新幹線も運行されており、特急料金が不要の新快速も運行されているため、びわこエクスプレスに利用客がいるかはなはだ疑問ではあるが、新幹線の停車しない彦根~山科の客がどうしてもすわりたい場合に利用されているのであろう。そんなわけでどうにかこうにかこの特急は存続しているようである。


ふじかわ

東海道新幹線・東海道本線の静岡駅から東海道本線で富士駅に行き、そこから身延線を通って甲府駅に至る電車の特急である。

甲府と静岡の間は高速道路は走っておらず、最も速い交通手段は鉄道なので多少は客がいるかもしれないが、甲府と静岡の間のみの交通需要がそれほどあるとは思えない。

甲府と名古屋、甲府と大阪といった需要ならありそうで、そういった客に使われているのであろう。また、若干ながら途中駅利用者にも使われていそうであり、今後とも存続しそうな特急である。


わかしお

東海道新幹線などが通る東京駅から京葉線で蘇我に行き、そこから外房線で安房鴨川に至る電車の特急である。

安房鴨川発着の電車のほか、途中駅の茂原(もばら)・上総一ノ宮(かずさいちのみや)・勝浦発着の電車もある。一部の安房鴨川行きには勝浦~安房鴨川間を普通列車として運用する電車もある。安房鴨川を出る方は全区間特急である。

運行開始当初は東京~蘇我間は千葉経由(東京~千葉は総武本線・千葉~蘇我は外房線)で運行されていたが、平成初期に特急成田エクスプレスが走るようになると総武本線の特急の数の増加により、内房線の特急さざなみと外房線の特急わかしおは東京~蘇我間を京葉線経由で運行するよう変更されてしまい、千葉駅は通らなくなった。さらに東京駅も他のホームとは離れた京葉線ホームとなり不便になったわけである。

千葉県は1990年代後期に川崎~木更津間に東京湾アクアラインが開通するとアクアライン経由の高速バスが多数走るようになり、アクアライン以外の高速道路も徐々に数を増やしてきた。

そしてそれらの高速バスは所要時間に難はあるものの、運賃に関しては千葉県関連のJR特急よりずっと安く、とうとう鹿島線の特急あやめは廃止され、内房線の特急さざなみも短縮され数を減らしてしまった。

外房線沿線にも高速バスは走ってはいるが、なんとか特急わかしおは運行開始当初とそれほど変わらない本数を保てている。だから客は多少はいるのではないだろうか。

とは言っても高速道路はさらに延伸しており、この特急わかしおも予断を許さない状態である。なんとか続いてほしい特急である。