122.札幌雪祭りと北海道旅行
説明
ある日、ふと大学時代のことを思い出しました。そう言えば後輩が、札幌にはさっぽろ雪祭りという祭りがあるけど、大学の後期試験と重なるから行くことができないと言っていたなあということを思い出したのです。でもおいそれと行けないなあ、行くならうわさの寝台特急、トワイライトエクスプレスに乗ってみたいなあと思いました。
当時買っていたアイドル系の雑誌を見てみると、Tiara(ティアラ)という2人組の女の子グループがさっぽろ雪祭りに出るということが載っていました。よし、これで目的ができた、北海道に行こうと考えました。1993年11月に大阪パフォーマンスドールを見に行くため、費用のかかる旅行もどんどんやってみようという考えに変わったということもあるのかもしれません。
まずはトワイライトエクスプレスの寝台券を買おうとしたら満席でした。やっぱり雪祭りの時期は混雑するのでしょう。ここは1つ、トワイライトエクスプレスにこだわらない方がいいかもしれません。
時刻表を見ると、「ハートランドフリーきっぷ」という企画券を見つけました。土日祝日の連続する2日間有効で、JR東日本の特急・急行・快速・普通列車の自由席に乗り放題というものです。それから、「北海道フリーきっぷ」という、JR北海道の特急・急行・快速・普通列車に7日間乗り放題という企画券も見つけました。
北海道に行くなら、北海道ワイド周遊券もあるけど、9年前に乗らなかった三陸鉄道に北海道からの帰りに乗りたいと考えました。だから、行きのハートランドフリー+北海道フリー+帰りのハートランドフリーで旅行すれば八戸線、山田線、大船渡線にも乗れるということもあります。どちらの企画券も中小国まで有効なので無駄がありません。
そんなわけで休暇を申し込み、きっぷを買いました。
さらに行きも、どうやら秋田発札幌行きの夜行列車があるようなので、新幹線で盛岡に行ったら特急たざわで秋田に行って札幌行きに乗ろうと思いました。
(実はこの急行はまなすは、秋田青森間は全車指定席で、青森から自由席が連結されるということで、ハートランドフリーきっぷでは乗れなかったのですが、気がつかなかったのです。)
そんなわけで休暇の日がやってきました。出発です。
東北新幹線
東京駅
目が覚めた。朝6時だ。旅行の準備をしよう。7時を過ぎて準備が完了した。寮を出る。
きょうから約1週間、北海道旅行に出かける予定である。まずはハートランドフリーきっぷで東京駅に向かう。やってきた。
4年前に東北新幹線に乗って以来、ずっと乗っていない。あの時は上野まで行って、長いくだりエスカレーターをおりてやまびこに乗ったものだったが、なんでも東京駅まで延びたとのことだ。しかも東京駅のホームは地上にあるらしい。
きょうは東京~上野間の新幹線の初乗りということになる。予定では札幌行き夜行急行はまなすが秋田を出る時刻までに秋田に行けばいいので余裕があり、どうせなら東京~仙台間ノンストップのやまびこに乗ろうと8時ちょうどのやまびこに乗ることにしたわけである。
中間改札でハートランドフリーきっぷを見せて通る。このきっぷを使うのははじめてだ。なにしろJR東日本ならいくら乗ってもいいというのがいい。案内板を見て8時のやまびこのホームに行く。自由席しか乗れないので自由席に向かう。
もう列ができ始めている。並ぼう。
東京~上野
しばらく待つとドアが開いた。前の人につづいて乗る。どこにすわろうか。3列席の窓ぎわにすわろう。
そのうちぼくより年上の女性2人組がとなりにすわってきた。かなりいっぱいになってきたようだ。
まあ乗ってしまえば仙台までノンストップなのでこれ以上乗ってこないから楽である。逆にここですわれなかったら仙台まですわれないということだ。途中駅に向かう客が乗らないこともあって、それほど混雑はしなかったが席はほぼいっぱいになったようだ。
そして出発。9年ぶりの北海道に向けてぼくの旅行は始まった。まずは乗ったことのない東京~上野間である。
上野が地下なのでどこかで地下に入るはずだと思っていたら、神田を過ぎ、秋葉原を過ぎてもまだ地上で、秋葉原を過ぎると地下に入っていった。そして見覚えのある上野のホームを通過していき、数分して地上に出た。赤羽のあたりのようだ。
上野〜仙台
ここから仙台までは何度も通っているのであまり景色をじっくり見なくてもいいだろう。
車内改札が来て、ハートランドフリーきっぷを見せる。
となりの女性たちは見たこともないきっぷに驚いているようだった。
でも女性なんだから(たぶん30歳を過ぎているはずだから)ナイスミディパスが使えるから使ったらどうですかと言ったが、ナイスミディパスもあまり良く彼女たちは知らないようだった。
まあぼくもそんなに旅慣れているわけじゃないし、9年前の北海道旅行から9年間、旅行らしいことは数えるくらいしかしていないし、えらそうなことは言えないのだが。
やまびこは見慣れた景色をノンストップで北に進んでいく。トンネルをどんどんくぐる。
さすがにノンストップは速い。見慣れた仙台の市街地がもう見えてきた。降りる準備をする。女性たちも仙台で降りるようだ。そして無事やまびこは仙台到着。
女性たちと別れ、エスカレーターをおりてハートランドフリーきっぷを見せて改札を通る。どこに行くかはもう決めている。
仙台市内
大学にでも行って、お茶くみのおばちゃんにあいさつしていこうと思った。まだいるかなあ。
バス乗り場に向かう。そしてバスに乗って出発だ。土曜日なのですいているようだ。2月なのでもう大学の授業はないかもしれないなあ。
大学前に着いた。大学に入ってお茶の部屋に行こうとしたが、なんときょうはどこかの大学の試験でお茶の部屋は休みだということだ。しかたない。食事でもしていこう。
食堂はやっていた。朝食とも昼食とも言えないめしを食べた。ここの朝食はうまくていい。さてどうしよう。
まっすぐ仙台駅に戻るのもなんなので、途中までバスに乗って歩くことにした。多少バスに乗って降り、てくてく歩く。
学生時代の最後の冬によく寄った薬局に来た。ここで良くかぜ薬を買ったものだったが、なぜか同じかぜ薬が東京で売っていないのだ。良く効くかぜ薬なので買っていこう。
薬局のおばちゃんに会った。
「あれ…」
仙台を離れて4年になるけど、おばちゃんはぼくのことを覚えているようだった。とりあえずあいさつしてかぜ薬を買っていく。そしてさらに歩き、仙台駅に戻ってきた。もう12時を過ぎている。
仙台〜くりこま高原
ハートランドフリーきっぷを見せて改札を通り、盛岡行きのホームに来た。
ホームでは駅弁を売っていたので、適当に駅弁を買った。食事してからそんなに時間がたっていないので軽いものでいいだろう。
それから、ポケット時刻表でも買っていこう。時刻表を持ってきていなかったので、1週間以上の旅だから必ず役に立つはずだからだ。時刻表をホームの売店で買う。
やまびこがやってきたので乗る。今度のやまびこの自由席は半分くらいしか客がいない。発車だ。
仙台から盛岡までは初めて乗る区間なのでしっかり景色を見ておこう。大きく右にカーブし、しばらくはゆっくり進んだが、やがてスピードを上げていく。平野の中をやまびこは進む。駅弁を食べておこう。
そしてまず古川に着いた。平野の駅である。あまり乗り降りもなく、また発車。
くりこま高原~盛岡
そのうち景色が平野から山の間っぽくなってきた。そしてまた停車。
あれ?なんだか新幹線の駅にしてはずいぶん小さな駅だなあ。
そのくりこま高原という駅は、小山とか宇都宮みたいに追い越し用のレールがあるわけでもなく、ずいぶんと小さな駅に見えた。そしてまた発車。あとは小高い山の間をぬって進んでいく。
一ノ関を過ぎると盆地に入ったようで、小高い山々は遠くに見えるようになる。さすがに岩手県なので左右の山々は雪でおおわれている。そんな景色が続く。
そしてやまびこは終点、盛岡に到着した。さあ、急がなければならない。これから乗る特急たざわまでは、何分も乗り換え時間がないからだ。ぼくは通路をてくてく進み、ようやく中間改札に来た。ハートランドフリーきっぷを見せて通った。
田沢湖線
盛岡〜田沢湖
やまびこを盛岡で降りて、ハートランドフリーきっぷを中間改札に見せて通り抜けた。
やっぱりこういう乗り放題のきっぷっていうのは便利だな、と思った。
JR東日本になってから断続的にハートランドフリーきっぷみたいなきっぷが売り出されているみたいだが、今回ほぼ1年の間、土日(金曜か月曜が祝日なら金土もしくは日月も)利用可能となったので、ルートを考えていろいろ乗ってみたいな、と思った。さあ、秋田行き特急たざわに行こう。
たざわに乗ったが自由席はいっぱいのようである。デッキに人はいなかったから立っていよう。たざわは盛岡駅を発車する。
盛岡の市街地を出て、せまい平地をしばらく進んだ後、高い山のふもとを走るようになった。
9年前の北海道旅行で石勝線を通ったが、そんな感じの山の中である。道路も近くにはなさそうである。
実際石勝線で見たようなシェルターが見えた。たぶんポイントがシェルターの中にあるのだろう。信号場のようである。
田沢湖〜秋田
そんな風景を見ながら進むとたざわは田沢湖に着いた。ここでかなり客が降りて、空席ができたのですわった。
すわれたのでしばらく休むことにする。旅は始まったばかりである。
田沢湖を過ぎるとそれほど高い山はなくなり、盆地になった。
そしてだんだん平野になっていき、大曲(おおまがり)に到着した。ここから進行方向が逆になる。
その後も平野を進み、終点秋田に到着した。初めての秋田県である。東北では秋田が最後になってしまった。
夕食
ここからは急行はまなすで札幌に向かう予定だが、発車までかなり時間があるのでとりあえず食事だ。まずは街を歩いてみよう。ハートランドフリーきっぷを見せて改札を出る。
あてもなくとぼとぼ歩くとそば屋が見つかった。ここで食事にしよう。
けっこううまいそばを食べる。長い旅の1日目の最後の食事はこうやって食べることになった。
おなかも多少ふくれたところでそば屋を出て秋田駅に戻ることにした。
奥羽本線
秋田駅1
そば屋を出て、秋田駅に戻った。
今日乗ろうとしている急行はまなすの発車まで時間があるので待合室で待とう。
待っているとアナウンスが聞こえた。
「本日の急行はまなすは全車指定席となっております。指定席はすべて売り切れております。」
あれ?急行はまなすって全車指定席だったっけ?と思って仙台で買った時刻表をよく見たら、はまなすのところの欄外に小さく「秋田~青森間全車指定席」と書いてあった。
これはどういうことなのかと考えたが、たぶん「自由席が青森で連結される」ということなのだろうと思った。
うーん、秋田に来たのが間違いだったのかなあ。
さらに時刻表をもっと良く見ると、はまなすが秋田を出た約1時間後に特急白鳥が青森まで出ていて、これに乗ると青森で停車中のはまなすに乗り継げることがわかった。しかたがないから白鳥に乗ろうかと思った。
秋田駅2
はまなすが秋田駅を出発していく。さらに待合室で待つ。
年取ったおばさんが話しかけてきた。
「どこまで行くの」
「北海道まで行くんです」
「そりゃ大変だねえ」
「でも、列車に乗り遅れたら、東京に戻っちゃおうかとも思っているんですよ」
「ふーん」
そのまま約1時間が過ぎ、さらにアナウンスがあった。
「青森行き特急白鳥は、10分ほど遅れております。」
発車
さすがに大阪から来る電車だから、遅れることも多いのかなと思う。
もしこのまま青森ではまなすに乗り継げなかったら、どうせ宿とか取っていないことだし、ハートランドフリーきっぷはあしたも有効だし、このまま東京に帰って北海道フリーきっぷを払い戻しちゃおうかな、とも思った。
ホームに行く。遅れはしたがなんとか白鳥がやってきたので自由席に乗る。
自由席はがらがらで、10人もお客はいなかった。
しかし何時間か前にかなりお客がいたらしく、ゴミとかが席に残っていた。
うーん、長い距離を走る在来線特急って、こういう問題があるのか。
もちろんこんな夜8時過ぎだから車内販売も乗っていない。このようにしてはじめての秋田県は終わっていくのである。
到着
真っ暗で景色も見えないが、どうせ奥羽本線は海のそばは通らないし、別に景色を見る必要もないだろう。
いろいろな駅に停車していくが、降りる客はあっても乗ってくる客はいない。
さっぽろ雪祭りのシーズンとは言え、秋田の方から行く人もそんなにいないのだろう。それにしてははまなすの指定席が満席というのも変なのだが。
時間が過ぎていく。弘前を出た。
ようやく青森駅に着いた。それほど遅れているわけではなく、どうやらはまなすに乗れそうだ。ぼくははまなすの出るホームへ急いだ。
函館本線その1
青森駅
秋田から乗ってきた特急白鳥を青森駅で降り、札幌行き急行はまなすを探した。なんとか見つかった。
はまなすは秋田を白鳥より約1時間前に出ていたが、なんとか青森で待っていたようである。もっともこれからぼくが乗る自由席車両は青森で連結されるのだが。
自由席車両に入ったら、なんとか席が空いていた。9年前に急行大雪で乗ったボックスシートの客車である。ドアのそばに2人がけの席があったのですわることにした。あとで考えると雪祭り対応の増結車かもしれない。そしてはまなすは発車した。青森駅を離れていく。
青森〜函館
そのうち海が見えてきた。暗い海である。陸奥湾だ。遠くの方に船の明かりが見えた。さらに進むとトンネルに入っていく。何回かトンネルを出て、入って、そしてあとはずっとトンネルとなる。ぼくにとってはじめての青函トンネルは急行はまなすで迎えたのである。
竜飛海底駅や吉岡海底駅らしい明かりを見てトンネルを出た。船も航空機もなしの北海道入りである。
函館〜札幌
そのうちまた右手に海が見えてきた。夜の海はなんだかいい気分だ。9年ぶりに北海道に戻ってきたんだな、と感じる。ずっと海を見ながら進み、ようやく函館到着である。ここでぼくは眠ってしまった。
気がつくと窓の外はうっすらと明るくなっていた。時刻表ではもう苫小牧を過ぎたようだ。景色を見て、確かに9年前に見た景色だなと思った。それから札幌の市街地に入っていき、終点札幌駅に到着した。
札幌に到着したとは言え、まだ朝の6時過ぎである。さすがに雪祭りは始まっていないだろう。どうしようか。
ぼくは小樽まで往復しようかと思った。札幌~小樽はたくさん電車が走っており、気軽に行き来できる。ぼくは小樽行きの電車の出るホームを探すことにした。
函館本線その2
札幌〜小樽
青森から乗ってきた急行はまなすを札幌で降りた。小樽行きの電車をなんとか見つけて乗った。まだ朝6時なのでほとんどお客はいない。出発だ。
札幌を離れていくが、しばらくは市街地が続く。札幌は苫小牧方向にも小樽方向にも市街地が広いようだ。
市街地はそのうち終わり、海が見えてきた。はじめて北海道から見る日本海である。冬の海だがけっこうおだやかであった。
そのうち港町っぽい市街地が見えてきて、終点小樽に着いた。まずはどこかで朝食だ。
駅のそばにはどうやら営業しているらしい喫茶店があった。ここにしよう。モーニングセットを注文した。
夜行明けでちょっと疲れているが、旅は1週間続く。まだ2日目だ。気合いを入れてがんばろうと思った。
しばらくしてトーストとコーヒーのモーニングセットが出てきた。ふだん喫茶店は朝食くらいしか利用することはないが、やっぱり雰囲気のいいところは好きである。
小樽〜札幌
ゆっくり休んだのでもう札幌に戻ることにする。北海道フリーきっぷにスタンプを押してもらって電車に乗る。
すわれたが、あとからあとからお客が乗ってくる。そりゃそうだろう。雪祭りなんだから。
かくして景色が見えないまま電車は進む。このようにしてはじめての小樽は喫茶店だけで終わってしまったのである。
きょうはいつTiaraの菊池奏衣(かなえ)ちゃんと渡辺幸恵ちゃんがイベントをするのかわかっていないので、どこかでスケジュールを調べなければならないなと思いながら、電車は札幌駅に到着。
ほとんどの人とともにぼくも電車を降りた。そして北海道フリーきっぷを見せて改札を出る。
なお、この日寄った喫茶店は今は移転したらしいが、どこに行ったかは知らない。
札幌市営地下鉄・南北線
さっぽろ~大通
小樽から乗ってきた電車を札幌で降りたぼくは、まずは今夜稚内まで乗る急行「利尻」の指定席を取ることにした。みどりの窓口に北海道フリーきっぷを見せると、無事きょうの利尻の稚内までの指定席が取れた。
そしてまずは札幌駅を出てみる。雪が積もっていた。雪祭りの日曜日なのでもちろん混雑している。
9年前に札幌に来た時は数十分降りただけでパンと飲み物を買ってまた列車に乗っていったため、はじめての札幌ということになる。9年前は銀行ばかりで店の少ないところだと思っていたが、今もそんなに変わらない。
荷物預かり所があったので預かってもらうことにした。でも利尻の発車時刻よりだいぶ早く閉まってしまうようなので、早めに引き取る必要がありそうだ。これで身軽になった。
さてどこに行こうか。雪祭りは大通公園でやっているのだから、地下鉄で「大通」という駅に行ってみようと思った。ということで下り階段を探して下りてみた。人混みの中で南北線の案内を見つけ、進んでみた。
自動改札ときっぷ売り場が見つかったので大通まできっぷを買う。ここも自動改札になったのは東京の地下鉄よりも早いのかもしれない。改札を通り、さらに階段をおりる。
東京とかと同じ地下鉄のホームだ。しばらく待っていると真駒内行きの電車がやってきたので乗る。雪祭りではあるが、地下鉄はそれほど混雑しているわけでもなく、大通に着いたので降りる。階段を上がって自動改札を抜け、さらに階段を上がって外に出た。
案内
そこは人混みに囲まれた雪の公園だった。
なんとも広い公園に、雪像がたくさんあった。なんだかよくわからないけどすごいなあと思った。
さて、おめあてのTiara(ティアラ)の2人がどこで見られるか調べなければならない。どこかで案内を配っていないだろうか。配っているようなのでもらってみた。う~ん、どう見てもティアラという文字はないなあ。本当にイベントは今日なんだろうか?
それとは別に、宮前真樹ちゃんが出るイベントと、中嶋美智代ちゃんが出るイベントが午前中にあるようだった。しかもほぼ同時である。お客を分断する作戦のようだった。
どっちに行こうかと思ったが、どうやら中嶋美智代ちゃんのイベントは他に来るのは演歌系アイドルのようだが、宮前真樹ちゃんの方はそうではないようなので、宮前真樹ちゃんの方に行くことにした。
(演歌系アイドルを敬遠しているのは、彼女たちのおかげでぼくの好きな新島弥生(にいじまやよい)ちゃんが新人賞にノミネートすらできなかったことが原因なのである。ぼくは心が狭いのだ。)
イベント1
行ってみるとかなりお客がいる。そのまま待った。
「見えな~い。見えな~い。」
と言っている女の子たちがいる。うるさいので席をゆずって前に行ってもらった。
イベントが始まり、宮前真樹ちゃんが歌を歌い始めた。お客はなぜか静かに聴いている。Coco全盛のころに比べると応援も静かなんだろうなあと感じた。
次は山口リエ(やまぐちりえ)ちゃんだ。なんだかみんなしらーっとした感じで聴いている。どうもまわりの人にとって山口リエちゃんはどうでもいいようだ。
もしかしたらこれから出てくる人のファンなのだろうか?と思った。でもあんまり静かだとリエちゃんに悪いような気がしたのでリエちゃんが歌い出すと手拍子をすることにした。
どうもうしろの男たちが何か言っているようなので振り向くと、「おまえもう帰れ!」と言っているようだ。どうも手拍子をうるさいと思っているらしい。なんだかいやになってしまったのでこの場を離れることにした。
山口リエちゃんが歌っている中を、人混みをかきわけ離れていく。案内を見るとこのあとに森口博子が来るようだったが、あそこにいたのは森口博子ファンだったのだろうか?森口博子っていつのまにかそんなに客を呼べるようになったんだろうか?
まあ、札幌は心の狭いやつらが多いんだろうなあと思っておく。ぼくも人のことは言えないが。
中嶋美智代ちゃんのイベントにでも行こうかと思ったが、人が多すぎてゆっくりとしか歩けない。どこかからなんとなく美智代ちゃんの「お手やわらかに」の歌が聞こえてくるような気がした。
イベントをやっているはずの場所に行くとどうやら終わっているようだった。まあいいか。昼食でも食べよう。
昼食
近くのラーメン屋に入ってラーメンを頼む。
新聞があったので見てみると、Tiaraの写真があって、雪祭りのスケジュールが載っていた。なんでも今日の午前中は真駒内でイベントをやっていて、午後は大通公園に来るとのことだ。
雪祭りって真駒内でもやっているらしい。もしまた来ることがあったら真駒内にも行ってみようかと思った。
あとはイベントの時刻まで雪像を見てまわった。よくわからない雪像がたくさんあった。巨人の松井の雪像もあっておもしろかった。さてそろそろ行こう。
イベント2
イベントがあるはずの場所に行くと、お、いつものイベントっぽい客の集まりだ。真ん中にでっかいカメラを持った人たちが集団で陣取っている。
あたりにいるお客はみんなTiaraが好きっぽい人たちだ。明らかに午前中の森口博子ファンらしい人たちとは客層が違う。なんだか安心する。
ぼくはうしろの方で待った。ステージができているのでこのへんでも見えるだろう。午前中にもらった案内ではTiaraが来るはずの時刻と場所にはTiaraが来るとは書いていないので、何か別の名前のイベントにTiaraが来るという扱いなのかもしれない。
しばらくすると司会のお姉さんがやってきて、説明をした後でいよいよTiaraの2人、菊池奏衣(きくちかなえ)ちゃんと渡辺幸恵(わたなべゆきえ)ちゃんがやってきた。奏衣ちゃんは白い服、幸恵ちゃんは黒い服で、雪祭り用に多少暖かめの服だった。なにしろ寒いからなあ。
そしてデビュー曲の「いけないわからない好きならばかまわない」を歌い始めた。まわりはファンが多いので盛り上がった。ほとんど札幌以外の人じゃないんだろうかと思えた。
そしてカップリングの「ずっとこうしたかった」も歌った。その後、なぜか歌とは別のイベントをしているようだった。どうも歌はおまけで歌の後のイベントがメインらしい。
どうやらもう1回歌うようなのでしばらく待つと、いったん引き上げた後でまたTiaraの2人がやってきて2曲歌った。また盛り上がった。カメラを持っている人たちは写真をばりばり撮っていた。
そして歌とは別のイベントがまた始まった。もう歌はないようなので、他の客も帰り始めているようだし、雪祭りの見物はこれくらいにすることにした。
夕食
もう夕食の時間なので、すすきのの方にでも行ってみることにした。でも高い店はとことん高いだろうと思い、ちょっと古めの中華料理屋に入ってみた。
昼はラーメンだったので夕食は肉野菜炒め定食にした。映っていた「笑うせぇるすまん」のテレビを見ながら夕食を食べ終わったが、まだ急行利尻が出るまでは時間がある。
預けた荷物は引き取るとしてそのあとどう過ごすかだが、札幌の人混みの中で過ごすのはなんとなく避けたいと思った。どうせ北海道フリーきっぷを持っているのだから、札幌からちょっと離れたところで過ごそうと思った。
時刻表を見たところ、札沼線(さっしょうせん)のあいの里教育大あたりが良さそうだ。
よし、ここで何時間か過ごそう。
大通から札幌駅までは今度は歩いて行くことにした。多少雪が残る中を歩く。思ったより時間がかかったが、なんとか札幌駅の荷物預かり所までやってきた。
預けた荷物を引き取り、ぼくは札幌駅の中に入っていった。
札沼線
札幌〜あいの里教育大
さっぽろ雪祭り会場から歩いて札幌駅に戻ってきた。今日は日曜日であり、駅はかなりの混雑だ。
とりあえず札沼線ホームに向かった。ディーゼル車に乗る。雪祭りの客でけっこう混雑していた。発車する。
もう外は暗いので景色は見えない。札沼線は札幌に近いところはかなり列車数が多いので、始発の札幌行きがたくさん出ているあいの里教育大で降りることにした。たぶん待合室があるんじゃないかと思ったからだ。大混雑の札幌で利尻が出るまで待つよりはいいだろう。
どんどんお客は降りていき、すいてきたところであいの里教育大に着いた。ここで降りる。
あいの里教育大駅
北海道フリーきっぷを見せて改札を出ると、待合室はちゃんとあった。ここですわって過ごすことにする。実家に電話していこう。
電話するとどこに泊まっているかときかれた。ずっと夜行列車に乗るつもりだと言ったら、
「バカ!死んじまうぞ!」
と言われた。しかたがないので泊まることにした。いろいろ考えたがあさって摩周に泊まるのがいいだろう。ぼくは104で9年前に泊まった宿の電話番号を調べ、宿に電話して予約した。
あいの里教育大〜札幌
またすわって1時間以上過ごした。もうそろそろ札幌に向かおう。
時刻表を見てあいの里教育大始発の列車を調べて、改札を通って列車に乗った。さすがにすいている。
列車は発車し、暗い中を進む。そのうち明かりが見えてきて、増えてきた。そして高架に上がる。
列車は札幌に到着した。さあ、急行利尻に向かおう。
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