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Sorry, Japanese only! (1995年5月その1)

14.八王子から沼津に向かうバス

説明

1995年も5月になりました。1995年春は青春18きっぷを使わなかった代わりに、一般周遊券とかのお得なきっぷを使った旅行をばりばりしていました。

5月はひさしぶりに昼間の高速バスにでも乗ってみたいなと思いました。どこか変なバスにでも乗りたいです。

去年買った「はじめての高速バス」という書籍には、「八王子→沼津」というバスが載っていました。時刻表にも掲載されています。
へんなバスだなあ。どこを通るんだろう、そう思いました。ぜひとも乗ってみたくなりました。

沼津にただ行くだけじゃつまらないですが、沼津近辺にはまだ乗っていない、三島~修善寺の路線、十国峠や駒ヶ岳のケーブルカーがありました。これらに乗ってみたいです。でも駒ヶ岳はちょっと時間がなくて乗れなさそうです。
順番としては、沼津に行った後で三島に行き、修善寺まで往復して熱海に行き、バスで十国峠に行ってケーブルカーに乗って熱海に戻って、小田原に行って小田急で帰れば無駄がないなあと思いました。よし、このルートに行くことにしようと思い、休日を待ちました。
そして京王線で京王八王子に向かったのです。

バス・八王子~沼津

八王子

京王線の電車は、無事京王八王子駅に到着した。電車を降りて改札を通る。さてバスターミナルはどこだろう。

駅を出るとバスターミナルっぽい、こじんまりした建物があった。ここらしい。入ってみよう。
うん、どうやらぼくが乗りたい沼津行きのバスが出ているようだ。窓口に行こう。

「沼津行きのバスに乗りたいのですが」
「予約はされていますか?」
「いいえ」

そう答えると係員は機械を操作して、チケットを発行した。運賃を払って受け取る。そして待つ。

発車時刻が近づき、沼津行きのバスがやってきた。去年新宿から河口湖とか山中湖とかに行ったときに乗ったバスと同じようなバスである。バスに乗り、運転手にチケットを渡す。さすがに昼間のバスなので4列シートだ。でも席は半分くらいしか埋まらないようなので楽にすわれた。シートベルトをしめる。
それにしても、八王子から沼津って、どうやってどこの経路を通っていくんだろう?
どう考えても高速道路だけでは行けないよなあ。高速道路でない道も通るのかなあ。そんなことを考えているうちにバスは発車する。

バス

山梨県内

バスはバスターミナルを発車すると、いったんJRの八王子駅前に寄っていく。多少客が乗るとまた発車だ。
バスは北東の方向に進んでいく。川が見える。そのまま進むと八王子のインターチェンジに来る。まあ、高速道路は使うよなあ。

中央高速に乗ればあとは何度も見た景色である。なにしろ八王子なので西に行くとすぐに山の中に入っていく。
そして大月から河口湖の方向に進んでいくのだ。どうやってここから沼津に行くんだ?

バスはしばらく高速道路を進むと、山中湖の方向に進んだようだ。でもずっと高速をおりずに進んでいく。
そしてなぞのトンネルを通っていくのだ!しばらく、しばらくバスは進んでいく。そしてトンネルを出る。
わー!山を抜けている!ここは静岡県だ!


静岡県内

中央高速からこんななぞのトンネルが続いているとは思わなかった。
いや~いい経験をした。高速バスって、なぞの道を進むことがあるんだなあと改めて思った。これからも、なぞの道を進みそうなバスには、おりを見て乗っていきたいな、そう思う。

バスはいつのまにか高速をおりたようで、ところどころ信号待ちをしながら静岡県内を進む。
しかしまた高速にのぼるようだ。どうやら御殿場インターチェンジらしい。目的地は沼津だから、わずかな区間であるが御殿場から沼津まで東名高速に乗るのだろう。
すいすい沼津インターに来て、東名をおり、沼津市内を進む。
そしてようやくバスは沼津駅前に到着した。バスを降りる。

さあ、当初の予定通り、三島に行って伊豆箱根鉄道で修善寺(しゅぜんじ)に行こう。
そして余裕があるようなら熱海からバスに乗って十国峠のケーブルカーに乗ろう。そう思い、沼津駅のきっぷ売り場を探すことにした。

伊豆箱根鉄道

珍しいきっぷ

京王八王子から乗ってきた高速バスを沼津で降りた。まずは自動券売機で三島まできっぷを買う。
改札を通る。東海道本線は電車の数が多いので三島に行く電車はすぐにやってくる。乗ると発車だ。三島はとなりの駅だが、けっこう時間がかかる。

車内を見回すと、吊り広告が目に入った。それは、お得なきっぷの案内だった。
もしかしたら使えるきっぷかもしれないので、じっくりと見ることにした。内容は、

「春のレジャートクトクフリーきっぷ」

以下の区間に1日乗り放題
・東海道本線・熱海~新所原
・身延線
・御殿場線

というものであった。


次の旅行の計画

ふーん、去年使ったスーパーホリデーパスは熱海から東が乗り放題で、今年4月に使った青空フリーパスは豊橋から西が乗り放題だから、ちょうどその間を埋めるきっぷだなあと思った。
しかし、東京から熱海まで行くのはちょっと金がかかる。いや、でも待てよ。
御殿場線が乗り放題、っていうことは、松田もOKということか。
松田は小田急を新松田で降りて歩けばすぐのはずだ。

まだ行ったことがないので確信は持てないが、この「春のレジャートクトクフリーきっぷ」がJR東海のきっぷならば、松田はJR東海の駅だから松田の窓口でもこのきっぷは買えるのではないか?
もしこのきっぷが買えたとしたら、どこか行っていない路線に行けるか考えてみた。
このきっぷの有効区間のJRには全部乗っているし、接続する私鉄も、岳南鉄道、天竜浜名湖鉄道、それからこれから伊豆箱根鉄道にも乗るんだった。
そうだ!まだ遠州鉄道に乗っていないではないか。
となると、松田→沼津→浜松→西鹿島→浜松→沼津→松田と進めば無駄がなさそうだ。

よし、さっそく来週にでも小田急で新松田に行って、このきっぷが買えるかどうか試してみよう、そう考えた。

そうこうするうちに電車は三島に到着する。ここで電車を降りることにする。


三島~修善寺

東京から修善寺まで直通の電車が走っているのでJRと伊豆箱根鉄道の三島駅は共通かと思っていたが、どうやら直通でない電車に乗る場合いったん改札を通る必要があるようだ。まずは改札に行き、きっぷを渡して通る。
そして駅の中を通って出ると右手に伊豆箱根鉄道の駅があった。入ってみる。

JRよりかなり小さな駅だったが、自動券売機はあった。修善寺まできっぷを買う。そして改札を通る。
多少古そうな電車だったが、これより古い電車には去年たくさん乗ったのでそれほど古いとも思わずに乗る。お客はけっこう乗っている。そして発車。
三島の市街地はけっこう広く、となりの駅に着いてもまだスーパーらしき建物が見える。そしてまた発車。ようやく市街地を抜けて山々が見えてくる。そのまま数十分が過ぎる。

しばらく進んでから右の方を見ると、小高い山があり、上の方にロープウェイのような建造物が続いているのが見えた。
こんなところにロープウェイがあるって時刻表に書いてあったかなあと思ったが、一般の人に開放していないロープウェイなんてのもあるかもしれないなあなどと思った。そんなことを思いながら電車は進んでいく。

そして盆地の景色のまま、電車は終点、修善寺に到着した。電車を降りる。
腹減ったなあ。食堂でもないかなあ。


昼食

きっぷを渡して改札を通る。温泉って感じもしないが、大きな街といった感じもしない場所だった。駅前にはバス乗り場があるがお店とかは遠そうだ。
なんとなくぼくは、多少歩くと食堂があるような気がした。まずは右に歩いてみる。
橋があった。橋を渡った先はあまり店とかなさそうなので、橋を渡らず別の方向に進む。
うん、食堂らしき場所が見つかった。入ってみよう。

客はけっこういる。客が多いくらいだからそれほどまずくはない店なのだろう。
客が多いので相席になる。さて何にしようか。そばでもないかなあ。どうやらあるようだ。注文しよう。
さすがに混雑しているので多少時間がかかる。混雑しているのだから時間がかかるのはあたりまえだ。でもそれほど待たずにそばがやってきた。いただきます。

そば

ずるずるずる。今日もうまい。ごちそうさま。

そばを食べ終わる。混雑した店では食べ終わったらすぐに出なければならない。店を出ることにする。
修善寺ってどういう場所なのかわからないが、観光するにはちょっと時間がかかるかもしれなさそうだ。今日は十国峠まで行ってケーブルカーに乗る予定なので、もう三島行きの電車に乗って修善寺を離れよう。そう考えた。駅に戻ろう。


修善寺~三島

修善寺駅に戻り、三島まできっぷを買う。改札を通り電車に乗る。電車はけっこうな客の数だ。発車。
また同じ山々の景色をながめる。やっぱり見たことのない景色をながめるのはいいものだなあと思う。やがて電車は市街地に入っていき、終点三島に到着した。電車を降りる。まずはいったん改札を通り、JRの方の三島駅に行く。

三島に帰ってきた。まだまだ時間があるから、熱海で降りてバスで十国峠に行こうと思い、熱海まできっぷを買う。改札を通って電車に乗る。
三島から熱海までの電車の中にも、春のレジャートクトクフリーきっぷの案内があった。もう一度よく案内を見ておく。
松田でも売っているとは書いていないが、松田はJR東海の駅だからおそらくこのきっぷも売っているはずだ。やはり来週小田急で新松田まで来て、松田できっぷを買って浜松に行って遠州鉄道に乗ろう。
丹那トンネルの中でそう考えているうちに電車は終点、熱海に到着した。電車を降りる。改札を通ってバス停に行こう。どこだろう?

伊豆箱根鉄道・十国峠

ゆき

三島から乗ってきた電車を熱海で降りると改札を通り、バス停がどこにあるか探した。
どうやら左の方にあるようだ。行ってみよう。
なんとか十国峠行きのバスを見つけた。それほど混雑はしていないが10人以上お客はいるようだ。乗って待つ。無事時刻表通りにバスは発車した。

バス

バスは熱海駅前を発車し、坂道をおりていく。
時刻表では十国峠は西にあるように書いてあるのに、なぜか見覚えのあるお宮の松のところに来る。お客が乗り降りする。そして坂道をのぼっていく。
なんとそこは、ぼくが去年の12月に来た、伊東線の来宮(きのみや)駅だった。

うーん、このバスが来宮を通るということは、十国峠からの帰りのバスも来宮を通るということだ。
帰りはバスを来宮で降りれば、たぶんその分だけバス代が安くなりそうだ。JRの運賃は小田原までならそんなに変わらないだろう。よし、帰りのバスは来宮で降りて伊東線に乗ろう。そう考えた。

バスは来宮駅前を発車すると、一気に山の中に入っていく。ずんずん山道を進んでいくのだ。
この道路は以前箱根登山鉄道で行った小田原→強羅(ごうら)→早雲山のルートとはまた別の場所で、景色もちょっと違う。
箱根や伊豆は広いので、何回かに分けて行った方がいいみたいだ。やっぱりきょうは十国峠だけにしておこう。


ケーブルカー

バスは進み、ケーブル登り口に着いた。バスを降りるとすぐそばがケーブルの駅になっている。筑波山みたいにバス停から多少歩くということはなく、御岳山や強羅並みに歩く距離は短いようだ。建物に入っていこう。

ケーブルはけっこう頻発している。きっぷを買うとすぐに乗れるようだ。
ぼくみたいにバスに乗る人ばかりでなく、自家用車でケーブルに乗りに来る人ももちろんいるみたいだ。
ケーブルに乗って発車。

もうケーブルカーに乗るのも慣れてきた。ぐいぐいのぼっていくと下りの車両とすれちがう。そして頂上の駅に到着。車両を出る。

うわあ、ながめのいいところだなあ。

山

そこは小高い山々に囲まれた場所であった。短い草が生えた土地がずっと続いている。しばらく散歩してみた。うーん、空気のいいところだなあ。

ふとぼくは駅の近くに戻り、ケーブルの方向を見おろしてみた。ん?

なんとまあ、ふもとの駅が見える。
このケーブルカー、たいして距離がないようだ。

まあ、全国にはたくさんケーブルカーがあるんだから、こんなケーブルカーがあってもいいかと思った。
もうしばらくまわりの景色を見ておこう。たいしてのぼっていないケーブルカーだが、こんなにながめがいいのだから、価値のあるケーブルカーなんだろう。さあ、もうそろそろおりようか。


かえり

くだりのケーブルカーに乗る。あっというまにふもとの駅に到着である。

3月に乗った筑波山のケーブルカーや御岳山のケーブルカーと比べると、それほど長くないし、のぼった感じのしないケーブルではあるが、こと頂上のながめに関してはこの2つには負けていない十国峠のケーブルカーだったと思う。

まだまだぼくは全国には乗ったことのないケーブルカーが多いはずだ。ふつうの鉄道路線に乗るついでにケーブルカーにも乗ろう。そう思った。

さて、このあたりにはもう1つ、駒ヶ岳のケーブルカーもある(1995年現在)。でももうすぐ日が暮れそうだし、またあとで乗ることにして、きょうは小田原に着いたら急いで小田急に乗ってアパートに帰ることにした。

そして熱海行きのバスに乗る。山道を進んでいく。そして行きにも通った来宮駅前に来た。予定通りここで降りることにする。
さあ、5ヶ月ぶりの来宮駅だ。小田原まで行こうと思い、自動券売機できっぷを買うことにした。

伊東線

来宮発車

十国峠から乗ってきたバスを来宮(きのみや)駅前で降り、駅に入って小田原まできっぷを買った。そして改札を通り、電車を待つ。

電車がやってきた。うわあ、すごい混雑だ。なんとか電車に乗る。
大垣行き夜行でよく乗る、すべてボックス席の電車であった。

去年の12月に伊東線に熱海まで乗ったときの電車は「リゾート21」と言って、熱海方向を向いて右側(すなわち海側)に座席が向いていて、カーテンがなくて朝はまぶしい電車だった。

それと比べるとこの電車は座席数は多いものの通路は狭く、すわれない人が立つのはたいへんな電車である。いろいろな電車が走っているのだろう。
デッキはいっぱいだが車内中央の方に空間があるようだ。進まなければならない。ドアを開けて進む。まあ、わずか来宮から熱海までの1駅間だけなのだが、これほど混雑していることを考えるとバスで熱海まで行った方が良かったのかなあと思う。

それにしても混雑しているものだ。120円の首都圏大回り旅行でも、千葉県の総武本線とかでこれくらい混雑することもあるし、このあたりは東京から離れていて高校生の客が少ないシーズンでも混雑しているのだろう。
なにしろボックス席だけで吊り革もないので、つかまれるところはボックス席の仕切りにある持ち手だけだ。それもこの車両は古いので持ち手が1ヶ所毎に1個しかないタイプだ。なんとか持ち手を持った。熱海まで何分かなあ。


ぶつかったのかな

「ちょっとどいてくれませんか」
すぐそばのボックスですわっている学生っぽい男がぼくに行った。席から立ち上がりたいらしい。

なにしろつかまれる場所が少ないので、つかみながらどこうとすると無理な体勢になる。男が立ち上がった。こっちの方向に進むようだ。トイレにでも行くのかな?でも熱海までにトイレに行く時間があるのかな?
とにかく男が進んでいった。どっこいしょ。トイレにでも行ったんだろうと思い、ぼくは体をもとの位置に戻した。ふう、と一息ついて安心する。

ふと顔を窓の方向に向けると、なぜか学生っぽい客が数人、無言でぼくをにらんでいる。
ボックス席の4人の間にもう1人客がいて、5人でぼくをにらんでいるのだ。
あれ?あの客はさっきぼくにどいてくださいと言った客ではないか?トイレに行ったんじゃなかったのかな?もしかしてぼくは彼にぶつかっちゃったのかな?
もしかしたらあの客は残り4人の仲間で、混雑していたので別のボックスになる必要があったけど、熱海が近づいたので熱海以降のことを相談しようとしていたのかなあ。

とにかくびびったので、ぼくはこう言った。
「あれ?トイレに行ったんじゃないの?」


熱海~小田原

そう言ったところで車掌のアナウンスが聞こえた。もう電車は熱海に着くところだった。わいわいとお客はみんな出口に向かう。彼ら5人に文句を言われるヒマもなかったようだ。
そして伊東線の電車を降りる。階段をおりてのぼって東海道本線の電車に向かう。

東海道本線の電車は2列席の電車だった。伊東線より車両数が多いらしく、なんとかすわれる。
もしかしたら伊東線の客の半分以上は、こだまにでも乗ったのかもしれない。

そしてきょうも熱海と小田原の間では海が見える。修善寺に行って十国峠に行ったのでもう夕方だが、5月なので日は長く、まだまだ明るい。海が見えなくなって小田原に到着。ここで電車を降りる。
旅行にはいいことも悪いこともあるようだ。旅は修行だなあと思いながら、小田急に乗り換えてアパートに帰ることにした。来週は小田急で新松田に行って浜松に行って遠州鉄道に乗ろう。

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