126.三重県のねこ・和歌山の鉄骨飲料・2日目
和歌山線その1
王寺〜大和二見
奈良から乗ってきた電車を王寺で降り、五条行きの電車に乗り換えた。
もう奈良で夕食は食べているのであとは無事にホテルまでたどりつければいい。日が暮れてもけっこう混雑している電車で、もう景色は見えないがお客がそこそこ乗ったまま五条に着いた。そして和歌山行きに乗り換える。今度はお客は少ない。
1駅進んで大和二見(やまとふたみ)で降りた。今日の宿はこの駅がもより駅である。
どうやら無人駅らしく、改札に人はなく、ホテルらしきものも駅前には見あたらない。とりあえず公衆電話を探そう。
リバーサイドホテルに電話すると、改札を出て左に進めばいいと言う。進むとファミリーレストランがあり、そのとなりにリバーサイドホテルがあった。入ってチェックインする。
あしたもお世話になるホテルである。あしたの夕食はさっき見えたファミリーレストランで食べよう。
奈良で買った柿の葉ずしの賞味期限を確認すると、やはりきょうじゅうに食べたほうがいいようだ。食べてしまおう。
柿の葉ずしを食べる。かなりうまい。いいすしだなあと思った。
それからぼくは風呂に入って眠った。
大和二見〜和歌山
目が覚めた。今日は朝8時前の電車に乗ることにしているので急いでホテルを出て駅に向かった。そして無人の改札を通り、来た和歌山行きに乗る。
青春18きっぷの日付は、やってきた乗務員にボールペンで入れてもらった。
そのまま山に囲まれた風景を見ながら、去年4月に通った橋本駅を過ぎていく。
そして去年1月に見た川の風景を見る。去年は午後だったが、今日は朝である。多少景色が違うような気がする。
そして時間が過ぎ、天気のいい平日に、谷間を抜けて終点和歌山駅にやってきた。ここで降りる。
さあ、和歌山から南の紀勢本線を昼間通るのは初めてだ。どんな景色なのかなあとわくわくしながら、ぼくは藤並(ふじなみ)に向かう電車を探した。
紀勢本線その1
旅行記本文
大和二見(やまとふたみ)から乗ってきた電車を和歌山で降りて紀勢本線の電車の出るホームに向かった。
停車していた電車は関西地方でよく見られるような電車だった。平日午前中なのでそれほどお客もなく、電車は発車していく。和歌山の市街地をはずれるが、しばらくはそれほど家並みがとぎれるわけではない。
このあたりはおととし10月に通ってはいるが、新大阪発新宮行きの夜行であった。だから昼間の景色は初めてである。
そのうち海が見えてきた。なんだか見覚えのある建物である。海に浮かぶデジタル時計のようだ。
おととしも闇夜の海に浮かぶあのデジタル時計を見たんだった。
そんな海の景色が見え隠れしながら電車は進んでいく。
そしてそれほど都会でもない駅、藤並(ふじなみ)に到着した。ここで降りる。
さあ、いよいよ和歌山南部の私鉄めぐりである。1日に数本しか走っていない有田鉄道ってどんな鉄道なのか、ぼくはわくわくしていた。
有田鉄道
公園
ぼくは和歌山から乗ってきた紀勢本線の電車を藤並(ふじなみ)で降りた。時刻表通りだとすぐに有田鉄道の金屋口(かなやぐち)行きが出ているはずだ。
しかし有田鉄道ホームに行って時刻表を見てみると、なんと手持ちの時刻表と違って30分ほど待つダイヤになっていて、すぐ出る金屋口行きはバスになっていた。
この3月に時刻が変わっていたのである。しかたがないので駅の近くを散歩することにした。
自動販売機にふだん飲まない白い色の炭酸飲料があったので買ってみた。あとで飲もう。
駅のそばには変わった公園があった。あずまやっぽい屋根があっていすがある建物があり、そのまわりに金属でできた見たことのない遊具施設がいくつかあった。
遊具施設と言っても雨ざらしなのでかなりさび付いていた。なぜこんなものがあるかわからないが、まあいいかと藤並駅に戻る。
ディーゼル車
有田鉄道の藤並駅は、いったんJRの駅に入り、階段を渡った先にある。そこで金屋口まできっぷを買う。
お客はけっこういる。青春18きっぷシーズンなので鉄道ファンも多少いるようだが地元客が多そうだ。ディーゼル車はけっこう古そうなものであった。そして発車。
駅を出ると緑色の、なんだか変わった植物の畑っぽい場所を通る。
すぐにあれはみかんの木だと気がついた。そう言えば2週間前には弘前鉄道の大鰐線でりんごの木を見たんだよなあと思い出した。全国いろいろなところに行っているなあと思う。
みかん畑を過ぎると終点、金屋口に到着である。建物が多く、けっこうな街である。
バス
駅のまわりをいろいろ歩いてみたが、すぐに藤並行きバスが出る時刻になった。乗ってみると今度も客は多い。バスは出発する。
バスは鉄道より多くの停留所に停車し、乗り降りも多い。なるほどなあ、これではバスの便数を多くした方が便利だろう。
こちらはみかんの木は少なく、住宅の方が多いようである。
そのうちバスは藤並駅に戻ってきた。さあ、今度は紀州鉄道に乗ろうと思い、ぼくはバスを降りて青春18きっぷを取り出した。
紀州鉄道
藤並〜御坊
有田鉄道の金屋口(かなやぐち)駅から乗ってきたバスを藤並(ふじなみ)駅で降りた。そして青春18きっぷを取り出して改札で見せて通った。
じきに紀勢本線の電車がやってきた。今日は平日なのでそれほど混雑もしていない。おととし乗った時は深夜の新宮(しんぐう)行きなので景色を見ておらず、昼間の紀勢本線の景色をながめる。
このあたりはそれほど海のそばを通ってはいないものの、山の間をぬって進むいい景色の路線でおもしろかった。そのまま電車は御坊(ごぼう)に到着した。
さてこれから乗る紀州鉄道の時刻を見てみたが、なんと次の列車は途中の紀州御坊止まりである。とても短い路線なのだが、数時間に1本途中駅止まりの列車があるのだ。しかたない。駅弁でも買って食べよう。
御坊の駅では駅弁を売っていた。「弁当」としか書かれていない弁当が1100円である。ほかにないので買ってみた。すわって食べてみると、お手ふきがあり、いろいろおかずがあって幕の内弁当のようだった。けっこういい弁当だったようだ。
御坊〜西御坊
さあ、西御坊行きの列車に乗ろう。しかしきっぷも売っていなければ整理券も出ないようだ。去年乗った阪堺電軌と同じで、自分でどこから乗ったか申告して降りる駅で運賃を払う、お客のことを信用するシステムである。学生らしい客が数人乗って発車である。
有田鉄道と同じくらいの古い列車である。いい列車だなあ。
景色をながめていると、JRから離れていく路線ではあるが、逆に市街地の中心へと向かっていく路線のようである。なるほど、御坊駅は町はずれで西御坊の方が市街地の中心、というわけである。
紀州御坊で降りていく学生がいて、さらに市街地の中を列車は進んでいく。
そして終点、西御坊に着いた。さて運賃を払って降りる。西御坊駅は、まちなかなのになんとも古い駅舎であった。とりあえずあたりを歩いてみよう。
西御坊~御坊
向こうの方に当時のダイエーの、一部欠けた円形のオレンジ色のマークがあった。スーパーらしい。行ってみよう。
スーパーであった。駅弁を食べてしまったが、お菓子でも買っていこう。
「那智黒」というアメがあったので買っていく。あとでなめてみたら濃厚な甘さのアメであった。和歌山県の名産らしい。ほかにも飲み物とかいろいろ買って駅に戻った。
そして御坊行きに乗る。やはりそれほど客はいない。学生以外は車社会なんだろうなあ。紀州御坊で多少客が乗ってきた。半分以上学生である。
紀州御坊を過ぎると市街地をはずれてきた。なるほど、御坊の市街地に紀勢本線を通そうとするとまわり道になるからここに駅をつくる必要があったのだろう。
なかなか鉄道もたいへんだなあと思いながら列車は終点御坊に到着した。ここで降りる。さあ、また青春18きっぷの旅に戻ろう。
紀勢本線その2
旅行記本文
西御坊(にしごぼう)から乗ってきた列車を御坊(ごぼう)で降りて、しばらく和歌山に向かう電車を待った。
ようやくやってきた。今日は平日ではあるが、多少通学客らしき客がいる。早帰りの学生もいるのだろう。電車は発車する。
しばらく山が見えたり海が見えたりしながら電車は進んだが、そのうち電車が高架に上がっていくような気がした。はて、さっきは高架は通っていなかったような気がするが。
そう言えば、東武とか、阪急とか、線路が高架になる時は複線だと片方の線路が高架になって、しばらくしてからもう片方の線路が高架になったよな、紀勢本線も高架にしているのかな、と思った。
有田鉄道と紀州鉄道でだいぶ時間を無駄にしてしまったが、なんとか和歌山駅に戻ってきた。終点なのでここで降りる。
さて、これから残った南海の3路線に乗るわけだが、まずは多奈川(たながわ)、加太(かだ)に行くことにする。そのためには和歌山市に行かなければならない。
去年1月にも乗った車両に乗る。平日なので学生っぽい客が多いがそれほどでもない。電車は発車する。
市街地を進み、電車は和歌山市に到着した。
改札を出なくても南海のホームには行けるが、それだとあとあとめんどうなので、去年と同じくいったん改札を出てきっぷを買うことにしよう。
青春18きっぷを見せて改札を出た。
南海電鉄・みさき公園〜多奈川
和歌山市〜みさき公園
1年2ヶ月ぶりに和歌山市駅に着いた。まずは青春18きっぷを見せて改札を出ておく。
南海の自動券売機で多奈川(たながわ)まできっぷを買った。
去年このあたりは和歌山港の近くの水軒(すいけん)まで行っているので、今回は残りである多奈川と加太(かだ)までの路線に乗っておくのだ。どちらも電車はかなり出ており、それほど待たなくても乗れそうだ。まずは多奈川まで行き、それから加太に行くことにする。
改札を通り、なんば行きの普通列車に乗った。多奈川に行くための乗り換え駅、みさき公園は急行も停車するようだが、たまたま普通列車が出る時刻だったからである。
電車は発車し、和歌山の市街地を離れていき、山の中に入っていった。
そのまま数駅が過ぎ、山が若干少なくなったころ、電車は乗り換え駅のみさき公園に着いた。
みさき公園〜多奈川
まずは多奈川行きのホームに進んだ。
電車にはあまりお客が乗っていない。そのまま電車が発車する。
電車は進んでいく。海の方向に進んでいくが、海が見える路線ではなかった。とりあえず山は離れていく。
だんだん市街地が近づいてきて、電車は多奈川に着いた。
改札にきっぷを渡して駅を出た。
多奈川〜みさき公園
ちょっとだけ散歩してみることにした。
ここはけっこう車通りの多い市街地である。
どことなく工場が多いような気がする。
ぼくはなんとなく、阪神大震災が起きた時は、普段神戸に行くはずの工業製品の注文がこのあたりの工場に来て、とても忙しくなったのではないか、などという不謹慎な想像をしてしまった。
あとは特におもしろそうな建物も見つからなかったので、多奈川駅に戻り、電車に乗ることにした。加太まできっぷを買い、改札を通ってホームに停まっていた電車に乗った。
電車は発車し、工場地帯を離れていき、山が近くなったころ、電車はみさき公園に戻ってきた。ここで和歌山市行きの各駅停車に乗り換えだ。
南海電鉄・紀ノ川〜加太
みさき公園~加太
みさき公園から和歌山市行きの各駅停車に乗った。また山の中を電車は進んでいく。
そして2駅、紀ノ川駅に着いた。和歌山市の隣の駅であるにもかかわらず、なんとなくこじんまりとしていそうな駅である。
しばらく待つと加太(かだ)行きの電車がやってきた。
多少お客はいる。しかし去年乗った和歌山港(経由、水軒)行きの電車よりお客は少ない。
電車に乗るとすぐに山の中に入っていく。海岸に近づくはずなのに、このあたりは半島の先に向かうため、海のすぐ近くまで山がせまっている地形らしい。
しばらく時間が過ぎた。お客は駅に停まるごとに降りていき、加太に着く時は1車両に何人も乗っていない状態となった。
そのまま電車は加太に到着した。
加太駅前
当然折り返しの電車に乗る必要があるのだが、この駅はホームが2つあって、和歌山市行きの電車は別の和歌山市から来た電車の到着を待ってただちに発車してしまうのである。
だから、きっぷを持って改札に並んだ時に和歌山市行きの電車が発車してしまった。しかたがないので20分後の電車を待つことにする。
改札のそばに駅周辺の地図があった。港が地図にあった。どうやら港はここから歩いて20分ほどであるらしい。しかし淡路島や徳島に行けるわけでもなく、近くの島に行けるだけらしいから、駅のまわりも港を使う客でにぎわっているといった雰囲気ではなかった。
駅前を歩くと自動販売機があった。うれしいことにびん入り「鉄骨飲料」があった。
東京ではめったに見かけなくなっているので迷わず買った。
とかく清涼飲料水・ビールのたぐいは栄枯盛衰が激しく、どんな飲み物でもあっと言う間にお店から姿を消してしまう。しかし、東京で姿を消した飲み物を田舎で目にすることがとても良くあり、見つけてなつかしく飲むことも旅行のだいごみの1つなのである。
加太〜和歌山市
駅に戻って和歌山市までのきっぷを買うと次の電車がやってきた。降りる客も乗る客も少ないまま和歌山市に向けて電車は発車した。
来る時は気がつかなかったが一部海が見える場所があることに気がついた。
そのうち家並みが住宅街から商店街へと移り変わり、和歌山市駅に戻ってきた。
さあ、南海電鉄も残すところは貴志川(きしがわ)線だけだ。がんばって乗ろうと思い、和歌山行きの紀勢本線に乗る前にいったん改札の外に出ることにした。
きっぷを自動改札に通して改札を出た。
紀勢本線その3
旅行記本文
加太(かだ)から乗ってきた電車を和歌山市で降りた。加太で20分待ったこともあり、だいぶ暗くなってきた。でも当初の予定通り和歌山から貴志(きし)まで行って帰っても大和二見に向かう電車には間に合うようだ。とりあえず和歌山に向かおう。いったん南海のきっぷを自動改札に入れて通り、青春18きっぷを見せて同じ改札をふたたび通ってJRのホームに行く。
平日のラッシュの時間帯にもかかわらず、和歌山に向かう電車のお客の数はたいしたことはなかった。そのまま発車である。
同じ道を戻り、電車は和歌山に到着した。
南海もいろいろ乗って、この貴志川(きしがわ)線が最後になってしまった。がんばって乗ろうと、ぼくはホームを探すことにした。
南海電鉄・和歌山〜貴志
和歌山駅
和歌山市から乗ってきた電車を和歌山で降りて、階段を上がった。
しかし南海の貴志川線の案内がない。もしかしたらいったん改札を出なければならないのかな。
そう言えば、1997年当時の米原駅は跨線橋と地下通路が両方あったっけなあ、もしかしたら和歌山駅も跨線橋と地下通路が両方有る駅かもしれないなあと思い、またホームに戻って地下通路を探してみた。あった。
通路を進んでみると、ちゃんと南海のホームの案内があった。良かった。こんな不親切な駅もあるんだなあと思った。他の駅でも同じような駅があったらどこかで役立つかもしれない。
和歌山〜貴志
ホームに上がるときっぷ売り場があったので貴志まできっぷを買った。
しかし、次の電車は「伊太祁曽(いだきそ)」というところに行く電車で、貴志行きは30分後らしい。
終点に行く電車は混雑するかもしれないと思い、伊太祁曽に行って30分待とうと思った。電車に乗ると多少混雑はしていたが、途中駅行きなのでなんとかすわれた。そのまま発車。
電車は市街地を進んでいく。お客はどんどん降りていくが家並みはとぎれない。ようやく伊太祁曽の1駅手前で畑が見えてきた。そして終点伊太祁曽着。
ホームに降りて景色をながめ、30分待つと貴志行きがやってきた。電車に乗る。
すわれるところはあったがかなり混雑していたので、和歌山発車時点ではもっと混雑していただろう。伊太祁曽まで来ておいて良かったと思った。
30分待つ間にすっかり暗くなったのでもう景色は見えないが、たぶん畑の中を進む路線なのだろうと思う。貴志までの間に多少降りる客はいるが、それほどすかないまま終点貴志に到着である。貴志まで来るお客が多いということだ。これで南海も完全乗車ということになる。
貴志〜和歌山
和歌山行きのきっぷを買わなければならないのでいったん改札を出る。
もしも和歌山線の途中の駅に向かうバスなんかあれば乗ってみたいなあと思っていたが、この駅にはバス停はないようだ。自家用車の送り迎えがいて、降りた客が乗っていく。
やっぱり電車で和歌山に戻ろうと思い、和歌山まできっぷを買って改札を通り、また電車に戻った。ほとんど客はおらず、がらがらである。そのまま和歌山に向けて電車は貴志を発車した。
あとは暗い線路を電車は進み、お客もほとんど乗ってこないまま、終点和歌山に到着した。
あとは和歌山線で大和二見(やまとふたみ)まで行けば今日の行程は終わりだが、和歌山線の電車まで時間があるので、いったん和歌山駅の外に出ることにした。
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