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Sorry, Japanese only! (1994年5月その5)

13.流山と西白井の徒歩

説明

目的1

1994年は、ぼくがはじめて全国の鉄道に乗ろうとこころざした年でした。

5月は東京近郊の私鉄めぐりをしたり、静岡で酒井美紀ちゃんのイベントを見るついでに静岡鉄道と御殿場線に乗ったりしていました。

さて、5月前半はおもに西の方の私鉄に乗っていましたが、5月終わりになって、東の方に乗ろうと考えました。

時刻表を見て考えたのが、常磐線の馬橋(まばし)から北東に進み、流山(ながれやま)まで通っている鉄道です。日本の鉄道すべてに乗るならここにも乗らなければなりません。

しかし接続が常磐線というのがつらいです。私鉄なら運賃が安いですけど馬橋までだと中途半端なのです。

これが関東鉄道の取手とか佐貫(さぬき)とかならホリデーパスでも使おうか、となるのですが馬橋ですとホリデーパスを使うと逆に損です。

いろいろ考えたのですが、京成電鉄で京成金町まで行って、金町から馬橋まで常磐線で行こうと思いました。どうせ馬橋には上野から乗り換えなしで行けないのですし、金町からなら乗り換えなしですからこれでいいだろうと思いました。


目的2

あとは流山に着いた後です。馬橋に戻らずに、歩いてどこかの私鉄に行けないか考えました。

地図を見た限りですと東武野田線の初石(はついし)か豊四季(とよしき)が近そうです。なんとか歩いていこうかと思いました。

あとは東武野田線でどこに行くかですが、すでに東武野田線は春日部(かすかべ)から船橋まで乗っていて、新京成電鉄にも乗っておりました。

乗っていない春日部から大宮まで乗ろうかとも思いましたが、大宮まで来た後、またJRに乗る必要があるところがつらいところです。どこか乗っていない鉄道がこのあたりにないでしょうか。

ありました。北総開発鉄道(ほくそうかいはつてつどう)です。この鉄道は京成電鉄の京成高砂(けいせいたかさご)から京成電鉄と分岐している路線で、都営浅草線とかに乗っているとたまに行き先で「千葉ニュータウン中央」とか出てくるその千葉ニュータウン中央が終点の路線です(注1:1994年5月の時点では千葉ニュータウン中央が終点だった;注2:正確には京成高砂~千葉ニュータウン中央がすべて北総開発鉄道ではなく、いくつか鉄道会社が分かれているらしいがここでは省略する)。

ただし、東武野田線にはちょうどいい場所に駅がありません。北総開発鉄道の新鎌ヶ谷(しんかまがや)という駅がもっとも東武野田線に近そうな駅なのですが、そこに東武野田線の駅はありません(注3:1994年5月の時点。東武野田線に新鎌ヶ谷駅ができたのはこれ以降)。

しかたがないので東武野田線は鎌ヶ谷で降りて、北総開発鉄道の駅まで歩くことにしました。新鎌ヶ谷まで歩いてもいいですが、そこから千葉ニュータウン中央寄りの西白井(にししろい)まで歩いてもたいして距離も変わらないようなので西白井まで歩くことにしました。

このように計画を立て、ぼくは当日の朝、京成高砂に向かい、乗り換えて京成金町に向かったのです。

常磐線

旅行記本文

京成高砂(けいせいたかさご)を出た電車は、無事京成金町(けいせいかなまち)に到着した。電車を降りる。

先月も降りた駅で、駅前でカレーを食べたが、あれは確か北口だった。京成金町があるのはJR金町から見ると南口になる。ともかく改札を出てJRの駅に入ろう。

先月と違い、ホリデーパスを使っているわけではないのできっぷを買わなければならない。きょうの目的地は馬橋(まばし)から流山まで走っている電車なので、馬橋まできっぷを買う。

そして改札を通る。そしてホームに行く。先月も来た場所だから多少は慣れている場所だ。それに先月金町から新松戸まで乗っていて、馬橋は新松戸の手前だ。うん、何も心配することはない。

先月も乗った営団地下鉄千代田線の直通電車がやってきた。乗るとたいして客はいない。そのまま発車。電車は江戸川を渡って松戸に着く。

松戸を過ぎるといつも通っている切り通しの線路だ。たまに快速の常磐線電車が追い抜いたりすれ違ったりする。

でもたいして時間はかからず、電車は無事目的地の馬橋に到着した。電車を降りる。気負うことはない。初めて降りる駅ではあるが、いつも通っている場所だ。

さあ、乗り換えようと改札に行き、きっぷで通った。まずは流山行きのきっぷを買おう。

流鉄

馬橋~幸谷

金町から乗ってきた電車を馬橋(まばし)で降りて、流山行きの電車の駅舎を探した。すぐ近くにあった。まずは流山まできっぷを買う。

そして改札を通る。千葉の電車は京成電鉄ならけっこう乗っているがそれ以外となるとそれほどでもない。

つい最近乗ったユーカリが丘線とかがおもしろい乗り物だったが、ここの電車は古い電車のようだ。まずは乗ろう。

さすがに休日なので客は少ない。そのまま発車。

しばらくは常磐線を右に見て進んでいく。あれ?前の方に高架が見える。あ、そうか武蔵野線か。


幸谷~流山

電車は武蔵野線のすぐそばで停車し、ドアが開く。幸谷(こうや)駅だ。

なるほどなあ。ここはすぐそばに新松戸駅があるはずだが、新松戸は武蔵野線ができるのと同時に開業した駅だから、新松戸ができるまではこっちの私鉄しか駅がなかったわけだ。

ということは、ずいぶんとJRに客が流れてしまっただろうなあと予想する。電車はまた発車し、武蔵野線をくぐっていく。武蔵野線を通るときに下にこのレールがあるかどうか見てみよう。

武蔵野線をくぐると電車は左に曲がり、常磐線から離れていく。だんだんと沿線の人家がまばらになっていく。

そしてそれから何分もしないうちに電車は終点の流山に到着した。電車を降りる。改札を通る。


流山駅~豊四季駅

さあ、予定通りここから東武野田線の駅まで歩くことにする。どちらの方向に歩けばいいのかわからないが、ともかく東武のレールにさえたどり着くことができたら、そこから左右に歩けば駅に行けるだろう。

まずは馬橋とは反対方向に歩く。すぐに流山駅前の集落を出て、畑の広がる場所に出る。そこからどこを歩いているのかわからないが、ともかく自分の信じる方向に歩いた。

しばらく歩くと架線が見えてきた。レールも架線の下にある。間違いない。東武野田線だ。さあ、どちらかの方向に進もう。

てくてくレールに沿って進む。するとだんだん人家も増えてきて、駅も近づいてきたようだ。そしてようやく駅に到着した。駅名を見てみると「豊四季(とよしき)」だということだ。ぼくは駅舎に入っていった。

東武野田線

豊四季~柏

馬橋(まばし)から流山まで乗ってきた電車を降り、畑に囲まれた道を歩いて歩いて、なんとか東武野田線の豊四季(とよしき)まで歩いてきた。駅に入ろう。

こんな何もなさそうな場所でもちゃんと自動券売機はある。ぼくはちょっと前に春日部(かすかべ)から船橋まで東武野田線に乗っているからその電車もこの駅を通ったはずだ。

改札を通ってホームに行く。東武野田線は武蔵野線みたいに東京のまわりを環状に囲む路線だからそれなりに役割がある。

電車がやってきた。お客はたいして乗っていない。このあたりは千葉県内の移動なら自家用車が便利なので、どうしても都心に行く必要があるとかいった場合でなければ東武野田線は使われないのかもしれない。電車に乗ると発車。

となりの駅が柏(かしわ)のはずだが、しばらくの間畑の景色は続いた。多少進んでようやく市街地に入っていき、左に曲がっていく。

常磐線も見えるが、常磐線とは違う線路が合流してくる。東武野田線の船橋に向かう線路だ。そう言えば2月に乗った特急たざわも大曲(おおまがり)を通るときはこんなふうに盛岡方面のレールと秋田方面のレールが合流していたっけなあ。


柏~鎌ヶ谷

合流してしばらく進むと電車はスピードを落とし、無事柏に到着した。電車を降りる。

春日部から船橋まで行ったときも柏で乗り換えたなあと思いながら船橋行きに乗る。そして発車。

しばらくはもと来た線路を通っていき、さきほどと同じく右手に春日部方面のレールが分岐していく。そしてのぼり勾配をのぼっていき、常磐線をまたぎ越す。

やはりこちらの方向も市街地はせまく、数分のうちに畑に囲まれた景色になる。確かにこれじゃ客が少ないだろうなあ。

そんなふうにして電車は畑の中を進んでいって時間が過ぎる。そして電車は目的地、鎌ヶ谷(かまがや)に到着した。電車を降りる。自動改札にきっぷを入れて通る。

さあ、予定通り北総開発鉄道の西白井(にししろい)駅に行こう。ぼくはさっき流山から豊四季まで歩いた時間より時間がかかることを覚悟して歩き始めた。

北総開発鉄道

鎌ヶ谷駅~西白井駅

柏から乗ってきた電車を鎌ヶ谷(かまがや)で降りて、北東に向けて歩き出す。目指す場所は北総開発鉄道の西白井(にししろい)駅だ。

鎌ヶ谷は多少人家のある場所だったが、歩き出すとほとんど畑ばかりになった。さっき流山から豊四季(とよしき)まで歩いた景色と同じくらいの場所だ。

でもまあ、先月土浦から下妻(しもつま)までバスに乗ったときは、ここよりさらに人通りの少ない場所だったから、全国にこういう場所はかなりあるだろう。それに流山から豊四季と違って道はまっすぐで見通しがいい。そう考えてなおも歩く。

だいぶ歩いたころ、前方に線路っぽいものが見えてきた。あれは高架かな。

近づいていくと確かに高架みたいだ。かなり立派な鉄道のようだが、家並みは悲しいくらいに少ない。そして無事西白井駅に到着。商店らしいものもなく、人家も少ない駅であった。まずはきっぷを買おう。


西白井~千葉ニュータウン中央

終点の千葉ニュータウン中央まできっぷを買う。それなりの運賃のようだ。そして改札を通る。

ホームに行く。普通の鉄道のようだ。たまに都営地下鉄とかに乗ると千葉ニュータウン中央行きとかあるので、たぶん都営地下鉄で走っているのとそんなに変わらない電車が来るのだろう。

電車がやってきたので乗るが、千葉ニュータウン中央までそんなに駅がないのでほとんど客はいない。日曜の下りだし、こんなものだろう。そして電車は発車。ずいぶん乗りごこちがいいなあ。

電車に乗っていると、左右に道路が見えた。文字通り左右、つまり左の窓にも右の窓にも道路が見えるのである。

左の窓の車は電車と同じ方向に進み、右の窓の車は電車と反対方向に進んでいる。つまり高速道路の下り線と上り線が線路をはさんで左右にあるのだ。

そして車のスピードを見る限り、ここは高速道路に見える。

バス

ぼくは左右に道路がある、こんな鉄道ははじめて見た。千葉ニュータウン中央に向かう鉄道って変だなあと感じた。そのまま数分が過ぎる。

乗客はほとんどいないまま、電車は終点、千葉ニュータウン中央に到着した。帰りのきっぷを買うため電車を降りて改札を通らなければならない。


千葉ニュータウン中央~京成高砂

改札を通って駅前を見てみよう。うーん。「ニュータウン」と呼ぶだけあって住宅の割合が多そうな駅前である。商店らしい建物が少なそうだ。

確かにニュータウンだから住宅が多いのはうなずけるが、なんだか人通りが少なく、さびれたふんいきの場所だ。まあ寄る場所もないかと思い、そのまま帰ることにした。

さて帰りのきっぷは京成上野まで買うか。うーんずいぶん高いな。こんなもんか。それにしても、こんなところから「京急久里浜」とか「三崎口」行きが出ていると思うとなんだか変な気分だ。

でもまあ、JRの久里浜から成田空港に向かう電車とかあるから似たようなものなのかもしれない。そう考えて買ったきっぷで改札を通る。そして電車に乗ってしばらく待つと発車だ。やはり客は全然いない。

あとは道路にはさまれた線路をすいすい進んでいく。各駅停車なので駅には停車するが、駅と駅の間ではほとんどまっすぐな線路である。駅の近くの人家もそれほど多くない。西白井を過ぎて新鎌ヶ谷、東松戸を過ぎてもずっとこんな感じだ。ずっと人家が少ないまま京成高砂が近づく。


京成高砂~青砥

そして数時間ぶりに京成高砂にやってきた。けさ京成金町に向かうときに乗り換えた場所だ。しかし今はここでは降りず、そのまま乗り進む。

そして1駅進み、電車は無事青砥(あおと)駅に到着した。

ぼくはここで電車を降りることにした。帰りは京成上野経由で帰ろうと思ったからだ。

青砥は便利な駅で、押上(おしあげ)方面の電車と京成上野方面の電車の乗り換えが同じホームの左右でできる。だからぼくは電車を降りてそのまま京成上野行きを待った。

きょうは流山から豊四季(とよしき)、そして鎌ヶ谷から西白井と、たっぷり歩いた1日だった。その分電車にはそれほど長く乗らなかったけど、まあまあいい1日だったなあと思う。

これからもばりばり東京に近い鉄道、遠い鉄道に乗っていこうと思った。さあ、帰ろう。

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