Sorry, Japanese only! (1997年3月その1)

66.雪の函館

説明

背景

1997年も3月が近づきました。またどこか旅行してみたいと思いました。

ウィークエンドフリーきっぷでも使おうと思いました。2月だと寒いし、2月には一般周遊券と東京ミニ周遊券を組み合わせた旅行をすることにしていたので、3月初めが良さそうです。幸い3月の第1週までウィークエンドフリーきっぷは使えます。


計画

ただし、まだ秋田新幹線こまちが走っていません。秋田新幹線が開通してから乗った方がいいんじゃないかとも思いましたが、ここはひとつ発想を逆転して、秋田新幹線が開通したらなくなってしまう「秋田リレー号」に乗るとおもしろいんじゃないかと思いました。秋田リレー号に乗ることに決めました。

もうJR東日本の路線にはすべて乗っておりましたし、JR東日本沿線の私鉄にもほとんど乗っていたのですが、1か所、弘南鉄道(こうなんてつどう)の中央弘前~大鰐(おおわに)間を乗り残していました。このあたりを乗った「111.青森・十和田ミニ周遊券旅行(1995年7月その2)」でここだけ時間が足りなくて乗れなかったのです。

また、ウィークエンドフリーきっぷは青森の先の方まで東京から15000円で往復できるきっぷでしたから、意外と中小国~函館の間をきっぷを買い足して函館まで1泊旅行をしてみるのもおもしろいんじゃないかと思いました。それで土曜の夜は函館で宿を取ることに決めました。クレジットカードのホテルリストを見て、「ビジネスイン花ホテル」という函館のホテルを予約しました。

そう言えば函館の市電も、「122.札幌雪祭りと北海道旅行(1994年2月)」で谷地頭(やちがしら)までは行ったけど、函館どっく前の方の路線に乗っていなかったなあと思い出しました。とりあえず函館では函館市電を函館どっく前まで乗ろうと思いました。

時刻表を見ていろいろ考えましたが、行きはまっすぐ函館に行き、函館を観光し、帰りに弘前に行って大鰐まで電車に乗り、秋田に行って秋田リレー号に乗ると接続が良さそうです。旅の大枠は決まりました。


問題点

ただし、行きに接続の良い東北新幹線は始発のやまびこなのです。

以前「78.秋田と宮城のローカル線(1995年11月)」でこのやまびこに乗った時に、席がいっぱいで新花巻までずっと立っていたことを思い出しました。朝はできるだけ早くに東京駅に着いておきたいです。

そうだ、東京ステーションホテルというところに泊まってみようと考えました。

ウィークエンドフリーきっぷ1枚分の宿泊料がかかりますが、何かの話のタネになるし、鉄道ファンなら一度は泊まってみてもいいんじゃないかと思ったからです。

そんなわけで金曜の夜の分を予約しました。


修正

そしてしばらくして、青春18きっぷが2回分余ることになったので、函館まできっぷを買うべきところを青春18きっぷで行くことに変更しました。

なんと中小国~函館間はその区間だけで運賃は2260円(青春18きっぷの価格÷5)を超えているのです。

そして、どうせ青春18きっぷなら、行きの日に江差まで往復しておこうと思いました。

函館観光の時間がなくなり、函館どっくまで往復して終わりということになりますが、そのくらいの価値はあると思いました。

こうして3月はじめの金曜の夜になり、ぼくは東京駅へと向かったのです。

東北新幹線その1

チェックイン

3月はじめのとある金曜日の夕方、ぼくは東京駅に向かっていた。そして到着。まずは丸の内側の改札を通る。

そして東京ステーションホテルの前に出た。緊張するなあ。さあ、入ろう。

去年申し込んでいたVIEWカードを見せて1回払いにしてもらう。これで1割引だ。

1割引でも13500円だが、都心のホテルとしては安い方だろう。すると部屋の案内係が部屋まで案内すると言う。さすがに高いホテルは違う。

でもエレベーターはないと言う。そう言えば種村直樹の東京ステーションホテル物語にそう書いてあったような気がするなあ。

案内係に種村直樹の本を見てここに来たんですよなどと言いながら階段を上がる。ようやく部屋に来た。ここで係は帰っていく。

部屋は変なつくりになっていた。部屋のまんなかに柱が1本立っていて、鏡がついている。

建築のことはわからないが、いろいろ構造上こんなつくりにせざるをえなかったのだろう。


夕食

さて食事だ。確か東京駅の近くにJCがあったっけ。行こう。

ぼくはいったんホテルを出て地下に行き、JCでおにぎりやその他の飲み物などを買って部屋に戻ってきた。そして食べる。それから風呂にも入ろう。

この部屋はなんと、窓から丸の内南口の改札前広場が見えるのである。もう夜遅いが金曜日なのでけっこう人通りも多く、たいくつさせない。

それから買ってきた本でも読もうと読んでみたら眠れなくなってしまった。

夜12時を過ぎた。なにしろきょうこのホテルに泊まったわけは、朝一番の盛岡行きやまびこの自由席にすわるのが目的なのである。

そのために13500円かけるのも本末転倒なのだが、東京ステーションホテルは由緒有るホテルだから、それくらいはかけてもいいだろう。


チェックアウト

結局眠れないので、どうせならと眠らないことにして、朝5時を迎えた。さあ、チェックアウトだ。

チェックアウトして改札に向かう。今日使うのはウィークエンドフリーきっぷだが、中小国から函館までは青春18きっぷを使わなければならない。

もし青森で下車できるなら、青森で青春18きっぷにスタンプを押してもらえばいいが、特急はつかりから快速海峡までの乗り換え時間が短いこともあり、どうせならとウィークエンドフリーきっぷと青春18きっぷの1日目の両方にスタンプを押してもらった。これでよし。

まだやまびこが出る朝6時まで時間があるが、これから乗るのは自由席なのだ。だからもう並んでおいた方がいいだろう。

ウィークエンドフリーきっぷを見せて中間改札を通り、やまびこの出るホームの有楽町寄りに向かう。そして並ぶ。


東京~盛岡

行列が多少長くなってきたところでやまびこが入線してきた。そして乗る。無事自由席にすわれた。どんどん乗ってきて、とうとう立ち客が出た。そして発車。

地下に入って上野駅に停車し、また地上に出て埼玉県に入っていく。大宮に停車。

ぼくの席の近くには男の子連れの母子がいたが、ぼくは13500円投資してこの席にすわっているわけだから、席をゆずるわけにはいかないなあ。

なにしろおととしは新花巻までずっと立っていたことを考えると、この席は貴重である。まずは眠ろう。

寝て起きるともう仙台を過ぎているようだ。相変わらず立っている人が多い。今後とも、このやまびこは混雑するようである。

そしてようやくやまびこは終点、盛岡駅に到着した。やまびこを降りる。

盛岡駅の中間改札はかなり前の方だなあと思いながら前に歩いていく。なんとか階段をおり、通路を進んで中間改札に来た。ウィークエンドフリーきっぷを見せて通った。

東北本線

盛岡~二戸

盛岡駅の中間改札にウィークエンドフリーきっぷを見せて新幹線エリアから在来線エリアに行き、特急はつかりの出るホームに行った。はつかりに乗り、自由席をめざす。
なんと自由席はもう満席だった。うーん、新幹線から乗り継いだ人が多そうだ。しかたない。立っていこう。はつかりは発車する。

そう言えばやまびこからはつかりに乗り継ぐのはこれが初めてだ。やまびこの自由席はうしろの車両だから、乗り換え改札に行くまでにけっこう時間がかかる。
今後やまびこからはつかりに乗り換えるには、盛岡に着く前に指定席まで歩いていって、ドアが開いたらダッシュではつかりに行かないとすわれないんだな、と改めて思った。今度からそうしよう。

はつかりは盛岡の市街地を離れていく。このあたりはおととし急行八甲田で通っている。
立っているのでそんなに景色を見ようとも思わない。畑や森の広がる風景が続く。


二戸~青森

はつかりは二戸に着いた。なぜかお客がぞろぞろ降りていく。あれ?
盛岡と二戸は同じ岩手県なのでけっこう行き来があるのだろう。そしてはつかりを使う客も多いようだ。空席ができたのですわる。

あとはうつらうつらしてしまった。
八戸に着いてもそれほどお客は乗ってこない。結局のところ、はつかりは盛岡~二戸が一番混雑するようだ。

野辺地を過ぎると海が見えてきた。むつ湾である。やっぱり海はいい。きょうは函館まで行くから海はたくさん見られそうである。
山の多い地形を抜けると市街地が近づき、無事終点青森駅に到着した。無事快速海峡に乗り換えできそうだなあと思いながら、ぼくははつかりを降りて階段を上がり、海峡の待つホームへ急いだ。

津軽海峡線その1

青森~蟹田

盛岡から乗ってきた特急はつかりを降りて、快速海峡に乗り換えた。青森はホームが多く、乗り換え階段は1つだけなので乗り換えにくい。
なんとか自由席にすわった。はつかりでは盛岡から二戸のあたりまで立っていたので、なんとかすわることができたのはありがたい。もっとも木古内(きこない)で降りてしまうのであるが。
海峡は北海道に向けて発車する。3年前に青函トンネルを抜けた時は急行はまなすだったから、青函トンネルを海峡で通るのは初めてである。

窓の外は、盛岡から降り始めた雪が相変わらず降り続いている。この具合だと青函トンネルを通っても降り続いているだろう。

快速海峡には、はまなすにはないものがあった。それは現在トンネルのどのあたりを走っているかを示す断面図みたいなものである。
まだ蟹田(かにた)にも着いていないのでランプはついていないが、そのうち現在の位置にランプがつくだろう。

おととし青森から三厩(みんまや)まで往復したことがあるのでこのあたりの昼間の景色は見たことがある。海沿いを走る風景である。そんなにスピードは出ない。蟹田まですいすい進んでいく。


蟹田~木古内

蟹田を過ぎ、中小国を過ぎてからしばらくすると線路のゴトゴトという音が小さくなった。外を見るといつのまにか複線になっている。JR北海道に入ったようだ。そしてトンネルをいくつかくぐっていく。
いくつかくぐるといよいよずっとトンネルとなり、目の前の断面図にランプが点灯した。青函トンネルは急行はまなすでくぐったことはあるが、海峡だといろいろなアナウンスがあってにぎやかである。

そして竜飛海底駅らしいあかりが見えて、あとはくらやみが続く。
いつのまにか吉岡海底駅も通り過ぎてしまったようで、トンネルを抜けて明るくなる。北海道入りである。いつか竜飛海底駅や吉岡海底駅にも行ってみたいな、と思った。

さて、今日は江差に行かなければならないので木古内(きこない)で降りる必要がある。江差行きまで乗り換え時間がけっこうあるので食事していこうと思う。3年前に食堂に行ったので、休業していなければまだあるだろう。


昼食

定刻通り海峡は木古内に到着した。青春18きっぷを見せて改札を通る。

3年前はそばを食べたが、あまりおいしいものではなかった。今度はスパゲッティでも食べたいなと思った。
駅を出て3年前に進んだ方向に進んだが、なんだか景色が変わっている。どうも以前あった店がつぶれて別の店になっているみたいだ。

とりあえすラーメン屋があるようなので、ラーメンでも食べていこう。ぼくはみそラーメンを食べた。北海道はやっぱりそばよりラーメンの方がうまいのかなあと思いながらラーメンを食べ終わった。

そして木古内の駅に戻る。もうすぐ江差行きがやってくる。

江差線その1

発車

けっこううまいラーメンを食べて、木古内の駅に戻ってきた。青春18きっぷを見せて改札を通り、江差行きのホームに出る。

ディーゼル車がやってきた。乗るとお客はけっこういる。そして発車。

ディーゼル車は森の中に入っていく。

木々のおいしげる森を見て、ぼくはなんとなく本州っぽい森だなあと思った。


景色

12年前、そして3年前と北海道には来ているが、その時に見た森の風景は、どことなく本州とは違うものだった。

しかし江差線の風景は本州の森のようだ。

むしろ3年前、2年前に見た青森の大湊線の方がどことなく本州離れしているなあと思った。

そしてなぜか、あたりに人家もない場所にぽつんとホームが見えた。そしてディーゼル車は各駅停車のはずなのに通過していく。あれは何だ?

あとでこのホームは、何かの撮影用だと知った。そんなふうにして江差線を通り過ぎていく。

江差の1駅手前の上ノ国(かみのくに)を過ぎると海岸に出た。なんだ?ものすごく波が荒い!


江差~木古内

3月の日本海はものすごく波が荒かった。やっぱり北海道は大変な場所だなあと思った。そして終点、江差に到着である。

青春18きっぷを見せて改札をいったん通ってはみたものの、ここは市街地のはずれらしく、あたりに店もない。折り返しの木古内行きは何分もせずに発車なので、とりあえず駅舎にあるパンフレットでも持っていくことにした。

そしてまた改札を通ってディーゼル車に戻る。さっきより客は少ない。発車する。

また波の荒い日本海を見て、森を通り抜けて木古内に戻ってきた。ぼくはディーゼル車を降りるとホームで函館行きの快速海峡を待つことにした。

江差線その2

旅行記本文

江差(えさし)から乗ってきたディーゼル車を木古内(きこない)で降り、ホームで函館行きを待った。
そのうち快速海峡がやってきた。3年前に乗った時より若干時間が遅いが、やはり自由席はいっぱいのようなのでデッキで立って乗ることにした。海峡は発車する。

窓の外は雪である。このまま雪が降り続いて、あしたJRが動かなくなるといやだなと思いながら海をながめる。

また函館山が見えてきたが、山の上の方がすっぽりと雲、もしくは霧で包まれている。
ぼくは函館山に登った時はいつも景色は晴れていたが、けっこう山から景色が見えないことも多いのかな、と思った。まあ今日は雪だし、函館山には登る予定はないのでいいかと思った。

そして数年ぶりに函館にやってきた。今日は初めて函館に泊まる。
快速海峡を降りて青春18きっぷを見せて改札を出る。今日の18きっぷは中小国→江差→函館と使ったことになるが、それでも4000円以上は使っているからもとは取れているだろう。

もうすっかり暗くなってしまった。さあ、当初の予定通り市電で函館どっく前に行こう。

函館市電

函館駅前~函館どっく前

木古内から乗ってきた快速海峡を函館で降りた。もう暗くなっており、観光はできない。雪はかなり降っている。さあ、3年ぶりに函館の市電に乗ろう。

3年前は谷地頭(やちがしら)まで往復したから、今日は函館どっく前に行こう。駅前の市電乗り場に行き、並ぶ。

雪はかなり降っている。なにしろ青春18きっぷのシーズンのうち冬と春は北国では雪のシーズンなのだ。

先に谷地頭行きがやってきたので見送り、次に来た函館どっく前行きに乗る。今日も混雑しており、立って進む。

十字街までの間にかなり客が降りていき、すわれた。十字街に着いてから右に曲がっていく。

いちおう大通りなので商店とかはそれなりにあるが、函館駅前のにぎわいよりは若干函館どっく前近辺はにぎわいが少ないようだ。ほとんど客がいなくなり、終点函館どっく前に到着である。


夕食

夕食がまだだった。どこか食堂はないかなあ。あそこに見える食堂だけのようだ。入ってみよう。

そこは食堂と言うよりも飲み屋のようだ。だからあまり食事のメニューがない。焼き鳥くらいだ。おなかがいっぱいになるのはお茶漬けだけのようだ。お茶漬けをたのむことにした。

テレビではセーラームーンが映っていた。さすがに最近はあまりテレビアニメを見ることもなくなってきた。ストーリーもよくわからないのでながめるだけにしておく。お茶漬けを食べ終えて店を出る。

食堂の前にはダイエーのマークのある小さめのスーパーがあった。たぶんダイエー系の店だろう。ここであしたの朝食とか買っていくことにしよう。

カップラーメンとか、飲み物とか買っていく。そして函館駅前方面の市電に乗ることにする。


チェックイン

夕方の函館駅前行きはそれほど混雑していなかった。ゆったりしながら函館駅前に着いた。さすがにここから乗ってくる客は多いけど。

さて、今日泊まる「ビジネスイン花ホテル」を探そう。電話して場所をきいたらかなり南寄りにあるようだ。市電の函館駅前のとなりの停留所の方が近いようである。

市電通りより南に進み、見回すと確かに「花ホテル」という看板があったので進んでみた。大通りより若干裏道に入ったところにホテルがあった。なにしろ雪のシーズンなので裏道は雪が積もっている。でもぼくは北国で何年か住んだからころばないようにあるいてホテルに着いた。

チェックインすると風呂に入り、飲み物を飲んだ。そしてお茶漬けだけではちょっと足りないのでお菓子とかも食べておく。

あしたは早いし、きのうの東京ステーションホテルでは全然眠っていないので、今日はゆっくりと眠ることにする。おやすみなさい。

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