Sorry, Japanese only! (1998年4月その2)

95.輪島・蛸島・永平寺

説明

一般周遊券、ワイド・ミニ周遊券が廃止され、周遊きっぷに変わるという話を聞きました。

ワイド周遊券に対応する周遊きっぷがないものがたくさんあります。北海道・四国はそのまま残り、九州は新幹線と博多南線が乗り放題エリアから除かれただけですみました。北近畿は多少乗り放題エリアが狭くなりました。

しかし、その他のワイド周遊券は消えてしまいます。北陸ワイド周遊券も、乗り放題エリアが分割され、さらにエリアの中の富山~糸魚川~平岩を含むゾーン券はありません。

また、周遊きっぷでは行き帰りに急行の自由席に急行券なしで乗れるという特典もなくなってしまいます。
急行能登がそれにあたります。

ですので、別れを惜しんで北陸旅行にでかけることにしました。どうせなら青春18きっぷの期間が終わってからにしようと思いました。

北陸はかなり乗っているので、乗っていない区間を重点的に乗りました。おかげでこの旅行で残った北陸の私鉄は北陸鉄道の新西金沢~加賀一の宮だけになりました。

この区間には能登だけでなく、急行きたぐにも通っているので、これらを使って宿なし旅行にすることにしました。

北陸本線その1

中間改札

山手線は無事上野駅に到着した。

上野駅は在来線ホームが上下2層構造になっている。この理由を説明しようとすると、昔縄文時代に地球の海面が上昇する現象が起きて…という話になるのでしないことにする。

急行能登は、下の層のホームから出発する。ここに来るのもひさしぶりだ。

在来線だったころの特急あさま、長野経由だったころの急行能登、野辺地に行って南部縦貫鉄道に乗りに行った時に乗った八甲田、そして仙台→大宮の新幹線と合わせて無理矢理乗継割引にして乗ったスーパーひたち。

しのばず口寄りの階段を降りるとカレー屋があって、よく寄るので、そっちを回って行こうかとも思ったが、やっぱりなんとなく鶯谷寄りの階段を昇って大連絡橋に来た。そして、下の層に行く連絡口に着いた。中間改札がある。中間改札の手前にきっぷ売場もある。

しかしここには誰もいなかった。中間改札は開放されていたのだ。


ホーム

もしかしたら、長野経由のころと比較して、ものすごくお客が減ってしまったのかな、と不安に思う。

ぼくは今、3月中に買っておいた、今日から有効の北陸ワイド周遊券を持っている。だから今日は急行券を買う必要はない。

しかし、もう能登に急行券を買わずに直江津より遠くに行くことはできなくなるのだ。
そう考えると今日のこの日がものすごく貴重に思えてくる。

もう1つ貴重なものがある。赤羽の地上ホームだ。
赤羽駅では高崎線や東北本線は、京浜東北線や埼京線と比べてずっと低い位置を今まで走っていて、踏切もあった。
しかし付近の車の混雑の緩和、および赤羽での乗り換えの手間を緩和するため、あと数日のうちに今日通るレールが廃止されて、京浜東北線と同じ高さのレールを通り、踏切が廃止されるのだ。

これはめでたいことであるのだが、やはりなにかがなくなるのだから、多少悲しいと思う。


上野~大宮

ホームに行ってもお客がほとんどいない。

数人しか来ないまま、能登が入線した。

おそらくまたサラリーマンでいっぱいになるのだろうと思いながら窓側の席に座った。
確かに立ち客は出たのだが、長野経由のころよりは少ないようだ。

そして発車。

また尾久を通り、能登は赤羽に着いた。

この、前後に踏切のあるホームもこれが最後、今度赤羽駅に来る時は、東北線の列車も高架のホームに上がってしまい、ここのホームは撤去されてしまうんだろうなあ、と思った。

惜しむ間もなく発車、荒川を渡る。

そして大宮に着いた。ここではあまり乗る人も降りる人もいない。


大宮~長岡

上尾でお客が降りていく。長野経由だったころと比較すると、やっぱりお客が少ない。

熊谷を過ぎると席の半分よりお客が少なくなった。そして高崎、かなり降りた。

あとは未体験ゾーンである。快速ムーンライトがムーンライトえちごになる前に新津まで乗ったことがあるので、雰囲気は知っているのだが、あっちは全車指定席なので自由席のある能登とは雰囲気が違う。

真夜中ではあるが、景色がだんだん山の中に入っていくのがわかる。そして新清水トンネルだ。

そしてトンネルを抜けて土樽(つちたる)駅を通過する。

2週間前に乗った関越道の高速バスから土樽駅が見えたから、こっちからも高速道路が見えるはずだと思ったら、やっぱり見えた。

記憶はここまでで、たちまち眠ってしまったようだ。


長岡~金沢

気がつくと明るいホームに着くところだった。ここは長岡だろうか。もし長岡ならば逆向きに発車するはずだ。
発車。やっぱり逆向きだ。能登はちゃんと走っている。安心してまた眠った。

気がついて腕時計を見ると、もう金沢に到着する時刻が近づいている。

確か金沢は高架の駅だったなあと思い出した。事実、能登は高架を昇っていった。
そして到着。

忘れ物をしないようにしなくちゃなあと思い、持ち物に気をつけて能登を降りた。

そして改札でワイド周遊券のA券を渡す。

さて、これから輪島行きの急行能登路に乗ろうと思っているが、1時間近く時間がある。その間に北陸鉄道の内灘(うちなだ)という駅まで往復できそうなので、北陸鉄道の駅をさがすことにした。

北陸鉄道その1

金沢~内灘

上野から乗ってきた急行能登を金沢で降りると、北陸鉄道の駅を探した。

海岸の方に進むので西口かと思って西口に出てみたが、それらしい駅は見つからない。東口に出てみよう。

私鉄の駅らしい建物があったので入ってみた。そこが内灘(うちなだ)行きの駅であった。自動券売機できっぷを買う。

ここ数年、市街地の駅を朝出発する、とても混雑する列車に乗ったことがたくさんあった。米子の境線、四日市の近鉄湯の山線などである。

どうやらこの沿線には運転免許試験場があるらしいので、内灘行きも混雑しているものと思って改札を通ってホームに行ってみた。

しかし電車はすいていた。この路線は高校とかはないようだ。電車は発車する。

金沢は大都市らしいが、この電車の沿線はたいして人家もなく、すいすいと電車は進み、あっというまに終点内灘に到着した。まずは電車を降りて、帰りのきっぷを買う。


内灘~金沢

電車に戻るとけっこう客がいた。さすがに金沢行きなので混雑するようだ。電車は再び発車する。

駅に着くごとに客がどんどん増えて、立ち客がたくさん出た。高校生が多いが社会人もいるようだ。小学生もいる。

北陸鉄道はもともとたくさん路線があり、2路線を残してすべて廃止になった会社なので、内灘行きは残るべくして残った路線なのだろう。

大入り満員となったところで電車は無事終点、金沢に到着し、お客は全員降りてしまった。ぼくも降りよう。

朝は電車がたくさん走っていたので無事輪島行きの急行能登路(のとじ)が出るまでに帰って来られたようである。さあ、JRの金沢駅に行こう。

のと鉄道その1

金沢駅

内灘(うちなだ)から乗ってきた大混雑の電車を金沢で降り、歩いてJRの金沢駅にやってきた。なんとか急行能登路の出る時刻までに金沢に帰って来られた。

北陸ワイド周遊券のB券にスタンプを入れてもらって改札を通り、能登路の出るホームに上がる。
能登路は北の方のホームからの出発である。

そこにあったディーゼル車は、ボックス席の列車であった。自由席に乗る。けっこうな混雑で、ぼくのすわったボックスは早々に向かいの席に年輩の夫婦がすわった。

考えてみれば急行っていうのはもともとボックス席があたりまえだったんだよな、と気がついた。
2列席の列車はもともと特急型で、たまたま特急型が急行に使われている、ってだけなのだろう。


金沢~輪島

能登路は発車する。車掌さんがやってきたので北陸ワイド周遊券のB券を見せて、輪島まで行きたいのですがと言って和倉温泉~輪島の乗車券と急行券を売ってもらった。

七尾線区間を進んでいく。おととし来た時と同じだが、あのときは午後で、今は昼前である。
景色がけっこう違っていていい気分である。そのまま七尾の市街地に入っていく。

和倉温泉を過ぎて、いよいよのと鉄道区間である。今まではずっと内陸だったが、ここから海が見えてきた。
やっぱり海はいいなあと思いながら窓から海をながめる。そのうち穴水に到着である。お客はそんなに降りず、輪島まで行く客が多いようである。そして発車。

能登路は山に入っていき、坂道をのぼっていく。
左手に桜が見えた。もう4月15日を過ぎていて、関東では桜が散っているころだが、このあたりはいくぶん気温が低いらしく、まだ桜が咲いているのだ。なんだか山に咲く桜っていいなあと思いながら進んでいく。

そして能登路は市街地に入っていく。無事終点輪島に到着した。車掌さんから買った乗車券・急行券を渡して改札を出る。


輪島~穴水

どこかに輪島は朝市で有名だと書いてあったような気がするが、今日は観光はできない。
すぐに輪島を出る列車に乗って蛸島(たこじま)まで行く必要があるからだ。そんなわけで自動券売機の前に行く。
しかし蛸島というボタンがない。

窓口に行って「蛸島までください」と言ってみた。「今度の急行に乗るので急行券もください」と言うと、さっき車掌さんから買った券みたいな券の蛸島までの運賃の場所に印が書かれ、「急行」の所に「100」と書かれたきっぷができあがった。そして運賃+100円できっぷを買った。これで輪島から穴水までの急行料金も含んだきっぷになったわけである。

そしてたった今買ったきっぷを改札に見せて通り、ホームに停車していた金沢行き急行能登路に再び乗る。自由席はほとんどお客はいなかった。そして発車。

市街地を離れ、またさっき見た桜が見える。次にいつ来られるかわからないのでしっかり見ておこう。山を越えると穴水到着である。ここで能登路を降りる。

「珠洲(すず)方面にまいります列車まで時間がありますのでいったん改札を出て待合室でお待ちください」というアナウンスがあったので、改札にこういうアナウンスがあったと言って、輪島で買ったきっぷを見せて改札を通った。待合室はかなり客がいた。ひとまずトイレに行っておくことにした。

のと鉄道その2

穴水~蛸島

輪島から乗ってきた急行能登路を穴水で降り、トイレに行って待った。そしてまた改札を通る。

ホームでは駅弁が売られていた。ここはのと鉄道で、ずいぶん前にJR(国鉄)でなくなっているのに、ちゃんと駅弁マーク入りの弁当が売っているのはすごい。

幕の内弁当を買った。そして蛸島(たこじま)行きの列車がやってきた。
さすがに土曜日のお昼の列車なので、ディーゼル車は高校生でいっぱいだった。中学生もいたかもしれない。立っていよう。列車は穴水駅を発車する。

しばらく海が見えた。海はどんな時でも見えればいい景色なのでしっかり見ておくことにしよう。
高校生はずっと乗っていて、ぽつぽつと降りてはいくが、どこかの駅でまたまとまって乗車する。穴水~蛸島間は長いのでかなり高校が点在しているようだ。

やっとすわれたので穴水の幕の内弁当を食べる。食べると眠くなってきた。海を見ながら眠ってしまう。

起きると珠洲(すず)の手前で、珠洲でまた高校生が乗ってきた。そして終点蛸島に到着である。まずは輪島で買ったきっぷを運転手に渡して駅前に出た。ここは無人駅だった。


蛸島~七尾

駅前には穴水から輪島までの間に咲いていたような桜があった。満開だった。このあたりは気温が低いのだろう。

いつまでもこの路線が続いていればいいんだけどなあと思いながらまた改札を通ってディーゼル車に乗った。そして整理券を取る。ディーゼル車は発車する。

再び珠洲に着いた。今度も高校生が乗ってきた。土曜日ののと鉄道は活気があるなあと思った。全国各地で高校生がおもなお客の鉄道路線があるのだろう。

また海が見えてくる。今回能登半島は列車に乗っただけで観光は特にしていないが、もし観光するとしたら、列車に乗るよりもツアーバスで行った方が便利なんだろうなあと思う。いつになるかわからないが観光主体のバス旅行もしてみたいなあと思った。
今はこの海を見ていようと思った。

穴水を過ぎて、いつのまにかディーゼル車はお客でいっぱいになった。そして和倉温泉を過ぎて市街地に入り、終点七尾に到着である。

さてここで問題である。ぼくは行きは和倉温泉からの運賃を払って輪島で降りた。すなわち、七尾~和倉温泉間は北陸ワイド周遊券で乗ったということである。
それだと七尾~和倉温泉間のJR七尾線には乗ったことになるが、まだのと鉄道に乗ったことにならないのである。

七尾駅で蛸島~和倉温泉間の運賃を払い、周遊券を見せても降りられるだろうが、和倉温泉~七尾間ものと鉄道に乗ったことにするには蛸島~七尾間の運賃を払う必要があるのである。

そんなわけで約100円ほど高く、七尾までの運賃を蛸島の整理券とともに運賃箱に入れてディーゼル車を降りた。これでめでたくのと鉄道完乗である。


夕食

さて、七尾の駅前にはおととしも来た。あの時はお店が午後5時まで閉まっていて、5時になって開いたカレー屋でカレーを食べたものだった。

でも今日は5時前の大阪行き特急サンダーバードに乗る必要があるのである。やっぱり今日も店は開いていないかな、と思いながらカレー屋のあったあたりに行ってみた。

幸い別の店が開いていた。ラーメン屋だ。どうやらサンダーバードが出るまでに食べられそうなので店に入って注文し、ラーメンを食べた。うまい店だった。

無事発車時刻までにラーメンを食べ終え、ぼくはラーメン屋を出た。

七尾線

旅行記本文

七尾駅前のラーメン屋を出たぼくは駅に戻り、北陸ワイド周遊券を見せて改札を通ってホームに出た。
しばらく待っていると和倉温泉から特急サンダーバードがやってきた。自由席に乗る。お客は10人もいない。特急は発車する。

午前中に急行能登路に乗った時はゆったり通っていた七尾線を、すごいスピードでかけぬけていく。やっぱり新しい車両なので速いのだろう。
だんだん眠くなってきた。福井まで時間があるから少し眠っておこう。

気がつくと暗くなり始めていた。もう金沢を過ぎたようだがお客はそんなに多くなっていない。
特急はやっぱり速い。そんな特急から見る景色は、やっぱり普通列車から見る景色とはどことなく違うなと思った。

すっかり暗くなったころ、サンダーバードは福井駅に到着した。急行能登がここから発車するのでここで降りる。

さて、これから京福電鉄で田原町まで行って福井鉄道で福井駅前に戻ることにする。
京福電鉄のホームに向かうため、ぼくは階段を上がった。

京福電鉄三国芦原線その1

旅行記本文

七尾から乗ってきた特急サンダーバードを福井で降りた。2年ぶりに福井駅にやってきたわけである。

さて京福電鉄はどこだろう。階段を上がってみる。
どうやら駅ビルと反対側に進むとあるらしい。2年前に福井新から歩いてたどり着いた出口の近くのようだ。進んで階段をおり、北陸ワイド周遊券のB券を見せて改札を出るとすぐに京福電鉄の福井駅があった。

さすがにもう夜7時を過ぎているのでお客はほとんどいない。
券売機で田原町(たわらまち)まできっぷを買って停車していた三国港(みくにみなと)行きの電車に乗る。発車まで待ってもあまり客はやってこない。高校生もいないようだ。電車は発車する。

市街地を進んでいく。しばらく北に進み、北西に向きを変える。住宅街を進み、大きな道路を渡ると目的地の田原町に到着である。ここで降りる。

田原町は福井鉄道との乗換駅のはずなのに、真っ暗な無人駅だった。真っ暗だが古そうな建物を抜けて外に出る。
しばらく進むと市電のような福井鉄道の停留所があった。ぼくはそこでしばらく電車を待つことにした。待つお客は全くいなかった。

福井鉄道その1

旅行記本文

福井から乗ってきた京福電鉄の電車を田原町で降り、福井鉄道の停留所に行って電車を待った。

そのうちほかの客が1人、2人やってきた。そして電車もやってきた。けっこう降りる客がいて、京福の駅に向かったり別の方向に向かっていく。

そして電車に乗る。この電車は武生新行きだが、福井駅前に寄っていくようだ。じきに発車する。

おととし武生新から福井新まで乗った時はいなか道をずっと進む電車だったが、福井の市街地では道路の中央を走るようだ。じきに大きな建物が増えていき、商業地帯に入ったようだ。

夜遅いせいか、こんな市街地でも客は少ない。前を見ると左手にレールが続いているのが見えた。どうやらこの電車は左に曲がっていくようだ。予想通り、左に曲がっていく。

電車は福井の中心街を走る。やっぱり地方都市は市電が走れるくらいの都市が一番いいなあと思う。電車はアーケードっぽい場所に入っていくようだ。そして電車は停止。ここが福井駅前だと言う。

運賃を払って電車を降りた。ここからだとJRの福井駅は見えない。福井駅はどっちかわからないが、他の客が歩いていくのと同じ方向に歩けばもしかしたら福井駅に行けるかもしれないと思い、ついていくことにした。

北陸本線その2

福井駅

福井鉄道を福井駅前で降りると、信号もない道を渡ってちょっと裏道を歩き、JRの福井駅の前に着いた。とりあえず駅前のローソンでこれから乗る能登ときたぐにで飲む飲み物、翌朝の非常食を買っていく。

北陸ワイド周遊券のB券を見せて改札をくぐる。もうB券という名前の券を見るのも今日とあした限りだ。これからはゆき券、かえり券、ゾーン券という、身もフタもない名前になってしまう。
ていうか北陸は富山と石川と福井のゾーンにわかれてしまう。

階段を昇って降りて能登の出るホームに向かう。

お客はだれもいない。

そのうちに、「本日は能登は大宮行きとなります」というアナウンスが流れる。
きのうの夜通った赤羽駅のホームはもうすぐなくなるのだ。

4月とはいえ、少し寒い。とっぷりと能登を待った。やがてお客がぽつりぽつりと数人やってきたが、あまり増えないまま能登は入線した。


福井~富山

自由席に行くが、お客はまばらである。もうすぐ発車時刻であるが、やっぱりお客は1両に10人ほどだ。
たぶん金沢でたくさん乗ってくるのだろうと思い、発車を待った。

発車。数時間前にサンダーバードで通った線路を戻っていく。

車内改札があった。ぼくはもちろん北陸ワイド周遊券だが、けっこう車内改札でお金を払う人がいる。
やっぱり急行券を買わないで乗る人が多いのだろうか。まあ、夜行に乗る時点で窓口って閉鎖されていることが多いから、しかたないのかもしれないな、と思う。特に福井の周辺の駅などは閉まっているのだろう。

事実、ぼくがはじめて大垣行きの夜行に乗った時は、既に窓口がしまっていたので大阪行きのきっぷを車内で買ったものだった。

サンダーバードほどすっとばすこともなく、能登は金沢に着いた。乗ってくるお客の数は…たいしたことはない。

富山でもあまり乗ってこない。ここでぼくは、能登の車内にあるというラウンジに行ってみることにした。


富山~糸魚川

席は寝台特急のはやぶさにあるようなラウンジだったが、どうやらカフェテリアとして使われていたようなカウンターがある。

おそらく、この車両が特急白山として使われていたころのものであろうと考えた。

まあいいや、席に戻ることもないだろう。糸魚川までずっとここに居座ることにした。
人が入れ替わり立ち替わり乗ってくるなら他の人がたくさん来た時点で席を譲る必要があるが、来なければいいだろう。

車掌さんがやってきたのでB券を見せて「糸魚川までここにいます」と宣言した。
席に戻れとは言われなかった。

たまにラウンジから暗い海が見える。

糸魚川の手前の親不知では、トンネルを掘ることがむずかしいため、高速道路が海岸の、北陸本線より海寄りにできている。そんな風景を、おもしろいなあと思いながらながめている。

そうこうするうちに糸魚川が近づいたので、荷物をまとめて出口に行った。


糸魚川駅

糸魚川に到着した。ここで降りなければならない。ぼくはここでぼくと同じようにきたぐにに乗り換えて福井や敦賀に行く人がいっぱいいるものだと思っていた。しかしそんなに降りてこない。とりあえず安心した。

そして、はたして駅員さんが北陸ワイド周遊券のことを覚えているか不安になった。

駅員はいた。そしてB券を見せた。そして駅員さんは言った。

「なつかしいなあ。」

どうやら糸魚川で北陸ワイド周遊券で降りる人など以前からほとんどいないようだ。

駅前にはセブンイレブンがあったが、福井のローソンで買った飲み物がまだあるので今回は用がない。

大阪行ききたぐにが来るまで約1時間、ここで過ごす。
土曜の夜にやることもない若者が駅前に集まってきた。

どこに住んでいる若者もそれなりに元気なんだな~と感心した。

関連リンク