Sorry, Japanese only! (1998年9月)

105.航空機を使わず札幌・ミッドナイト旅行・2日目

函館本線その4

北口

札幌の大通公園の近くでアイスクリームを買って食べた。さあ、もうそろそろ札幌駅に戻ろう。

てくてく歩き、大きなビルの下を通って札幌駅に着いた。

13年前に、はじめて札幌駅で降りて以来、札幌駅前にはお店が少ないなあと思っていた。ためしに駅の北にでも行ってみることにした。

コンビニがあった。そうか、北口に店があったのか。

森のいかめしは食べたけど、それ以来食事をしていないので、とりあえずおにぎりを買っていくことにした。

あと、快速海峡の中の自動販売機で買ったナポリンという飲み物を探してみたのだが見あたらない。とりあえず快速ミッドナイトの出るホームに向かうことにした。


就寝

青春18きっぷを見せて改札を通り、ホームに行く。カーペットカーの車両の位置に行くとちょうど快速ミッドナイトにお客が乗り込むところだった。

ドアを通り、一番端の場所に行く。あれ?しまった。ここは女性専用席だ。しかたない、戻ろう。

戻るともう部屋の端のいい場所は取られていた。そう言えばカーペットカーは指定席とは言っても横になって眠る場所が決められているわけではなく、場所は早い者勝ちだったんだった。もっと早く並ぶんだったなあ。

しかたない、まんなかに行こう。

とりあえずおにぎりを食べると発車である。駆け足の札幌訪問だったが、雪景色しか見たことがなかった大通公園の雪のない景色を見ることができたのでよしとしよう。

車掌に青春18きっぷと指定席券を見せると新札幌である。そこを過ぎるとぼくは眠ってしまう。


起床

目が覚めた。もう明るくなっている。海辺である。だいたい森の北、八雲(やくも)のあたりの景色のようだ。

トイレに行くと、自動販売機があった。ビールが売っていた。「サッポロクラシック」というビールがあったので買うことにした。北海道限定のビールのようだ。あとで飲むことにしよう。

函館行きのミッドナイトは森から大沼の間は大沼公園を通らない、遠回りの経路を通るんだったなあと思い出した。森を過ぎたらまだ乗っていない経路なので良く景色を見ておこう。

ミッドナイトは森駅でいったん運転停車し、しばらくしてまた走り出した。大沼公園へのレールが離れていく。

目の前にはながめのいい山が見える。あれが駒ヶ岳だろう。

でもやがてミッドナイトと駒ヶ岳の間に森林が立ちはだかるようになった。ちらちらと森林に隠れながらミッドナイトは進んでいく。ミッドナイトは駒ヶ岳の東側をまわりこむように進むため、駒ヶ岳がずっと右手に見える。そうやって進んでいく。


到着

大沼駅に近づいた。大沼というくらいだから函館本線から沼が見えるのかな、と思ったが、いざ駅が近づくとすごい霧がかかってきた。沼というくらいだから朝は霧がかかるのだろう。

大沼駅で運転停車して、さらに進む。きのう特急北斗で通った時は通らなかった大沼から七飯までの路線である。けっこう大きな集落を通るようだ。

そして函館が近づいた。ようやく車掌のアナウンスがあり、みんな起きたようだ。とりあえず荷物をまとめて出口に行こう。函館山が見えてきた。

そして快速ミッドナイトは終点、函館に到着した。

ぼくはミッドナイトを降り、いったん改札を通ることにした。これから江差線で七重浜に行くのだが、乗り換え時間がけっこうあったからである。朝食は駅弁を買っていこう。

江差線

駅弁を買う

札幌から乗ってきた快速ミッドナイトを函館で降り、改札に向かった。青春18きっぷと指定席券を渡していったん改札を出た。

駅弁売り場に行き、駅弁を買う。買った駅弁は「青函トンネル弁当」であった。どんなものかわからないが、まずはきっぷを買おう。

きょうは青森まで船に乗る。もっとも時刻表を見たところによると、3年前に乗った船と違い、きょうの時刻だと「高速船」らしいので、もしかしたら快速海峡に乗った方が安いのかもしれない。

でも行きと帰りが同じではつまらないのでたまには船に乗ってもいいだろう。函館港は江差線の七重浜(ななえはま)の近くにあることはわかっているので七重浜まできっぷを買う。


函館~七重浜

きっぷを見せて改札を通り、江差線のディーゼル車に向かった。日曜朝なのでそれほど客はなく、すわれた。さあ、青函トンネル弁当を食べよう。

ふたをあけてみると、とりそぼろと炒りたまごがかかっためしに、ますなどのおかずがついていて、なぜかきのう森駅で買ったいかめしが1個ついていた。それから、ものすごく小さいカニがついていた。ちょっと食べにくいなあ。

なにはともあれ駅弁なのだからうまいだろうと思って食べる。しかしこの小さいカニが食べにくい。かじって中身をほじくり出してなんとか食べる。味は悪くないので、カニさえ食べにくくなければいい駅弁なのになあと思った。

ディーゼル車は発車し、五稜郭(ごりょうかく)駅に停車する。そして発車。七重浜は次の駅だ。

函館湾が見えてきて、港っぽい建物も見えてきた。しかし江差線のレールはふたたび内陸に入り、住宅街を通って目的地、七重浜に着いた。ここで降りる。降りたのは数人であった。


かわいいこ

ふと見ると、かわいいねこがいた。なんかエサでもないかなあ。

しかしぼくは駅弁を残さず食べていたのでねこに何もやるものがない。しかたなくカニのからをねこの前に置いてみたが、見向きもしない。

うーん、これからも旅先でねこに出会う機会はありそうだから、なにかねこの食べ物でも持っていった方がいいかもしれない。

くさりやすいものじゃしょうがないから、そうだ、煮干しでも持っていこう、そう思った。うまくいけばなでさせてくれるかもしれない。

さて、七重浜駅からフェリーターミナルに向かう。3年前に道順は調べておいてある。まっすぐ南に進み、セブンイレブンで東に曲がるのだ。

3年前に通った道の通り進むともちろんセブンイレブンがあった。何か買っていこう。

お、快速ミッドナイトの自動販売機でも売っていたサッポロクラシックのビールがあった。これでもうしばらく買う機会もないし、買っていこう。

セブンイレブンを出てぼくは東に歩き出した。

フェリー・函館港~青森港

函館港

函館から乗ってきたディーゼル車を七重浜(ななえはま)で降り、南にまっすぐ歩いてセブンイレブンで買い物して出た。東に進む。

3年前にも歩いた道なので迷わずに進む。ガソリンスタンドのところで右に曲がってずっと進むとフェリーターミナルに着いた。

3年前は大間行きだったので窓口ではなく自動券売機で券を買ってフェリーに乗ったが、きょうは青森行きなので窓口で買うことになる。当然いつものように住所と氏名を書いて窓口に「徒歩です」と言って出す。

今度の船は「高速船」なのでフェリーの運賃より高いようだ。まあ、乗ったことがないし、話のタネになるので乗っていこう。

それにしてもここの港、窓口のパソコンがちょっと古そうだ。ひとむかし前のパソコンのようだ。まあ、こういうところのパソコンはめったに交換できないから、古いものを使い続けているのだろう。

窓口のまわりをぐるっと見渡すと、割引券らしきものが置いてあるのを見つけた。1つは札幌や函館で使えるホテルの割引券で、もう1つは函館山のロープウェイの割引券だ。あとで行くことがあるかもしれないのでどちらも持っていこう。そう言えば13年前は函館山にはバスで行ったからロープウェイには乗っていないなあ。


出航

さあ、出航だ。高速船に乗る。案内に沿って進む。

普通のフェリーの二等はカーペットが敷かれた部屋に通されるものだが、この船は高速船なので座席しかないのだ。案内によるとデッキに出ることは禁止されているとのこと。船はデッキから海をながめるのがおもしろいんだけどなあ。

アクアラインができて廃止されてしまったけど、川崎から木更津行きのフェリーなんか、デッキで海をぼーっとながめるのが楽しかった。久里浜~金谷のフェリーは残っているからまたいつか乗ろう。

お客はほんの10人程度である。まあこんなものだろう。


音楽

座席にはイヤホンがあった。それも大昔に航空機に備え付けられていた、「空気イヤホン」なのだ。

いまはどこの航空会社も、一般オーディオのヘッドホンみたいに電気式のイヤホンになっていて、それで音楽を聴くものだが、ぼくがはじめて航空機に乗ったときはこんな空気イヤホンだった。差し込み口に音が流れていて、そこにイヤホンの「ノズル」を差し込むとその音が管を伝わって耳に届く、というイヤホンなのである。

古いものを大切に使う会社なのだろう。ためしに聴いてみよう。

おお!この声は、SMAPの中居くんではないか!

なかなかいい選曲だなあと思いながら音楽を聴く。景色はもう函館を離れ、すっかり函館と青森の中間地点にさしかかっているようだ。フェリーなら約4時間だが、高速船なのでもうちょっと速いようだ。

次の曲になった。おお、河村隆一だ。しぶいなあ。

いろいろな歌をしばらく聴いているとまた中居くんの声になった。少ない歌を繰り返しかけているのだろう。音楽を聴くのをやめて景色を見る。もうそろそろ津軽半島や下北半島が見えてくるころだ。


青森港

高速船は進み、陸奥湾に入っていく。さすがに高速船なので4時間もかからず、青森港が近づいてきたようだ。なにしろここの座席は左右の景色は見えるけど、前方の景色は見えないので今どこにいるのかわかりにくい。

それでも船は減速しているようで、青森港に着いたようだ。案内に従って進み、船を出る。

なんと青森駅までバスが接続しているのだ。青森駅から青森港までは歩いてたっぷりと時間がかかることはわかっているし、乗っていこう。別料金ではあるが。

なにしろすいていた高速船であるから、バスもすいていた。歩いて青森駅から青森港に行ったときは西口を出て北に進み、幅の広い道をまっすぐ西に歩いたものだが、このバスはその道は進まないようだ。

すぐに広い道をはずれて南に進んでいく。そして多少細い道をずんずん進み、陸橋を渡る。商店街に来たようだ。

そのまま商店街を進むと青森駅に到着だ。西口ではなく、正面の入口に着いたのである。

まだお昼だし、しばらく青森駅のまわりでも散歩しようかと思いながら、バスを降りた。

東北本線その2

昼食

青森港から乗ってきたバスを青森駅前で降りた。まだお昼である。はつかりとやまびこを乗り継げば東京には帰れるから、そんなに急がなくてもいいだろう。どこか見ていこう。

3年前の青森の旅行の時に青森駅から青森港まで歩いた時に見た建設中の橋が完成しているようなので行ってみることにした。こっちに歩けばいいのかなと思って歩いてみた。

歩いていると、なんだか変な三角形の建物が見えた。何だろう?

入って中をながめてみた。ここは、どうやら青森の名産品を案内する建物のようだ。名前は「アスパム」というらしい。名前の由来は何かわからないが、たぶん「Aomori」からはじまる言葉の頭文字を取ってつけられた名前かなあと思った。

いろいろながめてみたが、それほどおもしろいものでもない。でも食堂があるようだ。メニューを見たら、「アスパムラーメン」などというラーメンがあったので食べてみた。カニの入ったラーメンだ。カニはラーメンといっしょだと食べにくい。なんとか食べ終えた。もうアスパムは出よう。


アスパムを出ると、すぐ近くに斜張橋が見えた。斜張橋にのぼり、渡って青森駅を越える。

近くに使われていない船が見えた。よく見ると「JNR」のマークが見える。たぶんあれは青函連絡船として使われていた船だろう。

近づいてみると「本日貸切」の文字が見えた。おそらく今は食堂として使われているのだろう。

近くを見ると、使われていない列車の車両があった。これも食堂かと思ったが、どうやらただの待合室として使われているようだ。まあいいか。

ふたたび斜張橋に上がってアスパム側に出る。そして海に面した場所でぼんやり海を見て過ごすうちに、はつかりが出る時刻が近づいたので駅に戻る。


青森~盛岡

ウィークエンドフリーきっぷを見せて改札を通り、はつかりの出るホームに行く。今度のはつかりは快速海峡の接続がないので、その分すいているはずだ。事実、自由席には楽にすわれた。そして青森駅を発車。

はつかりは、きのうも見た景色を引き返していく。左手に青森湾が見える。そして野辺地(のへじ)を過ぎ、八戸に着く。お客がたくさん乗ってきた。はつかりは盛岡から八戸の間で混雑するようだ。

八戸を過ぎる。また山の中に入っていく。きのうは快速ミッドナイトで車中泊なので、けっこう眠い。うつらうつらしながらはつかりは進んでいき終点盛岡に着いた。

さて、今度乗る新幹線は前方がやまびこ、後方がこまちだ。たぶんこまちの自由席は満席だろう。そしてやまびこの自由席は一番前方にある。

まだ発車まで時間があるので、前方のやまびこの自由席をめざそうと思い、ぼくは階段を上がってウィークエンドフリーきっぷを中間改札に見せて通った。

東北新幹線その2

旅行記本文

はつかりを降り、ウィークエンドフリーきっぷを見せて盛岡の中間改札を通り、前方に進んでやまびこの自由席に急いだ。

やまびこに入る。なんとか座席はあいているようだ。後ろ向きの3列席があいていたのですわる。そして眠る。

気がつくと仙台を過ぎていた。きのうは朝から晩まで列車ざんまいだったが、今日は暗くなる前に東京に帰れそうだ。あしたは会社だし、アパートに帰ったらゆっくり休もう。

でも今日は9月の第一日曜日だから、大宮のダイエーで「一の市」をやっているな、大宮で降りてダイエーで買い物しようと思った。やまびこは無事大宮に着いたので降りる。さあ、ダイエーに行こう。9月の旅はこれまでだが、10月は10月の旅が待っている。

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