背景
ある日、いつものようにぼくはネットサーフィンをしていた。
そうしたところ、こういう情報にでくわした。
・一部の周遊きっぷのゾーン、2002年9月30日をもって廃止!
この情報を入手した時、ぼくは即座に「廃止されるゾーンを使った旅行をしてみよう」と考えた。
時期は11月の文化の日の3連休がいいだろう。さて、どこにしよう。
計画1
いろいろ考えた結果、「播磨(はりま)ゾーン」で旅行しようと考えた。
このゾーンの範囲はそれほど広くなく、智頭急行の宮本武蔵(という名前の駅があるのである。宮本武蔵の生まれた場所の近くの駅である)、あわくら温泉に行ったり、姫路で書写山のロープウェイに乗ったりすると2日でまわれてしまう。でも連休は3日ある。さてどうしよう。
計画2
時刻表を見て、そうだ、小豆島に行こうと思いついた。
小豆島には鉄道がないためあまり鉄道ファンとしては足が向かない場所であるが、ぼくが以前にやったことのあるセガサターンのゲーム、「センチメンタルグラフィティ」で小豆島のイベントが出てくるので、どんなところか行ってみたくなったのである。
小豆島にはいろいろな所から船が出ているが、播磨ゾーンの西の端にあたる日生(ひなせ)駅のそばからフェリーが出ていることが時刻表に載っている。これで行ってみようと考えた。
でも連休だから島のホテルはいっぱいだろうと思った。むしろ、日生近くに2泊して拠点にして、2日目に小豆島を1日かけてめぐるのがいいだろうと考えた。よし、泊まりは播州赤穂にしようと決めた。
計画3
時刻表を見て「赤穂パークホテル」を予約したら無事2泊予約できた。
あとは、1日目に宮本武蔵とあわくら温泉に行って赤穂まで行き、3日目には赤穂の街を観光した後で姫路に行って書写山に行ってみようと考えた。
9月の終わりを待って、ゾーンが11月有効になる播磨ゾーン周遊きっぷを買おうと思ったら、旅行会社ではゾーンの有効日の1ヶ月前にならないと買えないから、JRの駅で買ってくれと言われ、しかたなくJRの駅で買った。もちろんゆき券、かえり券は東京から西明石まで新幹線だ。600キロを超えているので新幹線でも2割引である。
10月になってから特急券を買おうと思ったが、なんとゆきの新幹線は満席で、かえりだけ買えた。ゆきは自由席で行こうと思った。
そして準備も済んで11月を待った。
補足
よくよく時刻表を見ると、赤穂パークホテルの所に「播州赤穂より車で5分」と書いてある。車で5分?歩いたら何分だろう?
まあいいかと思い、その場で考えようかと思った。
そして出発の日が来てぼくは東京駅へ向かったのである。
東京駅
今日もぼくは東京駅にやってきた。片手にコンビニで買った朝食の弁当を持っている。新幹線の中で食べよう。
周遊きっぷの「東京→西明石」のゆき券、ゾーン券、「東京→姫路」の自由席特急券を持ち、たぶん自動改札は使えないだろうと思い、券を見せて有人の新幹線中間改札を通る。スタンプが押されて無事通れた。
さてホームに向かおう。
ホームには博多行きのひかりが停車していたが、うっかり眠ってしまうと博多まで連れて行かれそうでこわい。なので新大阪行きに乗り、新大阪で新大阪発の列車に乗り換えようと思う。よって博多行きは見送る。博多行きが発車していった。けっこう立っている人がいた。今日は3連休の初日なのでここを出る新幹線はとても混雑しているのだろう。
待っているとぼくが乗ろうとしている新幹線の向かいのホームに新大阪行きの新幹線がやってきた。しかし新大阪着はまだ来ていない列車の方が早いのでさらに待つ。
東京~名古屋
やっとやってきた。停車し、しばらくするとドアが開く。乗ってすわる。まずはひといきついた。この列車は臨時列車なのでそれほど混雑しない。やはり臨時列車にしたのは正解だったようだ。
そしてコンビニの弁当を食べる。食べているうちに発車だ。立っている客もそれほどいない状態の自由席車両である。
品川が近づいた。そう言えば品川って工事中だったなあと思った。品川に来ると新幹線はなにやら暗い空間に入っていった。
そこには、未来には新幹線の品川ホームになりそうな工事中の設備があった。あとちょっと工事すれば完成しそうだな、と思った。
そのまま新幹線は進んでいく。
富士山がぽっかりと見えた。なんだかいいなあと思いながらながめていた。できれば静岡のあたりまで起きていて、間近に富士山を見てみたいものだと思ったが、ゆうべ午後10時から12時までしか寝ていない(朝早い列車に乗る時はいつもそうしている)ので、たぶん静岡のあたりでは眠ってしまいそうだなあと思った。
それでもなんとか起きていた。多摩川を渡った。ちょっとだけ富士山が大きくなったような気がした。新横浜を過ぎてまた富士山が見えた。そして小田原の近くでちょっと大きな富士山が見えた。
名古屋~新大阪
記憶はここまでで、気がつくと名古屋だった。まあいいか。富士山はまたの機会に見よう。
名古屋を過ぎて新幹線は関ヶ原のあたりを進んでいく。米原を過ぎて平野になる。そして京都。
京都から先は都会の一部が見えたり畑が見えたりした。阪急のこげ茶色の電車も見えた。
そしてスピードを落とし、駅へとすべりこんでいった。新大阪駅、終点である。ここで降りる。
これから乗る列車はとなりのホームのようだ。自由席車両は端なのでホーム中央の階段に向かう。
向かう途中でとなりのホームに京都の方向から列車が入ってきた。ありゃ。あれに乗った方が楽だったな。
時刻表によれば、その列車は今まで乗ってきたひかりが岐阜羽島あたりで追い抜いたこだまらしい。とすると、京都でそのこだまに乗り換えた方が楽だったのかなあと思った。時刻表をよく見るといろいろな発見があるものだなあと思った。
階段に着いた。階段をおりてとなりのホームへと向かうことにする。
姫路~上郡
姫路駅で新大阪から乗ってきたひかりレールスターを降り、階段をおりて中間改札を抜け、通路を進んでさらに階段をおりて在来線ホームに来た。
アナウンスが聞こえる。「まもなく倉吉行きスーパーはくとが発車します」というアナウンスだ。
これから智頭急行(ちずきゅうこう)の始発駅の上郡(かみごおり)まで列車に乗るため、予定では上郡行き普通列車に乗るつもりだった。しかし、ひょっとしたらスーパーはくとにすわれるかもしれないと思い、ここは1つ飛び乗ることにした。
乗って車内を動いてみる。
ありゃ。席はいっぱいだ。
やっぱり3連休の最初の日なので、鳥取まで行くお客がかなり多いのだろう。
それでもひかりレールスターよりはましで、デッキに人はそんなにいないので、人のいない区画で上郡を待つことにする。この列車は姫路から上郡まではノンストップだ。
車掌がやってきたのでゾーン券を見せ、「上郡で降ります」と言った。
播磨ゾーンの特徴として、智頭急行もゾーンではあるのだが、智頭急行の普通列車にしか乗れず、特急列車に乗るには乗車券が別途必要なきっぷであるからだ。
車掌は行ってしまった。そのまま景色をながめる。この区間は7月の旅行では行きのムーンライト高知ではぐうぐう眠っており、帰りのサンライズ瀬戸では来るべき明石大橋に備えて横になっていた区間である。
それほどめずらしいものが見えるわけでもなく、低い山や森が見える景色である。
上郡駅周辺
そして上郡に到着だ。ここで降りる。予定の智頭急行の列車までは30分近くあるようだ。
もうお昼だし、もし弁当でも買えるようだったら買って列車の中で食べたいなあと思った。
改札にゾーン券を見せて改札を出る。ここはJRの改札だ。いろいろな第三セクター接続駅と同様に、上郡も智頭急行の駅舎は別にあるようだ。岡山寄りにあった。
まずは駅前を歩いてみよう。あれ、かわいいねこがいる。
ぼくは駅前の建物の中のねこに近づいていった。
なんとなくいやがっているようだ。このねこ、首にひもがついてそばの地面と結ばれている。これじゃ逃げられない。丸くなってふるえている。
なでたかったけど、かわいそうなのでなでないで進むことにした。
駅前の道をまっすぐ進んでいく。大きな交差点に出た。
お、右の方にJAが見える。どうやらここで買い物できそうだ。
ぼくは、10月の旅行の横手と同様にJAに行き、弁当と飲み物を買った。どうやらこれでしばらくは腹を減らすことはなさそうだ。
ぼくは自分の方向感覚に狂いがなかったことに自信を持ちながら、上郡駅へと戻った。
上郡駅
上郡(かみごおり)駅からちょっと北にあるJAで弁当を買って、上郡駅に戻ってきた。
さて、今日の第一の目的地はここから智頭(ちず)急行に乗っていった先にある宮本武蔵駅である。
おそらくこの駅の近くに観光名所があるだろうから行って降りることにする。
そしてこの路線であるが、ぼくにとっては因縁(いんねん)の路線である。
なにしろ、ぼくは5年前にスーパーはくとで智頭急行を通っているのである。しかし前日の酒がたたってぐうぐう寝てしまったのである。
ちょっとだけ起きて、ふりこをきかしてかっとんで行ったのがわずかな智頭急行の記憶である。
だからせめて頭がはっきりした状態で智頭急行に乗りたいというのが本日の目的なのである。
さて、JRの改札のある駅舎からちょっとだけ岡山方向に歩く。
すると小さな駅舎があった。智頭急行の駅舎であった。もうディーゼル車が停車している。
播磨ゾーンの周遊きっぷのゾーン券を駅員に見せた。もちろんと言うか、無事に改札を通る。
そしてディーゼル車に乗る。ボックス席のある車両である。とりあえず客も少ないことだし、ボックス席に乗ろう。
ぼくは弁当を広げて食べ始めた。
そのうち客がちらほらと乗り始める。土曜も学校が休みになったせいか、学生は少なく年輩の男性が多少多い。
上郡~宮本武蔵
そして発車時刻だ。ディーゼル車は発車した。1990年代以降に開通した第三セクターの路線の特徴として、高架が多いことがあげられる。井原鉄道もごめん・なはり線もそうだった。
智頭急行も当然ながら高架に昇っていった。
そしてしばらく森の中を進む。弁当を食べ終えた。
やがて平野に出た。意外や意外、智頭急行はけっこう平野を走るようだ。特急も走るので、もっとほくほく線みたいにトンネルが延々と続く路線を想像していたのに。
そしてちらほらと集落を見つけて駅に停まり、客が降りていく。
いろいろ考えたが、ほくほく線はトンネルばかりなのでまっすぐで、ふりことかがそれほどいらないのに対して、智頭急行は平野に沿ってレールが敷かれているのでけっこうカーブも多くて、だから高速で走るにはふりこがいるのだろうと思った。
ただし今走っているのは各駅停車のディーゼル車なので高速に走ることは不要、よってどこにでもある新型のディーゼル車なのだろう、とそう考えた。
なおもディーゼル車は谷間、そしてところどころトンネルを通り、佐用(さよ)で姫新線をまたぎ越した。お客の増減はほとんどなく、さらに進んでいく。
そしてようやくディーゼル車は宮本武蔵駅に着いた。運転手にゾーン券を見せて降りた。もちろんと言うかここは無人駅である。それなりにこじんまりとした駅舎があった。
さて、観光名所はどこにあるのだろう。ぼくは駅のどこかに案内板でもないかどうか探すことにした。
1キロ
ぼくは智頭急行の宮本武蔵駅で降りて、駅舎から階段をおりた。
そばにはやや新しそうな小屋があった。小屋の反対側に、道が続いており、なにやら案内板のようなものが見えた。
案内に沿って進んでみることにする。案内によれば、1キロほど歩くと「武蔵の里」に行けるようだ。
分かれ道を左に曲がって進む。案内板は点々と存在し、「あとXXXメートル」としつこいくらいに存在する。確かにこのくらい案内板がないと不安に思うかもしれず、そういった意味で鉄道利用者への案内板は有意義なようだ。でもぼくのほかにすれちがう客はいない。車もそれほど走っていない。
なおも案内に沿って進んだ。このあたりは多少広めの盆地ではあるが、歩く方向をちょっと変えたら山に突き当たりそうな場所である。
博物館
そしてようやくにぎやかな場所にやってきた。
お客が多い。ほとんどの客は車で来た客らしい。
茶店みたいな場所もあり、古めかしさを全面に出した施設のようだ。
そして宮本武蔵に扮した武士風のかっこうをしている人が歩いていった。
なんとも不思議な施設である、施設のまんなかに小川も流れている。ぼくは施設をしばらく歩いてみた。木々も多く、なんだかゆったりした施設である。
向こうの方に建物が見える。どうやら宮本武蔵の博物館のようだ。
入場料金を払い、入ってみた。
お客がやっぱり多い。ビデオが流れていた。もちろん宮本武蔵のことが言われていた。
佐々木小次郎との戦いは一瞬で終わったとか、晩年は熊本にいたとか言っていた。よろいや刀なども展示されていた。岡山の山奥にしてはなかなか手の込んだ施設である。
そんなふうにして時間を過ごした。次に乗る列車はさっき降りた時刻から2時間後だから、どうやらちょうど良く行けそうだ。
お墓
あとは博物館を出て、武蔵の墓に行ってみることにする。
坂をのぼって森の中に墓はあるらしい。
森に入って墓に来た。おがんでおく。
戻る途中に武蔵の生まれた家もあったが、今も住んでいる人がいるとかで入口までしか行けなかった。
そんなこんなで時間が過ぎた。もうそろそろ次の観光地、あわくら温泉に行こう。
また駅までの同じ道を進む。あいかわらず道を進むのはぼくだけのようだ。「武蔵の里」に智頭急行で来る人は相当少なそうである。
ようやく駅に着いた。さあ、列車を待とう。
宮本武蔵~あわくら温泉
ぼくは智頭急行の宮本武蔵駅からちょっと離れた「武蔵の里」を観光して、駅に戻ってきた。
階段を昇り、ホームに出た。中年女性客にカメラのシャッターを押してくれと言われてしまった。こういうことは良くある。
おぼつかない手つきでなんとかシャッターを押し、カメラを返した。そんなふうにして時間が過ぎ、上郡の方向からディーゼル車がやってきた。乗る。今度もそれほどお客は乗っておらず、楽にすわれた。
列車はなおも盆地を進んで行く。大原という駅に着くとけっこうな乗り降りがある。特にJRと接続しているわけではないが、スーパーはくとが停車する駅なのでまわりを見るとちょっとした街のようだ。
大原を過ぎる、さらに盆地を進む。トンネルも通っていく。
そして目的地であるあわくら温泉駅に到着した。この駅も高架駅である。
「播磨ゾーン」のゾーン券を見せて列車を降り、けっこう長い階段をおりていく。
地上に出た。多少道幅の広い道路に面している。さて温泉はどこだろう。
温泉
左手の方にそれらしい施設がありそうなので左に進むことにした。
やがて左手に大きめの施設が見えてきたが、なんとなく温泉ではなさそうだ。
どうやら屋内プールらしい。
よくわからないけど、付近の住民が使っているのだろう。こういう施設は、ぼくの実家近くを含め、全国各地にあるのだろう。
しかたがないので先に進む。
さらに進むとまた何かの施設らしい建物が見えてきた。あれこそ温泉のようだ。
でもわかれ道のところにも案内が見える。この先1kmに温泉があるとのことだ。
いろいろ考えたが、やはり目の前の施設に行くことにした。
建物に入ると左手にフロントみたいな場所がある。そこに行き、「温泉に入りたいのですが」と言ってみた。
「500円です」と言われたので払った。すると「あちらの通路を進んだ先にあります」と言われた。言われたとおり通路を進む。
かなり進んだ先に風呂の入口があった。特にここでは金を払ったかチェックはしていない。
そして温泉に入る。ほっとゆだとは違い、今日は500円なのでせっけんやシャンプーもあった。タオルも持ってきている。ゆっくりと風呂につかった。
あせっても、上郡まで戻る列車までは2時間もあるのだからゆっくりしようかと思ったが、これくらいでいいかと思って風呂から上がってもまだ時間がある。
とりあえず風呂のそばのテーブルのところのいすですわっていく。
ふと見ると、他のお客がみんなゆかたを着ていることに気がついた。
どうもここは宿泊施設らしい。時刻表に載っていなかったのでわからないが、泊まる人がたくさん来る施設のようだ。なにしろ3連休なのだしお客は多いだろう。
夕食
さて、まだ列車まで時間があるが、ちょっと早いけどどこか夕食が食べられる場所がないか近くを探すことにした。
温泉の建物を出て進んでみた。すぐそばにラーメン屋らしき小屋があるが、営業していなさそうだし行く気がしない。
駅と反対方向に進んでみることにした。営業していない小さな店があった。さらに進む。
するとなんだかとても大きな施設があった。みやげもの屋っぽい場所であった。なんとなく、みやげもの屋に併設して食堂でもあるのではないかと思い、入ることにした。
そこは確かにみやげものを売る店だった。そして2階に食堂もあった。しかし案内のところに、土曜日は午後5時から1800円のバイキングのみの営業と書いてあった。今日は土曜日、そして今ちょうど5時である。
ここから駅までの距離を考えるとそんなに食事に時間をかけるわけにはいかず、食べ放題で時間をかけないのは1800円という値段から考えて損である。何かバイキング以外の食事はできないか。
見るとうどん屋があったので「うどんまだ食べられますか?」ときいてみた。どうも5時で終わるらしい店だったからだ。
「ちょっと時間がかかるけどいいですか?」
と言われたので時間がかかってもいいですと言った。そして待つと関西風のだしのうどんがやってきた。お金を払って食べる。まずはひといきついた。
なお、あとで調べたところ、温泉の建物の名前は「あわくら荘」で、うどん屋が入っていたみやげもの屋の名前は「あわくら旬の里」であることがわかった。
あわくら温泉駅
智頭急行のあわくら温泉駅から少し離れたところにあるあわくら旬の里という建物の中のうどん屋でうどんを食べた。もちろんうまい。
ちょっとだけおなかがふくれたところでもうそろそろ列車の時刻なので駅に戻ることにした。その前に、今日泊まる赤穂パークホテルに、30分ほど遅くなりそうだと電話を入れておく。
そして駅に向かって歩き始めたが、さきほど温泉に入ったあわくら荘をまわっていくとちょっと遠回りなような気がする。
なのであわくら荘を経由しない道を進んでみた。けっこう道幅は広いが車通りは少ない。そのうち暗くなってきた。
ようやくあわくら温泉駅に着いた。待合室みたいな部屋があるので入ることにする。
5人ほど列車を待つ人がいた。どうも1人は地元の年輩の女性で、その他の中年女性は旅行中の人らしい。なんだか中年女性グループが年輩の女性にあわくら温泉駅近辺のことを質問しているようだった。
そんな話を聞きながら発車時刻を待った。自動販売機でジュースを買って飲むことにする。
発車時刻が近づいた。長い階段で昇るのに時間がかかるので、余裕を持ってホームに行く。
なにしろ智頭急行は高架である。ここの高架は宮本武蔵駅の高架よりも若干高いようだ。空はすっかり暗くなっている。
あわくら温泉~上郡
上郡行きの列車がやってきた。乗る。ちゃんと整理券を取る。
かなり列車の間隔が長いのに、お客は少ない。よほど乗る人が少ないのであろう。なにしろ開業してまだ何年も経っていないのである。
列車は大原に着いた。ここで特急に追い抜かれるため停車する。
向こうのホームにスーパーはくとらしき車両が到着するのが見えた。そしてすぐに発車していった。
そしてこちらの列車も発車していく。
暗い中を列車は進む。たまにトンネルを通り、各駅に停車していく。行きの新幹線でかなり眠ったけど、また眠くなった。
そして上郡に近づいた。高架橋が山陽本線と合流して、列車が高架橋からおりていく。
列車は遅れることもなく、上郡に到着した。上郡始発の姫路行きの列車はそれほど待たずに乗れるため、すぐに乗り換えることにした。
整理券を渡し、播磨ゾーンのゾーン券を見せ、中間改札を通り抜けた。そしてしばらくJRのホームを歩くと姫路行きの電車が停車しているのが見えた。