124.ムーンライト八重垣と博多南駅
説明
とある鉄道の趣味のメーリングリストでとある人が、友人が都合が悪くなったので、ムーンライト八重垣(やえがき)とふるさとライナー九州(ムーンライト九州が、年末年始はこう呼ばれる)の指定席券が余ったから誰か買ってくれないかとメールしてきました。年末に1日休暇を取れば行けそうですが、上司が許可するかどうかわかりません。
ためしに休暇を取っても良いかお願いしてみたらOKになったのでどちらも買うことにしました。それとともに、新品の青春18きっぷもあるんだけど買わないか、とその人が言ってきました。どうやらこの冬は18きっぷを10回分使いそうだと考えたのでそれも買うことにしました。
ムーンライト八重垣に乗る前の日のムーンライトながらの指定席券は売り切れでしたので、臨時の大垣行きの夜行で行くことにして、次の日のムーンライト八重垣に乗るまでは、関西のできればまだ乗っていない路線に、JR・私鉄を問わず乗ってみたいと思いました。
そしてムーンライト八重垣が出雲市に到着してからはそのまま山陰本線を進むと午後3時ごろ下関に着くので、適当に九州に行き、ふるさとライナー九州に乗る前に博多南線に乗ろう、そこから先はまっすぐ東京まで帰り、東京を経由して実家まで帰ろうと計画を立てました。
夜行快速が3回も続き、体力が続くか心配でしたが、根性でがんばろうと思いました。
本当なら実家に行くのに1回分、正月に今度廃止される美祢(みね)線の大嶺(おおみね)支線に乗るのに3回分使って、残り1回分でどこかに行こうかと考えていたのですが、突然青春18きっぷがかなり余ることになったので、どうしようか考えることにしました。
まずは天皇誕生日近辺でどこかに行き、あと3回分は成人の日近辺でもう1回実家に帰ったり、また大垣行き夜行でどこかに行こうか、と考えました。
東海道本線その1
品川駅
山手線は、無事品川駅に到着した。
いつものように臨時大垣行きの出る臨時ホームに行く。
今年の3月はじめまではこのホームに定期大垣行きと臨時大垣行きが両側から出るため、非常に混雑した。しかし3月途中から定期大垣行きは東京始発のムーンライトながらになったため、その分待つ客は減った。
臨時の大垣行きは編成が多少短くなることが多く、それも階段よりやや川崎寄りに停車することが多いため、川崎寄りに歩いていくことにする。
ムーンライトながらは満席だが、あしたがまだほとんどの会社が出勤日のため、サラリーマンが少なく、なんとかこの臨時大垣行きにもすわれそうである。
入線時刻が近づいてもそれほどお客が増えるわけでもない。そのまま入線して電車に乗る。無事すわれた。
そう言えば去年の夏に「新幹線の回数券が使えないから大垣行き夜行に乗ることにした」という酒飲みのおじさんがいたっけなあと思い出した。
確か回数券が使えなくなるのは冬は12/28から1/4までで、今日はまだ12/28になっていないから、もし休暇を取ってきょう帰る人は新幹線の回数券を使うのかな、と思った。
品川〜岡崎
ムーンライトながらが港南口寄りの東海道本線ホームに停車し、また発車していく。そして臨時大垣行きも発車する。
今回の旅行は帰省も兼ねていて、洗濯物が入ったバッグを持っている。夜行3連泊でちょっとたいへんだが、今年1月の四国旅行でもなんとかなったし、がんばって旅しようと思った。
まずは眠らなければならない。いつもだとたいてい熱海あたりまでは眠れないものだが、今日もそうだった。
それでもなんとか眠れて、起きたら浜松を過ぎていた。そのまま豊橋でムーンライトながらを追い越し、岡崎に着いて大垣行きを降りた。改札で川崎までのきっぷと青春18きっぷを見せて、3日目のところにスタンプを押してもらう。
最近同じように岡崎で降りて米原行きに乗る人が増えているようだ。この日もそうであった。
改札を出てローソンに行ってとろろそばを買う。そして駅に戻って米原行きを待つ。
岡崎〜弁天町
米原行きが入線した。この電車はムーンライトながらが走り始める前から同じ電車だ。今日もとろろそばを食べて眠る。
起きると関ヶ原のあたりである。そう言えば今年1月は岡崎のあたりから滋賀県のなかばまでずっと雪が積もっていたことを思い出す。今日は雪は降っていないようだ。そのまま米原着。
向かいの新快速に乗り換えである。今日は大阪で降りる必要があるが、眠っても起きられるだろうと思い、ちょっと眠る。
起きると京都を過ぎていた。
淀川を渡り、大阪に到着である。
何回目になるか忘れたが、階段をおりてのぼって大阪環状線に乗り換える。今日は弁天町に行くのだから西九条まわりの電車に乗らなければならない。無事やってきたので乗る。今日もすわれた。
まぶしい午前中の太陽の光を浴びながら電車は進み、弁天町に到着した。さあ、長い旅行のはじまりだ。
大阪市営地下鉄・中央線
計画
東海道線を大阪で降り、大阪環状線に乗り換えて弁天町までやってきた。
ここから地下鉄に乗る予定だ。
それも、一日乗車券を買って大阪の地下鉄の大半に乗ってしまおうと考えた。
となると順番が問題だ。
まず、あとまわしにして良い路線は、ここ弁天町から大阪港まで延びている路線だ。
なぜなら今年はじめに地下鉄に乗った時に見た路線図に工事中の路線が書き込まれていて、そこには中央線の大阪港とニュートラムの中ふ頭を結ぶ路線が書き込まれていたからだ。
もうすぐ開通だがまだ完成していない。
だからあとまわしにするのだ。同じように四つ橋線もニュートラムにつながっているので住之江公園に近いところはいずれ乗るからあとまわしにして良い。
それからすでに乗っている路線を数えてみた。以下の通りだ。
・中央線・本町~長田
・四つ橋線・西梅田~大国町
・御堂筋線・全線
・堺筋線・動物園前~天下茶屋
・谷町線・天神橋筋六丁目~天王寺
これらのことから考えて、地下鉄に効率よく乗るルートを考えた。以下の通りだ。
弁天町(中央線)谷町四丁目(谷町線)八尾南(谷町線)谷町九丁目(千日前線)野田阪神(千日前線)南巽(千日前線)鶴橋(大阪環状線)京橋(長堀鶴見緑地線)鶴見緑地(長堀鶴見緑地線)心斎橋(御堂筋線)動物園前(堺筋線)天神橋筋六丁目(谷町線)大日(谷町線)東梅田
これで乗ってみて、あとは東梅田に着いた時点でまた考えようと思った。
今日は、夜になってから京都からムーンライト八重垣(やえがき)で出雲市に行く予定が決まっているだけで、あとは何も決まっていないので心ゆくまで私鉄に乗ろうと考えた。
大阪は1991年7月のビスタカー旅行から始まって、1993年11月、1994年9月、1995年10月、1996年1月、4月、5月、11月とかなり時間をかけて旅行しているが、まだまだ乗っていない場所は多いので、乗れる場所が残っているのだ。
(「51.ビスタカーってどんな電車だろう」「40.大阪パフォーマンスドールと握手」「98.はじめての夜行バス・加古川線」「112.ムーンライト九州と新宮夜行」「123.ムーンライト高知とムーンライト松山」「5.名古屋と京都に停まらないのぞみ」「65.最後の往復割引航空券」「79.関西のケーブルカーと水間鉄道」の八個)
JR〜地下鉄
さて、弁天町で青春18きっぷを見せて改札を出ると、どこかで朝食でも食べようかと思った。
コンビニでもあればいいのだが。
幸いなことに、ローソンがそばにあった。弁当を買っていこう。
地下鉄の入り口を探して駅のまわりをぐるっと回った。ようやく入り口を見つけた。地下ばかり探していたが、弁天町では地下鉄は渋谷みたいに地上、大阪環状線の上にあるのだ。
別のコンビニも見つかった。まあとりあえず階段を上がろう。
階段を昇りきると自動改札と自動券売機を見つけた。
自動券売機で1日乗車券を買った。まずは地下鉄に乗ろう。
弁天町〜谷町四丁目
「生駒方面」と書かれた案内口を進み、エスカレーターを上がってホームに出た。
しばらくすると生駒方面の電車がやってきた。
電車に乗る。すいていた。中央線はあまり使われていないのだろうか。
電車が発車する。しばらくは高速道路の高架のそばを進んでいく。けっこうながめが良い。
しかしさすがに地下鉄だから、途中で地下にもぐっていった。
そのまま地下を進み、今年5月に来た本町駅にやってきた。ここから長田駅までは乗っている。
さらに進み、谷町四丁目にやってきた。ここで谷町線に乗り換えである。
ローソンの袋を片手に持ちながら、ぼくは中央線を谷町四丁目で降り、谷町線への案内を探し始めた。
谷町線その1
谷町四丁目〜八尾南
大阪市営地下鉄の中央線を谷町四丁目で降り、ぼくは谷町線への案内を探した。
案内に従って八尾南行きホームへとやってきた。
電車がやってきた。弁天町のローソンで買った弁当の袋を抱えてぼくは電車に乗った。
さすがに会社がやっている平日の午前中だけあって電車はそんなに混雑していなかった。
電車は天王寺に着き、どんどん進む。郊外に進む路線の常として、駅ごとにお客がどんどん降りていく。
そしてがらがらになったころ、あかりが差し込んできた。
谷町線の八尾南駅は弁天町と同じく地上にあるのだ。
まあ、地上に地下鉄の駅があるのはどこの都市でも珍しいことではないのであまり驚くことでもない。電車はホームに到着した。ホームに降りて進み、自動改札に1日乗車券を通して改札を出た。
八尾南〜谷町九丁目
駅前はどうなっているのかなあと思って出てみたら、ちょうどうまいぐあいにすわるところがある。
ここで弁当を食べることにした。もぐもぐもぐ。コンビニの弁当はどこでも同じ味だ。
都会ではあたりまえのようにコンビニがあるが、田舎でもコンビニが津々浦々にできており、どこでも弁当が同じ味なのでとてもありがたい。
ありがたさをかみしめて食べ終わった。さあ、また地下鉄の旅に戻ろう。
改札を通って電車に乗った。電車が発車する。行きとは逆に天王寺に近づくにつれお客が乗り込んで来る。とは言え満員になるほどでもない。
電車は天王寺に着いた。降りる客もいるが乗る客もいてあまり車内は変わらない。
さて、ここから先は千日前線に乗り換えである。乗換駅は時刻表によると谷町九丁目である。
案内に注意し、なんとか谷町九丁目で電車を降りた。
さあ、まだまだがんばろうと、ぼくは千日前線への案内を探し始めた。
千日前線
谷町九丁目〜野田阪神
ぼくは谷町線を谷町九丁目駅で降り、階段をおりたり昇ったりして、千日前線のホームにやってきた。
ここはまだ一度も乗っていないので、終点から終点まで乗る必要がある。
まずは野田阪神に行こう。
やってきた野田阪神行きの電車に乗る。
もうすぐお昼であるが、あいもかわらず真っ暗な中を地下鉄に乗り進んでいる。
お客も少ない。なんばを通るわりには使われない路線のようだ。
すいすい進んで、電車は終点、野田阪神駅に到着した。
まずは改札を出てみよう。
野田阪神〜南巽
1日乗車券を通して改札を出ると、阪神への案内があった。
なんとなくぼくは疲れてしまい、このまま地上に出るのがおっくうになった。
どうせここの阪神には今年5月に通っていることだし、無理に外に出る必要もないだろうと思った。そしてまわれ右し、また改札を通ってホームに行った。
そしてまた電車に乗る。発車する。
きのう乗った大垣行き臨時夜行では多少は眠れたが、まだ眠い。
まして終点まで行くので安心して眠れる。そう考えてしばらく眠った。
気がつくと鶴橋を過ぎているようである。
南巽駅周辺
しばらくして電車はもう一方の終点、南巽(みなみたつみ)に到着した。
さすがにここでは外に出なければならないだろうと思い、改札を出てみた。
駅周辺の案内図があった。どうやらこの近くにお寺があるらしい。
通路を進み、階段を上がる。八尾南以来ひさしぶりに見る太陽がまぶしい。
出口のそばにあった道路は、けっこう車通りの多い道路だった。まちなかと言った雰囲気のところである。案内を思い出しながら進むと、鉄の小さなドアがあった。
ドアをあけて進むとお寺のようだった。でも人は全くいない。
なんだかこじんまりしたお寺のようだなあと思いながらさいせんでもあげようと考えた。
なんとかさいせん箱を見つけて5円入れた。今回の旅行もきのうの夜を1日と考えると4日間の長丁場だ。無事帰れるように祈っておく。
南巽〜鶴橋
同じ道を進んで南巽駅まで戻ってきた。やっぱりぼくの旅行は鉄道に乗らない時はお寺や神社に行くことが多い。なんとなく安心するのだ。
階段をおり、改札を通ってホームまでやってきた。次に乗るのは長堀鶴見緑地線である。
千日前線からだと多少乗り換えに工夫を要する。ぼくは鶴橋から大阪環状線に乗り換えて京橋で乗り換えるルートを選んだ。地下ばかりだと飽きるのでたまには地上の大阪環状線もはさもうというわけだ。
電車に乗ってちょっと進むとすぐに鶴橋駅に到着した。さあ、ひさしぶりにJRだ。自動改札を通り、地上に出た。確か鶴橋駅は近鉄の改札とJRの改札がすぐ近くにあったんだった。
間違えないようにしないとなと思いながらしまっていた青春18きっぷを取り出し、JRの方の改札を見つけて進んでいった。
大阪環状線
旅行記本文
千日前線を鶴橋駅で降り、地上に上がってJRの改札を青春18きっぷを見せて通った。
階段を進んで大阪方面のホームに出る。電車がやってきたので乗る。なんとかすわれた。
このあたりは弁天町・西九条の方より若干お客が多いようである。京橋近辺には大阪城もあるし、観光地が多いのだろう。
だが御堂筋線よりは客が少ないようだ。やっぱり環状線はなんばを通らないというのがつらいところである。
そんなことを考えているうちに電車は京橋駅に到着した。ここで降りる。
どの通路を進むと地下鉄に乗り換えるのに便利かわからないが、まあ遠い出口から出たら散歩のつもりで歩こうと思いながら、青春18きっぷを見せて改札を出た。
長堀鶴見緑地線
JR〜地下鉄
大阪環状線を京橋駅で降りた。
今年の1月にも淀屋橋から京阪電車に乗ったり片町まで往復したりして京橋駅には降りているが、なんと言っても3年前に大阪パフォーマンスドールの女の子たちと握手するため京橋コムズガーデンに行った思い出が強く残っている。
そう言えば京橋コムズガーデンの近くには今日行く地下鉄の京橋駅があったなあと思い出す。
あの時は大阪環状線を京橋駅で降りて、地上を歩いてコムズガーデンまで行ったが、地下鉄の駅があるくらいなら地下道でつながっているんだろうと考えた。
なので、今日はその地下道を進むことにする。
地下鉄の案内を見つけた。案内に沿って地下道を進んでいく。3年前もかなり歩いたが、今日もけっこう歩いた。すると前方に見覚えのある地下の吹き抜けの階段が見えてきた。
と、その手前に食堂が見えた。なになに?ランチ777円?消費税3%だからぴったり800円か。
よし、もうお昼だし、ここで昼食にしようと思い、食堂に入った。
ありきたりのランチだったが、さすがに大阪はものがうまい。長居してしまった。
食堂を出てコムズガーデンに向かう。
京橋〜鶴見緑地
3年前はこの階段のところで大阪パフォーマンスドールの女の子たちと握手したんだったなあと思い出しながらまわりをながめてみた。ながめていてもしょうがない。さあ、地下鉄に乗ろう。
1日乗車券を取り出して自動改札を通り、階段をおりてホームに向かった。
ホームで待つと鶴見緑地行き車両がやってきた。乗る。せまいなあ。
何年か前に池袋のサンシャインで酒井美紀ちゃんと握手するついでに練馬まで行って光が丘まで都営12号に乗ったが、それとほぼ同じ車両だ。確かリニアモーターで動いているって聞いたことがある。
多少はお客はいるが、満席になるほどでもなく、電車は進んでいく。やがて鶴見緑地に着いた。
階段を昇り、改札を出てみた。
鶴見緑地〜心斎橋
そこも京橋駅と同じく、地下からの吹き抜けになっている場所であった。太陽がまぶしく地下1階の地面に照りつけている。階段を昇り、あたりをながめてみた。
車通りの多い道路に面している。近くには大きな建物はないようだ。
確かこのあたりで「花博」というのが開催されたという話を聞いたことがある。とすると、ここは花博跡地ということになる。どこの博覧会の跡地もたいてい大きな建物が建たないので、それでひろびろしているのかなあと考えた。
とりあえず用はない。予定通り心斎橋に行こう。
また1日乗車券で改札を通り、ホームに来て電車に乗った。そして電車は発車する。
けっこう人が乗ってくる。京橋に着いて人が入れ替わる。
その後、思ったよりも人は乗って来ないうちに電車は終点、心斎橋に到着した。
さあ、ここからは堺筋線につなぐために御堂筋線で動物園前に行かなければならない。
がんばって通路を進もうと、ぼくは御堂筋線への案内を探した。
御堂筋線
旅行記本文
長堀鶴見緑地線の心斎橋駅から長い通路を通って、ぼくは見慣れた御堂筋線へとやってきた。
電車がやってきたので乗る。今日も御堂筋線は混雑している。
今日は御堂筋線はつなぎに使うだけである。たちまち電車は動物園前に着いた。
まだまだ夜までは時間がある。がんばって進もうとぼくは、先月の旅行に引き続いて動物園前で堺筋線への通路に進んでいった。やっぱり一度行った場所はなんとなく場所を覚えているので行きやすい。
堺筋線
旅行記本文
動物園前で通路を通り、御堂筋線から堺筋線ホームにやってきた。先月と違い、今日はこれから天神橋筋六丁目(てんじんばしすじろくちょうめ)に行くのだ。
電車がやってきたので乗る。先月と同じくあまり混雑していなかった。
今日は鶴見緑地で外に出て以来外を見ていないので、天神橋筋六丁目では今年1月と同じようにまた外に出てみようと思った。1月と同じく谷町線への乗り換えなのでたぶんその方がわかりやすいだろうと考えたからだ。
電車は進む。ずっと似たような地下鉄にばかり乗っているとだんだん気が滅入ってくる。特に今回の旅行は足かけ4日の大旅行で、今日は2日目なのだ。もう少しがんばろう…と考えているうちに電車は天神橋筋六丁目に着いた。
改札を見つけ、1日乗車券を自動改札に通して外に出てみた。階段を上がり、地上に出た。
1月と同じく車通りの多い交差点の風景である。時計を見るとまだ午後2時前であり、今日乗る地下鉄はあとはここから谷町線の大日(だいにち)まで乗ればいいので、地下鉄以外の路線にかなり乗れそうだと思った。でもひょっとしたら大日からおもしろそうなバス路線でも出ているかもしれない。
もし何かおもしろいバスが出ていれば乗ってみようか、などと思いながら1月に見つけた谷町線の改札の方向に向けて階段をおりていった。
谷町線その2
天神橋筋六丁目〜大日
堺筋線を天神橋筋六丁目で降り、いったん地上に出て谷町線への入り口を探した。
ことし1月にも来た場所なので入り口はすぐに見つかり、自動改札に1日乗車券を通して大日(だいにち)行きのホームに来た。
電車がやってきたので乗る。多少混雑している。
しかし郊外に行く路線なので、駅ごとにお客が降りていく。そして大日に着くころにはお客は数えるほどになった。
電車は大日に到着した。まずは地上に出てみよう。1日乗車券を通して改札を出た。
階段を昇って出てみると、そこは車がひっきりなしに通る大通りと、高速道路のようなものが交わる場所であった。あたりには特にお店っぽいものもなさそうである。
ぼくの持っている1日乗車券は大阪市営バスにも乗れるらしいので、もしこのあたりに大阪市営バスでもあって、近くのJRの駅まで連れていってくれるようなら乗ってみたいなあとバス停を探した。
しかし、そこにあるのは京阪のバス停であった。どうやら地下鉄のエリアよりもバスのエリアは狭いようである。とりあえず予定通り、ここから東梅田まで戻ろうと考えた。
大日〜東梅田
大日のホームに戻り電車に乗った。電車が発車する。駅に着くごとにお客が増えていった。
さてこれからだが、とりあえず今日の1日乗車券は東梅田で終わりにしよう。
そこから先だが、東梅田は阪急の梅田駅のすぐそばだから、阪急に乗って京都の方まで行ってみようと考えた。
京都には京福電鉄が四条大宮から出ていて、そこに行くには阪急の電車を大宮で降りれば良い。
しかもKATT(大阪の時刻表)によれば、梅田からは十三(じゅうそう)に停車するだけであとは大宮までノンストップという特急が出ているようだ。よし、この特急に乗って大宮で乗り換えて嵐山に行き、阪急の嵐山駅まで歩いて桂(かつら)まで行き、そこから河原町まで行こうと考えた。阪急なので5月に買ったラガールカードも使える。
予定を立てているうちに電車は天神橋筋六丁目を過ぎ、東梅田に到着した。ここで降りる。
地上に出ると大きな交差点があり、大阪駅も見えた。そして阪急梅田駅もあった。まだ時刻は午後3時過ぎである。がんばって夜まで私鉄に乗りまくろうと考えた。
阪急電鉄・京都本線
梅田〜十三
ぼくは大阪市営地下鉄の東梅田駅から地上に出て、1ヶ月ぶりの阪急梅田駅に向かった。
階段を昇り、改札に出た。ラガールカードを通して改札を通った。
さて、今日は阪急の大宮まで行けばいいから特急に乗ればいいな、と考えた。河原町行きの特急に乗ればいいな、と考えた。すぐにそれは見つかった。乗ってすわる。
じきに発車時刻になった。電車が発車した。
ふと進行方向左手の方のホームを見ると、同時に発車していく電車が2本あった。三宮(さんのみや)に向かう電車と宝塚行きの電車だ。
あとでKATT(大阪の時刻表)を見てわかったのだが、阪急の梅田駅を出る電車は河原町、宝塚、三宮の3方向に向かう電車が同時に発車するのだ。
したがって、梅田-十三(じゅうそう)の間のレールは3往復分、6本通っているということだ。
梅田-十三間に淀川が通っていることを考えると、このレールの数はすごいなあと思った。
十三〜大宮
さて、特急はその淀川を渡っていく。隣の2本の電車は全く同時というわけではなく、前後しながら十三に向かっていった。そしてスピードを落として十三着である。
十三ではあまり人が乗って来なかった。そしてまた発車である。この特急は目的地、京都の大宮に行くまでノンストップである。3つの電車は3方向に向けて発車していった。
電車はずんずん進む。
そのうち畑や森の見える風景になった。
JRではこんなふうに森が見えるようなことはないので、かなり阪急は山沿いに線路が敷かれていることになる。なかなかいい景色だなあと思う。
そのまま、ちょっとたいくつな数十分が過ぎた。
森から京都の市街地に入り始めたころ、電車は地下へと降りていった。
阪急〜京福
そしてそのままスピードを落とし、阪急の大宮着である。
電車を降り、階段を昇って改札に行き、ラガールカードを通して改札を出て、さらに階段を昇ると外に出た。
そこはスクランブル交差点であった。
さて京福電鉄の四条大宮駅はどこにあるのだろう。
スクランブル交差点の向かい側を見ると、どうやら駅舎っぽい作りの建物のようだ。あれがどうやら四条大宮駅のようだ。
ぼくは嵐山に向かおうと、信号が青になったスクランブル交差点を渡り、四条大宮駅に到着した。
京福電鉄・嵐山本線
旅行記本文
阪急の電車を大宮駅で降り、スクランブル交差点を渡って京福の四条大宮駅に出た。
都会にあるわりにはかなり古い駅舎である。券売機で嵐山まできっぷを買う。
なんとも暗いホームである。そのうち電車がやってきた。嵐山方向からのお客が降りて、ぼくたちが乗る番になった。
車両の数はそれほど多くない。このくらいでやっていけるようだ。
年輩のおばさんが多いので、立っていくことにする。電車は発車する。
電車は住宅街っぽい場所を通り過ぎていく。駅の数が多く、お客の乗り降りも多い。
そのうち嵐山に近づいた。10月に山陰本線で嵐山に行って、早朝に歩いたが、けっこういいところだった。今は夕方だが、どんな雰囲気だろう。
お客はそんなに降りずに終点嵐山に到着した。さすがに早朝と違って夕方は観光客が多い。
確か阪急の駅はけっこう離れたところにあるんだよな、と思いながら、ぼくは改札を出て歩き始めた。
阪急電鉄・桂〜嵐山
京福〜阪急
京福電鉄の嵐山駅の改札を出たぼくは、阪急の嵐山駅に向けて歩き出した。
まず駅前の東西の道を西に向けて歩いてみた。すると橋が見えてきた。橋を渡る。
それにしてもけっこう観光客がいる。今日はまだ勤め人は勤めに出ているころである。
学生とかかもしれない。けっこう車が多い。嵐山は車の観光客とか多いのかもしれない。
きれいな川を渡り終わると道は左に曲がっていき、川に沿って南に進んだ。
せまい道で、すれちがう車が路肩まで車輪を上げてなんとかすれちがうので、歩行者のぼくは、さらによけながら進まなければならない。あたりの家はけっこう古そうな家で、なかなか京都の嵐山っぽい家であるが、なんとも車がつらいところである。
嵐山〜桂
なんとか道を南へ南へと進むと、ようやく左手に阪急の駅らしい古びた小さな駅舎が見えてきた。
阪急嵐山駅であった。
駅に入ると小さな駅には似つかわしくない自動改札がちゃんとあった。
持っていたラガールカードを通すとちゃんと通れた。さすがに阪急、小さな駅であっても手抜かりはないぞ、という確固たる意志を感じてしまった。
ホームの電車もけっこう新しい電車で、なんとなく嵐山っぽくないなあなどと考えてみたりした。
電車に乗る。お客は3分の1もいないまま発車である。
薄暗くなったいなかの風景をことこと進み、あまりお客の乗り降りもないまま電車は終点、桂(かつら)に着いた。さて、ここで乗り換えである。
桂〜河原町
河原町方面のホームに行き、電車を待つ。ここからどうするか考えたが、河原町まで行って、駅からちょっと歩くと京阪電鉄の四条(よじょう)まで行けるらしい。そこから一気に大阪の京橋まで特急で行ってしまおうと思った。そこからはJRで、つまり青春18きっぷで京都まで戻ってこよう、そのくらいの時間はあるな、と思った。さあ、がんばろう。
河原町行きの普通列車がやってきた。乗る。
意外と混雑していない電車はすいすい進むとやがて地下に入っていった。そして1時間ちょっと前に通った大宮駅を過ぎる。
烏丸駅を過ぎ、終点河原町駅である。けっこう降りる人が多い。
阪急〜京阪
もし「→四条駅」などという案内があったらチェックしようと思っていたが、見つからない。
見つからないまま降りる人に続いて自動改札にやってきた。ラガールカードを通して改札を出る。
階段を上がると東西に続く大通りの北側に出た。ぼくは道を東に歩いた。
そのうち橋が見えてきた。嵐山の橋もいいが、この京都市内にある川も良いながめである。
渡り終わってあたりを見回すと、あったあった。四条駅の入り口である。
ぼくは歩道にあった四条駅への下り階段をおりていった。
京阪電鉄・京阪本線
発車
阪急河原町駅を出て川を東に渡り、京阪の四条駅の入口から階段をおりていった。
自動券売機の前に出たので京橋まできっぷを買った。大阪市営地下鉄1日乗車券があるので淀屋橋まで行って御堂筋線で梅田に行ってもいいのだが、なんとなくまたあのゴミゴミした淀屋橋駅に行くのがおっくうで、むしろあの京橋のオルゴール時計をまた見に行きたくなって京橋まで買うことにした。
自動改札にきっぷを通して通り、階段をおりてホームに出た。さあ、今日は去年東福寺に行った時と違って特急に乗れば良い。特急は七条~京橋間ノンストップだ。つい3時間前に乗った阪急の十三~大宮間ノンストップ特急と同じで気持ちいいんだろうなあと思った。
特急淀屋橋駅行きがやってきた。特急はロングシートではなく2列席である。
ドアが開いた。見回したがあまりお客はいない。もう日が暮れてしまっているが、どうやら大阪から京都へと通っている人はそんなにいないらしい。
すいた列車に乗って七条まで来た。七条まで来てもあまりお客も乗って来ず、さらに進んだ。
いよいよノンストップである。地上に出た。もう日が暮れているのでまわりは良く見えないが、阪急みたいに見通しの良い場所は通らず、ごみごみした町中を通っているらしい。
到着
町中を通っているせいか、なんとなくそんなにスピードが出ているような気がしない。実際そんなに出ていないのだろう。普通列車が前に詰まっているのかもしれない。
暗い中を列車は京橋に向けて進んでいく。お客が少ないせいかなんとなくぼんやりしてくる。
そのまま数十分が過ぎ、ようやく「まもなく京橋です」のアナウンスがある。
そして電車は京橋駅に到着した。
さて、今日は阪急で京都に行ったり、京阪で大阪まで戻ったりしていたが、友人といっしょに京都駅から出雲市行きの夜行列車に乗る予定になっている。だからまた京都に戻らなければならない。阪急、京阪と乗ったから今度はJRで行こうと考えた。
そうなるとまずは大阪環状線に乗り換えなければならない。ぼくは今年1月の旅行と同じように自動改札にきっぷを通し、JRの駅は確かこっちだったよな、と思い出しながらJR京橋駅へと進んだ。
東海道本線その2
京橋〜大阪
四条から乗ってきた京阪の電車を京橋で降り、JRの駅はどっちだろうと見回してみた。
うろうろしながらなんとか見つけた。距離的にはJRと地下鉄との距離より若干短いが、それでもけっこう距離があり、なんとかJRの駅に着いて、青春18きっぷを見せて改札を通った。そして数時間ぶりにまた大阪環状線の大阪方面のホームに来た。
もう日が暮れているので混雑してきている。今日が今年最後の出勤日というサラリーマンも多いようで、電車にはすわれなかった。暗い中を電車は進み、大阪に着いた。
大阪〜京都
階段をおりてのぼって長浜行き新快速の出るホームに来た。京都まで行くなら新快速に乗る必要があるだろう。
新快速がやってきた。さすがにすわれない。
電車は淀川を渡って新大阪に着く。大きな荷物を持った人が降りていく。それでもすわれない。
次の停車駅は京都なのでこのまま立っていくことになる。
暗い中、静かに時間が過ぎていく。こうやって今年も終わっていくのだ。
そして新快速は京都に着いた。でもまだムーンライト八重垣が出るまでは時間がある。
京都〜太秦
ぼくはまだ乗っていない、京福電鉄の北野線に乗ろうと思った。
京都から四条大宮に行くのは面倒だが、山陰本線で太秦(うずまさ)まで行けば、北野線が出る帷子ノ辻(かたびらのつじ)まで歩いていけるだろう。
階段を上がっておりて山陰本線のホームに来た。電車に乗る。福知山の方まで行く電車は混雑するのだろうが、この電車は途中までなのでそんなに混雑しない。電車は発車する。
暗い中、ごとごとと進んで電車は太秦に着いた。青春18きっぷを見せて改札を出る。さあ、帷子ノ辻まで歩こう。
京福電鉄・北野線
JR〜京福
京都から乗ってきた山陰本線の電車を太秦(うずまさ)で降りた。
ここから京福電鉄の帷子ノ辻(かたびらのつじ)まで歩こうと思っているが、帷子ノ辻は南にあるらしい。でもJRの太秦には北口しかないようだ。
踏切を渡ろうと東に進む。踏切が見つかったので南に渡る。
そこから進んで進んで、なんとか京福の帷子ノ辻に到着した。
まずはホームに行く。北野白梅町行きはここかなと思ってホームに出るが、妙に客が少ない。そしてやってきた客が、なぜかホームにある小屋の向こうに歩いていく。
ぼくはもしかして、と思って小屋の向こうに行くと、ありゃ。北野白梅町行きの電車があった。
そう言えば小田原駅で小田急の電車を降りてから、箱根登山鉄道のホームを探した時もけっこうわかりにくい位置にあったなと思い出した。
帷子ノ辻〜北野白梅町
電車に乗る。すわることができたが、けっこうお客がいる。地元の住民しか使わないような電車だが、けっこうお客がいるものだ。
電車は発車していき、駅に停まるごとにお客がどんどん降りていく。
何分もかからずに終点、北野白梅町に到着した。
さてここからはバスがあればバスで京都駅に行きたいところだ。
バス
時刻表を見るとJRのバスがあるらしいのでバス停を探してみる。しかしこのバスは夕方までしか走ってないようで、最終バスは終わってしまっている。
しかたがないので京都市営バスのバス停を探すことにする。でもこっちのバス停は京都行きじゃないようだ。
京都駅行きのバス停はどこだろうとうろうろするうちにバスが見えた。京都駅行きだ。バス停の前で手を上げてると停まった。
バスに乗ったのはいいが、運転手がこのバスが停車するのはこのバス停じゃないとか、銀閣寺がどうのこうのぼくが知らない地名がどうのこうのゴチャゴチャ言っている。よくわからないが、「ぼくは京都でバスに乗るのはきょうがはじめてなので、むずかしいことをゴチャゴチャ言われてもわかりません!」と言ったら運転手は黙った。
あとで郷ひろみの「ダディ」を読んだら郷さんが京都で不親切な扱いを受けたとか書いてあったが、この運転手のことを考えるとやっぱり京都の人は冷淡な人が多いのかなと思うのである。
夜遅いので道はすいていて、すいすい進んで京都駅に着いた。
まだムーンライト八重垣が出るまで時間があるので、コンビニでも探そうと歩き始めた。
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