3.土浦から古河に向かうバス
説明
背景
1994年3月末のある日のこと、とある駅でぼくは「ぶらっとクイズラリー」というパンフレットを見つけました。
なんでも首都圏のJR東日本で、これまで季節を限定して販売されていたホリデーパスというお得なきっぷが通年販売になり、さらにホリデーパスより多少広いエリアをまわれる「スーパーホリデーパス」というお得なきっぷも新発売になるいう話です。
そしてその記念として、1994年4月の土日にホリデーパスでまわれるエリアの特定の10駅をまわって、そこにある問題を答え、ハガキに答を書いて切手を貼って送るともれなく500円のオレンジカードがもらえるというキャンペーンを行うというものでした。
特定の10駅は5種類(5コース)あり、以下の50駅でした。
・山並コース:新宿・中野・荻窪・国分寺・八王子・高尾・昭島・青梅・秋川・登戸
・潮騒コース:東京・新木場・西船橋・稲毛海岸・千葉・佐倉・蘇我・五井・袖ヶ浦・木更津
・田園コース:上野・日暮里・戸田公園・南越谷・大宮・川越・蓮田・久喜・古河・小山
・青空コース:品川・大森・川崎・武蔵小杉・東神奈川・長津田・横浜・港南台・鎌倉・茅ヶ崎
・七色コース:越中島・小岩・市ヶ谷・渋谷・蒲田・西荻窪・池袋・巣鴨・金町・赤羽
七色コース以外は中央本線沿い・内房線沿い・東北本線沿い・東海道本線沿いのおもな駅と、枝分かれしているいくつかの駅を10個集めてコースにしているわけです。
七色コースは東京23区の駅のみのお手軽コースとなっているわけです。
なにしろ、もれなく500円のオレンジカードがもらえるということは、ふだん2000円かかる旅行が実質1500円でできるわけで、これはのがさずやるしかない、と思ったわけで、5コースすべて行うことに決めたわけです。
経過
先々週の土日は、予定では七色コースと山並コースをまわる予定でしたが、夜遅く拝島で会った外国人の親子が海老名までどう行ったらいいかわからなかったようなのでいっしょに行ったところ、そのまま茅ヶ崎経由で熱海まで行くしかなくなったので、山並コースのかわりに青空コースをまわることにしました。
先週は大学時代の元同級生と鬼怒川で泊まったので、あと2週で山並コース、潮騒コース、田園コースをまわればいいわけです。また先々週みたいに熱海に行ってすかいらーくで夜食が食べたいです。
最後の日曜は予定通り、熱海から大船経由で久里浜に行き、フェリーで浜金谷に渡ると都合がいいので潮騒コースにしようと思っており、残りの2つから今回まわるコースを選べばいいわけです。
計画1
とりあえず田園コースにしようと思いました。先々週青空コースをまわった際、鶴見線とか鹿島線とかまわって気分がよかったことを思い出し、田園コースでもどこか寄り道できないかなあと考えてみました。
気になるものを時刻表巻頭の地図から見つけました。それは、土浦から古河まで延びているバス路線でした。
変なバスだなあ、今回古河には行く必要があるし、なんだか田舎な道を通っていそうなこのバスはぜひ通ってみたいなあと思いました。土浦発の時刻は13:00らしいので間に合えば乗ろうと考えました。
もう1つの気になるうわさは、武蔵野線の新三郷という駅でした。
先々週の七色コースでも通っているので降りようと思えば降りられたのですが、なんでもこの駅は府中本町方面のホームと西船橋方面のホームが別改札になっていて、しかもかなりの距離があるそうなのです(1994年現在)。
計画2
これらのことを考えてルートを決めました。以下のルートです。
上野→日暮里→赤羽→戸田公園→川越→大宮→南浦和→新三郷→南越谷→新松戸→柏→土浦(バス)下妻(バス)古河→小山→久喜→蓮田→池袋
とまあ、こんなもんでいこうと思いました。そして無事田園コースにチャレンジする日が来て、ぼくは寮のもより駅からホリデーパスで上野に向かったのです。
なお、ぶらっとクイズラリーの具体的な問題は、ほとんど覚えていないため、思い出せたものだけ記載しております。
追記
2016年までスーパーホリデーパスは1994年4月2日から使えるようになったものと思っていましたが、どうやらそれ以前にも発売されていたことがわかりました。ただしホリデーパスと同じく、土休日ならいつでも使えるものではなかったようです。いつから発売されていたかは不明です。
東北本線その1
上野~日暮里
電車は上野駅に到着した。電車を降りる。
JRの上野駅は出入口がたくさんある。先々週、ぶらっとクイズラリーの七色コースと青空コースをまわって気がついたことがある。それは出入口がたくさんある場合、どこの出入口にクイズの問題があるかわからないという困難があることだ。
先々週はなんとかなったが、きょうはどうなるだろう。
はじめて上野駅に来たのは国鉄時代だった。上野と言えばもっとも有名なのは上野動物園だろう。上野動物園のもよりの出入口は公園口だ。
しかし公園口では長距離のきっぷが売っていないのが問題なのだ。だから公園口から長距離のきっぷが売っている出入口まで行こうとしたら、歩道のせまい坂道をおりる必要があったりしてめんどうだったことを思い出す。
1994年現在も公園口では長距離のきっぷは売っていないようだ。だからぼくは公園口にはクイズの問題はないのではないかと予想した。
とするとクイズの問題は、上野の上下2層になっている構造の下のホームの方が近い、中央口の方にあるんじゃないかと考えた。電車から降りたホームは上の層なので階段をおりて下の層に行く必要がある。
中央口は御徒町(おかちまち)寄りのくだり階段をおりた方が近いので、階段をおりて東に向かい、中央口にやってきた。ホリデーパスを見せて改札を通る。
さて、問題はあるかと見回したら、予想通りそこに問題はあった。なんと問題は、公衆電話が何台あるかという問題だった。
とりあえず公衆電話の数を数える。これでよし。さあ、次は日暮里(にっぽり)に行こう。
ふたたびホリデーパスを見せて改札を通り、えっちらおっちら山手線のホームにのぼる。日暮里に行く電車に乗って無事日暮里に着いた。
日暮里~赤羽
さて、日暮里も出入口が2つほどあったような気がする。西日暮里方向の出入口の方が大きいような気がしたので行ってみる。ホリデーパスを見せて改札を通る。あたりを見渡してみよう。
問題が見つからない。やっぱり鶯谷(うぐいすだに)寄りの出入口かな?
行ってみるが問題は見つからない。もとの出入口に戻る。あー見つかった。見落としていた場所だった。
問題は日暮里近辺の「旧跡」に関するものだった。ちゃんと案内があり、それを見ると問題の解答はすぐに確認できる。こういう問題が多いのに感心する。これでよし。次は戸田公園に行こう。
幸いまだ10時半になっていないので京浜東北線が日暮里に停車する時間帯だ。ホリデーパスを見せて改札を通り、赤羽まで京浜東北線に乗る。
赤羽~戸田公園
赤羽で埼京線に乗り換える。国鉄時代以来、何度も乗り換えた赤羽で、最近も120円大回り旅行でよく乗り換える場所である。
しかし埼京線には用事がないので乗換駅の赤羽、武蔵浦和、大宮、川越くらいしか電車を降りたことはない。
階段を上がって埼京線ホームに来る。1994年現在の赤羽は東北本線のレールが低い位置にあり、なんだか変な駅だった。電車がやってきた。戸田公園は快速も停まるので各駅を選ぶ必要がなくていい。電車は発車する。
京浜東北線や東北本線は赤羽を出るとすぐ荒川を渡るが、埼京線はまずトンネルに入る。しばらく荒川は渡らずにいくつか駅を通っていき、ようやく荒川を渡ると戸田公園である。
この駅には用事がないので降りたことはない。ホリデーパスを見せて改札を通る。
小さな駅なのでクイズの問題もすぐに見つかり、解答も見つかった。まずはこれでよし。
しかし埼京線は本数が若干少ないのでしばらく待つ必要がある。でも行き先は次にまわる川越行きなのでちょうどいい。
またホリデーパスを見せて改札を通り、川越行きの電車を待った。
川越線
戸田公園~川越
ぶらっとクイズラリーの田園コース、戸田公園の問題を解答して、駅のホームに来た。次は川越だ。戸田公園から川越まで直通で行けるので都合がいい。
埼京線の川越行きの電車がやってきた。休日の昼間はそれほど混雑しているわけではない。乗ってすわる。電車が発車する。
2週間前にも七色コースで武蔵浦和から赤羽まで埼京線に乗ったが、ながめも良く、通勤に使わないならいい路線だ。きょうも高い位置から埼玉県南部の市街地をながめる。
武蔵浦和が近づいた。そして停車。乗換駅なのでそれなりに客が乗り降りする。そして発車。武蔵野線を下に見て進んでいく。120円おおまわり旅行をするときにも何回か通った道である。
そのうち大宮が近づく。電車は地下に進んでいく。
そして2週間前にも来た大宮駅に到着した。今はこのまま乗り続けることができる。また発車。電車は進むと地上に出る。
しばらくは都会の景色だが、じきに都会を離れていく。とは言っても2週間前と同じ道なのでそれほど目新しくもない。
何度も同じ場所を通ると慣れてしまうのかもしれない。そして畑の見える景色をしばらく進み、またまちなかに入っていき、この電車の終点の川越に到着した。電車を降りる。2週間前は向かいの電車に乗り換えれば良かったが、きょうは改札を出なければならない。階段を上がろう。
後悔
川越駅の階段を上がると改札があった。自動改札である。川越駅のJRの改札はここだけのようだ。ぼくが今使っているのはホリデーパスなので有人改札に行かなければならない(1994年現在)。
しかし改札にはおばあちゃんと孫(男の子)の先客がいた。
たまにくだらない質問を長々としている人がいて青春18きっぷとか使うときは迷惑だ。しかしこのおばあちゃんはただの精算のようだ。
最近は数年前に比べてJRは自動改札が増えたので、ホリデーパスの場合有人改札を使う必要があるのがめんどうである。
それでも幸い先々週のぶらっとクイズラリー七色コース、青空コース、そしてきょうの田園コースでは有人改札は混雑していなかった。まあたまにはこうなるものだろう。
JRの駅の有人改札はけっこう幅がある。だからホリデーパスを見せておばあちゃんたちの横を通り過ぎようとしたが、体が触れてしまった。
「あ、ごめんなさい。」とおばあちゃんは駅員に向かって言った。
ほんのちょっとしたことなのにこの時のぼくはなぜか非常に腹が立ってしまった。それでぼくはおばあちゃんたちに向かって、
「駅員よりも、まず先にぼくにあやまれ!」
とどなってしまった。
びっくりしたようにおばあちゃんはぼくに向かってあやまり、孫も「ごめんなさい。」と言った。
ああ、ぼくはこんなに小さな子供をおどかしてしまったと後悔した。きはずかしくなってぼくはその場を離れた。
先週いっしょに旅行した大学の同級生たちは、ぼくよりひとあし早く就職した人たちばかりなので、みんなぱりっとしていたような気がする。結婚した人もいた。
彼らに比べるとぼくは幼いなあと感じる。電車に乗るときも、もっと気をつかわなければなあと思う。でもまあ、あまりくよくよしないことにしよう。
さあ、田園コースの問題を見つけよう。川越はそれほど大きな駅ではないためすぐに問題が見つかった。解答になるものも駅の近くで見つかった。これでよし。
川越~大宮
川越駅に戻る。川越駅は高麗川行きならホームは1つだが、大宮方面はどのホームから電車が出るのかわからない。なんとかホームを見つけて進む。そのうち電車がやってくるので乗る。じきに発車だ。
すぐに川越の市街地を離れ、家並みの少ない場所になる。とは言ってもさっき通った道だ。あまり気負うこともない。電車は進む。
大宮が近づき、また地下に進んでいく。大宮の地下ホームに到着。今度は電車を降りる必要がある。
そしてエスカレーターで上へのぼっていく。ぼくは埼京線が来ていなかったころの大宮駅を知らないので何とも言えないが、川越線を使っていた人にとっては大宮駅が地上から地下になったのは不便になったのではないだろうか。
「不便になったから自家用車を使うようになった」という川越付近の住民がいてもおかしくないだろう。
なにはともあれのぼり切ると通路を進んで進んでようやく改札に来た。大宮は改札を出ると西にも東にも行けるのでぶらっとクイズラリーの問題も見つけやすいだろう。
改札を出て見回すとなんとか問題を見つけた。大宮は改札から駅の出口までが遠いので問題の解答となるものを探すのはたいへんそうだったが、なんとか解答も見つけた。これで10個の問題のうち半分が解答できたことになる。
ぼくは大宮駅の改札に戻り、次の駅、南越谷(みなみこしがや)に向かうことにした。
武蔵野線
大宮~南浦和
大宮の問題を解答して、ホリデーパスを見せて改札を通った。次のぶらっとクイズラリー田園コースの問題は南越谷(みなみこしがや)の予定だが、南越谷に行く前に、数駅新松戸寄りにある新三郷(しんみさと)という駅に寄っていきたい。
なんでも新三郷という駅は府中本町行きホームと西船橋行きホームがものすごく離れていて別の駅みたいになっているという話なので、ぶらっとクイズラリーのついでに降りてみようと思ったのである。そんなわけでまずは京浜東北線で南浦和に向かう。
通勤でもお世話になったことのある京浜東北線の電車に乗って出発だ。大宮を出る。このあたりはレールが多い。2週間前に「ホリデー快速鎌倉号」に大船から鎌倉まで乗ったが、それ以前にも乗ったことがある。その時は大宮まで乗った。
そのレールはおそらく大宮の近くでは京浜東北線とも東北本線とも違うレールを通っているはずだがどのレールかわからない。そんなことを考えているうちに電車は浦和でかなり乗り降りがあり、1駅進んで無事南浦和に着いた。電車を降りる。
南浦和も何度か乗り換えた駅だが、武蔵浦和ほど乗り換えはめんどうではない。でもそれなりに手間はかかり、階段を上がって通路を進んでまた階段を上がって西船橋方面のホームに出た。
南浦和~新三郷
それほど待たないうちに電車がやってくる。乗り込んで発車。4月はいい季節だ。そのうち市街地を離れていく。電車は進む。
やがて電車は南越谷に到着した。問題のある駅だが今は通り過ぎる。市街地を離れ、しばらく進む。
そしてレールがたくさんある貨物駅っぽい場所にさしかかっていく。府中本町方面に進むレールがだんだん離れていく。
電車はやがて降りようと思っていた駅、新三郷に到着した。電車を降りる。
うわさ通り、府中本町方面のホームに行くにはいったん改札を出なければならないようだ。ホリデーパスを見せて改札を通る。
陸橋
まずは大通りに出た。電車からも見えた通り、武蔵野線に陸橋がかかっている。どうやらこの陸橋を、はるか武蔵野線のレールが見えなくなるまで進めば新三郷の府中本町方面のホームに行けるようだ。とにかくとぼとぼ進む。
それでもまあ、ぼくは先月上越線の土合(どあい)駅で、地下深くにある長岡方面のホームから地上の水上(みなかみ)方面のホームまで歩いたし、あれに比べればまだましなんじゃないかと思った。
とは言え東京駅の京葉線のホームよりは遠いだろう。それにしてもながめがいいなあ。
なんでもむかし貨物列車には「操車場」という場所があって、いろいろな貨物を行き先によって組み替えていた場所だったとのことだ。でももうそんな組み替え作業はしなくなって、ただただ広い場所が残ってしまい、それが新三郷だということだ。そのなごりでホームが離れてしまったようだ。
そういうレールを見ているとすがすがしく感じる。やっぱりぼくは、列車よりレールの方が好きなのかなあと思う。車もたまに通る橋の上をてくてく進む。
新三郷~南越谷
ようやくもう1つの新三郷駅の駅舎にたどりついた。なるほど離れている。住宅街もこっちの駅舎の近くにもあるし、西船橋行きの出る駅舎の近くにもある。これじゃ確かにどっちか一方に統一するなんてことはできないだろうなあと思う。
統一するとしたらJR側の都合なんだろうなあと思った。まあこのあたりの近くに住まない限り使わない駅だし、あとは住民の問題だろうなあ。
さあ、南越谷に行かなければならない。ホリデーパスを見せて改札を通る。もちろん府中本町方面の電車のホームだ。電車がやってくる。乗って出発。
しばらくレールしか見えない場所を過ぎるとついさっきまで通っていた西船橋方面のレールと合流する。さらに進む。
南越谷~新松戸
そして電車は目的地、南越谷に到着した。電車を降りる。さあ、問題を探そう。ホリデーパスを見せて改札を通る。
この駅は東武伊勢崎線の新越谷(しんこしがや)駅がすぐ近くにあって乗り換えできる。先週浅草から鬼怒川温泉(きぬがわおんせん)に行くときに新越谷も通過したし、いつかこの駅で東武からJRに乗り換えることもあるだろう。
そんな関係でこの駅は高架になっている。たぶん問題の解答になるものは地上におりないと見つからないだろう。改札近くで問題が見つかった。
答えになるものを探すにはやはり階段をおりる必要がありそうだが、なんとかそんなに歩かずに見つかった。これでよし。あとの残りは東北本線の駅だけだ。予定通り土浦からバスに乗って古河に行こう。
改札に戻り、ホリデーパスで改札を通ってホームに行く。電車は今度もきちんとやってくる。そして西船橋方面の電車に乗って出発。
また新三郷近辺を通る。まだまだこのあたりには乗ったことのない私鉄とかあるし、このレールを通ることもたくさんあるだろう。新三郷を過ぎてしばらくすると府中本町方面のレールと合流し、さらに進む。
そして電車は無事新松戸に到着した。2週間ぶりに舞い戻ったわけである。もっとも先週も取手からの帰りにこの駅は通っているが快速に乗ったので通過だった。
さあ、予定通りここから土浦に向かおう。まずは柏だと思い、おおぜいの乗り換え客といっしょに階段をおりていった。
常磐線
新松戸~柏
南越谷(みなみこしがや)から乗ってきた電車を新松戸で降りる。まずは柏(かしわ)まで行く必要がある。南越谷寄りの階段をおりていく。なんとか常磐線のホームに着いた。
しばらく待っていると代々木上原の方から来た電車がやってきた。ぼくとは逆にこれから武蔵野線に向かう客がけっこう降りてくる。そのあとで電車に乗る。この電車はたいていすわれる。そして発車。
このあたりはそれほど見通しの良くない区間であるが、柏で乗り換えればいいのでたいした時間もかからない。そのまま柏に着いた。電車を降りる。
ここ数年120円おおまわり旅行をしていて、武蔵野線→新松戸→我孫子→成田(もしくはその逆)という乗り換えをしたことが何度もある。だから柏で何度も乗り換えているのだ。先々週の北千住の乗り換えほどめんどうではないが、それなりにたいへんだ。
我孫子まで行くなら取手止まりでもいいが、土浦まで行くなら待つ必要があることが多い。とりあえず確認するとやっぱり待つみたいなのでトイレに行っておこう。
柏~土浦
そして階段をおりてホームに来る。土浦まで行く電車がやってきた。取手より遠くに行く電車は少ないのでそれなりに混雑している。そして発車。
いつものように、しばらくは線路の多い区間を進んでいく。我孫子を過ぎると利根川を渡る。そして取手。
我孫子から先の青春18きっぷでしか行かない区間を青春18きっぷ以外のきっぷで乗っていると思うとわくわくする。景色も茨城県区間は松戸から我孫子までとけっこう違うのでいい。
そんな人家の少ない茨城県区間を進んでいく。そのうち土浦の市街地に入っていく。
そして電車は土浦駅に到着した。電車を降りる。ホリデーパスは土浦駅まで来ることができるので、もっともっとこのきっぷを使っていきたい。
改札に行ってホリデーパスを見せて通る。しばらく使わないのでかばんにしまっておこう。
CDショップ
さあ、これから下妻(しもつま)行きのバスに乗る予定だが、まだバスまで時間がある。どうしようか。とりあえず駅の近くを散歩してみよう。
散歩したらCDショップが目に入った。ほかに行きたそうなところもないし、入ってみることにした。さて何を買おうか。
ふと目に留まったCDがあった。鈴木雅之の「違う、そうじゃない」だ。なんだかいい歌っぽかったので買うことにした。
実はこのCDには両A面で、「渋谷で5時」という歌も収録されているのだが、なんとこの歌は菊池桃子がいっしょに歌っているのに、CDにはひとことも菊池桃子と書かれていない、そんな歌だった。そんなCDをぼくは土浦で買うことになったわけである。
それはともかくもうすぐ下妻行きのバスの出る時刻だ。ぼくはCDショップを出てバス乗り場に向かった。
バス・土浦~下妻~古河
土浦駅~下妻
CDショップを出て土浦駅前に戻る。まずはこれから長いことバスに乗るのでトイレには行っておこう。そしてさきほど確認しておいた下妻行きのバス停に行く。
多少並んでいる客はいるが、なんとか全員すわれそうなくらいだ。そしてバスがやってきたので乗る。バスに乗るのもけっこうひさしぶりだなあ。2月の北海道旅行以来かな。
バスは発車する。でも停留所ごとに客が降りていく。そのうち家々もまばらになる。
それも、畑とかではなく、川沿いを進むようになるのだ。だからどちらかと言うと川の近くの草原、といった感じの景色である。なおも客は降りていき、全然乗ってこない。
とうとうお客がぼくだけになってしまった。ぼくだけ乗せたバスは家並みのとぎれた場所をずっと進んでいく。
だいぶ長いことバスにゆられたような気がする。これから行く下妻は取手からディーゼル車で行く場所である。先週乗った。
ディーゼル車とバスはそれほどスピードは変わらないような気がしたが、それにしても時間がかかる場所だなあと思う。それでも時刻表通りなんだろうなあ。
そのまま、ずいぶんと長いことバスは進む。
それでも、だんだんバスは市街地に入っていく。とは言っても下妻だからたいした市街地ではなさそうだ。お客も徐々に乗ってきた。
商店っぽい建物がやや増えてきたころ、バスはようやく終点、下妻に到着した。お金を払ってバスを降りる。
下妻~古河駅
さて、古河行きのバスはどこから出るのだろう。見回すと時刻案内があった。降りた場所から発車するらしい。便利でいいけど多少待つようだ。でも30分も待たないようだ。今までバスに乗ってきた時間のことを考えればたいしたことはないだろう。
ここはぼくが先週関東鉄道で通り抜けた下館~取手の間の駅、下妻駅が近くにあるはずだがここからは見えない。
駅を確認するとまいごになってしまいそうだ。バスに乗り遅れるのもいやなのでじっと待つことにした。お客が多少集まってくる。
バスがやってきた。ぼくのほかにも客はいるが10人もいなかった。バスに乗って発車。
たちまちせまい市街地を離れていく。とは言っても土浦~下妻と違ってそれほど草原が広がるような景色ではない。
でも人家は少ない。4月なので日暮れは多少遅いがもう暗くなり始めてきた。お客はさっきと違ってぼくだけになることはないが、5人以上になることもなく走り続けていく。
そのうち東北新幹線の高架が見えてくる。もうそろそろ古河駅が近いようだ。やっぱりいいなあ。このバスのふんいきは。
来週もバスに乗りたい。潮騒コースのチェックポイントには木更津(きさらづ)があって、そこから久留里線(くるりせん)が出ている。終点の上総亀山(かずさかめやま)から安房鴨川(あわかもがわ)までバスが出ているから乗りたいなあ。
そんなことを考えているうちに新幹線の高架をくぐりぬけ、さらに進んでいく。お客も多少乗ってくる。
そしてようやくバスは終点の古河に到着した。なんともう午後6時である。長いバス旅だったなあ。お金を払ってバスを降りる。
午後6時なのに、ぶらっとクイズラリーの田園コースはまだ4ヶ所も残っている。まわれるかなあと思いながら、古河駅のクイズのある場所を探した。
東北本線その2
古河~小山
下妻から乗ってきたバスは、無事古河に到着した。バスを降りる。
古河は降りたことがない駅である。それも北は栃木、南は埼玉という茨城の孤立した駅なのに、なんと茨城のほかのJRの駅からバスを乗り継いでやってきたわけである。なんだか不思議だ。
さあ、問題を探そう。無事見つかり、問題の解答になるものも見つかった。ぶらっとクイズラリーは、小さな駅だと問題を見つけやすくていいが、大きくて出口がたくさんある駅だと問題を見つけるのにひとくろうだ。
数時間ぶりにホリデーパスを取り出し、改札を通る。小山方面の電車を待つ。電車がやってきた。こんな時刻に上野を離れる電車に乗るのもかなりめずらしい。
電車はほとんど客もいない。やっぱり土曜の夕方だからだろうか。いつものように電車は発車し、利根川を渡っていく。そして日が暮れていく。
そして小山に着いた。小山は先週も青春18きっぷで宝積寺(ほうしゃくじ)から下館(しもだて)に行く際に乗り換えた場所だが、降りるのははじめてだったかもしれない。特に用事のある場所じゃないし。
さて、クイズの問題はどこにあるだろう。小山は確か小金井寄りの改札と間々田(ままだ)寄りの改札があったっけなあ。
小山~蓮田
両毛線に乗るには小金井寄りの改札が便利なので、たぶん小金井寄りじゃないかと思ってそっちの改札に行き、ホリデーパスを見せて通る。
よし、問題があった。問題の答えもすぐ近くで確認できるものだった。これでよし。
次は久喜(くき)だ。急がないと電車がなくなってしまう。小山から電車に乗る。さっき電車に乗った古河を過ぎて栗橋を過ぎ、目的地の久喜に到着した。さあ、駅を出て問題と解答を確認しよう。
久喜はそれほど大きな駅ではないので改札も1つしかなく、問題もすぐ見つけ、解答も確認は容易だった。記号を控えておく。あと1つ、残りは蓮田(はすだ)だ。
また上野行き電車に乗り、蓮田に着いた。ここもホリデーパスを見せて改札を出ると問題はすぐに見つかった。解答もすぐに確認できた。やはり田園コースの最終的な解答は七色コースや青空コースと同じようだ。
蓮田~赤羽
まずはこれでよし。あとは寮に帰ればいいわけだが、きょうは1つ、変わった電車で帰ってみようと思った。
それは時刻表を見ると、東北本線や高崎線でたまに見かける、大宮から赤羽までノンストップで浦和には停車せず、赤羽の次が終点池袋という電車である。
数年前は赤羽止まりという電車がかわりにあった。それも本数がかなり少なかった。それが池袋まで行くようになって多少本数が増えたのだ。
時刻表でこの電車を見て、いつか乗ってみたいと思っていたのだ。ここで乗ってみよう。
しばらく時間がかかったが、上野行きを何本かやりすごし、ようやく池袋行きがやってきた。乗ってみると上野行きより客が少ないような気がする。そして発車。
それにしても、きょうはいったん大宮まで来て、ぐるっと土浦を迂回して古河までやってきたわけでから、蓮田から大宮までのこの区間に乗るのはこれがきょう初めてだ。なんだか変な気分である。
とりあえず日が暮れているのでたいした景色も見えず、大宮に着いた。そしてなぜかさらに客が減り、発車。
なにしろこの電車は大宮から赤羽までノンストップなのである。でもとりあえずまわりの建物を見る限り、いつものルートと同じところを通っているようである。いつもの通り無事荒川も越える。
赤羽~池袋
そして電車は赤羽に到着。ん?なんだかせまいホームだな?
そのホームは、上野行きの電車が停車する、のぼりくだりのホームがある場所とは違い、片側だけのホームでもう片方は壁になっている場所だった。
もともと池袋行きの前身となった赤羽行きは、高崎線と東北本線の電車を両方通す必要がある上野~大宮間にもっと電車を入れるためにできた電車ということなので、いろいろまにあわせなのかもしれないなあと思った。
そしてがらがらの電車は赤羽のせまいホームを発車して進んでいく。この電車は池袋に向かって走っているはずだ。
しかし向こうの方にホームが見えた。え?東十条?十条じゃないんだ!
それからも王子、そしてなぜか反対側に上中里のホームが見えた。赤羽から尾久経由で上野に向かうレールからは上中里なんか見えないから、少なくとも尾久コースからははずれているようだ。それにしてもいったいどこを通っているんだろう。本当にこの電車は池袋に向かっているんだろうか。
しばらくすると電車はなぞのトンネルを通る。それほどトンネルは通らずに出た。そしてしばらく進むとまた向こうの方にホームがあった。なんと駒込だ!
それからも、巣鴨、大塚と進んでいく。あとで改めて時刻表を、それも埼京線の時刻と見比べてみると、埼京線の赤羽~池袋の所要時間よりも東北本線や高崎線から直通の電車の赤羽~池袋の所要時間の方がよけいにかかるのだ。
なるほどなあ。横須賀線が西大井や新川崎をまわっていくようなものか、そう思った。
そして景色は高いビルが増えていき、まわりだけはにぎやかな終点池袋に到着した。ここのホームも埼京線や山手線とは違うホームのようだ。
いや、おもしろい場所を通る電車だった。もう夜遅いし、あしたは会社だし、山手線に乗って寮に帰ることにした。さあ、来週は予定通り土曜は「山並コース」、日曜は「潮騒コース」をまわることにしよう。ぼくは山手線でも埼京線でもない池袋のホームをあとにして山手線の方に向かった。
補足
なお2017年現在、1994年の時点での小山駅の間々田寄りの出口は閉鎖され、ただのトイレ付きの東北本線と水戸線との乗り換え通路になってしまった。
1994年の時点で小山駅の東側に行く際は小金井寄りの出口からは行けず、間々田寄りの出口からしか行けなかったが、2017年の時点では小金井寄りの出口に東に行く通路ができている。さらに、出口の近くが拡張され、いろいろなお店ができている。
関連リンク