112.ムーンライト九州と新宮夜行
説明
背景
1995年は夏休みにばりばり旅行した年でした。9月にも一般周遊券を使ってちょっと変な旅行をしてみました。
まずはひとやすみして、今度どこに行くかはまた後で考えようと思っていました。
さて、ぼくは当時JTB時刻表のファンで、いつもJTB時刻表を買っていました。
しかしある時ふとJR時刻表を立ち読みしていたら、変なきっぷを目にしました。
「鉄道の日記念・本州乗り放題きっぷ」という名前のきっぷのようです。どうやら青春18きっぷとほぼ同じ、普通列車のみ乗り放題のきっぷですが、JR東日本・JR東海・JR西日本しか乗れないようです。
JTB時刻表の方を見てみました。載っていません!なんとJR時刻表にしか載っていないきっぷらしいです。なんともおそろしいなあ、と思いました。
体育の日の前日に休暇を取れば4連休になるから、体育の日は休むことにして、前半の3日間きっぷを使おうと計画して駅に行き、きっぷを買いました。確かに鉄道の日記念と書いてあります。
計画1
さてどこに行こうかと思いましたが、最初に乗る列車は大垣行きの夜行です。これは決まっています。
そこから先が問題ですが、ぜひとも行ってみたい場所がありました。それは、
・美濃太田(長良川鉄道)美濃白鳥(バス)九頭竜湖(越美北線)福井
というルートです。ぜひともここに行きたい理由は、青春18きっぷシーズンにこのルートを通るには以下の不都合な点があるからです。
・冬休みと春休みには3連休があるが、残念ながら美濃白鳥~九頭竜湖のバスは運休している
・夏休みには3連休はないし、おそらくこのバスは混雑しているだろう
というわけで、10月というシーズンがこのバスにはぴったりなわけです。
計画2
ただしこれに乗って福井に着くと、もうその日のうちには普通列車を乗り継いでも東京には帰れません。
しかし最初の日に、おあつらえむきにムーンライト九州が出ていることがわかりました。夜はこの列車を宿代わりにしようと思いました。
ただし博多までは行けません。本州乗り放題きっぷなので、下関までしか有効でないからです。
いろいろ考えましたが、下関の手前の厚狭(あさ)で降りて、岩徳線、呉線、赤穂線を経由して新大阪まで戻り、新宮行きの夜行に乗って、そこから松阪行きの列車に乗って、乗り継いで東京に帰ろうと思いました。
東海道本線その1
品川〜浜松
体育の日の数日前、とある金曜日の夜、東京駅にやってきた。
10月は青春18きっぷが使えないシーズンだから大垣行き夜行は東京駅から出るはずだ、と思っていたのである。東京発の時は川崎ではまだ夜12時前の発車なのできっぷは横浜まで用意する必要がある。
しかし案内を見たら、なんときょうは品川始発だった。運賃を川崎~横浜の分で100円以上損してしまったわけである。しかたない。品川に行こう。
山手線で品川に行き、いつもの臨時ホームに行く。さすがにこの「鉄道の日記念・本州乗り放題きっぷ」が出たことはJTB時刻表に載っておらずJR時刻表だけなので、それほど客はいないようだ。まずは待とう。
待ってもあまり客はやってこない。そして入線。無事すわれた。
金曜日なのでサラリーマンが乗ってきて混雑して発車である。
車掌がやってきたので間違えて横浜まで買ったきっぷと本州乗り放題きっぷを見せる。ちゃんと使えるようだ。
あとはきょうもグダグダと眠る。長い旅行は去年の北海道旅行に続いて今年も青森に3日間の旅行をしている。長い旅行はいかに疲れをためないかが肝心なので、眠れる時には眠ってしまおう。
気がつくと浜松である。とりあえず電車をおりて、駅のトイレに行って戻る。
浜松〜愛知御津
さてこれからの予定だが、8月の雛形あきこちゃんと握手した時に、名鉄の豊川稲荷の駅員に豊橋行きのきっぷを売ってもらえなかったため、名鉄の国府(こう)から豊橋までの区間に乗り残している。
どうせ今日は長良川鉄道の美濃白鳥(みのしろとり)~九頭竜湖(くずりゅうこ)までのバスに乗る必要があるが、本数が少ないため午後になってから乗ることになって時間がある。
だから国府に近い東海道本線の駅で降りて国府まで歩き、豊橋まで名鉄に乗って岐阜~美濃太田~美濃白鳥と電車・ディーゼル車に乗る計画なのである。そして国府に一番近そうな駅は地図を見たところどうやら愛知御津(あいちみと)が近そうである。だから愛知御津で降りることにして、浜松からは起きていることにした。
暗い中を電車は進み、豊橋を過ぎた。愛知御津はそれほど豊橋から駅は離れていないので眠らないようにしなければと思いながら愛知御津を待った。
そしてようやく愛知御津、ぶったおれて寝ているやつらをまたいでドアに行き、電車を降りた。もちろんぼく1人である。
階段をのぼっておりて改札に来た。こんな時刻でも駅員がいる。本州乗り放題きっぷを見せた。
駅員は、見たこともないきっぷを見て驚いているようだった。いちおう時刻表にも載っているきっぷなんだけどなあ。
とは言ってもちゃんと「東日本・東海・西日本旅客鉄道全線(特急(新幹線を含む)・急行を除く)」って書いてあるのでちゃんとしたきっぷだと思ったらしく、改札は通れた。こんな愛知御津みたいな駅でこのきっぷを買ったり使ったりする人もいないということなのだろう。
10月のこの時刻はまだまっくらであった。さあ、名鉄の国府駅に行こう。
名鉄名古屋本線
愛知御津駅〜国府駅
品川から乗ってきた大垣行き電車を愛知御津(あいちみと)で降りたぼくは、まだ真っ暗な中を、名鉄の国府(こう)駅をめざして歩くことにした。とりあえず内陸側に歩こう。
愛知御津の駅前自体、住宅はあるものの店とか全然ない場所だった。駅を離れると空き地が目立つようになる。さらに歩く。こっちだと思う方向をめざして歩く。まだ暗いし、人通りもない。
それでもだんだん明るくなってきた。
今日の行程は、長良川鉄道の美濃白鳥(みのしろとり)から九頭竜湖(くずりゅうこ)までバスに乗る予定になっていて、バスは1日に数本しかない。だから行程に余裕があるのだが、できれば国府には早めに着いていたほうがいい。さらに明るくなってきて、夜がすっかり明けたようだ。
そしてようやく名鉄らしいレールが見えてきた。こっちかなと思い左に曲がってみる。
するとようやく、分岐駅と言うにはとても小さい国府駅が見えた。よし、なんとか到着したぞ。
国府〜豊橋
豊橋まできっぷを買う。ここは豊川稲荷と違って自動券売機がある。改札を通って2ヶ月前にも来たホームに来た。
電車がやってきた。朝早いのでお客は少ない。まわりに畑の目立つ国府駅を電車は発車した。
豊橋行きのはずなのだが、畑ばかりの場所である。山も近くに迫っている。そんな中、すいすいと電車は進んでいく。
なんでも名鉄の豊橋の近くはJR飯田線とレールを共有しているそうだ。ということはどこかで飯田線と合流しているはずだが、どこかわからないうちに電車は多少大きめの市街地に入っていき、終点豊橋に着いた。
さあ、ここからはまた鉄道の日記念・本州乗り放題きっぷの出番だ。でも確か豊橋はJRと名鉄の中間改札はなかったよな、と思いながら電車を降りた。
東海道本線その2
旅行記本文
国府(こう)から乗ってきた名鉄の電車を豊橋で降りた。ここはJRとの共用駅なので名鉄のきっぷを改札で渡すこともなく大垣行きの新快速に乗り換えである。となりのホームから出るようなので階段を使わずにすむ。
大垣行き夜行の客はもういないが、朝のラッシュアワーの客がいる。でもたいてい豊橋から満席になることはない。とりあえずすわる。3日間の長旅なのでここで眠っておくことにする。
気がつくと名古屋を過ぎているようだ。きょうは岐阜で降りなければならないのでなんとか起きられてよかった。無事岐阜に到着。新快速を降りた。
8月には何度も乗り降りした岐阜駅だが、今回は乗り換えるだけだ。さあ、高山本線のホームに行こう。
高山本線
旅行記本文
豊橋から乗ってきた電車を岐阜で降りた。さて高山本線に乗り換えよう。
案内に従って階段をおりてのぼってまたおりて・・・そう言えば去年9月に多治見から美濃太田経由の岐阜行きに乗って大垣行きに乗り換えたけど、こんなに複雑な通路じゃなかったような気がする。
たぶん岐阜駅は工事中で、それでちょっと通路が長いのだろう。なんとか高山本線のディーゼル車までやってきた。列車自体は去年と同じだ。乗って出発。
去年はぐっすり眠ったままだったので、初めての高山本線の景色を見てみる。うん、平野の景色だ。ちょっと高い山が左右に見える。
お客の多少多いディーゼル車は定刻通りに美濃太田駅に到着した。ここから長良川鉄道だ。今年8月にも美濃市から美濃太田まで乗ったが、今日は北濃(ほくのう)まで乗る。
どんな景色かなとわくわくしながらディーゼル車を降りた。
長良川鉄道
美濃太田〜北濃
岐阜から乗ってきたディーゼル車を美濃太田で降りた。
さすがにまだ朝早いので人はそんなにいない。まずは北濃(ほくのう)行きの長良川鉄道のディーゼル車の出るホームに向かう。
2ヶ月前に乗ったばかりなのですぐにホームは見つかった。乗るとけっこうな客がいる。それも小学生が多いようだ。そして発車。
しばらくは景色をながめていたが、品川から岐阜まで夜行にゆられてきたので眠ってしまった。
目が覚めるとお客はほとんど降りていた。左右の山々がせまっており、平野の奥に来たんだなあと思った。そして終点の北濃に到着した。ディーゼル車を降りる。
すぐ戻る列車はあるが、どうせすぐに美濃白鳥(みのしろとり)に向かっても、九頭竜湖(くずりゅうこ)行きのバスが出るまでは時間があるから、しばらく北濃のまわりを散歩してみようと思った。
昼食
しかし、駅のそばにはラーメン屋があった。今日はもうここくらいしか食事できる場所はなさそうだし、入ってみよう。
「いらっしゃい。」
そこはお兄さんが1人で営業しているラーメン屋だった。ラーメンを注文する。まんがが置いてあったので見て過ごす。
ラーメンがやってきた。けっこううまいラーメンである。ここよりまずいラーメンを出す店はいくらでもある。
「ちょっとトイレ行ってくる。」
お兄さんはぼくを残してトイレに行ってしまった。まあ、いなかの食堂なのだからこれでいいのかもしれない。すぐに戻ってきた。
そしてラーメンを食べ終えた。ごちそうさま。
やっぱりいきどまりの路線の終点に食堂があるっていうのは雰囲気が良くていいなあと思うが、あまり客が来なさそうで、本当にこの店はやっていけるのだろうかと思った。
美濃白鳥
さて、店を出たのはいいが、そのまま北濃から美濃白鳥まで列車に乗るのではつまらない。
ぼくはとなりの駅まで歩こうと思った。そして歩き始める。
北濃のそばには公園とかあったが、あとは歩いても山が見えるだけであまりおもしろそうな場所はない。
そのままとなりの駅まで来た。無人駅である。ホームで待つと列車がやってきたので乗る。やはりお客は少ない。
山を見ながら目的地、美濃白鳥に到着である。まずは待合室で待とう。
待合室に入ると、学級文庫みたいに本が本棚に並べられているのが見えた。列車を待つ間に本でも読もうということなのだろう。
けっこういい駅だなあと思いながら、ぼくは九頭竜湖行きのバスが出るまで美濃白鳥の待合室で待った。
(その後、とある書籍に北濃のラーメン屋は営業を休止していたと書いてあったのを読んだ。あのお兄さんがその後どこに行ったかはわかっていない。)
バス・美濃白鳥〜九頭竜湖
旅行記本文
長良川鉄道の美濃白鳥(みのしろとり)駅の待合室で本を読んで待つ。そのうち九頭竜湖(くずりゅうこ)行きバスの発車時刻になったのでバス乗り場で待つ。
バスがやってきた。乗ってみたけど、お客はぼくの他には女性1人だけのようだ。夏は混雑するのかもしれないが、10月はこんなものなんだろう。バスは美濃白鳥を発車していく。
発車するとバスは、急な坂をのぼっていく。多少細い道である。
うしろには今まで美濃太田からずっと進んできた長良川がつくった盆地が見えている。そんな平地があっという間に低く低くなっていく。
細い道をあえぎながらバスは進む。もうじき岐阜と福井の県境だ。盆地は見えなくなってきた。どうやら峠を越え、福井側に入ったようだ。
とたんに道幅が広くなった。いったん道をはずれてとても細い道に入ったが、Uターンしてまた広い道に戻ってきた。さらに進む。
湖が見えてきた。いかにもダム湖っぽい湖だ。ここが九頭竜湖なのだろう。ということはもうすぐ九頭竜湖駅なのかな?
湖が終わってもしばらく進む。そしてバスは終点、九頭竜湖に到着した。越美北線の駅である。どうやらこの駅から湖までは歩いていくには遠いようだ。
越美北線は本数が少なく、発車までは多少時間がある。九頭竜湖の駅舎を見てみた。
ログハウスっぽい駅舎である。観光に力を入れているのだろうか。
駅に入り、案内を見てみた。でもそれほど気になる案内はなかった。まあこんな場所だから、観光地と言ってもたいしたものはないんだろう。ぼくは案内を見るのをやめ、列車を待つことにした。
越美北線
旅行記本文
長良川鉄道の美濃白鳥(みのしろとり)から乗ってきたバスを九頭竜湖(くずりゅうこ)で降り、ログハウス風の駅舎をながめて過ごすと、ようやく福井からディーゼル車がやってきた。
降りてくる客の数はたいしたことはない。列車の数が少ないので地元客にも見放されているのかもしれない。ぼくといっしょに乗ってくる客の数も少なかった。
鉄道の日記念・本州乗り放題きっぷを見せて改札を通る。特に珍しがられることもなく、ディーゼル車に乗る。じきに発車だ。
ディーゼル車はまずトンネルに入る。そのまま、ずいぶん長いことトンネルを進む。九頭竜湖ってたいへんなところだなあ。
トンネルをぬけて何駅かすると越前大野だ。多少大きな市街地のようだ。
客が乗ってくるがここも客の数はたいしたことはない。また発車。
あとは越前大野みたいな市街地はなく、森に囲まれた中をディーゼル車は進んでいく。そんな景色がずっと続く。
あと数駅で福井駅というところになって、ようやく森が開け、平野に出た。そして終点の福井のほんのすぐそばになってようやく大きな市街地に入っていく。そして終点福井に到着。大きな駅で、ホームもたくさんあるようだ。
なにしろきょうが初めての福井県なので勝手がわからないが、北陸本線に乗り換えることにする。ディーゼル車を降りて階段を上がろう。
北陸本線
旅行記本文
九頭竜湖(くずりゅうこ)駅から乗ってきたディーゼル車を福井駅で降り、階段をのぼっておりて長浜行きの電車に乗った。ボックス席ばかりの電車で、いい車両だなあと思った。なにしろはじめての福井なので、どんなものも新鮮である。
ふと窓の外を見ると、ワッショイ、ワッショイという声が聞こえた。スーツ姿の男が胴上げされている。
どうやら結婚式が終わり、これから新婚旅行に向かう新郎らしい。なかなかたいへんだ。
そんなにぎやかな風景を見ているうちに発車時刻になり、長浜行きは福井駅を発車した。
福井駅周辺はそれなりに家並みが多いのだが、すぐに畑の広がる風景になった。そしてお客は福井から何駅もしないうちにどんどん降りていき、車内はがらがらになった。
そんなふうにして時間が過ぎ、敦賀(つるが)を過ぎる。そして電車は山の中に入っていく。
さて、ぼくはこの電車を近江塩津(おうみしおつ)で降り、湖西線の電車に乗り換えようと思った。なぜかと言うと、去年9月に来た湖西線の比叡山坂本(ひえいざんさかもと)の駅の近くで見つけられなかったそば屋が、どうやらすぐ近くの京阪電鉄の坂本駅の近くにあるということがわかったからである。
そんなわけでぼくは近江塩津の駅が近づくとドアに向かい、近江塩津で降りた。同じように降りた客が10人ほどいた。この駅は山の中の駅である。
湖西線の発車時刻まではけっこうあるようなので、いったん階段をおりて改札を通り、待つことにした。
湖西線
近江塩津〜近江今津
北陸本線の電車を近江塩津で降りて待合室に行く。けっこう同じ目的で待合室にいる客が多く、4~5人ほど集まる。もっともぼくと同様に本州乗り放題きっぷを持っている人は少ないようだ。そのまま待つ。
ようやく近江今津行きの電車がやってきた。入ってみると薄暗い電車である。
あとで知ったことだが、この電車は昔は寝台車で、普通列車用に改造したとのことである。お客は少なく、同じ滋賀県内でもあまり行き来がない区間なのだろう。電車は発車する。
森の中を抜ける。抜けると多少ひらけた場所になり、高架の続く場所となる。
去年比叡山坂本から京都まで乗った時も湖西線は高架だったが、比叡山坂本より北もずっと高架のようだ。高架のまま終点近江今津に到着である。
近江今津〜比叡山坂本
ここから京都行きに乗り換えである。ここからの電車はさっきより車両数が多く、熱海より東の東海道本線で普通に走っているような電車である。電車は発車する。
もし昼間なら琵琶湖が見えるのかもしれないが、日が暮れてきた。お客はそんなに多くなく、日が暮れた中を電車は進んでいく。
これから京都発のムーンライト九州に乗るわけだが、まだちょっと時間がある。ちょっと寄り道していきたい。
去年は石山から坂本まで京阪の石山坂本線に乗ったわけだが、今日は坂本から乗り、途中の浜大津で京阪の京津線(けいしんせん)に乗り換えて京阪三条に行ってみようと考えた。京阪三条からはなんとか京都駅に行けるだろう。
そして、去年場所がわからなくて行けなかったそば屋の「鶴喜(つるき)」にも寄りたい。比叡山坂本の近くばかり探していたが、京阪の坂本駅の近くらしい。
そんなことを考えているうちに電車は比叡山坂本に着いた。とっぷりと暗くなっている。
改札に行き、鉄道の日記念・本州乗り放題きっぷを駅員に見せる。
「なんですか?これは?」
「いや、JRの時刻表にも載っているきっぷなんですけど。」
けさ愛知御津(あいちみと)駅の駅員さんに見せた時もこのきっぷを知らなかったようだし、比叡山坂本の駅員さんも知らないようである。
しかしきっぷにちゃんと「東日本・東海・西日本旅客鉄道全線(特急(新幹線を含む)・急行を除く)」と書いてあることだし、きっぷを知らないのはただの無知だし、へえ、と驚きながら駅員さんは通してくれた。
さあ、京阪の坂本駅まで歩こう。
京阪電鉄・石山坂本線
旅行記本文
JR比叡山坂本駅から京阪の坂本駅まで歩く。
去年9月に逆向きには歩いているので、それっぽい多少細めの道を進む。山が近づいてきた。
どうやら駅のそばに来たようだ。さてそば屋の「鶴喜(つるき)」をさがそう。
なんとか見つけた。しかし戸が閉まっている。よくよく看板を見ると、「営業時間 ~午後6時」と書いてある。
げっ、夕食時間にもならない6時で閉まるのか、そんな店もあるんだなあと思った。たぶんこの店が載っていた鉄道の本には営業時間が書いてあるはずで、チェック不足のようである。しかたない。
今日は用意しておいたカロリーメイトが夕食だなあと思いながら坂本駅に行く。しかしひとけがない。
そう言えば去年石山から坂本まで乗った時、坂本の寸前で車掌がきっぷを回収したっけなあと思い出した。ということは坂本は無人駅なのか。
でも自動券売機はあった。京津線までひとつづきのきっぷは売っていないようなので、浜大津まできっぷを買う。ホームで待つと電車がやってきたが、ほとんどお客がいなかった。そのまま発車である。
もうほとんど客が乗ってこないが、だんだんと景色がにぎやかになり、大津の市街地に入ったところで浜大津である。ここで降りる。
さて、京阪三条に行くにはどうしたらいいんだろう。案内を見ると、どうやら改札を出た道路の上に乗り場があるようだ。ぼくは改札にきっぷを渡して乗り場に向かうことにした。
(注意:これは1995年のことで、2006年現在石山坂本線と京津線は同じ駅構内で乗り換え可能です)
京阪電鉄・京津線
旅行記本文
坂本から乗ってきた電車を浜大津で降りた。京阪三条にはどうやって行けばいいだろう。とりあえずきっぷを改札に渡す。
案内によれば、改札を出て階段をおりたところに京阪三条行きの電車があるようだ。階段をおりて出口を出ると電車があった。入口を見つけて乗った。
電車が発車する。どうやら市電みたいに道路の中央を走るみたいで、車と車の間を電車は通り過ぎていく。
しばらく電車は市街地っぽい場所を進んでいったが、そのうち山の囲まれたような場所に出る。
なにしろもう午後7時を過ぎていて暗いのでよくわからないが、大津と京都を結ぶ道路のそばを通っているようだ。道路が見えていて車が行き交っている。こちらの客はそれほど多くない。
山と山の間を抜けていく。どうやら県境を抜けて京都府に入ったようだ。そのまま道路沿いを電車は進んでいく。
けっこう時間がかかって、電車は終点京阪三条に到着した。運賃を払って電車を降りた。
さて、もう午後8時を過ぎている。ムーンライト九州の出る時間は午後10時前だし、これからどうするか考えることにした。
京阪電鉄・京阪本線
旅行記本文
浜大津から乗ってきた電車を三条で降りた。
ここはJRの京都駅から離れてはいるが、京都の中心に近い場所らしい。
さて、今日これから乗るムーンライト九州に乗るためJR京都駅に行くにはどうすればいいだろう。
時刻表を見ると、ここから出ている京阪電鉄は東海道線とは連絡していないが、京都から出ている奈良線の京都のとなりの駅、東福寺(とうふくじ)で接続しているようだ。よし、京阪で東福寺に行き、奈良線で京都に行こう。
どうやら東福寺に向かう電車は三条の地下を走っているようなので地下に進む。
自動券売機に来た。東福寺まできっぷを買って自動改札を通り、ホームに出た。
首尾良く淀屋橋(よどやばし)行きの電車がやってきたけど、どうやら特急のようだ。東福寺って特急停車するのかな?
案内板を見ると、どうやら停車しないようだ。特急がやってきた。見過ごした。出ていった。
とりあえず各駅停車を待とう。
やがて各駅停車がやってきた。ドアが開いたので乗る。ドアが閉まった。夜ちょっと遅いせいか、あまり混雑していない電車だ。
電車は地下を走る。四条、五条と停車していく。
七条を過ぎてしばらくすると電車が地上に出た。
そして電車は東福寺に到着した。ここで降りる。
さて、奈良線に乗り換えるにはどうしたらいいのだろうと思い、ぼくはJRの入口を探すことにした。
奈良線
旅行記本文
京阪三条から乗ってきた電車を東福寺で降り、JRの駅を探してみた。
案ずることはなく、東福寺の駅はJRの駅舎と京阪の駅舎が一体になったもので、ホームは別であるがすぐにJRの駅舎に進むことができた。さて奈良線の発車時刻は何分後だろう。
奈良線の京都行きの電車の時刻を調べてみたところ、数十分先で、しかもムーンライト九州の発車のわずか数分前に京都に到着する予定になっていた。間に合うかなあと思いながら、しかたないのでそのまま東福寺で待った。
東福寺は、京都のとなりの駅なのにけっこう人通りの少なそうな駅であった。駅のまわりが住宅街っぽいので、京都は大きな駅のそばでも住宅が持てるんだろうなあと思った。そして待つ。
ようやく京都行きがやってきた。乗る。まだ午後9時ごろではあるが、客はほとんどいなかった。電車は発車する。
東福寺の発車時刻は定刻だったようなので、なんとか間に合うんじゃないかと思ったが、京都駅の奈良線ホームは去年乗った時は確か南のはずれだったしなあ、と思っているうちに景色はにぎやかな京都の景色になり、電車は無事京都駅の奈良線ホームに到着した。
電車を降りて、ぼくは階段を上がった。さあ、ムーンライト九州の出るホームに急ごう。
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