Sorry, Japanese only! (1996年12月その1)

103.富山の私鉄と神岡鉄道

説明

1996年~1997年の年末年始は、予想外に旅行をたくさんすることになったので青春18きっぷを2枚、10回分使うことにしました。
だから予定の旅行のほかに、天皇誕生日近辺で旅行してみようと思いました。

まずねらいを定めたのは神岡鉄道です。

この鉄道は、ムーンライトながらで岐阜に行き、高山本線を乗り継いで猪谷(いのたに)に行って乗ろうとするとどうしてもどこかで長い待ち合わせになってしまうのです。

むしろ富山から猪谷に行って乗った方が接続が良いのです。

最も都合がいい乗り継ぎは、富山に一泊し、富山から朝の高山本線で猪谷へ、そして奥飛騨温泉口に行って富山に戻って来るのが一番乗り継ぎが便利です。
富山に戻ってきたら大糸線経由で東京に帰ってくるのが一番都合がいいのですが、残念ながら大糸線は水害で長い運休になっています。ですので信越本線経由で帰ろうと思いました。

富山に行くのはムーンライトながらで大垣に行って、そこから米原経由で行こうと思いました。

かなり時間が余りますが、このあたりは乗っていない私鉄がたくさんあるので、いろいろ乗ってみようと思いました。

富山の宿は8月に立山黒部アルペンきっぷの旅行で使った富山ステーションホテルがまた取れました。ちょっと遅くなると言っておきました。

このようにして、夏に続いてムーンライトながらに乗るためまた横浜に向かったのです。

東海道本線その1

横浜駅

東横線の電車は、無事横浜駅に到着した。

それにしても東横線の金曜の夜は遅くても混雑している。今日も立ったまま横浜まで来た。

夏に近江鉄道に乗った時以来のムーンライトながらに乗る。何回か乗っているうちにだいたいのことがわかった、とりあえず指定席は小田原まで、7号車か9号車と指定して買えば今のところなんとか発売日の夜にみどりの窓口に行けば、それほど混雑しない時期なら買える。

小田原行きは小田原から混雑する。だからトイレに行くなら小田原の手前で行っておこう。

横浜から乗る人はそんなに多くないので、横浜から乗るときはとなりの人がぼくの指定席に荷物を置いていることが多いので、しんぼう強く待ってどかしてもらう、まあそんなところである。

待合室のない横浜では、今日もびゅうプラザのそばのパンフレット置き場だけが待つスペースである。今日もパンフレットを見て午後11時50分を待つ。

そして有人改札に行き、青春18きっぷにスタンプを押してもらい、指定席券を見せて通る。

ホームに行くとサラリーマンたちがたくさんいた。もちろんほとんどの人はムーンライトながらの客ではなく、1本前の小田原行きに乗る人たちである。

小田原行きがやってきた。横浜で降りる人も多いが乗る人の方が多い。満員で横浜を発車していった。金曜はこんな深夜12時までお客がたくさんいるんだな、たいへんだなあと思いながら見送る。

ホームに残ったのはながらに乗る客だけになった。向こうの京浜東北線や京浜急行のホームにはサラリーマンがかなりいるが数分前のこのホームよりは人数が少ないようだ。


横浜~名古屋

そしていよいよムーンライトながらがやってきた。指定席を取っているのであせる必要はないのだが、やっぱり夜行に乗る時はちょっと緊張する。

やってきたので乗る。今日もとなりの人に荷物をどかしてもらって乗った。そして発車。

もう何度も大垣行きの夜行列車には乗っている。だんだん慣れてきたような気がする。

なにしろながらで眠れなくても、乗り換えた先の電車で眠れればいいのだと思ってから気が楽になり、逆に眠れるようになった。

今日も小田原まで眠れず、小田原から通路にたくさんの客が並ぶのを見ながら過ごしたが、その後いつのまにか眠ってしまい、気がついたら浜松だった。

浜松で向かいの臨時列車を見送り、こっちも発車してまた眠る。不思議と豊橋では起きず、起きたら岡崎が近かった。

今日は北陸本線に乗るので、4月に樽見鉄道に乗った時のように大垣まで乗ろうと思う(あの時は臨時の方だったが)。岡崎で降りて米原行きに乗ると、北陸本線の電車が数十分遅くなるからだ。


名古屋~大垣

この車両は名古屋止まりなので、前6両に移るか臨時に移らなければならない。そしてながらは名古屋に到着した。まずは降りる。

向かいのホームの臨時列車を見てみたが、だめだ。ドア近くに若い男たちが横になって寝ている。やっぱり前6両に行こう。

どうせ席はあいていないだろうなあと思い、ドア近くで立っていることにした。臨時列車が発車した後でながらも発車だ。

あとは快適に進んでいく。名古屋の平野を進み、岐阜を過ぎる。そしてひさしぶりの大垣に到着した。ながらで大垣に来るのは初めてである。

米原行きは混雑しているだろうし、どうせ米原から北陸本線に乗るし、あまり急がずに階段をのぼっておりて乗り換えることにした。

東海道本線その2

旅行記本文

横浜から乗ってきた快速ムーンライトながらを大垣で降りて、階段をのぼっておりた。

そこには米原を経由して姫路の方に向かう電車があった。すでに席はいっぱいである。去年4月に品川から大垣まで乗ったことはあるが、あの時は美濃赤坂と樽見に行ったので、この電車に乗り換えるのは初めてである。

とりあえず客でいっぱいの電車に乗る。電車は発車する。

途中駅で、地元っぽい客が乗ってくる。青春18きっぷの時期はいつもこの電車には大垣行きから降りた客が乗っているわけだし、あまり乗りたくないと思っているに違いない。免許の取れる人はさっさと車を買ってしまうのだろう。関ヶ原を過ぎ、滋賀県に入っていく。

滋賀県に入ると高校生が乗ってくる。青春18きっぷの時期の朝はいつもすわれないかわいそうな人たちである。けっこうな人数いて、ますますかわいそうである。電車はますます混雑して米原へと向かっていく。

そして米原に到着である。ほとんどの客が降りる。向かいの新快速に乗る人がほとんどであるが、ぼくは北陸本線に乗るので階段をのぼる必要がある。ぼくは高校生たちといっしょに米原駅の階段をのぼっていった。

北陸本線その1

米原~長浜

大垣から乗ってきた電車を米原で降りた。ホームの向かいからはそのうち姫路に向かう新快速がやってくる。

しかしきょうは北陸本線に乗る。だから階段を上がる必要があるのだ。まずは階段に向かう。

階段の上の通路はなんとも長いものだった。米原駅は在来線のホームの間に貨物専用のレールがあり、そのため大阪方面のホームから新幹線ホームに行こうとすると長いこと歩かされるようである。

なんとか新幹線の中間改札の近くまでやってきた。北陸本線ホームはここのようである。まずは階段をおりる。

ここでいったん長浜に向かい、長浜で敦賀(つるが)行き、そして敦賀から武生(たけふ)まで行って福井鉄道に乗り換える予定である。ホームで長浜行きを待つ。

長浜行きがやってきた。ここ数年お世話になっている新快速の車両である。

本当なら10月に長浜から米原までこれに乗るはずだったが、事故で代行バスに乗ることになってしまった。だから米原~長浜間に乗るのはきょうが初めてだ。しっかり景色を見ておこう。座席はがらがらで楽にすわれた。出発だ。

電車は貨物用のレールっぽいレールを何本か見て進んでいく。大垣~米原間が山々の間をぬって進むのに対して、ここは琵琶湖に近い場所を進むので平坦な地形である。人家の少ない場所を進んでいく。


長浜~武生

そして2ヶ月ぶりの長浜に着いた。電車を降りる。さて敦賀行きは、げっ、あんな前の方だ。走らなくちゃ。

なんとか敦賀行きの電車に乗った。寝台改造車である。けっこう混雑しているので立っていこう。じきに出発する。

2ヶ月前はもう夜だったので景色を見るのは初めてである。米原~長浜間と違ってやや山がちな地形である。

何駅か過ぎると席が空いてすわれたので、景色を見るのもこれくらいにして少し眠ることにする。なにしろムーンライトながら明けなので眠いのだ。おやすみなさい。

目が覚めるともう敦賀であった。さあ、乗り換えだ。10月にも乗り換えたやや曲がったホームで、地下通路を通って乗り換えである。福井の方に向かう電車は寝台改造車ではなく、ボックス席が並ぶ見通しのいい車両だった。まずは出発。トンネルを通る。またちょっと眠ろう。

また目が覚めた。まだ武生には着いていないようだ。左右に山が見える景色である。

そして武生に着いた。電車を降りて青春18きっぷを見せて改札を出る。さて、福井鉄道の武生新(たけふしん)駅はどこだろう。

駅前に武生新らしい駅舎は見あたらないので、もしかしたら右手にあるのかもしれないなあと思いながら駅前の道を右に曲がって歩き始めた。

福井鉄道

武生新駅

敦賀(つるが)から乗ってきた電車を武生(たけふ)で降りて、駅前の道を右に進んだ。

数十メートル進むと小さな駅舎が見えてきた。駅舎に入ってみると自動券売機がある。どうやらここが武生新(たけふしん)駅のようだ。きっぷを買おう。

さてどこまで買おうかと思ったが、「福井」と目についたボタンを押してみたら出てきたきっぷには「福井新」と書いてあった。あれ?よくよく券売機を見ると今ぼくが押したボタンには福井新と書いてあって、となりに「福井市内」と書いてある。

うーん、このきっぷだと福井駅のもより駅までは行けないか。しかたない。福井新というのが福井駅とどれくらい離れているかわからないが、福井新で降りて歩いてみるか、と思った。

そう言えば埼玉新都市交通に乗った時も、終点の内宿のボタンを押さなければならないところをとなりの羽貫(はぬき)のボタンを間違って押してしまい、羽貫から内宿まで歩いたっけなあと思い出す。

あの時は雨が降っていたが、きょうは晴れているからまあいいかと思った。


武生新~福井新

電車が来た。改札にきっぷを見せて通り、電車に乗る。お客は数人程度である。そのまま発車。

電車はゆっくりゆっくり進んでいく。今まで乗ってきた北陸本線の電車と比べるとものすごく遅く感じる。

こんなに遅いから客が少ないのかなあと思いながら進んでいく。武生を出てしばらくすると田んぼが広がる。いい景色である。そんな景色がしばらく続いていく。客はほとんど乗ってこない。

そんな田んぼの景色も終わり、福井の市街地に入っていく。市街地に入ってしばらくしたところで「次は福井新」というアナウンスがある。あれ、降りなくちゃと思い、出口に行き停車を待つ。福井新に来た。ここはどうやら住宅地のようである。まずは降りよう。電車が発車していく。福井駅はどっちの方向だろう。


とりあえずそれらしい方向に歩く。住宅街の細い道を進んでいくと、ようやく大通りに出た。大通りを歩く。北陸本線のレールが見えてきた。これに沿っていけば福井駅に出るようだがレールのそばに道はない。大通りを進み続けよう。

川が見えてきた。大きな川なので橋は少ないようだ。橋を渡ろう。たぶんこれでだいぶ福井駅が近づいたはずだ。

陸橋が見えてきた。北陸本線を渡る陸橋である。陸橋って大きな駅の近くにあることが多いから、たぶんこのあたりに福井駅があるんだろうなあと思っていたら、陸橋のそばに郵便局を見つけた。そうだ、お金をおろしていこう。

実は当時勤めていた会社は、銀行ATMなら社内食堂のそばにあるが、郵便局ATMだと会社を出て100メートルほど歩いた所にしかなかったのだ。だから郵便局に行くのはめんどうなのである。だからここでおろしていくのだ。

ATMで金をおろした。さあ、福井駅を探そう。

北陸本線その2

福井~金沢

郵便局を出て、福井駅を探した。こっちの方かな?

なんとかJRの駅の入口っぽい場所に出た。バスターミナルにもなっているようだ。ここが福井駅だろう。

改札に、1日目のスタンプが押された青春18きっぷを見せて通った。

ホームに行く。去年10月は結婚式から新婚旅行に行く人たちがいて、にぎやかだった福井駅だったが、さすがに今日はそのようなことはない。電車に乗って出発だ。

福井駅周辺の市街地はせまく、たちまち冬の田んぼばかりの景色になる。雪は積もっていないようだ。

のどかな平野の風景を見ながら電車は石川県へと進んでいく。8月以来4ヶ月ぶりだ。あの時は富山から津幡(つばた)で折り返していたので、金沢に来るのは初めてである。


金沢~高岡

平野がずっと続いていたが、ようやく市街地になり、金沢駅に到着である。ここで電車の乗り換えだ。金沢近辺にも私鉄がたくさんあるが、今日は富山県に急ごう。

高架でけっこうホームの本数の多い、大きな駅で電車を乗り換えてまた進む。発車するとまたのどかな景色になる。電車が津幡に着いたところでぼくは北陸本線完乗となった。

あとは8月にも見た景色である。石川・富山県境は山の中を進んでいく。トンネルを通る。トンネルを抜けてもまだ山の中だ。

このあたりの氷見線(ひみせん)・城端線(じょうはなせん)には8月に乗ったので、あとは富山の私鉄に乗ろうと思った。となればまず乗るのは高岡から出ている加越能鉄道(かえつのうてつどう)だ。よし、高岡で降りて乗ろうと思った。

電車は山を抜けて富山の平野に入っていき、目的地、高岡に到着した。ぼくは電車を降りて、青春18きっぷを見せて改札を出た。

加越能鉄道

高岡駅前~越ノ潟

金沢から乗ってきた電車を高岡で降りた。青春18きっぷを見せて改札を出る。さて加越能鉄道の乗り場はどこだろう。

駅前に停留所があり、その前をレールが走っている。発車時刻を見てみたが、次の電車は途中駅までしか行かず、終点の越ノ潟(こしのかた)に行く電車は多少待つようだ。もう午後3時ごろだがまだお昼を食べていないので食べよう。

富山県は豪雪地帯なので地下に商店街がある。地下におりると食堂があった。とりあえず定食をたのんで食べる。今日もうまい。

食べ終わって停留所に戻り、やってきた越ノ潟行き電車に乗ると発車だ。

お客は10人ほどで、まあまあの客の数である。
電車は道路の中央を進んでいく。車の多い道路である。

そのうち道路をはずれて専用軌道に入る。そんなに田畑が多いわけではなく、古い住宅が続く場所を電車は通っていく。お客もかなり降りて数人になった。
そのまま進み、やがて電車は終点、越ノ潟に到着した。まずは電車を降りる。


さて、気になるものがあった。駅のそばに船があるのだ。はたしてこの船はどこに行くのだろう?
ぼくは乗ってみることにした。さて、運賃はどこに払えばいいのかなと思っているうちに出発だ。

運賃箱みたいなものがどこにも見つからない。
そう言えば日本には無料の渡し船があるとどこかの本に書いてあったような気がするが、ここがそうなのかもしれないなと思った。まずは船と景色を見てみよう。

船の中には自転車置き場があった。自転車が乗ることもできるようだ。
お客は10人もなく、4~5人ほどである。電車に乗っていなかった客もいるようで、けっこう使われている船のようである。

景色を見てみた。港と言うか湾と言うか、のどかで日本海の波のやって来ない場所であった。岸辺の建物もそんなに工場とか少なく、いい景色だなあと思っているうちに船は進んでいく。

そしてようやく船は終点に着いた。まずは降りる。

港の前はバス停になっていた。富山駅行きである。乗ることにしよう。

そう言えば富山には市電があって、西の端の停留所の名前は「大学前」だったっけなあと思い出した。もし富山行きのバスが大学前を通るのなら降りて市電に乗り換えようと思いながら、ぼくはバスに乗り込んだ。


なお、越ノ潟から出ている渡し船については、検索エンジンで検索してみるといろいろわかると思いますのでいろいろ調べてみてください。

富山市電その1

バス

越ノ潟(こしのかた)から乗ってきた無料の渡し船をおりるとそこには富山行きのバスがあった。乗ってみた。お客は10人ほどである。まずは出発する。

このあたりは越ノ潟近辺よりずっと家並みが少ない。原っぱが広がっている。

細かい金がないので、信号待ちしたところで500円玉の両替をしようと両替機に500円玉を入れてみた。しかし戻ってきてしまう。

「お客さんすみませんねえ。調子悪いんですよ。」
「そうですか。それじゃ千円札にします。千円札っと・・・」

席に戻って千円札を持ってきて両替機に入れた。こちらは無事両替出来た。

そのうち原っぱが少なくなった。住宅地が遠くに見えてきて、車通りも増えた。郊外のバイパスという感じの場所だ。

そしてバスは「大学前」という停留所を通るという案内があったのでボタンを押す。そしてバスを降りる。さて市電の停留所はどこだろう。

ためしにバスが行ってしまった方向に歩いてみると、市電の駅らしきものが見えてきた。

あとで鉄道のメーリングリストでこの話を書いたところ、市電の大学前駅のバス停はバスの大学前のとなりだとのこと。けっこう不親切なのである。


大学前~富山駅前

そして駅で電車を待つ。やってきた。南富山駅前まで行くようなので乗ろう。

電車は4~5人ほど乗せて発車する。だんだん家並みも多くなってきた。

大きな橋を渡る。橋のまんなかに市電のレールがあるというのは、先月に乗った広島の市電でもあったような気がする。川って気持ちがいいものだ。

そして市街地に入っていく。客も増えていくが、広島とか函館とか豊橋とか、そういう場所の市電より多少客が少ないようだ。
でも金沢みたいに市電がなくなってしまうよりはこういう市電が残っていたほうがいい。

良く全国で「最も豊かな」都道府県は富山県だという話を耳にするが、こういう市電も豊かさの1つなんだろうなあと思う。

富山駅前で客を入れ替えてさらに市電は進む。あとはどんどん客が降りていく。12月は日が短く、もうだいぶ暗くなってきた。でももうちょっと今日は電車に乗ろう。


富山駅前~南富山駅前

8月に立山黒部アルペンルートの旅をした。その時に立山から電鉄富山まで富山地方鉄道に乗っている。

残りの富山地方鉄道のうち、新魚津から宇奈月温泉までは、欅平(けやきだいら)までの黒部峡谷鉄道のトロッコ列車といっしょに来年以降に乗ればいいとして、今日は残りの富山地方鉄道に乗ろう。

南富山からの最も効率のいい乗り方は、南富山→岩峅寺(いわくらじ)→寺田→新魚津と進み、北陸本線で富山まで行って、電鉄富山→南富山と進めば8月に乗った区間と合わせて全部乗ったことになる。よし、これでいこうと思った。なんとか終電までに乗りきれるだろう。

南富山駅前が近づくと客は大学前とほとんど同じ数になった。ずっと乗っているのはぼくだけだろう。

そして南富山駅前になった。目の前に電車が見える。これから大学前に向けて発車する電車だろう。

と、今乗っている電車が手前で停車した。ここで降りろとのこと。

ホームがいっぱいだと手前で降ろされるらしい。よく見ると今停車している場所の脇にもう1本レールがあり、奥に停車している電車はこの脇のレールを通って大学前に向かうらしい。

まあいいか、数時間後にまたここから市電で富山駅前に行く予定になっているし、と思った。とりあえず新魚津に行こうと思い、目の前の駅舎がたぶん富山地方鉄道の駅舎だろうと思って入っていった。

富山地方鉄道その1

南富山~寺田

富山の市電を終点の南富山で降りて、おそらく岩峅寺(いわくらじ)行きの富山地方鉄道の駅らしい駅舎に入っていった。

とても古そうな駅舎である。こういう駅舎は都会にいるとなかなか見ることはできない。

新魚津まできっぷを買って、ホームに行く。しばらくすると岩峅寺行きの電車がやってきたので乗る。なんとも客の少ない電車であった。電車は発車する。

もう暗くなっているので景色は見えないが、いかにも古い電車らしく、それほどスピードを上げずに走っていく。そしてすぐに終点岩峅寺に着いた。乗る客も降りる客もほとんどいない。

次は寺田だ。8月に立山黒部アルペンきっぷで通った路線の一部である。待つ客も少なく、とっぷりと電車を待つ。やってきた。乗ってみたがやはり客は少ない。

古い電鉄富山行き電車が発車していく。それほど時間もかからないうちに電車は乗り換えの駅、寺田に到着した。電車を降りる。


寺田~新魚津

この駅は、おととし乗った鶴見線の浅野駅や、先月乗った阪急電鉄の石橋駅みたいに、ホームが三角形になっていて、三角形の2辺にホームがある駅である。

珍しい形の駅なのでゆっくりながめたいと思ったが、なんと新魚津に向かう電車がすぐにやってくるようだ。ぴったりしたダイヤなのである。あわてて三角形のホームの1辺、新魚津行きホームに向かう。電車がやってきたので乗る。

今度の電車も客は少なかった。きょうは土曜日だが、曜日に限らずここらへんの電車は客が少ないのだろうか。12月で観光客が少ないから電車の客も少ないのか。とりあえずすわれたので眠ってしまう。

目が覚めた。どうやらまだ新魚津には来ていないようだ。

窓の外はまっくらである。明かり一つない。

そんな景色を見ていた。新魚津が近づくと都会に入っていくのかと思ったが、たいして明かりも増えず、都市と言うよりもこじんまりした集落といった感じの場所に電車は入っていき、目的地新魚津に到着した。電車を降りる。さあ、JRの北陸本線に向かおう。

北陸本線その3

旅行記本文

寺田から乗ってきた富山地方鉄道の電車を新魚津(しんうおづ)で降りた。さてJRの魚津駅はどこだろう。

なんだか跨線橋みたいなものが見えるが、どうやら古くて危険で使用禁止らしい。まずは出口に行こう。

どうやら出たらぐるっとおおまわりしないとJRの駅に行けないらしい。なんとか進んで魚津駅に着いた。そして青春18きっぷを見せて改札を通り、ホームに行く。

富山行きの電車がやってきた。乗ってみたが1車両に5人以下の人数である。こんな人数なのに3両編成で走っている。電車は1両だけでは動かないのだろう。

静かな車内、景色も見えず、電車は進んでいく。富山地方鉄道の電車もすいていたが、JRの方もすいている。まあこの時刻はこんなものなんだろう。それでも電車がないと困る人がいるからなくてはならないだろう。

そんなふうにして時間は過ぎ、8月以来になる富山駅に到着した。ここで降りる。

きょう泊まるホテルは富山駅前だからもう眠りたいのだが、まだ富山地方鉄道の電鉄富山~南富山を乗り残しているのだ。だからまずは電鉄富山駅に行かなければならない。

ぼくは青春18きっぷを見せて改札を通り、電鉄富山に向かった。

富山地方鉄道その2

旅行記本文

魚津から乗ってきた電車を富山で降り、青春18きっぷを見せて改札を出て左手に向かう。

4ヶ月ぶりの富山駅だが、まずは南富山まで電車に乗らなければならない。電鉄富山駅の自動券売機に来た。

うーん、市電の運賃が190円なのに、こっちの運賃は南富山まで300円だ。これじゃ誰も南富山に行く人は乗らないだろうな。

300円のきっぷを買ってホームに行く。数時間前に南富山から岩峅寺(いわくらじ)まで乗った電車に電鉄富山から南富山まで乗るわけである。やはり客は少ない。発車だ。

富山の市街地なので多少は人家があるが、商店街のような明かりの多い場所は通らず、かと言って住宅地でもなさそうな、倉庫みたいな場所を電車は進んでいく。

ずっとそんな景色が続き、ようやく見覚えのある南富山駅にやってきた。ここで電車を降りる。

さあ、駅前に市電が待っていることがわかっている。さあ、市電でホテルに行って早く眠ろう。

富山市電その2

旅行記本文

電鉄富山から乗ってきた電車を南富山で降りた。だいぶ夜遅くなっているのでもうお客も少なく、閑散とした暗い駅である。

駅を出ると市電の乗り場があった。数時間前に降りたホームはちょっと北だったが、これから乗るホームはそこより多少南のホームだった。乗ってみたがこちらも客は少ない。まあこんなものでいいのだろう。電車は発車する。

南富山駅前はまちなかであり、富山まではずっと市街地が続いているのだが、さすがにこんなに夜遅いと乗ってくる客もほとんどおらず、さびしいまま富山駅前に到着した。

富山ステーションホテルに向かい、チェックインする。

もう夕食はすませているし、風呂に入って早々に眠ろう。

気がかりなのは、8月にこのホテルに泊まった時、うっかり寝過ごして、あとちょっとで上野行き特急白山に乗り遅れるところだったことだ。

でもこの前と比べると、ムーンライトながらではけっこう良く眠れたし、なんとかなるんじゃないかと思って眠った。おやすみなさい。無事起きられるといいな。

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