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Sorry, Japanese only! (1994年5月その2)

10.西武の新交通

説明

1994年は、ぼくがはじめて全国の鉄道に乗ろうとこころざした年でした。

5月になって私鉄を中心とした旅行をしてみようと思いましたが、京浜急行、江ノ島電鉄、小田急電鉄、京王電鉄と進んで橋本まで来たところで日が暮れてしまいました。次はどこに行くのがいいでしょう。

「私鉄に乗るならまだ乗っていないところをできるだけ環状に乗る」という原則を頭に入れて考えると、西武鉄道の所沢のあたりで、

所沢-小平-萩山-西武遊園地-西武球場前-西所沢-所沢

というように西武の路線が環状になっているなあと気がつきました。よし、この環状線に乗ろうと考え、もう一歩踏み込んでまだ乗っていない場所を考えると、小平から拝島までの路線、それから東村山から1駅出ている西武園という場所も気になります。

なんでもテレビ朝日で土曜の午後に放送されていた「桜っ子クラブ」という番組が西武園から放送されていたという話もあります。

このことを考え、こういう行程にしました。

拝島→萩山→西武遊園地→西武球場前→西所沢→所沢→東村山→西武園→東村山→高田馬場

うまくいけば拝島で西武園まできっぷを買って西武園で降り、西武園で高田馬場まできっぷを買えばいいからずいぶん安上がりだなあと思いました。

まあなんとか日が暮れるまでに西武園に着けるだろうと思い、拝島には立川から青梅線で行こうと思い、江ノ島電鉄に乗った翌日の日曜日に立川に向かったのです。

青梅線

旅行記本文

立川駅にやってきた。めったに来ない立川駅だがぶらっとクイズラリーがあったので先月来た場所だ。そしてなぜか今月も来ている。めざすは西武の電車が出ている拝島(はいじま)だ。

先月と同じく青梅線の電車に乗る。発車すると立川の市街地を離れていく。すぐに人家の少ない景色になる。

ふだん東京に住んでいるとめったに人家の少ない景色を見ることはない。見ることができるとすれば青春18きっぷを使っているときか、120円おおまわり旅行をしているときだ。目的のない旅をしているときは楽しいものだ。

青梅線は大学時代に工場見学に来たのが最初だが、あまり景色は覚えていない。たぶんそんなに変わっていないんじゃないだろうか。

そんな景色を見ながら、先月二度も通った拝島に電車は到着した。電車を降りる。

この駅から西武の電車が出ているらしいが一度も見たことがない。どこのホームから出ているのだろう。ぼくは西武のホームをめざして案内を探すことにした。

西武拝島線

旅行記本文

青梅線を拝島駅で降りて西武の改札を探す。青梅線や八高線は何回か乗ったことがあるが拝島で西武に乗り換えるのは初めてなのでどこだか見つけるのに時間がかかった。

なんともJRのホームからは「はずれ」の方に改札はあった。もちろん自動券売機もある。当初の予定通り、ぼくは西武園まできっぷを買った。そして西武の電車に向かう。

西武拝島線は先月萩山から小平まで乗った。きょうは残りの区間、拝島から萩山まで乗るのだ。

電車はすいていた。拝島から新宿に行くにはどう考えても西武が一番安いと思うのだが、こんなに客がいないというのは、よっぽど遅いのかなあと思う。それとも拝島の人はめったに新宿に行かないのだろうか。

そんなことを考えているうちに電車は発車する。それほど青梅線と変わらない景色だ。

ずっとそんな、山とも都会ともつかない景色が続く。少なくとも八高線の拝島から北や、青梅線の青梅より西よりは山の少ない景色である。でも人家は少ない。

ここは立川からそれほど遠くない場所のはずなのに、さびれた景色だなあと思いながら進む。まあ休日だし、客の数はこんなものなのかもしれない。

そうこうするうちに降りる駅、萩山が近づいた。先月も乗り換えているから見慣れた景色である。やがて電車はレールの数がちょっとだけ多い萩山駅にすべりこんでいった。

電車を降りる。さあ、次は西武遊園地行きに乗り換えだ。とにかく発車ホームを探そう。

西武多摩湖線

旅行記本文

拝島(はいじま)から乗ってきた電車を萩山(はぎやま)で降りて、西武遊園地行きの電車に乗り換えだ。先月は国分寺から小平に行くのにここで乗り換えたからちょうど逆の乗り換えになる。無事西武多摩湖線のホームに出た。

そして電車に乗る。遊園地って名前なんだから日曜日はもっと混んでいてもいいのになあと思ったが、客は少ない。もう午後になっているからなのだろうか。

電車は発車する。景色は拝島から萩山までと似たようなものだ。でも多少林が多いような気がする。

終点の西武遊園地が近づくとさらに木々が多く見えるようになり、そして終点に到着。それほど多くない客に混じって電車を降りる。

ほとんどの客は改札に向かうようだがぼくはこれから「西武山口線」に乗らなければならない。どう進めばいいかと案内を探した。

西武山口線

旅行記本文

萩山(はぎやま)から乗ってきた電車を西武遊園地で降りる。遊園地の近くのはずなのに全然電車に客がいない。みんな自家用車で来るのかもしれない。

さて、西武山口線とはどこにあるのだろう。いちおう案内はあるようなので案内にしたがって進んでみる。なんだか長い通路だな。

進んで進むとなんと目の前にはモノレールっぽい車両があった。西武山口線ってモノレール、と言うより新交通システムの路線なんだ。

ぼくが今持っているのは拝島(はいじま)駅で買った西武のきっぷだ。最終目的地が西武園なので西武園までの運賃のきっぷを買っている。このあたりの西武の路線はぐにゃぐにゃしているが、はたしてこのきっぷでも乗れるものなんだろうか。とにかく車両に乗る。しばらくすると発車だ。

発車すると車両は森の中に入っていく。まるで人家がない場所を進んでいくのだ。ここは東京都と埼玉県の県境のあたりだろう。

そして県境だから標高も高い。車両はそんな標高の高い場所を進む。けっこうのぼったりくだったりしているような気がする。そうか、のぼったりくだったりするために新交通システムにしているのか。

そんな5月の森の中のさわやかな景色がしばらく続いた。

山

しかし駅はわずか2駅なので何分かすると森はとぎれ、いかにも野球場らしい建造物が見えてきた。そして車両は終点、西武球場前に到着した。ドアが開き、車両から出る。

プロ野球は一度だけ東京ドームで見たことがあるが、それ一回きりでめったに用のない場所である。だからここに来るのは初めてである。

でも野球がないととても閑散としている。野球がなくても電車を走らせなければならないんじゃたいへんだなあと思った。さて、これから乗る西武狭山線の電車はどこにあるだろう。ぼくは案内を探した。

西武狭山線

旅行記本文

西武遊園地から乗ってきた新交通システムの車両を西武球場前で降りた。

はたして西武遊園地みたいに違う車両どうしの乗り換えが改札を出なくても可能なのだろうか?ぼくは新交通システムの乗り場から出ているコンクリートの通路を進んでいった。多少下り坂になっている。

通路から外を見ると、確かに西武球場っぽい建物がある。あとで行くことになるのだが、きょうのところはその建物をぼーっとながめながら通路を進んでいった。

通路を進むと改札があり、その近くに行き止まりホームがあった。電車のホームだ。やっぱり西武遊園地と同じで改札を出なくても乗り換えられるのだ。まずは電車に乗ろう。

やっぱりこういう公共の施設のすぐそばまで電車が走っているのいうのはいいものだなあと思う。野球の開催日ではないようで、電車は閑散としている。しばらく待つと発車だ。

今まで新交通システムから緑の多い景色を見てきたので、それほど緑が多いとも思えないが、ふだん山手線のそばの寮で暮らしている身では緑の多い景色に見えた。そんな景色を電車は進み、無事終点の西所沢に到着した。乗換駅の割にはさびれた駅のようだ。電車を降りる。

そして次は所沢行きに乗り換えである。なにしろ自分で望んだ電車旅行だ。まだ日は高いし、電車はたくさん通っているから何時間も待たずにすむ。がんばろう。なんとか所沢行きのホームにやってきた。電車を待つ。

それほど待たないうちに電車はやってきた。所沢に行く電車に乗る。発車。

電車は進み、所沢の市街地に入っていく。そして目的地、所沢に到着。電車を降りる。

きょうは細かい乗り継ぎが多いが、まだ拝島で買った西武園行きのきっぷで乗っている。あと2回乗らなければならない。さあ、東村山に行こう。

西武園線

所沢~西武園

西所沢から乗ってきた電車を所沢で降り、西武新宿行きの電車に乗り換える。

これから向かうのは西武園である。東村山で乗り換えればいい。急行は東村山は停車したかなあ。忘れちゃった。とりあえず各駅停車で行こう。

各駅停車がやってきた。午後の新宿方面なのですいていてすわれた。発車し、所沢の市街地を離れていく。それほど走らないうちに東村山にやってきた。電車を降りる。3年前に国分寺線に乗った駅である。

きょう乗るのは西武園線だ。ホームを探す。うん、間違いなく西武園行きだ。日曜日なのに全然客がいない。やぱり午後遅いからかなあ。そして発車。

わずか1駅なのでそれほど時間もかからずに目的地、西武園に着いた。電車を降りて改札に行く。ここでようやく拝島で買ったきっぷがおやくごめんになった。新交通システムの西武山口線に乗ったりしてだいぶまわり道したが、無事に改札を通ることができた。


西武園~東村山

さて駅前を見てみる。ここがテレビ朝日の「桜っ子クラブ」を中継している西武園かあと感じた。でも駅前からではあんなににぎやかなふんいきが伝わってこない。

西武球場前だと駅前から野球がある時は混雑するんだろうなあと感じることができるが、ここはできないのだ。客が少ないのかなあ。

そんなことを考えるひまもない。すぐに日が暮れてしまいそうだ。西武園駅の自動券売機に行く。

西武新宿まで買おうかと思ったが、なんとなく西武新宿ってJRの新宿までだいぶ歩く必要がありそうだと思ったので、きょうは高田馬場で山手線に乗り換えることにして、西武新宿はいつかまた行くことにした。高田馬場まできっぷを買う。

そして改札を通り、東村山行きの電車に乗る。今度も客は少ない。電車は発車し、無事東村山に着いた。電車を降りる。さあ、乗り換えが多い割に運賃の安かったきょうの旅ももうすぐ終わりだ。高田馬場に向かおう。

西武新宿線

旅行記本文

西武園から乗ってきた電車を東村山で降りた。さあ、あとは高田馬場(たかだのばば)まで行って乗り換えるだけだ。高田馬場に行くので急行でもいい。

電車がやってくる。西武園までの電車よりは混んでいるがそれほどでもない。発車だ。

きょうは緑の多い場所ばかり乗ってきたが、さすがにここはそれなりに都心に近い場所だ。新宿ほど都会というわけではないが、緑は少ないし住宅も多い。そんな中を電車は進む。

ぼくは今住んでいる寮を来年出ていかなければならない。どこに住むのがいいだろう。西武新宿線はどうだろうか。

でも東京って、山手線の西側はけっこう家賃が高そうだ。やっぱり電車が混雑しても東の方がいいのだろうか。まあおいおい考えよう。

そんなことを考えるうちに左右の建物が住宅から高層建築になっていき、線路の下をくぐり、右に曲がっていく。山手線の下をくぐったのだろう。もうすぐ高田馬場だ、

そしてけっこう客の多くなった電車は無事高田馬場駅のホームにすべりこんで停車し、ドアが開いた。ほぼすべての客に混じって電車を降りる。

きょうはたくさん電車に乗れていい1日だったなあと思いながら、寮に帰ることにした。あしたはまた会社だ。

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