111.青森・十和田ミニ周遊券旅行・3日目
東北本線その3
就寝前
蟹田(かにた)から乗ってきた電車を降りた。乗り換え時間がそんなにないので急いで上野行き急行八甲田を見つける必要がある。まずは階段を上がる。
案ずることはなく、すぐに八甲田の入線しているホームは見つかった。さて、急がないとすわれなくなる。自由席に向かおう…あれ?
自由席はがらがらで、10人も客はいなかった。
おとといの上野発は席が埋まっていたのに、今日はこれしか客がいないのである。
これじゃ臨時列車になってしまうんだろうなあと思った。
八甲田は青森を発車する。もう外は暗いので適当に眠ってしまうことにする。なにしろ夜行3泊目なのである。おやすみなさい。
起床
目が覚めた。もう外は明るい。
腕時計を見た。良かった。宇都宮は過ぎているがまだ小山には着いていないようだ。
これから上越線で越後川口まで行って飯山線に乗る予定である。大宮まで乗っていってもスケジュールに余裕はあるのだが、小山で両毛線に乗り換えられればその方がいい。
荷物をまとめて出口に向かう。相変わらず自由席はがらがらなので楽にドアに向かい、八甲田は小山に到着した。降りる。
小山駅
さて、青森・十和田ミニ周遊券を使うのはここまでで、ここからはこの夏最初の青春18きっぷを使うことにする。
先週18きっぷを使うつもりだったが、水野あおいちゃんの銀座三越屋上での握手会のため18きっぷ旅行を取りやめて握手会に行ったのである。先週の分まで18きっぷで列車に乗りたい。
そのため、いったん改札を出て18きっぷに日付を入れてもらうことにする。階段を上がり、改札でミニ周遊券のB券を渡してしまう。
そしていったん改札の外に出て、荷物の中から18きっぷを取り出した。さあ、改札を通って新前橋に行こう。
両毛線
小山駅
青森から乗ってきた急行八甲田を小山(おやま)で降り、いったん青森・十和田ミニ周遊券のB券を改札に渡して通った。
そして青春18きっぷを1枚取り出し、日付を入れてもらって通る。今年の春は18きっぷを使わなかったから、去年の12月以来ひさしぶりの18きっぷである。
両毛線のホームはほかのホームと違うところにあるので長い通路を通って進む。
でも待っていたら駅員らしい人がやってきて、「高崎行きはあっちのホームですよ」と言う。
また長い通路を進んで東北本線のホームに行ったら高崎行きが停車していた。始発の両毛線はここから出るらしい。電車に乗って休む。なにしろ3日宿に泊まっていないのでとても疲れているのだ。
小山〜新前橋
そのうち電車は発車する。
両毛線は、去年11月に吾妻線の大前まで行った時の帰りに桐生に寄って、上毛電鉄の西桐生~赤城とわたらせ渓谷鐵道の大間々~桐生に乗った時に新前橋から桐生、桐生から小山まで乗っている。使ったきっぷはスーパーホリデーパスだ。
だから今日も同じ景色をながめる。栃木県側は、右手に山がずっと続く風景だ。大平下(おおひらした)の近くでは左手にも山が見える。足利を過ぎてから桐生までの間も左手に山が見える。
群馬に入って桐生駅を出て渡良瀬川を渡ってから、右手に赤城山が見えてくる。とは言っても、今まで青森や北海道を旅行してきたのだから、関東地方の景色はたいくつに感じる。でもこれから数時間後には飯山線に行くと思うとわくわくする。
そして前橋を過ぎ、新前橋に電車は到着した。上越線に乗るためにはここで降りる必要がある。月曜朝の電車を降り、水上(みなかみ)行きの電車を待つことにした。今回の旅行もあとちょっとだ。
上越線
新前橋〜水上
小山から乗ってきた両毛線の電車を新前橋で降りた。この駅は乗り換えが簡単でいい。
階段をのぼっておりて水上(みなかみ)行きの出るホームに行く。そしてしばらく待つと水上行きがやってきた。さすがに今日は月曜日なのでそれほど混雑しているわけではない。席も空いており、ゆっくりと電車は発車し進んでいく。榛名山と赤城山の間を進み、渋川をぬけて山に入っていく。しばらくすると川のそばを通る。
そして水上に着いた。長岡行きに乗り換えよう。水上まで乗ってきた電車とはちょっと雰囲気の違う電車に乗る。発車する。
水上〜越後川口
ここ2日、青森県の列車ばかり乗ってきたので、関東の電車はそれと比べるとどことなくなつかしい気がする。長いトンネルをくぐる。去年3月は土合で降りたりしていたが、今日は土合では降りずに新潟県へと進んでいく。
越後湯沢をぬけ、新潟の盆地を進んでいく。新潟は去年今年と何回か行ったが、季節が違うと景色も違って良いものである。小出も過ぎていく。
そして目的地、越後川口に着いた。ここから飯山線に乗って飯山に着いた時点でぼくはJR東日本完乗になるのである。
電車を降りて青春18きっぷを見せて改札を通ってみたものの、この駅は駅前にお店とか全くない。去年からいろいろとJRをはじめとした列車に乗る旅行をしているが、全国各地にこういう乗換駅はあるのでそれほどめずらしくもないなあと思いながら、越後川口駅に戻ることにした。
飯山線その1
発車
越後川口駅で途中下車していたが、飯山線の発車時刻が近づいたので駅に戻り、青春18きっぷを見せてホームに入る。
停車していた列車はものすごく古いものだった。乗ってみたらおととい三沢から青森まで乗った客車みたいに冷房がついてなかった。こんな列車ってけっこう全国に多いのかなあ。
なにはともあれ暑いので窓を全開にする。そして客車は動き出した。窓から風が入ってくる。
なにしろきのうは夜行の急行八甲田車中泊、おとといは夜行のフェリー、その前も八甲田なので、とても眠い。しばらくうつらうつらしていた。冷房がないのでそれほど眠れないのだが。
川
しばらくすると左手に川が見えてきた。いい川だなあ。
去年の9月に通った米坂線の川を思い出した。日本にはこういう川沿いを通る路線って、けっこうあるんだろうなあと思いながら、古い客車は進んでいく。
そしてようやく客車は終点、戸狩野沢温泉駅に到着した。客車を降りる。月曜の昼なので客はほとんどいない。乗り換えの長野行きはすぐそばに停車していた。お、どうやらこっちの列車には冷房がついているようだ。
ありがたいなあと思いながら乗り換えた。冷房がついているのを喜んだのはこの時が一番だったと思う。
飯山線その2
戸狩野沢温泉~飯山
越後川口から乗ってきた客車を戸狩野沢温泉駅で降りて、ディーゼル車に乗り換えた。
ふう、冷房だ。冷房はありがたいなあ。
そんなことを考えているうちにディーゼル車は発車した。客車でかなり眠っているのに、さらに眠く、また景色を見ながらうつらうつら眠る。
相変わらず川が見える。やっぱり列車の窓から川が見えるっていうのはいいなあ。
そんなふうにして半分眠っていると、もうすぐ飯山というところになった。この列車が飯山に着くとぼくはJR東日本を完全乗車したことになるのである。そして到着。
飯山〜長野
この調子で残りのJRの路線も乗ってみたいなあと思った。残りが少ないのはJR東海かな。でも高山本線とか、紀勢本線とか、全部乗るのはめんどうそうだ。
あとは3年前にも乗った区間だからぼんやりしてすごす。
川が見えなくなり、だんだん家並みが多くなり、都会に近づいた。
そして、何度も来ている長野駅にディーゼル車は到着した。ディーゼル車を降りる。
さあ、きょうは長野で降りているひまはない。すぐに上田に行って別所温泉まで電車に乗らなければならないのだ。ぼくは階段を上がり、上田に向かう電車に急いだ。
信越本線その1
旅行記本文
戸狩野沢温泉(とがりのざわおんせん)から乗ってきたディーゼル車を長野駅で降りた。長野駅では何回か降りたことがあるが、今日は上田電鉄に乗って別所温泉に行くという目的があるので立ち寄るわけにはいかない。ただちに上田方面の電車に向かう。月曜ではあるがお客はかなり乗っている。発車だ。
いつものように長野の市街地を離れていく。やがて左右に山々が見えてくる。いい景色である。きのうおとといと青森の風変わりな景色を見てきたが、長野もいい景色である。
3年前に乗り換えた屋代(やしろ)や戸倉(とぐら)を通り過ぎていく。
そして目的地、上田に着いた。ここで降りる。となりのホームに変わった電車が見えた。どうやら別所温泉に向かう電車のようだ。駅を出なくても乗り換えられるのはありがたいと思いながら、階段を上がった。
上田電鉄
上田~別所温泉
長野から乗ってきた電車を上田で降りて、階段をのぼっておりて、ホームできっぷを買って上田電鉄の電車に乗り換える。オールロングシートの電車である。
じきに発車する。月曜日だし、そんなに客は乗っていないようだ。いちおう行き先は別所温泉なのだが、温泉客らしい人もいない。
電車はすぐに上田の市街地を離れ、田んぼの中を走るようになる。各駅に停車し、数人ずつ降りているので、途中駅の利用者は多いようだ。
そしてもうすぐ別所温泉というところで、とうとう客の数はぼくを含めて数人になってしまった。やっぱり温泉客は土日には多いけど月曜は少ないのかな。
田んぼの風景は、温泉街の風景に変わっていき、そして終点別所温泉駅に到着した。上田駅で買ったきっぷを渡して降りる。
別所温泉駅
そこは集落の入口ではあるが、あまり温泉宿が近くにある場所ではないようだった。おそらく、ここから多少進んだ先が温泉街なのだろう。
そしてバス停がある。バス停の行き先は上田駅である。
たぶん上田からだとバスに乗れば別所温泉駅より先の、温泉宿まで連れて行ってくれそうである。
と言うよりも、これだけ道路事情が良ければ、自家用車でここまで来た方が絶対便利なのだろう。
ぼくはこのバスに乗ると、電車では見られない風景が見えるんじゃないかと思い、帰りはバスに乗ることにした。それほど待たずに来るようだ。バス停で待つとバスがやってきた。さあ乗ろう。
バス
バスの客はぼくを含めて2~3人である。バスは発車すると、レールとは別の方向に走り出した。そしてすっとばしていく。
アップダウンが多く、退屈させない走りである。田んぼの中を走るのは変わりないが、上田電鉄とは別の場所をずんずん進んでいく。
電車もいいが、バスもおもしろいものだなあと思いながら午後の日差しの中を過ごした。
そして上田の市街地に入り、無事終点上田駅に到着した。ここでバスを降りる。運賃は上田電鉄より多少高いくらいだった。
昼食
さて、上野行きの特急ならいくつもあるのだが、ぼくが今使っているのは青春18きっぷなので高崎行き普通列車を待たなければならない。次の高崎行き電車まで1時間以上ある。よし、食事だ。長野県ならそばがいいだろう。
幸いそば屋が駅の近くにあったので入る。客も少なく、注文すれば電車に間に合いそうだ。そばを注文して食べる。長野県のそばはどこのそば屋でもうまいなあ。
足かけ4日の旅行の最後の食事はこうして終わったのである。ごちそうさま。
ころあい良く高崎行きの発車時刻が近づいた。さあ、駅に戻ろう。
信越本線その2
旅行記本文
そば屋を出て上田駅に戻った。ころあい良く高崎行きの電車がやってくる。
信越本線の電車は軽井沢止まりが多く、高崎行きは貴重なのだ。青春18きっぷを見せて改札を通る。
ホームで待つと電車がやってきた。月曜日なのでそれほど混雑はしていない。発車する。
小諸(こもろ)を過ぎて軽井沢に着いた。長かった旅行も碓氷峠を越えたらもうすぐ終わりだ。
いつものように軽井沢から横川に向かう客の数はとても少なく、1車両に10人もいない。電車は発車し、ゆっくりゆっくりと横川に向かっていった。
今日は実家に帰って、来週アパートに戻って1週間仕事したらいよいよ雛形あきこちゃんと握手しに名古屋に行く日だな、と思いながら実家へと帰っていった。
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