Sorry, Japanese only! (1995年10月その1)

112.ムーンライト九州と新宮夜行・2日目

山陽本線

旅行記本文

東福寺(とうふくじ)から乗ってきた電車を京都で降りた。急がなくてはならない。ムーンライト九州の出る時刻まで何分もない。

多少離れていた奈良線のホームからなんとかムーンライト九州の出るホームまでやってきた。よかった。なんとか間に合った。まずは乗ろう。

自由席はがらがらであった。やっぱり鉄道の日記念きっぷがJTB時刻表に載っておらずJR時刻表にしか載っていないし、今年出たばかりのきっぷだから、それを使って休暇を取って旅行しようなんていう人はいくらもいないのだろう。とりあえず自由席の適当なところにすわる。本当なら4年前に乗るはずだった列車だが、今になってようやく乗れたのである。
大垣行きの夜行はボックス席であるが、この列車は快速なのに2人がけシートであった。まあなんにしてもいごこちがいいのが一番である。列車は京都を発車していく。

そして大阪に来た。多少お客が乗ってくるが満席になるほどではない。このまま降りるまで過ごせそうだ。そしてまた発車。
そのうち車内改札が来たので鉄道の日記念・本州乗り放題きっぷを見せる。青春18きっぷならあしたの日付を入れた券を用意する必要があるが、3日連続のきっぷなのでこれでいい。

さて、眠らなければならない。なにしろきのうも品川から愛知御津(あいちみと)まで夜行の列車に乗っているのである。目を閉じるとすぐに眠れた。

目が覚めた。時計を見た。よかった。まだ目的地の厚狭(あさ)には着いていない。
もう眠らないようにしないといけないな、と思いながら起きていた。10月で秋分の日は過ぎているので、ムーンライト九州が厚狭に着く時点ではまだ夜が明けていないのである。

到着時刻が近づいたので、荷物をまとめて出口に進む。そしてデッキで待っていると到着。ドアが開いたのでムーンライト九州を降りる。2日目の今日も無事始まった。

さて、今日はここから長門本山(ながともとやま)に行くわけだが、まずはとなりの小野田駅に行かなければならない。しかし小野田に行く列車は1時間後なので、ホームは寒いからいったん駅舎の方に行った。同じように厚狭で降りた客が数人いた。

そして1時間が過ぎてホームに戻る。やってきたのはディーゼル車だ。乗って1駅、小野田に進んで降りた。6時を過ぎてだんだん明るくなっていく。さあ、小野田線に乗り換えだ。

小野田線

旅行記本文

厚狭(あさ)から乗ってきたディーゼル車を小野田で降り、雀田(すずめだ)に向かう小野田線のホームに向かった。
ホームにあったのは山陽本線の電車とちょっとだけ違った電車だった。さすがに朝早いのでほとんどお客はいない。電車に乗り、しばらく待つと発車する。平坦なレールを進み、電車は雀田に到着した。ここで降りる。

去年4月に行った鶴見線の浅野駅と同じような、ホームが三角形になっていて三角形の二辺にレールがあるというような駅であった。このうち一つが長門本山に行くレールなのだろう。
しばらく待つと電車がやってきた。うわさどおりのこげ茶色の電車である。
去年4月に鶴見線の大川支線で武蔵白石(むさししろいし)から大川まで往復したのもこれと似たような電車らしいのだが、今日と同じく早朝でいねむりしながら乗ったのでよく覚えていない。

やってきた電車に乗ると発車だ。ぼくと同じような鉄道ファンが若干いるだけである。体育の日の前日に休暇を取れば4連休になるし、鉄道の日記念・本州乗り放題きっぷは売られているし、今日はあちこちで旅行している人がいるだろう。
わずか2駅進んで電車は終点、長門本山に着いた。まずは鉄道の日記念きっぷを見せていったん降りてみる。駅のそばには道路があり、道路のそばには海があった。
朝のおだやかな瀬戸内海が広がっていた。いい駅だなと思った。バス停もある。電車の数は少ないから、ふだんこのあたりに住んでいる人はバスで街に出ているのだろう。しばらく海をながめていた。

さて、電車に乗ろう。戻ると学生らしい人たちが何人か乗っていた。でも10人もいなかった。たぶんこの電車は鉄道ファンの方が客が多いのだろう。しばらくすると発車した。
すぐに雀田にやってくる。この電車に乗るのはここまでである。さて、宇部新川行きに乗ろう。
ホームを移動して宇部新川行きに乗る。さすがに1時間前に乗ってきた電車よりお客が少し多い。そのまま電車は居能駅に着いた。目的地は小郡だが、まずは宇部に行き、そこからまた宇部線で小郡に行くことにした。

宇部線

旅行記本文

雀田から乗ってきた電車を居能で降り、ホームでしばらく待っていると宇部行きがやってきた。乗ってみるとお客はけっこう多い。山口県の工業地帯だからお客も多いのだろう。にぎやかなお客を乗せて電車は宇部駅に到着した。
まずは降りる。朝食がまだなので何か買っていきたいが、売店でパンと飲み物とお菓子を買うくらいしか時間はない。鉄道の日記念きっぷを見せて買い物をしてまた改札を通る。そして小郡行きの電車に乗った。
宇部行きよりお客は少ない。もう朝の通学時間は過ぎたのだろう。ドアが閉まり、発車する。

2日連続で夜行に乗っているためとても眠い。少し眠ってしまった。気がつくともうすぐ小郡である。お客は宇部で乗った時と同じくらいの数であった。そして小郡に到着した。

今日は新大阪発新宮行きの夜行列車に乗るまでにあといくつか山陽本線以外の列車に乗る必要がある。まずは岩徳線に乗るために上り山陽本線で徳山に行く。上り山陽本線のホームに行き、やってきた電車に乗って発車である。
さくらやムーンライト九州で何回か通ったことはあるが、昼間の電車で通るのは初めてなのでしっかり景色を見ておく。海に近い場所を通り、なんとか眠らずに徳山に着いた。ここで降りて岩徳線に乗り換えることにする。

岩徳線

旅行記本文

小郡から乗ってきた電車を徳山で降り、岩徳線の出るホームに向かった。そこにあったディーゼル車は多少古いものだった。乗るとけっこうお客がいる。でも席はあった。席にすわるとぼくはたちまち眠ってしまった。

「終点ですよ。」

ぼくはおばさんに起こされた。みんな降りており、もう岩国だった。ぼくはあわててディーゼル車を降り、広島に向かう電車の出るホームに向かった。こうして岩徳線は思い出がなんにもないまま終わったのである。

呉線

旅行記本文

岩徳線でおばさんに起こされてなんとか広島方面の電車に乗り換えた。

電車は岩国駅を発車する。海に近い場所を通る所らしく、ところどころ海が見える。

何度も眠って通り過ぎた場所だが、こうやって起きて見てみると山陽本線っていい路線だなあと改めて思った。

家並みの多い景色を見て、やがて景色は市街地に移り変わり、広島に到着である。
ここで呉線の三原行きに乗り換えだ。

階段を昇っておりて、なんとか呉線に乗り換えると、電車は山陽本線とうって変わってすいていた。こんなふうで呉線ってやっていけるのかなあと思った。電車は発車し、進んでいく。

そのうち海が見えてきた。まさに呉駅の近くのようである。港の風景だ。

なんだか大きな船がたくさんある。呉の港って大昔は軍港だったという話だが、軍港にふさわしい立派な船といった感じである。おもしろいなあと思いながら見ていたが、やがて電車は港を離れていった。

残念ながら、きのうのムーンライト九州であまり眠っていなかったこともあって、岩徳線に続いてここ呉線でも呉を過ぎるとグーグー眠ってしまい、気がつくと三原のすぐ手前だった。

そして電車は三原に到着した。

さあ、次は岡山に行って赤穂(あこう)線だ。がんばって進もう。まずは山陽本線だ。

赤穂線

三原〜岡山

呉線を三原で降り、岡山方面の電車を待った。

やってきた電車に乗る。今日は平日であるので昼間はそんなに混雑していない。

電車は発車し、ごとごとと進む。このあたりは去年の12月に福山から倉敷まで乗ったことがあるくらいだが、海も山も近いいい景色だ。

あまり乗り降りもなく、山が消え、岡山の市街地に入っていく。

そして岡山に到着である。今日はここで赤穂(あこう)線に乗り換えだ。けさから小野田線、宇部線、岩徳線、呉線と、山陽本線に並行する路線に乗っている。なお、吉備線は去年の12月に乗っているので今日は乗らなくてもいい。

階段を上がり、赤穂線行きの出るホームを探す。なんとか見つかった。


岡山〜姫路

階段をおりて電車に乗る。三原から乗ってきたのは座席はともかく外見えは独特の格好の電車だったが、赤穂線は東京近辺の東海道本線と同じような電車だった。

そして相生(あいおい)に向けて発車する。呉線と同じように海が見えるかな、と思った。
ところが見えないのだ。いちおう海側を通るとは言え、それなりに海岸線から遠いところを通るらしく、森の中を進んでいくのだ。

岩徳線や呉線でかなり眠ったのでそれほど眠いということもなく、電車は進んでいく。そしてそれほど都会でもない場所で山陽本線と合流し、相生に着いた。

ここからはいったん姫路に行って降りることにする。また階段を昇っておりて姫路方面の電車に乗り換える。赤穂線と違って平野を進む。かなり速い。

そして電車は姫路に到着した。ここで降りるわけだが、とある旅行の書籍に載っていたそば屋に行くためである。去年の9月にも寄っている。今日は宇部でパンを買って朝食にしているほかは何も食べていないため、ここで昼食とするのである。もしかしたら夕食兼となるかもしれない。

ぼくはそば屋に行こうと、姫路駅の新幹線側の改札に鉄道の日記念・本州乗り放題きっぷを見せて外に出た。

山陽電鉄

夕食

赤穂(あこう)線を相生で降り、山陽本線に乗り換えて姫路までやってきた。

まずは南の新幹線口に行き、階段をおりて去年の9月にも寄った、駅ビルの中にある「御座候(ござそうろう)」というそば屋に行った。

とある書籍で紹介されていたので何度でも行くのである。ここに限らず、旅先で気に入った店があると、それほどまずくない店なら何度でも行って、「イメージの拠点」にするのである。

こと旅先では「空間の感覚」が大事で、どこそこに行けば何がある、といったことを覚えれば覚えるほど旅行が楽になるのである。そのためにはこういったイメージの拠点を持って、徐々にイメージを広げていくことが大事なのである。

たとえば羽田空港。モノレールから窓口にはどう行けばいいか?航空機を降りてからモノレールにはどう行けばいいか?

幸いなことに空港には拠点となるべきものがたくさんあるので、それをどんどん覚えて、羽田空港ならどこに行っても迷わないようにする、そしてやがて、日本中で迷わない場所をどんどん増やしていく、それが旅行の目的とも言えるのだ。

さて、そばである。今日もここのそばはうまい。2000年現在でもう5回くらいは行っている。また来ることもあるだろう。


JR〜山陽電鉄

今日は新大阪まで行き、新宮(しんぐう)行きの夜行に乗ることが目的である。このままますぐ行っても時間がちょっと余る。さてどうしようか。

新大阪の近くで寄り道できる場所として、大阪環状線の西九条から出ている桜島線がある。これに桜島まで乗ってみよう、と考えた。
それならば、大阪経由で西九条まで行くよりも、ここ姫路から山陽電鉄、神戸高速鉄道、阪神電鉄を乗り継いで阪神の尼崎から西九条に行けば効率がいいし乗りつぶしにもなっていいんじゃないかと考えた。よし、まずは山陽電鉄の駅に行こうと思い、そば屋を出た。

さて山陽電鉄はどこにあるだろう。たぶん駅の北、去年乗った夜行の渋谷行きの高速バスの出ているターミナルじゃないかなと考えた。しかしここは駅の南である。

時間はたっぷりあるんだし、北に行くにはぐるっと迂回して行ってみてもおもしろいんじゃないかな、と思って駅の外に出て岡山方向に歩いてみた。

と、右手にエスカレーターがある。なんとなく昇ってみようと思い、エスカレーターに乗った。

エスカレーターを降りてどんどん進むと、姫路駅の北口、去年渋谷行きのバスに乗ったバスターミナルの建物に出た。
そして山陽姫路駅はそのすぐそばにあった。うん。このエスカレーターは重要だ。場所をしっかり覚えておこう。

山陽姫路駅のきっぷ売場に着いて路線案内図を見ると、山陽電鉄、神戸高速鉄道、阪急電鉄、そして阪神電鉄の各駅までの運賃が書かれていたので西九条まで買った。自動券売機はやっぱりいい。

そして発車案内を見ると、ありゃ、梅田まで電車が直通していない。

これじゃJRにどんどんお客を取られてしまうぞ、と思った。梅田まではどっちにしろ3社を通る必要があるからその分割高だし、直通する客は誰も乗らなさそうだ。乗ったとしてもJR駅からは遠く、4社の駅に近いような客しか乗らないだろうな、と考えてみた。


山陽姫路〜三宮

きっぷを自動改札に入れてホームに入ると、阪神なんとか、阪急なんとかという名前の行き先が出ている電車が停車していた。よくわからないけどぼくが行くのは阪神なのだから阪神に乗ろうと思い、阪急の電車の発車を見送り阪神の電車に乗って発車を待った。2列シートの乗りやすい電車であった。

発車時刻が来た。あまりたいしてお客は乗ってきていない。電車は梅田の方向に進んでいった。

暗い中を電車は走っていく。そのうちお客が多くなってきた。そして電車は地下に入っていった。
地下をことこと進んでいく。どうやら何回か乗り換える必要がありそうなので、どこで乗り換えればいいか、まずは車内の停車駅案内を見ることにした。

どうやらこの電車の終点は梅田行きの特急が停車しない駅らしい。

それなら特急が停車して、しかも梅田までの電車が出ていそうな三宮で降りるのがいいだろう、と考え、阪神の三宮で降りることにした。しばらくして三宮に来た。

ぼくが降りると、同じように多くの客が降りた。さて、西九条に行くためには阪神尼崎に停車する電車に乗る必要がある。

どうやら特急の梅田行きは尼崎には停まらないようだし、どの列車に乗ればいいのか駅のホームの案内をながめてみることにした。


補足

なお、2000年現在山陽姫路から阪神梅田までは直通電車が走るようになった。しかし阪急は走らせるつもりがないようである。

阪神電鉄

旅行記本文

山陽姫路から乗ってきた電車を阪神三宮で降りた。

これから阪神電車で西九条まで行こうと思っている。1995年当時阪神の特急は西九条行きの阪神西大阪線が分岐する尼崎では停車しなかったので、急行に乗ろうと考えた。

ホームに特急がやってきたので見送る。かなりのお客が乗っていった。

そして急行がやってきた。ちょっとすわれそうにない。この2日間、大垣行きの夜行、そしてムーンライト九州と乗ってきたのでかなり体が疲れているなあと感じながら、阪神の電車に乗り込んだ。
もうすっかり暗くなった中を電車は進んでいく。

ところどころに見えるあかりがきれいな景色である。急行なのでそれほど駅には停車せずに進んでいく。

そのまま尼崎に着いた。「西九条方面」の案内を探して、階段をおりて進んでいくと西大阪線のホームに出た。電車に乗ると、三宮から乗ってきた電車よりはすいていた。
そして発車である。

やや市街地から離れているらしく、ここの路線は電車からあまりあかりが見えない。

大阪と兵庫の県境を渡るということも影響しているのだろう。

そして電車は西九条に到着した。自動改札に山陽姫路駅で買った西九条行きのきっぷを通す。

時刻はもうすぐ8時である。今日は新大阪発新宮行きの夜行に乗る必要があるので、もうそんなにいろいろ私鉄に乗るわけにもいかない。とりあえず桜島線を往復するだけの時間はありそうなので、阪神の改札を出てJRの改札をさがすことにした。

桜島線

西九条〜桜島

阪神尼崎から乗ってきた電車を西九条で降りて改札を出ると、JRの駅はすぐに見つかった。鉄道の日記念・本州乗り放題きっぷを見せて改札を通る。もう特に改札で驚かれることはない。

階段を上がってホームに行く。ここの駅はホームが2つあり、両サイドに大阪環状線の電車が来るレールがある。そして2つのホームにはさまれたレールがある。どうやらそこが桜島線のホームのようだ。

大阪環状線の電車を数本見送ると、桜島線のホームに電車がやってきた。車両数が少なく、閑散とした電車である。片方の扉が開き、もう片方の扉も開く。どちらの大阪環状線からも階段をおりたりのぼったりせずに乗り換えられるようだ。

乗ってすわる。こんな夜更けでも多少はお客がいるようだ。しばらくするとドアが片方、そしてもう片方と閉まり、発車である。電車は高架をおりていき、地上に出た。そして真っ暗な中を進んでいく。

大阪湾が近そうで、まわりに人家は少ない。そして遠くの方にあかりがちらほらと見える中を電車は進んでいく。

たちまち電車は終点、桜島に到着した。まずはいったんきっぷを見せて駅を出てみよう。


桜島〜新大阪

駅を出てはみたものの、大阪湾に面した閑散とした駅のようであった。でもしばらく歩くと人家はあるようなのだが。
まあいいかとまた駅に戻り、改札を通って電車に乗る。お客はさらに少なくなっており、また電車が発車する。そして西九条駅に戻ってきた。

これから新大阪に行って、新宮行きの夜行列車に乗る予定なので、左側の扉を出た。これで大阪方面の大阪環状線に乗れる。しばらく待つと電車はやってきた。
桜島線よりは混雑しているがすわれないほどではない。今の時間帯でもたぶん山手線は混雑しているだろうなあと思う。

そのうち景色が都会っぽくなり、大阪駅に到着した。次は東海道本線だ。

階段をおりて、各駅停車ホームを探す。新快速は今でも混雑しそうなので、新大阪に行くなら各駅停車に乗るのがよいだろう。

無事ホームを見つけて電車に乗る。各駅停車は客が少なくてすわれた。そして電車は発車、淀川を渡る。そして無事新宮行きの発車前に新大阪駅に到着した。

電車をおりて、ひとまず新宮行きのホームを確認しておくことにした。

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