Sorry, Japanese only! (1997年7月)

114.松山の市電と九州の西友

説明

突然、7月20日が「海の日」という祝日になりました。

こつぜんと土曜と合わせて3連休が誕生しました。

しかも、そのうち2日は青春18きっぷが使えます。これはもう旅行に行くしかありません。

できればまだ乗っていないJR線に乗ってみたいと思いました。東日本・東海・四国には全部乗ったし、西日本にもあと福知山線と新しくできたJR東西線に乗れば全部乗ったことになります。

ここは九州に乗るべきだと思いました。しかし、19日に18きっぷが使えないというのがプランを立てる際の難点です。京都から博多まで走る快速の夜行、「ムーンライト九州」も19日の夜から走り出していますが、岡山まで普通にきっぷを買う必要があるのであまりおもしろくないです。ムーンライト九州は帰り道、20日の夜に使おうと思いました。

いろいろ考えてひらめきました。

・18日に新宿から松山市まで夜行バスに乗る
・19日に松山で市電と市電以外の伊予鉄道に乗り、その日の夜の小倉行きフェリーで小倉に行く
・小倉で20日、18きっぷの使用を開始し、1日JRに乗ってその日の夜にムーンライト九州で京都に行く
・21日は嵯峨野観光鉄道に乗り、その日のうちに東京に帰る

小倉から博多までどのように列車に乗るか時刻表を見て考えましたが、こんなふうにしました。

小倉(日田彦山線)夜明(久大本線・鹿児島本線)鳥栖(長崎本線)佐賀(唐津線)山本(筑肥線)伊万里(松浦鉄道)有田(佐世保線)早岐(大村線)諫早(長崎本線)鳥栖(鹿児島本線)博多

高速バス・夜行フェリー・夜行快速と夜行が続き、体力が続くか心配でしたが、根性でがんばろうと思いました。

青春18きっぷのあと3回分をどうするかは後で考えることにします。2回分は帰省に使って、残り1回でどこかに行こうと思っていました。

旅行会社で高速バスを頼んだら、なぜか手数料310円払わなくてもバス乗車券が買えました。
どの会社が310円必要で、どの会社が不要なのかは全くわかりません。JR系が不要であることだけわかっています。

高速バス・新宿~松山市

駅弁

会社を定時で上がり、新宿駅にやってきた。今度乗るバスの乗り場は以前河口湖や山中湖に行ったときに行ったことがある場所だから西口で降りればいいだろう。西口に出た。

夕食がまだなのでどこかで買おう。できれば駅弁がいいなあ。新宿に駅弁はあったっけ?
探してみたら小田急系の「OX SHOP」に駅弁が売っていた。なんで小田急で駅弁かと思ったが、箱根湯本行きのロマンスカーに乗る人が車内で食べるのだろうと思った。ぼくは「万葉伝説」という駅弁を買ってバスターミナルに行った。

待合室ですわって駅弁を食べようかと思ったが、さすがに席はいっぱいだった。金曜の夜なので、夜行でない、甲府とか松本とかに行く客でいっぱいだったのであろう。しかたがない。どこか公園みたいな場所で食べよう。

バスターミナルからちょっと北に行き、西に進む。つきあたりの階段をおりると公園っぽい場所に出た。そこで弁当を食べた。

万葉伝説は、魚とか野菜とか入った普通の幕の内弁当であった。食べ終わるとバスターミナルに戻る。


就寝前

発車時刻になり、バスがやってきた。オレンジライナーという名前である。
ぼくの席は一番うしろの右側の席である。リクライニングをたおしても誰にも文句を言われないのはいいが、一番うしろだけ4列席だったのである。

しかも4列のまんなかの2列は端の2列よりもうしろにさがっているため、ぼくのひじかけのとなりはとなりの人の足なのである。

松山市まで12時間、無事過ごせるかなあと思った。3年前に乗った広島までも12時間だから同じと言えば同じなのだが。

今日も満席でバスは発車する。しばらく走って首都高に上がり、八王子の方向に走り始める。
オレンジライナーは名古屋までは中央高速経由のようだ。大月までは河口湖行きと同じルートを進む。何度も通った道なので見覚えのある場所である。

大月を過ぎるとトンネルを抜け、すいすい進む。そして山梨か長野のどこかのサービスエリアで休憩する。
あとは眠る。せまいけどなんとか眠れた。


起床

気がつくと海が見える。ちょうど瀬戸大橋を渡り終えたところらしい。夏なのでもう夜が明けている。そのまま四国の高速を進む。そしてインターチェンジを降りて一般道を進む。
そのうち停留所に着いた。若干お客が降りたようだ。ここは道後温泉らしい。
そして終点、松山市に向けて発車するのだが、なんだかおかしい。

バスが回転しているような気がする。窓の外を見ると、本当に回転している。
下を見ると、バスが鉄の丸い大きな板の上に乗っている。それが回転しているのである。ターンテーブルらしい。

とても不思議な体験でおもしろかった。なんでもオレンジライナーはこのターンテーブルが使えるが、JRのバスは使えないそうである。

道後温泉を出ると松山市に向かう。
もう通勤時間帯であるが、土曜の朝なので道路も混んでおらず、すいすい進んで松山市駅に到着である。12時間の長旅が終わった。

ぼくはバスを降りた。さて、まずは市電の1日券を買おう。
たぶん駅の中で売っているんじゃないかと思い、ぼくは駅の中に入っていった。

伊予鉄道・市電その1

計画

新宿から乗ってきた松山市行きの高速バス「オレンジライナー」を降り、松山市の駅ビルに入っていった。

まずは市電の1日乗車券でも買おうと思った。さて伊予鉄道の窓口はどこだろう。

なんとなくそれらしい窓口で「1日乗車券ください」を言ったらすんなり買えた。

伊予鉄道の市電区間は路線が多少入り組んでいるので1日乗車券が便利なのである。

まずは1日乗車券を手に、どこの路線に行くか考えたが、一番行きにくそうな西堀端(にしほりばた)~本町六丁目(ほんまちろくちょうめ)の路線は道後温泉始発らしい。ということは、松山市→道後温泉→本町六丁目と進めば良さそうである。朝食は駅弁でも食べたいと思った。駅弁はJR松山駅で売っているだろうから本町六丁目から松山駅前まで行って、そこからは松山城にでも登ろうと考えた。


松山市~道後温泉

そんなわけで電車乗り場に行き、道後温泉行きに乗った。まもなく電車は発車する。

朝8時の土曜日である。電車には小学生がいた。市電は小学生の通学にも使われているのである。
とてもうらやましい環境である。

小学生の目立つ車内であるが、じきにその小学生も降りて車内は若干すいてきた。そして電車は市街地をさらに進む。

そして電車は道後温泉に到着した。つい数時間前にオレンジライナーに乗っていた時にバスが乗ったターンテーブルが見えた。

道後温泉駅のそばにはローソンがあり、温泉街に続くらしいアーケードがある。

あまり温泉に寄ろうという気にもなれず、ローソンに寄るだけにした。それも、今日の朝食はJR松山駅で駅弁でも食べようと考えていたので、飲み物だけ買うことにした。


道後温泉~本町六丁目

そして電車乗り場に行き、しばらく待つ。

松山駅前行きや松山市行きに比べて本町六丁目行きは本数が少ないようだったが、なんとかやってきた。乗って進む。1日乗車券はこういう網の目みたいに広がった路線をめぐるのに便利である。

電車は途中まではもと来た方向を戻っていったが、途中で分岐し、さらに西堀端(にしほりばた)という停留所で松山駅前方面の軌道と分岐してまっすぐ道路に沿って北上した。

西堀端を過ぎるとお客は数えるほどしかいなくなった。さすがにこの路線はお客が少ないのだろう。

進むごとにお客が減っていき、しばらくして電車は本町六丁目に着いた。まずはここで降りる。


本町六丁目~松山

ここからJRの松山駅前に行き、駅弁を買おうと思っている。ここはもう1本、城北線(じょうほくせん)が通っているはずだが、どこに通っているのだろう。

ふと道路に沿って北の方を見ると、東西にレールが通っているのが見えた。

道路を渡ってそのレールの所に行くと、今まで道路の真ん中を通っていたレールとは違い、住宅街の間に専用の軌道が延びていた。そして左手に停留所が見える。どうやら城北線の本町六丁目駅らしい。

なかなかこういうのもおもしろくて良さそうである。JR松山駅前方面のホームでしばらく待つと電車はやってきた。乗ってみるとけっこう混雑している。

家と家の間の細い通りを進んで電車は古町(こまち)に到着した。ここで運転手交代である。

ここの駅は伊予市から高浜までの路線も通っている。

電車が発車する。ふとレールを見ると、どうやら伊予市から高浜までのレールを斜めに市電のレールが横切っていくらしい。

なかなかおもしろいなあと思う。渡りきって再び線路を進むと、JRの松山駅が見えてきた。

そして電車は松山駅前に到着した。まずはここで降り、当初の目的である駅弁を買うことにする。


駅弁

ぼくはJRの松山駅に入っていった。駅弁売りはいないなあ。

ひょっとしたら売店で売っているのかもしれないなあと思ったら本当に売っていた。

「醤油めし」という名前の駅弁であった。

名前からしてしょうゆでぎとぎと、というめしを想像させられそうであるが、なんのことはない、小さな炊き込みごはんであった。

買って駅の待合室で食べる。駅弁はJRの駅の中で食べるからこそ意義があるのである。
山菜やきんしたまごが入っている、朝食にふさわしい駅弁であった。


松山~大街道

食べ終わったところでまた市電の旅に戻る。市電の松山駅前の停留所に行く。
次の目的地は松山城にする。
どうやら大街道(おおかいどう)という停留所で降りると行けるらしい。

道後温泉行きの電車に乗って進む。

途中、大手町という駅のそばでは古町でも渡った太い線路と直角にクロスする。上を見上げると架線も直角にクロスしている。

なかなか変わった構造である。こういうのは大事にしてほしいものである。

大手町を過ぎるとさきほど通った西堀端で本町六丁目行きの路線と合流する。
あとはさきほど通った市内の道を進む。左手の高いところにこれから向かう松山城が見える。

しばらく進んで大街道にやってきた。ここで降りる。


天守閣

大街道で降り、大通りをはずれて細い道に入ると松山城行きロープウェイ乗り場が見つかった。

上を見上げると松山城が見える。そして、ロープウェイの索道の隣にリフトも走っていた。好きな方で上り下りできるようだ。

ロープウェイのきっぷを買い、ロープウェイに乗って昇る。
ロープウェイは満員である。もう夏休みなので家族連れも多い。
こんな県庁所在地の駅からすぐの所にロープウェイがあるわけである。なかなかふぜいがあっていいなあと思う。

ロープウェイは終点に着いた。松山市街が見下ろせる位置である。さてまずは天守閣にでも行ってみよう。

道は一本道であった。しかもぐるぐるまわる道である。行けども行けども天守閣にはたどり着かない。やっぱり本格的なお城っていうのはこういうつくりをしているのだろう。

それでも進んで進んで、なんとか天守閣へと着いた。

お城の中を見学する。刀とか鎧とか、古いものがたくさん展示されている。なかなか由緒がありそうである。

どこの城でもそうだが、天守閣の中の階段は急な階段になっている。順路に沿って、階段を昇って昇った。

なんとか頂上に着いたようだ。四方が見渡せるようになっていて見晴らしがいい。

松山市はそんなに高いビルはないらしく、ビルはかなり低い位置に寄り固まっている。
瀬戸内海も遠くに見える。なかなかいい景色である。


リフト

さて、もうひととおり見たのでもう降りてもいいだろう。

急な階段をおりて天守閣を出た。そして長い長い道をぐるぐるまわり、なんとかロープウェイの場所までやってきた。帰りは趣向を変えてリフトでおりてみよう。

リフトに乗って進む。ロープウェイよりながめが良い。遠くの方まで見える。

しかしスピードはロープウェイの方が速いらしく、途中でロープウェイに抜かれてしまった。

そんなこんなでリフトはふもとに着いた。また市電の旅行を続けよう。

伊予鉄道・市電その2

大街道~西堀端

松山城から乗ってきたリフトを降りて、狭い道を通り、また大街道に戻ってきた。

ここから城北線経由の電車に乗り、本町六丁目まで乗れば松山の市電は完全乗車である。

安全地帯にやってきた。ここに停まる電車は道後温泉行きと城北線経由松山市行きだけなので楽である。

松山市行きの電車がやってきた。

多少混雑している電車は、道後温泉の方へ進むと左に曲がり、城北線へと入っていく。
本町六丁目から松山駅前までと同じように、道路をはずれた専用軌道を走っていくのだ。

駅が多く、けっこうひんぱんにお客が乗り降りする。土曜の午前中でも松山の市電は使われているのだ。
そして大きな道路を渡り、本町六丁目の停留所に着いた。ここでめでたく松山市電完全乗車である。

そのまま電車は松山市駅に向けて、古町、松山駅前、大手町と進んでいく。さきほど通った古町の斜めの軌道、大手町駅のそばの十字の軌道の所も通る。


昼食

そして西堀端だ。ここで降り、友人の所へと向かう。

この友人は、いや、先輩と言った方が良いのかもしれないが、ちょくちょく東京に来ている人なのである。今回はぼくの方から松山にやってきたわけである。

つもる話をして、まあ、何か用事があったらEメールで話せばいいのだが、とりあえず以前松山に出張に来た時の話などをして過ごした。

最後にラーメンでもおごってやろうと言われ、西堀端停留所のそばのラーメン屋に向かう。

なかなかうまいラーメンであった。そのまま友人とは別れ、歩いててくてくと松山市駅へと向かった。


松山市~道後温泉

さて、松山市駅に着いたが、まだお昼の1時であり、今夜の松山観光港から出る小倉行きフェリーまではまだ時間がある。とりあえずもう一度道後温泉駅に行き、温泉でも入っていこうと思った。

朝に続いてまた道後温泉行きに乗る。朝ほど混雑していない。

市内を通り過ぎ、また道後温泉駅にやってきた。さて温泉はどこにあるのだろう。


書籍の通りに

アーケードみたいな入り口がある。通ってみよう。

みやげもの屋が並ぶ場所を通り過ぎ、アーケードを抜けた。すると、そこにはいかにも温泉の入り口らしい場所があった。よし、ここに入ってみよう。

入ってみると、どうやらここの温泉はランクがあり、ねだんの高い温泉と安い温泉があるとのこと。

とりあえず一番安いところでいいかと思い、お金を払って番台をくぐった。タオルも買っていく。

服を脱いでかごに入れ、タオルを持って戸を開けて湯に向かった。

げっ、両肩にいれずみを入れた人が入っている!

とある本屋で全国の温泉をめぐる話が載っている本を買ったのだが、ことあるごとに背中にいれずみを入れた人が出てきていた。本当にそういう人が入っているのか疑問に思ったものだが、まさか本当に出くわすとは。

このままきびすを返して出るのも失礼だから、まずは湯に入り、10秒で湯を出た。

体をふいて服を着て、逃げ帰るように温泉の建物を出た。


道後温泉~松山

すっかりおそれおののきながらアーケードを抜けて、道後温泉駅まで来た。
とりあえずまた飲み物でも買っていこうと思い、駅前のローソンで飲み物を買って駅に戻った。

さて、ここからまだ乗っていない路線として、市電以外の伊予電鉄の路線がある。残念ながら今持っている市電1日乗車券では乗ることができない。そしてぼくが今日夜に乗る松山観光港は、この路線の高浜駅からバスに乗って行けばいい。

そしてこの路線の郡中港(ぐんちゅうこう)駅とJRの伊予市駅はすぐそばにあり、JR松山駅から伊予市までの運賃は、松山市駅から郡中港までの運賃より安い。

これらのことから、ここからの最適な行き方は次の通りとなる。

道後温泉駅→松山駅前(歩)松山→伊予市(歩)郡中港→松山市→横河原→松山市→高浜(バス)松山観光港

そんなわけでここから松山駅前行き路線に乗った。

土曜の午後、それほどお客もいない中を電車は松山駅前に向けて進んでいった。

電車はなにごともなく松山駅前に到着した。この市電1日乗車券もだいぶ乗りこなすことができたのでよしとしよう。ぼくはJRの自動券売機へと近づいていった。


補足

なお、後で大学時代の同期のやつに道後温泉の話をすると、なんでも全国の温泉のほとんどは、いれずみを入れた人が入ることが禁止されているそうである。

特別に道後温泉その他の限られた温泉だけいれずみの人が入れるとのことである。もちろんそれでもぼくが温泉がきらいな理由はくつがえらないのだけれども。

伊予鉄道・市電以外

松山~伊予市

松山駅の自動券売機で伊予市までのきっぷを買って改札を抜けた。

宇和島方面のディーゼル車が待っていた。もちろん土曜の午後なので満員である。

伊予市までディーゼル車に乗る。市電とはうってかわって郊外を走るので気分がいい。

ディーゼル車は伊予市駅に着いた。ここで降りる。


郡中港~松山市

去年の1月にここを通った時に、すぐそばに伊予鉄道の郡中港(ぐんちゅうこう)駅があることは確認している。郡中港駅に進み、自動券売機で横河原(よこがわら)まできっぷを買った。

改札を通って電車に乗った。さすがにこっちは松山市行きなのでJRよりすいている。
電車は松山市に向けて発車した。

JRとほぼ同じ場所を戻っていく。もちろんJRより駅が多く、ゆっくりとお客を拾っていく。

きっぷを見ると、
「途中下車前途無効(松山市を除く)」
と書いてある。どうやらこのきっぷで松山市で降りて、もう一度1日乗車券で市電に乗ろうと思えば乗れるようだ。

しかし十分市電には乗ったことだし、やはり降りずにまっすぐ横河原に向かおうと考えた。

そして今朝1日乗車券を買った松山市駅の駅ビルが見えてきた。電車は駅ビルの下にもぐっていく。

そして電車は駅ビルの1Fにあるホームに到着した。


発車

まずは階段を昇っておりて、横河原行きホームに移動しなければならない。

なんとかホームに移動したが、次の電車まではちょっと時間があるようだ。
ちょっと休もうと思い、ついうっかりベンチで眠ってしまった。

ふと目を開けると、今ドアが閉まり、横河原行きの電車が発車していくところであった。

しまったなあと思った。まあ、時間があるし、次の電車は15分後なのでそれほどしぶることもないのだが。

15分待つと次の電車がやってきた。さきほどのJRのディーゼル車と同じく松山を離れる土曜の午後の列車なのでお客が多い。

乗ってすわる。電車は発車し、市街地を進んでいく。


到着

電車の中は女性が多い。

最近東京の近くの女子高生の制服のスカートはとても短いが、松山の女子高生の制服のスカートは、ぼくが高校生だったころの女子高生のスカートみたいにけっこう長いスカートである。

なんとなく古いものが残っている気がしてとても安心する。それとともにかわいい子ばかりだなあと思う。電車の旅行はこうやって女の子が間近に見えるのでとても良いのである。

そんなお客も駅を経るごとに少なくなっていく。どうやら市街地からも離れて多少家並みが少なくなってきたようだ。

かなり家並みとお客が少なくなったころ、電車は終点横河原に到着した。きっぷを改札に渡して駅を出た。


横河原駅周辺

さて、ちょっとだけ駅のまわりを散歩してみることにする。

人家はまとまっているが、かなり田舎である。こういう場所に住むことができたら便利なんだろうなあと思う。

歩くとローソンを発見した。今日はこれから松山観光港に行くのだし、もうそろそろ夕食を買ってもいいだろうと思い、夕食を買っていくことにした。いつも買っているとろろそばにする。

夕食を買って駅に戻り、自動券売機に向かった。

高浜行きのきっぷを買おうと思ったが、よく見ると、「高浜」の下に「松山観光港」というボタンがある。
どうやら高浜までの電車のきっぷと、高浜から松山観光港のバスのきっぷをひとまとめにした連続きっぷらしい。
好都合なので買うことにする。郡中港で買ったきっぷもそうだが、硬券のきっぷであった。なかなか硬券はふだん目にすることができないのでこういう所で目にするととてもうれしい。


横河原~松山観光港

電車に乗るとたちまち眠ってしまった。

気がつくともう松山市を過ぎて、高浜に向かっているらしく、乗った時より若干多い客を乗せていた。駅に着くごとにお客が少なくなっていく。瀬戸内海が見える。

そしてお客が横河原で乗った時と同じくらいになった時、電車は終点高浜に到着した。

まずは電車を降り、改札をきっぷを持ったまま通る。

改札のすぐそばに松山観光港行きのバスが待っていた。さすがに連続きっぷを売っているだけあってすぐ接続しているらしい。なかなか便利である。

バスに乗ってしばらくすると発車し、瀬戸内海を見ながら進む。5分もしないうちに終点松山観光港である。けっこう大きめの港である。待合室へと入っていった。


待合室1

小倉行きのフェリーのきっぷは乗船直前でないと売らないルールらしい。とりあえず待合室のいすにすわった。

まずは横河原のローソンで買ったとろろそばでも食べることにする。

食べ終わってもフェリーの出航時刻の午後10時まではまだまだ時間があり、そもそもまだ日が暮れていない。

ちょっとあたりを散歩してみる。

海が見える。海はいいなあ。特に瀬戸内海の海はおだやかでいい。

海の上の太陽を見ながら、なんだかすがすがしい気持ちになってくる。

そのまま待合室のいすにすわり、目を閉じた。


待合室2

気がつくとすっかり日が暮れていた。

ふと乗船券を売る売場を見ると、あれ?すごい行列じゃないか!

ここのフェリーは昔乗った青函連絡船並みに混雑するフェリーだったのである。

しかたがないので並ぶ。並んで順番が来るのを待った。

順番が来たので2等の乗船券を買い、今度は乗船待ちの行列に並ぶ。そのうち午後9時を過ぎた。

やがて乗船時刻になった。行列が進んでいく。

やっとぼくの順番になった。

はたしてぼくのすわる場所はあるのかどうかと不安になりながら、ぼくは小倉行きのフェリーへと乗り込んでいった。

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