122.札幌雪祭りと北海道旅行・7日目~8日目
津軽海峡線
函館駅
函館駅の待合室で青森行きの急行はまなすを待った。同じように待っている人は多少いる。
そのうち札幌行きはまなすの改札が始まった。半分近くの客が改札で行列になり、改札を通っていく。
そのうち青森からやってきた客が改札を通って出口へと進んでいく。そして改札から人がいなくなり、また時間が過ぎる。
10人ちょっとの客になって1時間ほどまた待合室で待っていた。青森行きはまなすの発車時刻が近づいたが、到着が遅れているとかアナウンスがあった。
発車時刻の午前3時ごろをかなり過ぎてから改札が始まり、北海道フリーきっぷを見せて改札を通ってホームに来た。そして自由席の位置で待つ。
はまなすは雪まみれでやってきた。そりゃ2月なんだから雪も降っているだろう。雪が降れば遅れるのはあたりまえというのが北海道の鉄道なのだろう。
どうせ停車時間は長いので、ゆっくりと乗る。数日前の札幌行きはなんとか空席があったが、きょうは自由席はいっぱいのようだ。しかたない。前日の夜行の特急おおぞらに続いてきょうもデッキで立って行こう。
函館〜青森
しばらく待つとはまなすは青森に向けて発車した。
つい数時間前に、そして5日前にも通った江差線を通る。五稜郭(ごりょうかく)で函館本線と分岐すると市街地を離れ、左手に函館山が見えてくる。5日前もこんなふうにぽっかりと函館山が見えたなあと思い出した。でも今は函館山のあたりで雪が吹き付けられているのが見えている。
函館山は遠くなり、木古内(きこない)を過ぎて青函(せいかん)トンネルに入っていく。今回の旅では青函トンネルは急行はまなすだけで往復したが、いつか快速海峡でも、そして寝台特急の北斗星やトワイライトウクスプレスでも通ってみたいものだと思った。
しばらくは暗闇の中を進む。そのうち明るい場所を通る。吉岡海底駅だろう。
また暗い中を進み、竜飛海底駅らしき明かりを見て進んでいく。そしてようやく青函トンネルを出た。半分眠りながら見た札幌行きと違い、デッキで立っていなければならないからはっきりと見られて良い。
しばらく地上を進み、蟹田(かにた)駅らしき場所に出た。乗務員が交替するから必ず運転停車する。しばらく停車した後でまだ進んでいく。だんだん明るくなってきた。
そして左手に海を見ながら進み、かなり夜が明けたころ、はまなすは約30分ほど遅れて青森駅に到着した。
青森駅
到着寸前にアナウンスがあった。なんでももう始発の特急はつかりは急行はまなすの到着を待たずに発車してしまったので、指定席を持っている人は窓口におこしくださいとのこと。
おそらく次の指定席にしてもらうのだろう。大阪行き特急白鳥には間に合うようだ。
ぼくはもともとハートランドフリーきっぷなので自由席だから窓口に並ぶ必要はない。
しかし次のはつかりだと八戸で予定していた久慈(くじ)行きの八戸線に間に合わず、次の久慈行きは3時間後である。
幸いこの後の予定はあってないようなものだからいいが、やっぱり3時間遅れはいたいなあと思った。
ぼくは階段を上がって進み、階段をおりて、いったん北海道フリーきっぷと、今日から有効のハートランドフリーきっぷを見せて青森駅の改札を出たが、トイレだけすませて、またハートランドフリーきっぷを見せて改札を通った。
どうせ久慈行きが3時間遅れるのだから、はつかりではなく普通列車に乗ろうと思った。
東北本線
旅行記本文
函館から乗ってきた急行はまなすが、30分近く遅れて青森に到着し、始発のはつかりは到着を待たずに発車してしまっていた。これに乗れないと八戸から久慈(くじ)行きのディーゼル車に間に合わず、次の久慈行きは3時間後になる。
どうせ3時間待つのなら、青森から八戸までははつかりでなく普通列車に乗った方が眠れそうだなあと思った。だから次のはつかりの前に発車する普通列車に乗ることにした。
ホームに行き、客車に乗る。こんな朝6時では客も少ない。はまなすの中ではずっと立っていたし、ぼくは疲れを取ろうと一気に眠った。
気がつくと、普通列車は八戸に近づいていた。そして到着。ぼくは普通列車を降りた。
さてこれからどうしよう。八戸線は途中の鮫(さめ)行きなら何本かある。ぼくは鮫まで行って降りて散歩してみようと思った。まずは鮫行きのホームを探すことにした。
八戸線
八戸~鮫
青森から乗ってきた列車を八戸で降りて、八戸線のディーゼル車を探す。今の時間は鮫(さめ)行きしか出ていない。まあいいかと鮫行きに乗って出発だ。客は数えるほどしかいない。
ディーゼル車は八戸の平野を進んでいく。工場らしい建物が遠くに見える。
本八戸のあたりは多少市街地になっているようだったがたいしたことはなく、本八戸を過ぎるとまた広い景色になる。そして海も近くなり、終点鮫に到着である。久慈(くじ)行きのディーゼル車は1時間以上来ないので、ハートランドフリーきっぷを見せていったん駅を出た。
朝食
まだ10時にもなっていないが、このあたりで食堂なんかないかなあと歩いてみることにした。
なだらかな坂をのぼっていくと小さな食堂のような場所を見つけた。入ってみるとカレーライスなら食べられると言うので注文した。
出てきた。けっこううまいカレーライスだった。カレーライスは場所によっては全然具とか入っていないものも売られているが、ここのカレーはちゃんと具が入っていて良い。おなかもいっぱいになったところで店を出る。
坂から海の方を見下ろすといいながめだなあと思った。鮫で降りて良かった。
近くに公衆電話を見つけたので実家に電話していく。朝早いが家族はちゃんと電話に出た。あした東京に帰ると言っておいた。
鮫~久慈
そして鮫駅に戻ったが、まだまだ久慈行きのディーゼル車が出るまでは時間があり、鮫止まりのディーゼル車が到着するところだった。もう歩く気にもなれず、駅で待つことにした。
ようやく久慈行きの時刻になり、ホームに上がった。そしてやってきたディーゼル車に乗る。3時間ぶりの久慈行きなので多少客がいるが、満席というほどでもない。
ディーゼル車は海沿いを進んでいく。この1週間、北海道の海をたくさん見てきたが、青森の海もいい。
海を見ているうちに県境を過ぎ、ディーゼル車は終点の久慈に到着した。ハートランドフリーきっぷが使えるのはここまでで、ここから先は三陸鉄道だからきっぷを買わなければならない。いったん駅を出なければならないだろうとぼくはディーゼル車を降りて改札に向かった。
三陸鉄道
久慈駅
鮫(さめ)から乗ってきたディーゼル車を久慈(くじ)で降りて、ハートランドフリーきっぷを見せて改札を通った。ここからは三陸鉄道だからきっぷを買う必要があるだろう。まずは駅舎の外に出てみた。
久慈の駅前は多少大きな市街地になってはいるようだが、それほど大きな店はないようだ。振り返ってみると、JRの駅舎と三陸鉄道の駅舎が別々にあるようだ。とりあえず三陸鉄道の駅舎に入ろう。
そこはやたらおばさんたちで混雑していた。八戸線で見かけなかった人もいるので、近所の人たちなのかもしれない。きっぷは・・・自動券売機がある。
三陸鉄道はこれから乗る久慈から宮古(みやこ)までが北リアス線で、釜石(かまいし)から盛(さかり)までが南リアス線だ。そして宮古から釜石まではJRの山田線の一部である。
ここから盛まできっぷを買うこともできるが、ぼくはハートランドフリーきっぷを持っているので山田線にはこれで乗れる。だからまずは宮古まできっぷを買っておき、釜石を過ぎたら盛まで買うことにした。自動券売機には行列ができていたが、無事自分の番が来たので宮古まできっぷを買った。
久慈~宮古
今度発車するディーゼル車は盛行きである。乗り換えが多少省略されるのでありがたいと思った。無事改札の時間になり、きっぷを見せて改札を通り、盛行きのディーゼル車に乗る。けっこう新しいディーゼル車である。
自動券売機に行列ができていたということでかなり客が乗っていたが、すわることはできた。そして出発である。
しばらくは海が見えていたが、やがて海が見えなくなった。海より多少内陸を進んでいるようだ。
そう言えば岩手県の海岸はリアス式海岸だから、海沿いに走るとジグザグになってしまう、だから少しでもまっすぐ走るには内陸を走るしかないんだろうなあと思った。
なんだかローカル線にしては立派な高架の路線だなあと思った。トンネルも多い。
そのうち近くにすわっていた赤ちゃん連れのおばさんが赤ちゃんのおしめを換え始めた。
赤ちゃんはたぶん女の子なので、おしめを換えるのを見るのもなんなので、カーテンで顔をかくして外を見ることにした。
宮古~釜石
そんなふうにしているうちにディーゼル車は進み、宮古に到着した。お客がぞろっと降りて、新しいお客がぞろっと乗ってくる。そして発車。ここからはJR山田線だ。だからハートランドフリーきっぷが有効である。
北リアス線と違い、山田線の宮古~釜石間はけっこう海が見える区間である。最近まで八戸~仙台間は内陸の東北本線を進む路線しかなかったから、こうやって海沿いを進むことができると、たとえよけいに運賃が必要になってもその分の価値はあるなあと思った。
釜石に着いた。ここからは三陸鉄道の南リアス線だ。車掌がやってきたのでハートランドフリーきっぷと北リアス線のきっぷを見せる。すると釜石から盛までのきっぷを売ってくれた。
釜石~盛
釜石でかなり客が降り、南リアス線に入ると車内はがらがらになってしまった。北リアス線と同じでこっちもそんなに海が見えないのかな?
しかし山田線ほどではないがけっこうところどころ海が見えた。線路は北リアス線と同じくあまりガタガタしないいい線路のようだ。そんなふうにしてディーゼル車は進んでいく。
そして久慈から何時間も走り続けてきたディーゼル車は、ようやく終点盛駅に到着した。
三陸鉄道はいい路線だったなあ、いつか沿線で下車して観光してみたいなあと思いながら、ぼくはディーゼル車を降りた。さあ、大船渡線に乗り換えだ。
大船渡線
旅行記本文
久慈(くじ)から乗ってきた三陸鉄道北リアス線・JR山田線・三陸鉄道南リアス線の直通列車を盛(さかり)で降りる。いったん改札の外に出る必要があるらしく、南リアス線内で買った盛行きのきっぷを渡して改札を通った。
駅前は山が迫っており、小さな市街地のようだ。JRの改札はすぐ近くの建物のようなので、建物に入ってハートランドフリーきっぷを見せてまた改札を通り、気仙沼方面のディーゼル車を探した。
ディーゼル車はすぐに見つかったので乗る。三陸鉄道のディーゼル車よりちょっと古いようだ。
お客の数も三陸鉄道より減っている。三陸鉄道では観光客が多いようだったが、この列車はわずかな地元客が乗っているようだ。じきに発車する。
景色は三陸鉄道と違って海からは遠い場所を通る。こちらは古くからある路線なのでどことなくカーブが多く、のんびりと走る。いい雰囲気だなあと思った。
列車はほとんど客の乗り降りもなく、目的地、気仙沼(けせんぬま)に到着した。ここで降りる。
ここは学生時代、余った青春18きっぷで来て、港まで歩いた場所である。今回は港まで歩く時間はなさそうだ。すぐに前谷地(まえやち)に向かう気仙沼線のディーゼル車を探すことにした。
気仙沼線
旅行記本文
盛(さかり)から乗ってきたディーゼル車を気仙沼(けせんぬま)で降り、階段を上がっておりて小牛田(こごた)行きのディーゼル車に乗った。ディーゼル車は発車する。お客はとても少なかった。三陸鉄道の方がずっとお客は多かった。
この区間は学生時代に一度乗ったことがある区間なので、ぼんやりして過ごした。すぐに気仙沼の町中をぬけ、小高い山々の連なる景色へと移り変わっていく。
なにしろ今のぼくは北海道帰りなので、あまり本州の景色を見ても感動しないのである。気仙沼線沿線のみなさんには申し訳ないのだが。
急行はまなすが遅れてしまったため3時間遅く気仙沼線を通っているわけだが、まだ明るい。石巻に着くころには暗くなりそうである。
左右に見えていた山々も少なくなり、広い平野が広がるようになった。そして目的地、前谷地(まえやち)に到着した。ここでディーゼル車を降りる。
石巻行きが発車するまで時間があるため、いったん駅を出て何かお店でもないか確かめてみることにした。
石巻線
前谷地~石巻
気仙沼(けせんぬま)から乗ってきたディーゼル車を前谷地(まえやち)で降りて、あたりをながめてみる。
住宅街のようで、お店は少ない。特に何も買うものはなさそうだ。これから向かう石巻(いしのまき)は食堂があるくらいの場所であることはわかっているので、そのまま駅のホームに戻り、ディーゼル車を待った。
石巻行きディーゼル車がやってきた。気仙沼線のディーゼル車とそれほど変わりはなく、多少古いディーゼル車だった。お客はあまりいない。そりゃそうか。建国記念日だからなあ。
気仙沼線と同じく、このあたりに乗るのは学生時代以来約6、7年ぶりである。その時とは違い、今は2月の田んぼが広がる景色である。雪は少ない。きのうまでずっと北海道にいたわけだから少なく感じるのかもしれない。
石巻駅
石巻線は人家の少ない路線だが、石巻が近づくとまちなかに入っていった。そして終点石巻に到着。
あれ?仙石線がすぐ近くに見える。
ぼくが学生時代の頃の石巻駅は「石巻線の駅舎」と「仙石線の駅舎」が約10メートルくらい離れている変わった駅だったが、いつのまにか仙石線の方が石巻線のすぐ近くに移動して、改札を通らなくても乗り換え出来るようになっていたのである。まあいろいろあるのだろうなあと思った。
ハートランドフリーきっぷを見せて改札を出る。もうあたりは暗くなってきている。食堂でも探そう。
夕食
とある旅行の本によれば石巻にはそば屋があるようだが、いろいろ歩き回ってもそれらしき店は見つからない。本には裏道を進んでようやく発見したようなことが書いてあったから見つけにくいのだろう。まあいいかと適当な食堂でそばでない定食の食事とした。
店を出て駅に戻る。今日はこれからどうしようか。
そうだなあ、仙台の街を歩いてみたいなあと思った。となりの長町駅まで行って仙台駅まで歩いたら2時間くらいにはなりそうだ。
そして時刻表によれば急行津軽が午前4時ごろ仙台を出るのでそれに乗って秋田に行き、特急白鳥で直江津に行き、松本まわりで東京に帰ろうかと思った。そこまで考えていったん石巻駅に戻った。
なんだか大声でどなりつける声が聞こえる。どうやら駅の窓口のようだ。どなりつけているのはやや年輩の男のようだ。
なんだかいつまでもどなりつけている。警察にでも電話した方がいいかなあと思ったら男はようやく窓口から離れていった。ぼくはそのまま仙石線の改札が始まるのを待った。
仙石線
石巻~仙台
石巻(いしのまき)で夕食をすませたぼくは、ハートランドフリーきっぷを見せて石巻駅の改札を通り、仙石線の電車に乗った。もう暗く、客はほとんどいない。
電車は発車する。暗いので景色はわからないが、しばらく海のそばを走っていたような気がする。
松島海岸、本塩釜と通り過ぎていくが、仙台が近づいても全然客は乗ってこない。
だいぶ遅くなって、電車は終点仙台に到着した。
仙台〜長町
さてこれからどうするかだが、急行八甲田や急行津軽に乗るという手もある。しかしぼくはひさしぶりに仙台のまちなかを歩いてみたくなった。
1駅東北本線で長町まで行って、仙台まで歩こうと思った。とりあえず東北本線に乗り換えだ。
仙石線から地下通路に進み、適当なところで左に曲がり、東北本線のホームに出る。この仙石線からの通路がいい雰囲気である。
とりあえずホームで待つと長町に行く電車がやってきたので乗る。すいているなあ。発車だ。
右手にテレビ塔を見ながら進むが、新幹線の高架ではなく在来線からだと建物のせいで見にくい。広瀬川の鉄橋を渡って長町に着いた。
散歩
すぐに歩き出しても仙台駅でかなり待つことになるので、駅の待合室でしばらく休んだ。そして最終列車が出たころ、仙台駅に向けて出発である。北に進んでいく。
宮城交通の長町ターミナルを左に見て、長町一丁目を過ぎると広瀬橋だ。このあたりはずいぶん長いこと地下鉄の工事で車線が狭くなっていて、渋滞して、そのせいでずいぶん店がつぶれたそうだ。コンビニに寄って買い物していこう。橋を渡る。
渡ると舟丁(ふなちょう)だ。このあたりの警察で原付の免許を書き換えたことを思い出す。それくらいしか思い出はない。
さらに進んでいき、愛宕(あたご)大橋の北の交差点に出て、右に曲がる。だいぶタクシーが多くなった。夜遅くまで飲んだ人たちがタクシーに乗って帰っていくのだ。
吉野家
北に進んで五橋(いつつばし)だ。近くの公園のトイレに寄っていこう。
さらに北に進み、ようやく仙台駅が見えてきた。ちょっとおなかがすいてきた。
何度も寄った吉野家に寄っていこう。学生時代はとてもお世話になった。このあたりは二軒吉野家があるが、青葉通りの方の吉野家に寄っていこう。店に入ると少ないながらも客がいた。そして注文する。今日もうまい。
すっかりおなかもいっぱいになって吉野家を出た。交差点を渡り、ペデストリアンデッキにのぼり、仙台駅に到着した。まだ午前2時ごろである。
仙山線
仙台駅
青葉通りの方の吉野家を出て、仙台駅に戻ってきた。
夜行が停車するためちゃんと照明もついていたが、改札に人はなく、自由に出入りできた。
入ってみると、改札のそばの待合室には若い男たちがぶったおれていた。しかたない。待合室のすぐそばですわっていよう。
まだ午前2時である。とりあえずぼくは、これから来る急行津軽で秋田に行き、特急白鳥で直江津に行き、松本まわりで東京に帰ろうかと思っていた。
予定変更
なぜか時刻表では列車が来ない時刻に、どどどっと客がホームから昇ってきた。そして通路を進んで別のホームへとおりていった。
どうやら上野行きの方の急行津軽がとても遅れているらしい。そして今乗り換えた客は、本来なら楽に乗り換えられるはずの上野行き急行津軽→青森行き急行八甲田の乗り換え客のようである。津軽が遅れたので仙台駅での乗り換えがぎりぎりになってしまったわけである。
津軽が遅れているとなると、東北は雪だなと思った。こりゃ計画を変えて、早めに東京に戻って、特急踊り子にでも乗って熱海の方にでも行った方がいいなと思った。
よし、急行津軽は山形で降りて、まだ乗ったことのない山形新幹線つばさで東京に戻ろう、と計画を変更した。
仙台〜山形
そのうち青森行き津軽が来る時刻になった。ホームに行く。青森行きの方は遅れずに到着した。今度の旅行は急行はまなすに始まって、夜行列車に乗り続けの旅行だったが、これで最後だ。もうしばらく夜行に乗ることはないだろう。
自由席をのぞいたが、やはり空席はないようだ。デッキに立っていよう。津軽は発車した。左に大きく曲がり、仙山線に入っていく。
7・8年ぶりの仙山線である。2月なのでまっくらな中を進んでいく。景色はあまりわからないが、北仙台のあたりを過ぎてしばらくすると山あいを進んでいるようだ。
昔仙山線に乗った時は、奥新川や面白山高原で降りて芋煮会(いもにかい)をしたっけなあと思い出した。さすがにこの時間ではそれらの駅もまっくらである。雪も積もっているだろう。
山形県に入り、だんだん空が明るくなってきた。そして急行津軽は目的地、山形に到着した。ここで降りるが、けっこう同じようにここで降りる客が多いようだ。
さて、始発の山形新幹線つばさが出るまでには1時間ある。ぼくはハートランドフリーきっぷを見せて改札を出た。ちゃんと待合室がありけっこうなお客が待っていたが今度は空いている席がある。ぼくは席にすわってつばさが出るのを待つことにした。
山形新幹線
発車
仙台から乗ってきた急行津軽を山形で降り、山形新幹線の一番列車に乗るため待合室で休んだ。
ようやく改札の案内があった。改札に行こう。
ハートランドフリーきっぷを見せて改札を通る。自由席は一番後ろの車両のようだ。乗ってさらに後ろに進み、一番後ろの席にすわる。通路をはさんで向かいに若い男がすわった。たぶんハートランドフリーきっぷの客だろう。
そして一週間前に発車した東京駅を目指して発車する。
今まで地下の上野駅からしか乗ったことはなかったが、東京駅は地上で乗り換えやすくていいなあ、東京に着いたらどうしようか、あずさに乗るか踊り子に乗ろうかと思っていたが、東北がこんなに寒いくらいだから松本も寒いだろう、暖かい熱海の方に行こうと思いながらしばらく眠った。なにしろ3連続の夜行なのである。
山形~東京
気がつくと雪山の間を新幹線は進んでいる。木々が幻想的な景色である。そう思いながらまた眠った。
また目が覚めた。どうやら宇都宮のあたりだ。げっ!宇都宮も雪だ!
まさか関東に来ても雪が降っているとは思わなかった。東京でも降っているかなあと思いながらまた眠った。
次に目が覚めると、もう東京駅に近づいていた。やはり雪が降り続いている。
先週逆方向に渡った荒川を渡ってトンネルをくぐり、赤羽のあたりから進んで地下に入り、おなじみの上野駅、そして地上に出て東京駅に到着である。雪は降り続いている。
向かいの男が目を覚ました。東京駅に雪が降っているので彼は驚いていた。
帰宅
つばさを降りて中間改札にハートランドフリーきっぷを見せて通る。踊り子の出るホームに行こう。
しかしホームは閑散としていた。踊り子は運休している。
ぐずぐずしていると、寮に帰るための電車まで運休してしまうかもしれないので、ハートランドフリーきっぷがもったいないが、もう寮に帰ることにした。熱海の方で職場にみやげを買おうと思っていたのだがしかたない。
一週間旅行して、宿に泊まったのは1日だけなのでかなり疲れている。
休暇はあさってまで取っているので、今日と明日寮で眠って、あさって東京タワーにでも行って職場のみやげを買おう、意外と東京で東京タワーに行く人なんて少ないから珍しがられるかもしれないな、と思った。
そう思いながら、ぼくは寮に向かう電車が出るホームに向かった。
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