Sorry, Japanese only! (1999年3月)

71.えりも岬と札沼線

説明

1998年のスカイマークエアラインズに続き、1999年には羽田-千歳間にエアードゥーという航空会社が安い運賃で航空機の運航を始めました。運賃は16000円です。しかしこの運賃も長くは続かなさそうです。おそらく7月20日には値上がりしているでしょう。ということは夏の青春18きっぷのシーズンにはもう16000円では行けないということです。この春が16000円で千歳に行き、千歳から青春18きっぷで旅行できる最初で最後のチャンスということになります。1999年は春分の日を含めて3連休がありました。おそらく北海道は雪でしょうが、そんなことおかまいなしに千歳まで乗ろうと思いました。

1999年現在、北海道でまだ乗っていない路線はいくつかあり、釧路~根室などに乗っていませんでしたが、千歳からは遠いし、あとで札幌・道東ゾーンの周遊きっぷを使って乗ろうかと思いました。そうなると、札幌・道東ゾーンに含まれないところを乗った方がいいかもしれません。
いまのところ該当する場所は、日高本線、札沼線、留萌本線がありました。室蘭本線の室蘭~東室蘭にも乗っていませんが、スケジュールに余裕ができたら乗ろうと思いました。

3連休で札幌に2泊して、まんなかの日に日高本線経由でえりも岬に行くことにしました。宿は去年9月に北海道に行った時に函館港で入手した割引券が使えるホテルにしましょう。地下鉄西11丁目駅から南に歩くとあるようです。
札沼線と留萌本線は、帰る日に札幌→新十津川(徒歩)滝川→深川→増毛→深川→札幌と行けば良さそうです。初日は室蘭に行くのが良さそうですが、もし間に合えば夕張に行くのも良さそうだなと思いました。

エアードゥーに電話して無事予約できました。ホテルに電話したらやはり2泊予約できました。
青春18きっぷの残りの2回分は月曜に休暇を取って土日月と帰省に2回分使いました。こうして旅行の日をむかえたのです。

エアードゥー・羽田~千歳

羽田空港

京浜急行の電車は無事、羽田空港駅に到着した。ルトランカードを通して改札を出た。

2月にも1月にも羽田に来ているので、そんなに珍しい場所に来ているという感じはなく、まずはエアードゥーの窓口を探した。なんとか見つけ、クレジットカードを見せて機械を操作してもらう。スカイマークエアラインズと同様に感熱紙が出てくるが、スカイマークエアラインズより若干航空券っぽい感じの券であった。

X線検査を通り、待合場所を探す。お、この番号は先月高松に行く時に来た、バスがたくさんある待合場所のようだ。そうか、エアードゥーも羽田では航空機までバスで行くのか。
約1ヶ月ぶりの待合場所で手続きが始まるのを待った。相変わらず喫煙エリアではたばこをすう人がせまい場所にかたまっており、天井の強力な吸引機にけむりが吸い込まれていく。

やがて搭乗手続きが始まった。航空券を見せてバスに乗る。バスは先月と似たような場所を進んでいく。しかしバスが着いた場所は先月とは異なり、タラップがあるだけの場所であった。小雨も降っており、雨の中をタラップを通って機内に入った。


羽田~千歳

今日も左の窓ぎわである。席はスカイマークエアラインズより広く、全日空や日本エアシステムと同じくらいである。しかし席の数は若干少ない。スカイマークエアラインズと同じ大きさの機体らしいので席を減らして広くしているのだろう。

いつものように救命胴衣のつけ方の案内があり、さらにエアードゥーでは飲み物サービスはないという説明がある。もちろんぼくはこうなることを見越して飲み物を機内に持ってきている。

どんよりとした雲の下、千歳行きは離陸した。いつも航空機に乗る時は窓から見える陸地の風景が楽しみなのだが、今日は見えるだろうか。
高度を上げ、雲の中を通り、太陽が見えてきた。やはりと言うか、一面に雲が広がり、陸地は見えそうもない。まあしかたないか。

そのまま窓を見ていた。でもよくよく考えたら、この景色はそんなに悪いものではないような気がした。
モコモコした雲がずっと水平線、いや「雲平線」まで続き、空と接しているのだ。こんな風景は航空機に乗らないと見られない。そんな風景を見て過ごす。

いよいよ着陸である。高度を下げて雲の下に出ると滑走路が見えてきて着陸である。
機体の移動が止まると窓の外にタラップとバスが見えた。千歳空港でもバス連絡らしい。

タラップをおりてバスに乗る。羽田より短い距離をバスは進み、空港ターミナルに到着した。初めての千歳空港である。さあ、JRの駅の入り口を探そう。

千歳線その1

新千歳空港~苫小牧

エアードゥーの航空機を新千歳空港で降りたぼくは、なんとかJRの改札までやってきた。東京でちょっとだけ使った青春18きっぷを取り出し、今日の日付がもう押してあることを示して改札を通った。

今から夕張に行くと札幌に着くのがものすごく遅くなってしまう。予定通り室蘭に向かおう。とは言っても苫小牧で2時間待つのだが。

とりあえずホームに行き、案内板を見て先に出る電車に乗った。南千歳で降りるのですわる必要もない。やがて発車する。

電車は地上に出て、南千歳駅に到着である。電車を降りて階段を上がる。北海道の3月は寒いのでホームにおりるのは苫小牧行きが出る直前にしよう。

ぼくは階段の上でしばらく待ち、時間が近づいたのでホームにおりた。それほどお客は多くない。やがて電車が来たので乗る。席はあいており、楽にすわれた。電車が発車する。

去年はこの区間は夜行で通っているので昼間乗るのは5年ぶりである。いつ見ても平原が広がるいい景色である。このあたりも北海道を代表する景色かもしれない。


昼食

電車はやがて苫小牧近郊の住宅地に入り、終点苫小牧に到着した。さてここから出る東室蘭行きまで2時間待ちである。どこか食堂でも寄っていこう。

駅を出て南に進む。とりあえず右に曲がってみよう。適当なところで左に曲がる。左手に食堂を見つけた。

まだ午前11時前であるが、とりあえず行ってみる。営業していた。まあ、ここでいいか。

スパゲッティでも食べることにした。時間がある時は食事はすぐに来るものである。スパゲッティを食べてちょっと休む。今日は朝が早かったからなあ。あしたもあさっても早いのだが。

食堂を出てあたりをぶらぶら歩いてみたが、特に行きたいお店は見あたらない。そろそろ駅に戻ろう。

駅に戻って改札前のいすにすわって東室蘭に行く電車を待った。1時間ほどあったがもう歩くこともないだろうと思った。

室蘭本線その1

苫小牧~東室蘭

苫小牧駅で1時間ほど待つとようやく東室蘭行きの改札が始まった。青春18きっぷを見せて改札を通り、階段をおりてホームに行く。やや古めの電車である。

今まで北海道の幹線区間は特急で通り過ぎることがほとんどだったので、こういう電車は初めてである。電車は学生が多少いるがそのわりに静かである。電車は発車する。

ふだん特急で通る路線も普通列車に乗るとなんだか違う景色に見える。海も見えるいい景色だ。学生は降りていき、登別で多少乗り降りがあったくらいで客は少ないまま東室蘭に着いた。


東室蘭~室蘭

室蘭行き電車は別のホームにあるようなので、階段を上がっておりて室蘭行きに乗る。似たような電車だ。電車は発車する。

東室蘭の市街地を出ると、左手に山っぽい場所が見えてきた。室蘭は半島なので多少山があるのだろう。ゆるやかにカーブして東室蘭とは別の市街地に入り、細いホームの終点、室蘭駅に到着した。

うわさどおり最近になって移転した駅らしく、ホームは新しいし改札を出た先の駅舎も新しい。


室蘭~東室蘭

駅舎を出て、廃止されたレール跡があるか見てみたが見あたらなかった。大きな道路があり、広場があり、正面には街が広がっている。話では以前の室蘭駅は港に近かったそうなので、ここからだいぶ離れていたんじゃないかと思った。

折り返しの東室蘭行きはすぐに発車するので、青春18きっぷを見せてまたホームに来て電車に乗った。

お客はやっぱり少ない。電車は発車し、同じ線路を通って東室蘭に着いた。ここでしばらく苫小牧行きの電車を待つことにする。

改札を出てそばの待合室で待つ。待つ客は少なく、さすがに青春18きっぷできょう旅行している人は北海道では少なさそうだ。


東室蘭~苫小牧

時間が来たので改札を通り、苫小牧行きホームに降りて電車に乗る。お客は苫小牧から乗ってきた電車より少ない。そのまま発車した。

登別に着いてもお客の乗り降りは少ない。たいていの客は特急を使うのだろう。海の近くを電車は進む。夕方が近づいてきた。

そしてようやく苫小牧に着いた。ここで岩見沢行きに乗り換えである。今日は朝早かったが、もうちょっと鉄道に乗る必要がある。がんばろう。ぼくは電車を降りた。

室蘭本線その2

旅行記本文

東室蘭から乗ってきた電車を降りて、岩見沢行きのディーゼル車の出るホームに行き、乗った。さすがに約3時間ぶりの列車なのでお客は多い。にぎやかな中、ディーゼル車は発車した。

沼ノ端から14年ぶりの区間になる。暗くなり始めていたが、北海道独特の植物があってながめのいい区間である。そのうち沿線に雪が目立ち始めた。

そう言われてみれば苫小牧~室蘭間は雪が少なかったなあと思った。駅に停まるごとに苫小牧で乗っていたお客が降りていく。

追分に着いた。かなりの客が降りたが乗る客もいる。かなり暗くなってきた。

ここからは初めての区間である。ディーゼル車は発車する。まわりは雪がかなり積もっている。
雪の見える景色がだんだん暗くなり、そのうち線路の近くの雪だけ見えるようになる。

ディーゼル車は岩見沢に近づき、架線のある函館本線と合流していく。

そして終点、岩見沢に着いた。ディーゼル車を降りる。乗り換え駅の割りにはそんなに大きくない駅で、追分駅と同じくらいの駅であった。ぼくは札幌に向かうホームに行き、電車を待つことにした。

函館本線その1

旅行記本文

苫小牧から乗ってきたディーゼル車を岩見沢で降り、階段を上がっておりて札幌の方に行くホームに来た。

電車に乗る。3連休ではあるが、とっぷりと日が暮れていてお客は少ない。電車が発車する。

しばらく各駅に停車するが、ほとんどお客も乗ってこない。窓の外を見ると月が見える。半月である。

そう言えば先月鹿児島で朝5時にディーゼル車に乗ったときに細い月が見えたなあと思い出した。先月は鹿児島、今月は北海道、なんとも無節操に旅をしているなあと思った。

そのうち電車は快速運転となり、札幌まで無停車で進んだ。市街地で、住宅地ではあるはずなのだが、札幌の近くになるまで街の明かりはほとんど見えない。

札幌駅近くになってようやく明かりが見えてきて、終点札幌に到着した。札幌駅から電車に乗る人はそれなりにいるようである。

電車を降りると駅弁でも買うことにした。ホームで駅弁が売っていた。
ぼくが買ったのは「SL弁当」だった。なんだかおもしろそうな弁当だ。
あけてみないとどんな弁当かわからないが、ホテルに行ったらあけてみよう。

駅弁を買うとぼくは青春18きっぷを見せて改札を通った。さあ、地下鉄に乗ろう。

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