Sorry, Japanese only! (1996年1月)

123.ムーンライト高知とムーンライト松山・3日目

予讃線その5

松山~岡山

松山駅でムーンライト松山の改札を待った。ようやく改札開始である。全車指定席なので特に急ぐ雰囲気もない。行列ができる。もちろんみんな青春18きっぷである。

改札を通り、階段を渡ってムーンライト松山の車両の所まで来た。きのう乗ったムーンライト高知と同じような車両である。

入って指定席につく。だんだんお客が増えてくる。今日もけっこうお客が多いらしい。

そして発車である。

車内改札までは起きていようと思った。何駅か停車する。新しいお客が乗ってくる。
けっこう松山以外にもお客がいるようだ。

瀬戸内海のそばを通っているのかもしれないが、こう暗くては何も見えない。車内改札が済むと、さすがに夜行3日目ということもあってすぐに眠ってしまった。


岡山駅

なんだか目が覚めた。

うるさい声がする。

どうやらここは岡山駅らしい。
そしてどうやら男性客と車掌が口論しているらしい。

よく聞いてみると、暖房が熱すぎるという話らしい。

確かにこのムーンライト松山は古い車両なので、暖房が熱すぎるということもあるだろう。

だが、ぼくの職場も熱い環境にあるのだ。冷え性の女性社員に合わせて職場の気温はとても高い。

だからこういうのは普段通りなので特に何も言うことはない。

早く口論が終わらないかなあと思っていると、どうやらお客が車掌をなぐってしまったらしい。

だが、いざなぐってしまうと形勢逆転、といった感じでお客の方がペコペコし始めたらしい。


岡山〜明石

なんにしても夜行列車にはいろいろな人がいるなあ、などと思ったのもつかの間、また眠ってしまった。

さてこれからの予定であるが、指定席はいちおう京都まで取ってはある。

しかし、なんとなく「朝近畿圏に着く」という利点を生かして通称「和田岬線」に乗ってみたくなった。

時刻表を見ると兵庫~和田岬の区間は朝晩しか列車が運行されていないので、朝神戸を通る今は、まさに和田岬に行く絶好のチャンスなのである。

ムーンライト松山は兵庫には停車しないので、その手前の明石で降りて普通列車で兵庫に行こうと考えた。はたして無事起きられるだろうか。

目が覚めた。腕時計を見る。よかった。明石の手前だ。

しばらく待って、明石の停車時刻になるのを確認し、ほかの客に気を使いながらムーンライト松山から降りた。

すぐに走り去ってゆく。

階段をおり、改札をさがした。なんとか見つけたので、青春18きっぷと指定席券を見せた。

「京都まで?払い戻しはできないよ。」

指定席券を見て改札員が言った。どうも、「松山→京都」の指定席料金より「松山→明石」の指定席料金の方が安いので払い戻してくれと言っていると思っているらしい。しかしみなさん知っている通りどちらも500円なので損はしていない(1996年現在)。

あまりむずかしいことを言うのもなんなので「これでいいです」とだけ言って改札を出た。

明石の駅前をちょっとだけ歩いてみたが、どうやら開いている店はなさそうだ。ホームに戻って列車でも待った方が良さそうだと思った。

神戸市営地下鉄

新長田〜西神中央

ムーンライト松山を明石で降りたぼくは、もう一度改札をくぐり、神戸方面の各駅停車の電車に乗った。さすがに朝5時なのでお客はあまりいない。明石から新長田までとっぷりと暗い中を電車は進み、新長田に着いた。ここで降りる。

今日は朝晩にしか運行していない、兵庫~和田岬の路線に乗る予定であるが、朝の列車までは時間があるので、その間に地下鉄に乗って西神中央まで往復する予定である。

新長田駅で地下鉄の入口を探し、それらしい階段をおりて自動券売機までやってきた。
西神中央まできっぷを買って、自動改札にきっぷを入れ、階段を進んで西神中央方面のホームに着いた。

朝早いので電車の間隔もまばらで、だいぶ待ったがなんとか電車がやってきた。

電車に乗ってごとごと進む。お客はとても少ない。

しばらくすると電車は地上に出た。ここもいろいろな路線と同じく終点付近で地上に出るようだ。

まだ日も昇っておらず、なんともきれいな夜景である。

このへんは神戸のベッドタウンのような場所らしい。


西神中央〜新長田

そしてやっと地下鉄は西神中央に着いた。まずは降りて、新長田まできっぷを買わなければならない。

自動改札にきっぷを入れて改札を出る。もちろんこんな朝早くだからほとんどお客もいない。
なんとか自動券売機をみつけて新長田で払った運賃と同じ運賃を券売機に入れてきっぷを買った。
もちろんこれで新長田まで戻れるはずである。

自動改札に入り、停車していた電車に乗ってしばらくすると発車した。

また夜景を見て、地下に入り、ほとんどお客も増えないまま電車は新長田に着いた。ここで降りる。

ふたたび新長田駅に戻ってきたぼくは、いざ和田岬行きの路線に乗ろうと、青春18きっぷを取り出してJRの改札に近づいていった。

山陽本線(和田岬線)

兵庫〜和田岬

神戸の地下鉄を新長田で降りたぼくは、山陽本線で1駅、兵庫へと進んだ。

ムーンライト松山を明石で降り、新長田に行き、西神中央に行き、また戻ってきたが、それでも始発の和田岬行きまでには時間がある。

和田岬行きらしいホームがあったが、電灯がついていないので暗かった。

さすがに1月なので寒いが、このくらいのことはアイドルのイベントが始まるのをじっと待つことが多かったから苦にはならない。

ホームにディーゼル車がやってきたが、車内灯は消えたままだ。そのまま10数分が過ぎる。そのうちお客がだんだん多くなってくる。

ようやく車内灯が点灯し、ドアが開いた。

う~ん、このディーゼル車、なかなか年季が入っている。
そしてなぜか、ドアが車両の片側しかない。

つまり兵庫~和田岬専用列車で、和田岬も同じ側にホームがあるということだ。

とりあえず乗って座って待った。車内はかなりお客がいる。発車だ。


和田岬〜兵庫

乗ってしまえばあっという間に和田岬に着いた。お客がぞろぞろ降りていく。

岬と言っても海が見えるわけではなく、単なる工場の間の一角であった。工場というよりむしろ住宅の方が多いかもしれない。

まあ、一度来れば満足できる場所である。

帰りはすいていたが、まったくお客がゼロというわけではなく、多少お客がいる。ぼくみたいに趣味で乗っている人がいるかどうかはわからない。
なにはともかくなんとか兵庫に着いた。こうなると兵庫駅の吉野家で食事をしておけばよかったなあ、と後悔する。

さてこれからどうしようか、まずはおととい乗り残した関西本線天王寺~王寺間、柘植~名古屋間や桜井線に乗るとして、まっすぐ大阪に行って環状線で天王寺じゃつまらないなあ、と思った。

よし、去年10月に山陽姫路から山陽電鉄・神戸高速鉄道・阪神経由で西九条に行ったから、今度は阪急に乗ろう、阪急で効率よく天王寺に行くにはまっすぐ梅田に行くのはつまらないから、十三で河原町方面に乗り換え、淡路で天神橋筋六丁目行きに乗り換え、天神橋筋六丁目で谷町線に乗り換えて天王寺に行こうと決めた。

そう決めたので、兵庫から三ノ宮までJRに乗ることにした。

阪急電鉄・神戸線

三宮~十三

兵庫駅から乗ってきたJRの各駅停車を三ノ宮駅で降りた。ここで降りるのははじめてだ。

改札を出て阪急の三宮駅の案内を探した。どうやらJRの駅の北西にあるようだ。

とぼとぼ進む。大通りを渡る。阪急の駅が見えてきた。さて自動券売機だ。

案内図を見て、天神橋筋六丁目(てんじんばしすじろくちょうめ)を探してきっぷを買った。

そして改札を入り、梅田方面のホームに出る。今日は十三(じゅうそう)まで乗ればいいので特急でだいじょうぶだ。しばらく待つと特急がやってきたので乗った。朝なのでかなり混雑しており、立つことになった。

特急なのでスピードが速い。じきに三宮の市街地を離れていった。

ふと景色をながめた。このあたりは阪神大震災でかなりの被害を受けたはずだ。

家々をながめるが、被害はわからない。それでもこの六甲山沿いの家々もかなり被害を受けたんだろうなあと思う。電車は六甲山を左手に見ながら進んでいく。


十三〜淡路

六甲山が見えなくなり、左手も家並みが続く風景になるとじきに電車は終点梅田の手前の十三に到着した。天神橋筋六丁目に行くには、ここで河原町(京都)方面の電車に乗って淡路で乗り換える必要がある。

さすがに線路が集まる駅だけあって乗り換えは複雑であったが、なんとか河原町方面のホームに来た。今度は行き先が淡路なので特急に乗るわけにはいかない。各駅停車に乗ろう。

梅田から電車がやってきた。今度はすわれた。

電車は発車し、じきに次の駅、南方(みなみかた)に着いた。

あれ、けっこう降りる人が多いなあ。

あたりを見ると、どうやら下の方に別の線路が走っているらしい。どうやら地下鉄の御堂筋線のようだ。

今降りた人たちは御堂筋線に乗り換えるらしい。十三から梅田に行くには阪急で行った方が楽なのに、なぜ南方で乗り換えるのだろう。

おそらく、阪急の梅田駅と御堂筋線の梅田駅は多少離れていて乗り換えにくいので、御堂筋線で梅田より南に行く人は乗り換えが楽な南方→西中島南方の乗り換えをするのではないかと考えた。なかなか大都市の電車の乗り換えはむずかしいものだ。


淡路〜天神橋筋六丁目

電車はさらに各駅に停車しながら進み、淡路駅に到着した。ここでも乗り換えだ。

淡路は十三よりさらに電車の行き先がこみいっている。とりあえず天神橋筋六丁目に行くには、天下茶屋(てんがちゃや)行きの電車に乗れば良いことはわかっている。

たくさんあるホームの中からなんとか天下茶屋行きの出るホームを探した。しばらく待つとちゃんと天下茶屋行きがやってきたので乗った。

電車は発車し、淀川を渡っていく。渡り切ると地下にもぐっていった。

もぐってしばらく進むと電車は阪急の終点、天神橋筋六丁目に到着した。

このまま進むと地下鉄堺筋(さかいすじ)線となって天下茶屋に行ってしまい、JRに乗り換えるのはむずかしいが、谷町線に乗り換えるとJRとの乗り換え駅である天王寺を通るのでここで降りる。

さて、谷町線に乗り換えるにはどうしたらいいか迷ったが、どうせここで改札を出ても出なくても運賃は変わらないので、改札を出て駅のまわりの景色でもながめてみようと思い、きっぷを自動改札に通して階段を昇り、駅の外に出た。なんのことはない、ただの車通りの多い交差点だった。

谷町線

阪急~地下鉄

阪急の電車を天神橋筋六丁目(てんじんばしすじろくちょうめ)で降り、いったん地上に出てうろうろと谷町線の入り口を探した。

いろいろ探したが、どうやらもうちょっと南の方の階段をおりるといいらしい。おりてみた。

なんとか入り口が見つかった。自動券売機で天王寺まできっぷを買い、改札に入った。

ホームで天王寺の方に行く電車に乗った。正月明けの午前中はまだまだお客が少なく、楽にすわれた。

あまり混雑していない電車は南へと進んでいく。


天王寺

ふと壁を見ると大阪の地下鉄の案内図があった。なんとそこには延伸する地下鉄の案内が載っていた。なんても、今京橋と鶴見緑地を結ぶ鶴見緑地線は、京橋から南に下り、中央線と千日前線の間を抜けて心斎橋(しんさいばし)に延びるらしい。

それから、中央線の大阪港とニュートラムの中ふ頭が新しい路線が延びてつながるらしい。

とりあえず今後大阪の地下鉄に乗る時はこのことを頭に入れてうまく乗ろうと考えた。

あまり乗り降りもなく地下鉄は進む。

やがて電車は天王寺駅に到着した。ここで降りる。

さあ、今日中に東京に帰らなければならないけど、今日の旅行はまだまだだ。ここから関西本線に乗って王寺(おうじ)に行って桜井線に乗ろう、そう思い、自動改札をぬけ、階段を昇って地上に出た。さあ、数時間ぶりに青春18きっぷの登場だ。

関西本線その3

旅行記本文

天神橋筋六丁目(てんじんばしすじろくちょうめ)から乗ってきた地下鉄を天王寺で降り、自動改札にきっぷを通して通り、階段を上がって地上に出た。

天王寺は3ヶ月前に通過はしているが、駅の外は初めてだ。車通りの多い道が駅前にあり、駅の向こうには近鉄の駅がある。

まずは青春18きっぷを取り出し、改札を探す。なんとか見つかった。18きっぷを見せて改札を通り、奈良方面の電車のホームを探す。なにしろ天王寺はホームが多いのだ。

複雑な通路を通り抜け、なんとかホームにやってきた。電車がやってくる。電車に乗る。たいして混雑しているわけではない。電車は進む。すぐに人家の少ない場所にやってきた。

車内改札がやってきたので青春18きっぷを見せた。

「青春18きっぷ。いいですねーこれ。」

車掌は18きっぷを見てしきりに感心しているようだった。このきっぷ、10年以上前から売っているんだけどなあ。そんなに珍しいのかな?

車掌は行ってしまった。それにしても天王寺から奈良にかけてのこのあたり、森が多い。草の中を電車は進む。いい景色だなあ。

そんな森を抜けて、市街地に入ってきた。そしてきのうも通ったレールの多い駅、王寺(おうじ)に到着である。ここで電車を降りる。

おととい乗っていない桜井線にこれから乗ることにする。まずは和歌山線で高田まで行って、そこから奈良行きに乗ろう。ぼくは階段を上がって、和歌山線のホームを探した。

桜井線

王寺~高田

新今宮から乗ってきた関西本線を王寺(おうじ)で降りて、おとといも乗った和歌山線のホームに向かった。おとといと同じ電車に乗った。王寺は高いビルが立ち並ぶわりにJRの留置線の数が多い駅である。多少は客のいる和歌山線の電車は発車した。

そう言えば朝食がまだだったなあ、どこかコンビニがあったら寄りたいなあと思った。時刻表では乗換駅の高田で時間があるのでもしコンビニがあったら寄っていこう。

和歌山線は王寺から高田まではけっこう家並みが続く景色で、そんな市街地の中の駅、高田に到着した。ここで降りる。

青春18きっぷを見せて駅を出ると、駅前にはローソンがあった。朝食を買って食べよう。

駅前の適当なところにすわって弁当を食べるとそろそろ奈良行きの発車時刻である。また駅に入り、奈良行きホームに戻った。


高田~天理

桜井線の電車がやってきた。わあ、すごい混雑だなあ。

ものすごい混雑の中、電車は発車した。市街地を離れていく。

荷物を網棚に上げた方がいいなあと思って網棚を見ると、なんと冷房装置っぽい機械が天井から出ていて網棚の上をふさいでいる。

どうやら非冷房車を改造して冷房をつけているようだ。うーん、桜井線はこんな車両ばかりなのか。あまり見たことがない電車だけど全国にあるのかなあと思った。荷物はそのまま持つことにした。

桜井線は奈良の盆地の中をぐるっとめぐる路線で、それほど近くには山がないようだ。駅も多く、沿線の人たちに利用されているようだ。だから客が多いのかもしれない。


天理〜奈良

と思ったらある駅で、お客がドドドッと降りていった。天理駅だ。

どうやら、天理駅に用事のある人がたくさんいたらしい。そんなわけでなんとかいすにすわることができた。景色もながめられるようになった。いい景色だなあ。

そのまま進む。奈良の手前で集合住宅がたくさん見えるようになった。奈良は県庁所在地のすぐそばに住宅があるような場所である。この集合住宅が見えるまでずっと畑ばかりだったから、かなり土地に余裕のある場所なのだろう。

集合住宅を過ぎるとたちまち都会になり、終点のJR奈良駅に到着した。おとといはこの駅は通過だったから、きょうはじめて電車を降りることになる。

とは言ってもきょうも乗り換えだけだ。まずは電車を降りよう。

関西本線その4

旅行記本文

高田から乗ってきた電車を奈良で降りた。さて、加茂にはどうやって行けばいいのだろう。

他の客についていく。そうすると階段があった。この階段をのぼればいいのかな?

とりあえずのぼると案内があった。ちゃんと「加茂方面」と書いてある。階段をおりて進む。どうやらこのホームでいいようだ。

しばらく待つと加茂行きがやってきたので乗る。数時間前に乗ったのと同じような電車だ。そして発車。

せっかくはじめて奈良駅に来たのに、乗り換えるだけになってしまった。まあいい。あとで時間があるときに奈良駅周辺は見てみよう。

奈良の市街地はせまく、すぐに畑っぽい場所になる。あとはおととい通ったのと同じように、おととし9月にも京都から京橋に行く際に通った木津を通り、奈良線と分岐して東に曲がって、終点加茂に到着である。まずは電車を降りる。

今度の乗り換え列車は亀山行きでなく、途中の伊賀上野行きだった。加茂はまわりに何もなさそうだったので、もしかしたら伊賀上野には何かおもしろい場所でもあるかもしれないと思い、すぐにディーゼル車に乗り換えることにした。

関西本線その5

加茂~伊賀上野

奈良から乗ってきた電車を加茂で降り、伊賀上野行きのディーゼル車に乗り換えた。おととい乗ったのと同じような、オールロングシートのディーゼル車である。客はおとといより多くなく、がらがらである。そして発車。

ディーゼル車は山の中を通り、やがておとといも見た川のそばに出た。やっぱり海とか川とかが窓から見えるのはいいなあ。

そんなふうにしてディーゼル車は進み、終点伊賀上野に到着した。次の亀山行きは1時間ほど後なので、まずは降りなければならない。青春18きっぷを見せて改札を出る。

伊賀上野の駅前は、たいした店もない場所だったが、なんだか古びたみやげもの屋みたいな場所がある。入ってみよう。

なんだか変なおみやげがある。せんべいみたいな食べ物なのだが、なぜかせんべいに木づちが付属しているのである。

もしかしてこの木づちでせんべいを割って食べろっていうことなのかな?おもしろいものが売っているなあと思い、職場のみやげに買っていくことにした。


伊賀上野~亀山

あとは特にすることもなく、亀山行きが出るまで待っていた。そして亀山行きに乗る。柘植(つげ)まではおとといと同じ景色である。

柘植を過ぎると線路はかなり山の中に入っていった。

3ヶ月前に紀勢本線で新宮から松阪まで乗った時もけっこう山の中だったが、あの時とはまた違い、「山が近くに見える」と言うよりも「山の中にいる」といった感じで、とにかくそんなに遠くが見えないのである。

そんなすぐ近くしか見えない景色がしばらく続く。柘植も亀山も三重県だが、三重県内とは思えない山の中である。

しかしそれも終わり、だんだん景色が平野になっていく。そして終点亀山に到着である。ディーゼル車を降りた。

亀山は3方向から線路が集まるくらいだから大きな駅かと思ったが、確かにホームは多い。でも駅の外はそれほど市街地が大きくなさそうである。とりあえずきょうじゅうに東京に行かなければならないので、急いで階段を上がって名古屋行きの電車に乗り換えることにした。


後日談

なお、この日伊賀上野で買ったせんべいを職場に持っていったらとても珍しがられた。

ぼくが木づちでせんべいを割ってみたが、間違って自分の左手の親指の根本をたたいてしまい、とても痛かった。なんとか割って食べたら、甘くも塩っぽくもなく、「麦っぽい味」だった。

ものすごくまずいというわけでもないので、また伊賀上野に寄ったら買ってみたいなと思った。木づちは会社の人の文房具入れの中にささっている。

関西本線その6

亀山~四日市

伊賀上野から乗ってきたディーゼル車を亀山で降りた。とりあえず階段を上がる。名古屋行きは・・・こっちか。

階段をおりると電車があった。あたりまえだが、去年名古屋から弥富(やとみ)まで、それから桑名から名古屋まで乗った電車と同じような電車だった。ボックスシートが多く、2人がけロングシートがたまにある。客はそれほど多くないが、青春18きっぷシーズンなので伊賀上野からのディーゼル車から乗り換えた人たちは多少いる。

電車は発車し、亀山のこじんまりとした集落を出ていく。あとはずっと平野を走る。亀山までがずっと山の中だったから、平野は平野でまたいいものである。

四日市を過ぎたが、それほど大都会といった感じではない。おそらく近鉄四日市駅の方が都会なのだろう。ぼくは5年前にビスタカーで近鉄四日市は通り過ぎたはずだが、あまりよく覚えていないのが残念である。まだいつか来ることもあるだろう。


四日市〜名古屋

車掌がまわってきたので青春18きっぷを見せたら、

「名古屋到着は午後3時ちょうどです」

と言ってきた。東京で買った青春18きっぷなので少なくとも名古屋には行くと思ったのだろう。

四日市を過ぎてもずっと平野が続く。桑名を過ぎたら去年通ったのと同じで川を何本も渡る。

あとは名古屋に近づくまでずっと人家の少ない場所を通り、名古屋が近づくといきなり都会になって、終点名古屋到着である。

車掌が言ったとおり、もう午後3時だ。がんばってきょうじゅうに東京まで帰ろうと思い、電車を降りて階段をおり、東海道本線のホームに向かった。

東海道本線その2

旅行記本文

亀山から乗ってきた電車を名古屋で降りた。もう午後3時を過ぎてはいるが、3年前に大阪パフォーマンスドールを見に大阪の京橋に行った時は、この時刻に京橋を出てもぎりぎり東京に普通列車だけで帰れたから、きょうもなんとか帰れるだろうと思った。おみやげは伊賀上野で買っているので名古屋で買うこともないだろう。

去年の8月に名古屋から東京まで何回も帰っているのでそれほど迷うこともない。新快速で豊橋まで行って浜松行きに乗り換え、静岡行きに乗り換える。

だいぶ暗くなってきたところで静岡着である。ここで夕食にしよう。

夕食を食べると午後7時過ぎの東京行きに乗り換えである。これに乗ると深夜12時ちょっと前にアパートに着くことができる。車両数が多いので熱海のあたりまではずっとすいたままで、横浜に近くなるとだんだん混雑してくる。

足かけ4日の長い旅だったが、これで関西、四国のかなりの路線に乗ることができた。今年もたくさん旅行しようと思いながら、アパートに帰っていった。

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