JR以外の路線・東武
伊勢崎線
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区間
東京メトロ銀座線の浅草駅および都営地下鉄浅草線の浅草駅から歩いて行ける場所にある浅草駅からいったん東に進み、とうきょうスカイツリー駅、東武亀戸線の曳舟(ひきふね)駅を通って北寄りに向きを変え、東京メトロ日比谷線の北千住(きたせんじゅ)駅、東武野田線の春日部(かすかべ)駅、東武日光線の東武動物公園駅、東北本線の久喜(くき)駅、秩父鉄道(ちちぶてつどう)の羽生(はにゅう)駅、東武佐野線の館林(たてばやし)駅を通り、向きを西寄りに変えて東武桐生線(とうぶきりゅうせん)の太田駅を通り、両毛線の伊勢崎(いせさき)駅に至る電化路線である。
「とうきょうスカイツリーライン」という呼び方もあるが、浅草~東武動物公園間のみの呼び方で、埼京線、湘南新宿ラインのようにあくまでも通称である。
列車の種類
東武伊勢崎線には、
・運賃とは別に特急料金などが必要な列車
・運賃のみで乗れるが停車しない駅がある列車
・各駅停車
以上の3種類の列車が走っている。
特急
特急料金が必要な列車には、
・朝から晩まで走っている場所
・夕方のみの場所
・1日1往復の場所
以上の3種類があり、1日1往復しかしていないのは、
・浅草~伊勢崎間
・浅草~葛生(くずう)間(浅草~館林間は東武伊勢崎線、館林~葛生間は東武佐野線)
・浅草~東武宇都宮間(浅草~東武動物公園間は東武伊勢崎線、東武動物公園~新栃木間は東武日光線、新栃木~東武宇都宮間は東武宇都宮線)
夕方のみの場所は、
・浅草~大宮間(浅草~春日部間は東武伊勢崎線、春日部~大宮間は東武野田線)
・浅草~柏間(浅草~春日部間は東武伊勢崎線、春日部~柏間は東武野田線)
朝から晩まで走っているのは、
・浅草~東武日光間(浅草~東武動物公園間は東武伊勢崎線、東武動物公園~東武日光間は東武日光線)
・浅草~鬼怒川温泉(きぬがわおんせん)間(浅草~東武動物公園間は東武伊勢崎線、東武動物公園~下今市間は東武日光線、下今市~鬼怒川温泉間は東武鬼怒川線。鬼怒川公園行き、新藤原発浅草行きもある)
・浅草~会津田島間(浅草~東武動物公園間は東武伊勢崎線、東武動物公園~下今市間は東武日光線、下今市~新藤原間は東武鬼怒川線、新藤原~会津高原尾瀬口間は野岩鉄道(やがんてつどう)、会津高原尾瀬口~会津田島間は会津鉄道)
・浅草~赤城間(浅草~太田間は東武伊勢崎線、太田~赤城間は東武桐生(きりゅう)線)
である。また、
・上記浅草~会津田島の一部区間である浅草~会津高原尾瀬口間には、私鉄では珍しい臨時の夜行列車が会津高原尾瀬口行きのみ出ている。臨時なので運行日を時刻表で調べる必要がある。
特急以外の優等列車
運賃のみで乗れるが停車しない駅がある列車には、急行・区急・準急・区準がある。これらには、
・曳舟から東京メトロ半蔵門線で渋谷に行き、さらに東急田園都市線に乗り入れ、最長で中央林間に乗り入れる列車
・浅草発着の列車
・北千住発着で西新井方向の列車
以上がある。
曳舟から東京メトロ半蔵門線で渋谷に向かう電車は朝から晩まで走っている。
行き先は久喜・南栗橋・東武動物公園などであるが、久喜以遠・南栗橋以遠に乗り入れることはない。
また、半蔵門線では各駅停車だが、田園都市線に入ると各駅停車と急行があるので渋谷に着いたら注意する必要がある。
浅草発着の列車の行き先は東武動物公園・久喜・館林・太田・南栗橋(東武動物公園~南栗橋間は東武日光線)となっている。
北千住行き・北千住発の運賃のみで乗れるが停車しない駅がある列車は平日朝の時間帯に、南栗橋発北千住行き、館林発北千住行き、北千住発館林行き、北春日部発北千住行きがほんの数本走るだけである。
各駅停車
各駅停車は浅草~伊勢崎の全区間で走っており、特に北千住から東京メトロ日比谷線に乗り入れる電車はすべて各駅停車である。
以前は日比谷線乗り入れ列車は東武動物公園までの運行だったが、最近は半蔵門線乗り入れ列車と同じく、東武日光線に乗り入れて南栗橋まで運行している。
ほかには久喜~館林間、館林~伊勢崎間で走っているが、久喜~太田、館林~太田、太田~伊勢崎といった電車もある。最近では浅草~北千住といった各駅停車も昼間走るようになった。
東武亀戸線、東武大師線、秩父鉄道、東武小泉線の電車が東武伊勢崎線に乗り入れることはない。ただし、東武伊勢崎線と東武東上線で電車を回送する際に、秩父鉄道の羽生と寄居(よりい)との間で東武の電車を通すことがあるとのことである。
回送電車がいつ通るかという情報がどこで得られるかわからないが、情報を入手できたら見に行くとおもしろいかもしれない。
東武佐野線、東武桐生線の各駅停車の電車が東武伊勢崎線に乗り入れることもなく、東武の特急列車が半蔵門線や日比谷線に乗り入れることもない。また、各駅停車も半蔵門線には乗り入れない。
最近まで伊勢崎を出た各駅停車の行き先がすべて太田止まりだったが、館林まで行く電車が復活した。2017年になって館林まで行く電車の方が八割程度になった。
また、半蔵門線の乗り入れが始まったころまでは伊勢崎を出た電車のほとんどが浅草行きだった。
さらに、準急が東武動物公園~太田間にも停車しない駅があった時代があったが、だいぶ前に運賃のみで乗れる電車は東武動物公園~太田間各駅停車になっている。
問題点
この路線には問題が2つある。それは、
・浅草駅が短いこと
・北千住駅が乗り換えにくいこと
である。
浅草駅は狭い場所につくられたため1つを除いてホームが6両分の長さしかなく、このためずっと浅草発着の電車は6両が多い。
1つだけ8両ホームがあるが、曳舟寄りの2両はドアを開けられないため6両しか停車できないようなものである。
このため半蔵門線の乗り入れが始まるまでは長い編成の電車がほとんど使えず、これが原因で混雑することが多かった。
また、北千住は以前は浅草行きと日比谷線中目黒行きが同じホームの左右に停車していたが、半蔵門線が乗り入れるよりかなり前に上下にホームが分かれ、乗り換えるためには階段を何段ものぼったりおりたりする必要ができてしまった。
なんでも以前は朝晩乗り換え客でホームがいっぱいになって危険なので、危険を防ぐためという話だが、このせいで以前北千住で乗り換えていた客が西新井で乗り換えなければならなくなって不便になったという話である。
利便性
この路線は、東京都内および埼玉県内の区間は東京都内に通う通勤客などに利用されており、客にとっては混雑が激しく必ずしも便利とは言えない路線であるが、東武鉄道にとっては客がつねに見込める区間である。
栃木・群馬の区間は東京に通う客はほとんどなく、おもに運転免許のない通学客が利用客である。だから通学時間帯以外は客が閑散とすることも多く、つらいところである。
東武鉄道は国鉄がJRになった頃と比べるとかなり運賃の値上げを行っており、場所によっては客がJRに移動した区間もありそうである。それでも半蔵門線の乗り入れにより客の利便性は上がっている。さらに利便性を上げてほしいものである。
補足
なお、とうきょうスカイツリー駅は、1994年の時点では業平橋(なりひらばし)という駅名だった。だから旅行記では業平橋と記述している。
宇都宮線
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てびき
栃木県の、東武日光線の新栃木駅から北東寄りに進み、JR東北新幹線・東北本線の宇都宮駅から1キロほど西にある東武宇都宮駅に至る電化路線である。
ほとんど普通列車しか走っていないが、朝と夜にそれぞれ1本ずつ東武宇都宮発浅草行き(またはその逆)の特急しもつけが走っている。
浅草~東武宇都宮間の運賃は、JRの上野~宇都宮の運賃と比べると70パーセント程度であるのでもっと使われていてもいいはずなのだが、いかんせん時間がかかりすぎるためそれほど使われないようである。
沿線住民、それも高校生などに多少使われる程度らしい。なにしろ宇都宮の市街地は広く、自家用車が便利な土地なのである。
越生線
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てびき
「とうぶおごせせん」と読む。
東武東上線の坂戸(さかど)駅から西に進み、JR八高線の越生に至る電化路線である。
すべての電車が普通列車で、東武越生線内で完結しており八高線にも東武東上線にも乗り入れていない。
沿線は都心やさいたま市近辺と比べると人口も少なさそうだが、近隣には大学などもあるのでそれなりに客はいるのかもしれない。かなり遠距離ではあるが都心に通勤する客もいるかもしれない。
とは言っても埼玉県は鉄道のない住宅地域が広い場所なので、この路線も高校生がおもな乗客ではないかと思われる場所である。
鬼怒川線
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区間
「とうぶきぬがわせん」と読む。
栃木県の、東武日光線の下今市(しもいまいち)から北に進み、東武ワールドスクウェア、鬼怒川温泉、鬼怒川公園を通り、野岩(やがん)鉄道の新藤原駅に至る電化路線である。
電化路線ではあるが、遠く会津若松から只見線、会津鉄道、野岩鉄道経由でディーゼル車が1日何回か乗り入れている。
また電車は野岩鉄道、会津鉄道経由で会津田島まで乗り入れており、東武日光線にも乗り入れている。
新しい特急
従来より特急券を別に購入することが必要な特急も走っており、たいてい鬼怒川温泉止まりであった。
しかし2017年4月から、野岩鉄道、会津鉄道経由で会津田島まで乗り入れる特急が走り出した。ただしこの特急は下今市以南に乗らない限り特急料金は不要である。
それと引き換えに2017年4月から、東武鬼怒川線の特急料金不要の電車は浅草には乗り入れず、最も南でも南栗橋止まりとなった(臨時で浅草行きが走ることはある)。
SL
さらに2017年8月から下今市~鬼怒川温泉間にSLが走ることになった。日本の他のSLと同様に運賃と別途特別料金が必要で、途中停車駅は東武ワールドスクウェアのみである。
利用状況
沿線は観光地が多いので観光客は多いものの、高速道路がすぐ近くまで来ているので自家用車の客も多く、必ずしも安泰とは言えない。
かわりだねとして金曜や土曜の夜に浅草から野岩鉄道の会津高原尾瀬口まで結ぶ夜行の臨時特急も走ってはいるが東武鬼怒川線内に停車駅はない。
野岩鉄道ができて以来、東京と会津若松を結ぶルートとしては郡山経由のJR線より安く行けるようになったのであるが、高速バスができて、こちらの方が野岩ルートより安いので会津若松に向かう客もあまり見込めない。
むしろ野岩鉄道の会津高原尾瀬口からバスに乗って尾瀬に福島県側から入る客が見込めそうである。一番多いのはこの客かもしれない。なにしろ尾瀬には自家用車で行けないからだ。
ともかく沿線住民の高校生客も見込めず、観光客だよりの路線なのでがんばって客を集めてほしいものである。
補足1
東武伊勢崎線の浅草駅のとなりには、2012年3月16日まで業平橋(なりひらばし)という駅があったが、鬼怒川温泉から浅草に向かう特急は通過していた。
しかし3月17日から業平橋駅は「とうきょうスカイツリー」という名称に変更になり、一部の特急が停車するようになった。その後停車する特急が増え、2017年現在、浅草発着のすべての特急がとうきょうスカイツリーに停車するようになり、多少便利になった。
補足2
また、2006年より下今市から東武日光線で栗橋に進み、栗橋から東北本線に乗り入れて新宿に向かう特急が走っているのだが、2015年より新宿には向かわず、上野東京ラインに向かう臨時列車が走ることになった。
この臨時列車の行き先は大船だが、従来の新宿経由の大船行きが走ることもあるので、乗車する際は同じ大船行きでも新宿経由か上野東京ライン経由か注意して乗車しなければならない。
桐生線
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てびき
東武伊勢崎線の太田駅から分岐して北西に進み、藪塚(やぶづか)、新桐生(しんきりゅう)、わたらせ渓谷鐵道の相老(あいおい)を経由して上毛電鉄の赤城駅に至る電化路線である。
新桐生と相老の間でJR両毛線と交差しているのだが交差する場所に駅はない。
新桐生とJR両毛線の桐生駅は離れており、渡良瀬川をはさんで1キロ以上の距離がある。
赤城駅から東武桐生線、東武伊勢崎線を経由して浅草まで特急料金が必要な列車が走っている。
普通列車は以前は赤城を出た電車は太田止まりだったが、最近は太田に来た電車の9割は東武小泉線に乗り入れて東小泉まで行っている。
特急と普通列車、いずれも1時間に1本もしくはそれ以上の本数である。
この路線は両端で他の路線に接続しているため多少は客がいそうな感じがするが、両毛線との交差点に駅がないことが致命的でそれほど客が増えそうにない。
沿線の観光地も藪塚から多少離れた場所に温泉などがあるくらいで、やはり自家用車を持つ人は自家用車で行く場所である。むしろ、浅草近辺に用事のある客が特急を使う路線である。以前は特急が満席になることも多かったらしいが今はそれほどでもないらしい。
結局のところこの路線も高校生がおもな乗客である。なんとか続いてほしい路線である。
小泉線
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てびき
以下の2区間から構成される路線である。
(1) 東武伊勢崎線の館林(たてばやし)駅から分岐して西に進み、東小泉を経由して北西に向きを変え、同じく東武伊勢崎線の太田駅に至る区間。
(2) (1)の途中の東小泉から西に進み、小泉町(こいずみまち)を通って南に向きを変え、西小泉に至る区間。
いずれも電化されており、東武伊勢崎線の館林~太田の区間と異なり路線のすべての駅が群馬県内にある。
以前は(1)(2)いずれの区間も他路線への乗り入れは行わない路線だったが、最近になって(1)の東小泉~太田の区間から東武桐生線に乗り入れて終点赤城駅まで行くようになった。
その他の電車は館林~西小泉、太田~東小泉~西小泉という路線内の電車はあるものの、館林から太田に向かう電車はない。
沿線は工業地帯であり、工場に向かう人たちが利用する他、高校生も利用している。とは言え沿線は車社会であり、自家用車を持たず、駅から近い場所に用事のある人に利用客は限られている。なんとか続いてほしい路線である。
佐野線
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てびき
東武伊勢崎線の館林(たてばやし)駅から北に進み、両毛線の佐野駅を通ってさらに北に進み、葛生(くずう)駅に至る電化路線である。
館林駅と、そのとなりの渡瀬(わたらせ)駅のみ群馬県館林市にあり、ほかの駅は市町村合併によりすべて栃木県佐野市にある路線となった。
1日1往復浅草から特急が乗り入れるほかはすべて各駅停車である。
電車の利用客もそれほど多くなく、ほとんど高校生である。なにしろこのあたりは平成になってからできた佐野プレミアムアウトレット、ガイドブックに載っているような佐野のラーメン屋を含めて、ほとんどの主要施設が鉄道から離れた場所にあるからだ。これらの施設に行く客は自家用車がほとんどである。
唯一駅に近いのは、あしかがフラワーパークくらいである。東武佐野線をうまく使い、両毛線に乗り継ぐと東京から安く行くことができる。
今後が心配な路線ではあるが、東武鉄道はしばらく路線の廃止を行っていないので、まだまだこの路線もだいじょうぶなのではないかと思われる。
東上線
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区間
山手線の池袋から北西寄りに向かい、東京メトロ有楽町線の和光市、JR武蔵野線の北朝霞(きたあさか)のそばにある朝霞台(あさかだい)、JR川越線の川越、川越市、東武越生(おごせ)線の坂戸(さかど)、東松山(ひがしまつやま)、森林公園、JR八高線の小川町(おがわまち)を経由して、同じくJR八高線の寄居(よりい)に至る電化路線である。
以前は池袋から寄居まで行く電車が通っていた時代があったが、最近は池袋を出た電車は一番遠くて小川町止まりとなり、寄居~小川町間の電車は小川町から南に行くことはなくなった。
整理券
ほとんどの電車は運賃のみで乗れるが、「TJライナー」と呼ばれる、夕刻に何本か池袋から森林公園もしくは小川町に行く停車しない駅のある電車のみ、池袋から乗る際に「乗車整理券」を運賃とは別途購入する必要がある(購入すれば必ずすわれる)。次の停車駅であるふじみ野以降の駅から乗る場合乗車整理券を購入する必要はない。
以前は池袋行きに乗車整理券が必要な電車はなかったが、2016年3月から、朝の通勤時間帯に森林公園から池袋行きのTJライナーが運行開始されることになった。夕刻の列車と違い、ふじみ野より北でも乗車整理券は必要である。また、夕刻のTJライナーが停車する駅に朝のTJライナーが停車しない駅があるので注意しよう。
その他の一部停車しない駅のある電車は東松山までで、東松山~寄居間はすべての電車が各駅停車である。
他社線乗り入れ
他路線への乗り入れは和光市で東京メトロ有楽町線に乗り入れて、東京メトロ有楽町線の終点の新木場や、東京メトロ副都心線、東急東横線、横浜高速鉄道に乗り入れ、最長で元町・中華街まで乗り入れている。
有楽町線に乗り入れる電車のうち新木場方面に行く電車はずっと各駅停車だが、小竹向原から東京メトロ副都心線に向かう電車には停車しない駅のある電車もある。特に東京メトロ副都心線、東急東横線、横浜高速鉄道は、
・ずっと元町・中華街まで各駅停車の電車
・東京メトロ副都心線内は各駅停車だが、東急東横線、横浜高速鉄道では停車しない駅がある電車
・東京メトロ副都心線、東急東横線、横浜高速鉄道の全区間で停車しない駅がある電車
があってややこしい。
たいていの有楽町線乗り入れ電車は川越市までしか北には行かない。時間帯によっては森林公園まで乗り入れる電車もあるがごくわずかである。
2016年3月まで、東武東上線から東京メトロに乗り入れる電車は東武東上線内は各駅停車だった。
しかし2016年3月から、上記の「全区間で停車しない駅がある電車」が東武東上線でも快速運転を行うことになった。
新名称も決まり、「Fライナー」と呼ばれるようになり、この電車が乗り入れる各鉄道会社で使われるようになった。
千鳥運転もどき
一部停車しない駅のある列車は2019年3月に種類が増えた。その名も「川特」と言い、池袋〜朝霞台ノンストップである。
川特は、「快急」が停車する和光市・志木にも停車しなければ、TJライナーが停車するふじみ野にも停車しない。快急は朝霞台にもふじみ野にも停車しないし、TJライナーは和光市・朝霞台・志木に停車しないので、まるで西武池袋線朝の千鳥運転のようである。実際には西武池袋線とは違い、これらの列車は適度に時間帯が離れており、必要なら各駅停車に乗り換えれば良いためそれほど気にする必要はないかもしれないが、ややこしいことはややこしいだろう。
東武越生線、秩父鉄道への乗り入れはない。また、寄居が非電化のJR八高線にも乗り入れられない。ただし、東武東上線と東武伊勢崎線で電車を回送する際に、秩父鉄道の羽生と寄居(よりい)との間で東武の電車を通すことがあるとのことである。
回送電車がいつ通るかという情報がどこで得られるかわからないが、情報を入手できたら見に行くとおもしろいかもしれない。
利便性
この路線は東京に近いほど客が多く、遠いほど少ないという路線である。
なにしろ東京に近い場所は自家用車の通る道が渋滞するため埼玉から東京に用事のある人はどうしても鉄道を使わざるを得ないからだ。
それとは逆に埼玉では自家用車でしか行けない施設が数多くあり、そんな人は自家用車を使わざるを得ないから鉄道は使われない。そんなわけで寄居に近い場所の客は極端に少なくなる。
幸い寄居に近い場所でも高校や大学などがあるため、それなりに客はいるようだが、秩父に行く客に使われないのが痛い。
なにしろ西武池袋線・秩父線では秩父鉄道直通電車が用意されているのに東武東上線にはないからだ。東武は日光・鬼怒川があれば秩父はどうでもいいと考えているのかもしれない。なんとか客を増やしてほしいものである。
日光線
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区間
埼玉県にある東武伊勢崎線の東武動物公園駅から北寄りに進み、JR東北本線の栗橋駅、たった1駅だけ群馬県にある板倉東洋大前駅、JR両毛線の栃木駅、東武宇都宮線の新栃木駅、東武鬼怒川(きぬがわ)線の下今市(しもいまいち)駅を通り、JR日光線の日光駅から徒歩数分のところにある東武日光駅に至る電化路線である。
電化路線ではあるが、遠く会津若松から只見線、会津鉄道、野岩鉄道、東武鬼怒川線経由でディーゼル車が1日1回下今市経由で東武日光に乗り入れている。
その他、途中の南栗橋に車庫があるらしく、東武動物公園~南栗橋間は東武動物公園~久喜間より電車数は多い。
特急
浅草から東武日光駅まで東武日光線経由で特急が走っている。最近では途中の栗橋駅から東北本線に乗り入れて新宿に向かう特急も走るようになったが数は少ない。
下今市から東武鬼怒川線に乗り入れて鬼怒川温泉駅に向かう特急もある。こちらも栗橋経由で新宿~鬼怒川温泉間を結ぶ特急があり、どちらも東武日光に向かう特急より数が多い。
2017年4月から、東武鬼怒川線、野岩(やがん)鉄道、会津鉄道経由で浅草から会津田島まで向かう特急も走るようになった。それと引き換えに、それまで同じ区間を走っていた特急料金不要の電車が廃止された。
かわりだねとして金曜や土曜の夜に浅草から野岩鉄道の会津高原尾瀬口まで結ぶ夜行の臨時特急も走っている。この特急は東武日光線内に停車駅はない。
しかし、2017年になって、ごくまれに浅草から東武日光行きの夜行の臨時特急が走るようになった。東武日光線内は終点の東武日光のみの停車であり、夜明け前に到着し、数時間車内で眠れるとのことである。
他社線乗り入れ
南栗橋から東武伊勢崎線の曳舟(ひきふね)駅まで来た後、浅草に行かずに地下鉄の半蔵門線に乗り入れ、東急田園都市線の中央林間に向かう電車もある。
以前は中央林間方面から来た電車のほとんどが南栗橋まで来ていた時代もあったが、最近は2本に1本は東武伊勢崎線の久喜(くき)に向かい、東武日光線には乗り入れない電車になった。
さらに最近、南栗橋から東武伊勢崎線の北千住駅まで来て、曳舟に行かずに地下鉄の日比谷線に乗り入れて中目黒に向かう電車も走り始めている。
とりあえず東京に近いほど混雑している路線であり、日光や鬼怒川温泉が観光地であるためそちらの客も多く、今後とも客が見込める路線である。
補足1
東武伊勢崎線の浅草駅のとなりには、2012年3月16日まで業平橋(なりひらばし)という駅があったが、東武日光から浅草に向かう特急は通過していた。
しかし3月17日から業平橋駅は「とうきょうスカイツリー」という名称に変更になり、一部の特急が停車するようになった。その後停車する特急が増え、2017年現在、浅草発着のすべての特急がとうきょうスカイツリーに停車するようになり、多少便利になった。
補足2
また、上記の栗橋から東北本線に乗り入れる特急は2015年まではすべて新宿に向かっていたのだが、2015年より一部、新宿には向かわず上野東京ラインに向かう臨時列車が走ることになった。
この臨時列車の行き先は大船だが、従来の新宿経由の大船行きが走ることもあるので、乗車する際は同じ大船行きでも新宿経由か上野東京ライン経由か注意して乗車しなければならない。
上記の旅行記に業平橋駅のことが記述されているが、この旅行記でぼくが乗った電車が出た業平橋のホームは現在もう取り壊されている。押上駅に行く通路ももうない。
野田線
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てびき
東北本線の大宮駅から東に進み、東武伊勢崎線の春日部(かすかべ)、つくばエクスプレスの流山おおたかの森、常磐線の柏(かしわ)を通って南に向きを変え、成田スカイアクセスの新鎌ヶ谷(しんかまがや)を通って総武本線の船橋駅に至る電化路線である。
柏のホームは行き止まりホームで、直通の電車は方向転換する構造になっている。
この路線はけっこう都心に近いので都心に通う会社員が通勤に利用している他、もちろん高校生、そして大学生も利用している。
さらに近隣にはJRや成田スカイアクセスなど、東武鉄道より運賃の高い路線も多く、そういった鉄道を避けて野田線を使う客が多い。
そんなわけでそれなりに客は多く、今後とも存続しそうな路線である。
ずっと各駅停車しか走っていなかったが、ついに2020年3月から大宮〜船橋の半分以上の区間で停車しない駅のある急行が走るようになった。特に柏〜船橋間はほぼ一日中急行運転している。
特急料金が別に必要な列車も大宮〜柏間で走っている。野田線のみのものも一部にあるが、その他は東武伊勢崎線から乗り入れてくる。どうしてもすわりたい客が使うものと思われる。おもしろい試みである。