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Sorry, Japanese only! (2001年7月)

73.松本と駒ヶ根のロープウェイ

説明

2000年にほとんどのJR線に乗ったぼくは、2001年には新しい鉄道に乗る意欲もなく、おもに青春18きっぷを使って近場の観光地めぐりをしていました。
場所としては城ヶ崎海岸、日光東照宮、身延山などに行っていました。

2001年は海の日近辺で三連休があります。青春18きっぷで旅行がしたいです。さてどこに行くのがいいでしょう。

ぼくは以前に見た鉄道の本のことを思い出していました。なんでも飯田線の駒ヶ根という駅からバスに乗っていった先には、日本一標高の高いロープウェイがあるという話が書いてありました。
でもそのロープウェイはとても混雑して、長い時間待たなければならないと書いてありました。ということは、日帰りで行くのはむずかしそうだなあと思いました。
どこか駒ヶ根の近辺で一泊して、朝一番に駒ヶ根駅から出るバスに乗ればそれほど待たなくてもいいかもしれないと考えました。

ここでぼくは、また別の鉄道の本のことを考えていました。飯田線の伊那松島というところにあるホテルは、ホテルから電車が見おろせるそうです。
鉄道の本に取り上げられるくらいだからいいホテルなんだろうなあと思い、その「伊那プリンスホテル」に泊まって翌朝駒ヶ根に行こうと思いました。

さて前日はどこに行くのがいいでしょう?
ぼくは2年前に買ったプレイステーション用の、おもに女の子たちと恋愛することを目的としたゲーム、「お嬢様特急」のことを思い出していました。
そのゲームの舞台の1つに松本があるのです。

今まで鉄道にできるだけ多く乗る旅ばかりしていて、観光なんか鉄道に乗る合間合間くらいにしかしたことがなかったので、たまには観光の旅行もしてみようと思いました。お嬢様特急にあった場所で手頃なところとして、松本城と旧開智学校がよさそうです。

3連休でしたが最初の2日だけ青春18きっぷで旅行して、最後の1日はアパートで休もうと思いました。ですので最初の日、海の日に伊那プリンスホテルを予約しました。無事予約できました。

青春18きっぷも無事買えて、海の日の朝を迎えたのです。

中央本線その1

高尾~甲府

高尾を発車した電車は西に向かって走っていた。

きょうは松本に向けて走っている。ことしの夏も青春18きっぷが使えるので、さっそく7月20日から使っているのだ。もう東京の近くに乗っていない場所はないが、とある鉄道の本に載っていた飯田線の駒ヶ根のロープウェイに乗ろうと考えたのである。
ただしものすごく混雑するという話なので、駒ヶ根の近くに一泊して、駒ヶ根を朝一番に出るバスで行って乗る計画なのである。別の鉄道の本に伊那松島駅のホテルのことが載っていたのでためしに予約したら無事取れた。そんなわけできょうは伊那松島に向かい、ついでに松本で観光する予定なのである。

おととし買ったプレイステーションのゲーム、お嬢様特急(とっきゅうと書いてエクスプレスと読む)に松本のことが載っていて、松本城や旧開智学校に寄っているので、駒ヶ根のついでに松本に寄ってみることにしたわけである。
最近の青春18きっぷ旅行では観光っぽい使い方をしている。日光東照宮に行ったりとかだ。まあ気負わずに電車に乗っていこう。


甲府~松本

去年、ことしと身延線(みのぶせん)に乗っているので、甲府から東の中央本線にはひんぱんに乗っている。景色の良いところである。
甲府から西は3年ぶりに通る区間となる。このあたりはそんなに用事のない区間となっている。
山は見えるし、東海道本線と違って席にすわれないことも塩尻から中津川の間でもない限りそんなにないし、いい景色の場所である。ひさしぶりに景色を楽しもう。

山の区間が過ぎると茅野(ちの)の市街地に入っていく。ここから岡谷までは盆地の景色である。
そんなひさしぶりの景色を見て、みどり湖経由のトンネル区間に入っていく。トンネルが過ぎると3年前に泊まった塩尻だ。
そしてまた盆地の景色を進み、目的地松本に到着である。松本電鉄に乗り換えたことがあるくらいで、駅の外に用事のために出たことはない場所である。はじめての観光ということになる。電車を降りて改札に向かう。

松本駅の改札を通り、外に出た。さあ、まずは松本城に行こう。バス乗り場はどこだろう。
なんとか見つけた。しばらく待てばバスが来る。やってきた。多少小さめのバスだ。でも客が少ないのでなんとか乗れた。さあ、出発だ。


松本城

バスは発車する。松本は市街地はそれなりに広いが、都会っぽいビルは駅前くらいしかない。
駅前を離れると、それなりに古そうな商店が続く道になる。3連休の初日ではあるがそれほど車通りも多くなく、バスはすいすい進んでいく。そしてだんだん商店が少なくなる。
そんなに走らないうちに、バスは目的地、松本城前に到着した。ここで降りる。ぼくといっしょに降りる客も多い。

バスを降りると松本城が見えた。お城のまわりは広場があり、散策している客がかなりいる。お城もかなり大きなものだ。
広場を進み、城の入り口に来た。とりあえず入場料を払って入ってみよう。

うん、ここは本格的なお城だ。昭和になって再建されたお城とは違う。
古いヨロイとかが飾られている。床も古そうだ。上に向かう階段も急だ。もっともぼくの実家の階段も急なので似たようなものだ。

3連休なだけあって客も多く、にぎわっているようだ。さすがに観光地だなあ。

さらに上に上がっていく。ようやく最上階にやってきたようだ。外を見るとながめが良い。やっぱりお城はいいなあ。
最近は松山城とか岐阜城とか、鉄道に乗るついでにいろいろな場所のお城に行っている。あの頃は鉄道に乗るのがメインだったから時間があった時にだけ行くだけだったが、今はもうそんなに乗っていない鉄道が多くなくなったから、時間があいた時にお城に行ってみるのも良さそうだ。

すっかり満足した。もうそろそろ松本城を出てもいいだろう。


旧開智学校

さあ、次はお嬢様特急にあった旧開智学校に行こう。松本城から歩いて行けるようだ。
確かこっちの方向だったと思ったけどな。てくてく歩く。それほど歩かないうちに見つけた。

ここはけっこう古い学校跡だ。なにしろ明治からあったはずだから古いのだろう。松本城は客が多かったが、こちらはそれほど客は多くなかった。
明治の建物だが、教室のつくり自体は普通の学校と同じようなものだった。
明治なので木造校舎なのだが、ぼくは小学校も中学校も木造の校舎で過ごしているのでそれほどめずらしいものでもなかった。でもまあ木造校舎で学んだことがない人にとってはめずらしいものなんだろうなあと思った。

やっぱりこうやって古いものが受け継がれていくっていいことだなあと思う。お嬢様特急のゲームで取り上げられて良かったなあと思った。ずっと観光地として残っていくといいなあ。


松本~岡谷

まだまだ日が暮れるまでは時間があるが、あしたは早いし、早めに宿に入ってもいいだろう。去年3月に東北旅行した時も、鳴子温泉の宿には4時前に着いた。今回ここからまっすぐ伊那松島に向かってもそのくらいの時刻になりそうだ。そんなわけでさっそく松本駅に向かうバスに乗る。
今度もバスはすいすい進んで松本駅前に着いた。バスを降りる。

昼食がまだだが、早めにホテルに行って弁当でも買って部屋でゆっくり食べたいなと思った。なのでただちに電車に乗ることにしよう。
青春18きっぷを見せて改札を通る。まずは岡谷まで行こう。この時刻は岡谷経由の方が電車の接続がいい。

午後になってもそれほど客が多くはなっていない電車に乗って進む。数時間前に通った道を戻っていく。塩尻に着いた。ここからはトンネルだ。
名古屋に向かう線路を分かれていき、山に向かっていく。そしてみどり湖経由のトンネルに入る。
トンネルをぬけるとそれほど進まずに電車は目的地、岡谷に到着した。ここで降りる。遅れずに着くことができた。どうやら飯田線の電車は向こうのホームのようだ。さあ、階段を進んで飯田線の電車に乗ろう。

飯田線その1

岡谷~伊那松島

松本から乗ってきた電車を岡谷で降りると、違うホームに飯田線の電車が待っていた。
それは7年前に岡谷から乗った電車とはまた違う電車だった。最新型というわけではないが、多少新しめの電車だ。

乗ってみる。外から見たのと同じく座席も多少新しいような気がする。連休なのにたいして客も乗っていないので楽にすわれる。そして発車。
辰野(たつの)までは中央本線だ。そして辰野を過ぎると飯田線、JR東海エリアだ。なんとなく駅が辰野以前とはふんいきが違うような気がする。やっぱりJR東海だからだろうか。
左右の景色は7年前とそれほど変わらない、やや広い盆地の景色のような気がするが、各駅のふんいきはなんとなく7年前と違うような気がする。3月に乗った身延線によく似たふんいきだ。あそこもJR東海だったっけ。

そんな駅を見ながら電車は進み、無事目的地、伊那松島に到着した。ここで電車を降りる。きょうの青春18きっぷはここまでだ。まだ日も暮れていない。


チェックイン

きょう泊まるのは伊那プリンスホテルだ。鉄道の本に載っていて、「鉄道ファンごようたし」とか書いてあったのでどんなものかと思い、泊まってみることにしたわけである。あした駒ヶ根に行ってバスに乗ってロープウェイに乗るのでちょうど都合がいい。
18きっぷを見せて改札を通る。さてホテルはどこだろう。
北の方を見るとやや高い建物が見えた。あそこだろう。駅前の道を右に曲がって進んでみる。
細い道を多少歩くと踏切がある。渡ると無事建物に到着。間違いなく伊那プリンスホテルだ。入ろう。
ちゃんとフロントがある。もちろん予約してあるので無事チェックインできた。そして部屋に行く。きょうもホテルに泊まれる。

チェックインしてはみたが、まだ夕食には早い。ちょうど相撲の名古屋場所が行われているのでテレビで見ることにした。
そう言えば去年の3月も大阪の春場所を旅先の鳴子温泉で見たんだった。最近チェックインが早いことが多い。以前はもっと夜遅くまで鉄道に乗っていたけど、年取って早めにチェックインすることが増えたなあと感じる。そのまま午後6時まで相撲を見た。


宿泊

それが済むと夕食に向かう。食堂はなさそうだけど、弁当屋かスーパーはないかなあ。伊那松島の駅前にはなかったなあと思いながらホテルを出る。
ホテルの前に大きな道があった。南の方に大きそうな店があった。南に向かおう。駅に向かう道とは別の道だ。

しばらく進むと大きな店とは別に弁当屋があった。よし、ここで弁当だけ買って帰ろう。あしたの朝は用意しておいたカロリーメイトでも食べよう。そう考えて弁当屋に寄って注文する。
無事弁当が買えたのでホテルに戻って食べる。そして風呂だ。

そしてベッドに入る。
やっぱり旅行先のホテルっていうのはいい。なんとも落ち着くひとときである。ふだんの安いアパートとは違う。
ふと窓の外を見ると、飯田線の電車が見えた。なるほど。ものの本に書いてあったとおり、このホテルは飯田線の電車がまぢかに見えるホテルのようだ。鉄道好きな人用のホテルということである。
ぼくは夜遅くまで飯田線の電車の音を聞きながら眠りについた。

目が覚めた。まだ始発電車が出ていない時刻だ。さすがに7月なので夜明けは早い。早寝しておいたので快適な目覚めだ。
さあ、朝早くでかけよう。用意しておいたカロリーメイトを食べてホテルをチェックアウトする。


伊那松島~駒ヶ根

そして伊那松島の駅に来た。たいしてお客はいない。改札で青春18きっぷの2日目にスタンプを押してもらって通り、駒ヶ根方面のホームに行く。
これから日本一標高の高いロープウェイに乗るのだ。ちゃんと電車もバスもロープウェイも動くだろうか。心配しながら始発電車を待つ。

始発電車がやってきた。きのうと同じ形の電車だ。乗ってみよう。すわると発車だ。
朝早いので客は少ない。相変わらずそれほどせまくない盆地の景色を見ながら、無事電車は駒ヶ根駅に到着した。ここで電車を降りる。

まだ朝一番のしらび平行き路線バスが出ていない時刻だ。さてバスに乗る客は・・・たいしていないなあ。客が多すぎてバスに乗れないなどということはないようだ。
ということは、はたして自家用車で来る客がどれくらいいるかということだ。ロープウェイっていうのはそんなに人数が乗れないからなあ。

立山黒部アルペンルートのロープウェイも混雑していたが、多少待って乗ることができた。でも今度のロープウェイは、「ものの本」によれば何時間も待つことがあるそうだ。
だから朝一番で行けばそれほど待たずにすむのではないかと思って朝早く行くため駒ヶ根の近くに宿泊して行くのである。はたして今度のロープウェイはどうだろう。お客が多すぎてきょうはもう乗れないなんてことになることはあるのだろうか。

ちゃんとロープウェイに乗れるかなあと思いながら、ぼくはバスを待った。

ロープウェイ・しらび平~千畳敷

出発

伊那松島から乗ってきた飯田線の電車を駒ヶ根で降り、青春18きっぷを見せて改札を出た。

これから乗ろうとしている、日本で一番標高の高いロープウェイはとても混雑するという話なので、駒ヶ根からの連絡バスがものすごく混雑していたらいやだなあと思っていたが、おそらく同じバスに乗るらしい人たちの数はそれほどでもなかった。この分ならバスにはすわって行けるだろう。

バス乗り場を探した。それほど探さずに見つかった。これでよし。
しばらくするとドアが開き、客が乗り込んでいく。全員すわれた。こんなものかな。そのうち出発だ。


駒ヶ根駅前~しらび平

駒ヶ根は盆地が狭く、バスはしばらく進むとすぐに森の中のせまい道に入っていく。
立山黒部アルペンルートの信濃大町からのバスは、ごつごつした岩が並ぶ川を通ったような気がするが、そんな景色とは違う。同じ長野県でもいろいろな景色があるようだ。

運転手がトランシーバーで何か話している。そしてぼくたちにこう言った。

「ロープウェイは1時間半待ちになります。」

なんだって?公共交通機関はこのバスだけだから、この客以外にロープウェイ客がいるとすれば自家用車ということになるが、あたりを見る限り自家用車は全然走っていない。閑散とした森の景色だ。
もしそんなに客がいるとすれば、自家用車はどこを走っているのだろう?
それとも、午前3時とかそんな時間に自家用車を走らせて、夜明け前にしらび平に到着しているっていうのかな?
そんなことを考えながらバスはさらに進むと、運転手はまた違ったことを言った。

「ロープウェイは2時間待ちになります。」

なんだか知らないけど3連休のなかびだからこんなものなのかなあ。
いずれにしても青春18きっぷが使えるから混雑して使えなければ混雑しないというわけではなさそうだ。
いったいどんなものなのかと思いながらバスは進んでいく。相変わらず閑散とした道で、ロープウェイが2時間待ちになるくらい客がいるとは思えない感じである。全然自家用車とかも見かけない。


待ち時間

そしてようやくバスは終点、しらび平に到着した。バスからロープウェイ乗り場を見てみた。
なんだかたくさん人がいるなあ。みんな自家用車なんだろうなあ。でも自家用車用の駐車場なんて見つからなかったけどなあ。
たぶんどこかこの路線バスの通る道とははずれた場所に自家用車用の駐車場があって、そこからしらび平まで自家用車用の連絡バスでもあるんじゃないか、そう思った。いずれにしても自家用車があると便利だよなあ。そう思う。

さて、窓口に進む。バスの運転手の言ったとおり、2時間後のロープウェイになりますという窓口の人が言うばかりである。乗車券を買った。

それから、ながーいながーい2時間が始まった。

朝一番のバスで来たのでまだお昼にも早い時間であったし、まだ梅雨が明けたばかりなのでそれほど暑くもなかったのだが、まずはヒマだった。
とりあえずしらび平駅からてくてく歩いてみる。けっこういろいろな植物がある。いいものだなあと思う。
同じように待っている人は多少見かけるがそれほど多くもない。みんな駅近くの食堂かどこかで休んでいるのだろう。
1時間ちょっと過ぎた、もうそろそろ駅に戻ろう。


のぼり

まずは行列に並び、券を見せて改札を通る。
あとはいつも乗っているとおりの、混雑モードのときのロープウェイに乗るときのとおりで、どやどやとゴンドラに押し込められる。もちろんすわれない。そして発車だ。

岐阜城にのぼって以来のロープウェイだが、このロープウェイはさすがに日本で一番標高が高いロープウェイだけあって乗っている時間が長い。
でも5年前に乗った立山黒部アルペンルートの黒部平から大観峰へ行くロープウェイほどながめはよくなかった。あのロープウェイは周囲の山々がほどよく離れていていい景色なのだが、今乗っている千畳敷のロープウェイは山々が近すぎてそれほど山々のながめがいいわけでもないのだ。
それでものぼっているうちに、なんとなく空が変わっていくような気がする。山もはるか下の方に見える山の方が多くなり、自分の標高の近くの山が少なくなっていくのだ。

ずいぶん乗っていたようだが終点の千畳敷だ。到着。ゴンドラをおりる。


くだり

まずは駅を出てみた。

駅の外には植物があることはあるが、雑草っぽい短い草くらいしかなかった。
ここは室堂より標高が高いはずだ。そして室堂のあたりもこのくらいしか植物がなかったように記憶している。
だからこんなものなのだろう。7月なのに寒いところである。

植物とは反対側を見てみる。うわあ、雲が横に見える。
航空機に乗っている時みたいに雲が下に見えるというわけではないが、標高の高い場所っぽい青い空の、自分のいる場所と同じくらいの標高に雲が見えるのだ。なんとも不思議な空である。
大観峰から見た景色もこれより雲は高かったような気がする。さすがに日本最高地点のロープウェイ駅であるなあと思った。

さて、まわりの客がなにやら話している。現在千畳敷にはものすごくたくさんのお客がいる、そしてそのうちみんなロープウェイで下におり始める、だからぐずぐずしているとここでもロープウェイの順番待ちをしなければならないとのことだ。
それではあまりゆっくりできないだろう。すぐに出るくだりのロープウェイに乗ろう。窓口で確認するとくだりはすぐに乗れるようだ。並んで待つとそのうち案内された。

そしてさきほどと同じようにくだりのゴンドラに乗る。また満員になった。そして発車。
今度はさきほどと逆で、自分と同じくらいの標高の雲がだんだん上に上がっていく。そして山々も増えていく。
それから、耳がだんだんつーんとしてくる。ぼくの耳は全く音がしないところで大きな耳鳴りがするような耳で、あまりじょうぶではないので心配だ。
とにかくのぼりと同じくらいの時間がかかって、しらび平に戻ってきた。到着。ゴンドラをおりる。長かったなあ。


しらび平~駒ヶ根駅前

さて、駒ヶ根駅行きのバスに乗ろう。すぐ乗れるようだ。
乗ってみたがお客は全員すわれた。やはり自家用車で来る客が大半なのだろう。
バスは発車し、もと来た森の中の細い道に入っていく。まがりくねっているのでそんなにスピードは出さずに進んでいく。

運転手がトランシーバーでなにやら話している。そして細い道手前で停車し、しばらく待った。
するとすれちがうバスがやってくる。なるほど、すれちがうバスとどこですれちがうのか確認するためにトランシーバーが必要なのか。
行きの時は1番バスだったからすれちがう必要がなかったのだろう。
路線バスっていうのは、いろいろなところで独特のルールがあってわかりずらいものである。まあこんなふうにトランシーバーを使うのはかなり便利なようだ。

それからも、今度はすれちがう方のバスが待っていたりしていた。バスはけっこうこういう細い道を通ることが都会でも山奥でも多いようだ。そのまま森の中を進む。
そして森の景色を抜け、ようやく盆地の景色に戻ってきた。道も広くなった。でも車通りは相変わらず少ないままだ。
そして数時間ぶりに飯田線の駒ヶ根駅前に到着した。ふーつかれた。

だいぶ時間がかかってしまった。とりあえず昼めしが食べたい。
きょうの予定では、茅野(ちの)というところにそば屋があるそうなので食べてみたいところである。3年前にも上諏訪でそばを食べたし、長野県に来た機会に食べておきたいのだ。今度の飯田線の電車はちょうどいいぐあいに茅野行きである。

さあ、電車に乗ろう。ぼくは青春18きっぷを取り出した。

飯田線その2

駒ヶ根~茅野

すっかりくたびれ切ってロープウェイから駒ヶ根(こまがね)駅に戻ってきた。
まあ飯田線はけっこうひんぱんに電車が通っているからたいして待たなくても東京に戻れる電車は出ているようだ。
青春18きっぷを見せて改札を通る。次に来るのは岡谷を通り越して茅野(ちの)まで行く電車だ。

電車がやってきたので乗る。あんなにロープウェイが混雑していたのに電車はすいている。高速道路も来ているし、やっぱりみんなロープウェイには車で来るのかなあ。
行きと同じく多少幅のある盆地を北に向かって進んでいく。
きのう泊まった伊那松島が近づいた。なるほど、ホテルから飯田線が見えるくらいだから電車からホテルが見える。なかなかおもしろい景色である。便利なホテルだからまた泊まりたいなあ。なにしろホテルから歩いてスーパーに行けるというのがいい。

伊那松島を過ぎてしばらくすると辰野(たつの)だ。このあたりは盆地がせまい。ここからは中央本線だが、岡谷まで特急は走っていない。そんなせまい盆地を電車は走り、岡谷に到着する。
この飯田線の電車は茅野まで進む。岡谷から茅野まではひとつの市街地みたいなものなので直通するのは便利である。下諏訪、上諏訪と多少人家の多い場所を飯田線の電車は進んでいく。そして終点茅野に到着である。


昼食

さて、7~8年前に買った鉄道旅行の本に、茅野駅前にうまいそば屋があると書いてあったような気がする。でも何というそば屋だったか忘れてしまった。とりあえず駅を出て探してみよう。青春18きっぷを見せて改札を通る。
まずは駅前の大通りを見てみる。どう見てもそば屋っぽい店はないなあ。よし、反対側、北側に行ってみよう。
確かにそば屋があった。ここかなあ。まあいいか。ここで昼食にしよう。

店に入り、そばを注文する。やっぱり長野なのでそばはうまい。
本に書いてあったそば屋はここではないのかもしれないが、きょうは長いことロープウェイを待って、すっかりくたびれたのでなんでもうまく感じられたのかもしれない。ましてきのうの夕食は弁当屋の弁当だったし。
やっぱり旅先で食べるうまい食事はいいなあと思いながらそばを食べ終えた。ごちそうさま。


おやつ

店を出る。電車まではしばらく時間があるが、どこか食べ物が買える店はないかな?
しかしそば屋の近くはコンビニとかない場所だった。でも小僧ずしはあった。小僧ずしと言えば1994年の年末に行った瀬戸大橋線の茶屋町の駅前にも小僧ずししかなかったっけ。

旅先ではいわゆる「代用品」みたいな店がたくさんあるなあと感じる。たとえば早朝は普通の食堂が開いていないから喫茶店でモーニングセットを食べたりすることが多い。
小僧ずしも似たようなものだ。小僧ずしには悪いけど、ほかにコンビニとかあれば寄らない場所だなあと感じる。
とりあえずすしとか食べるつもりもないし、何を買ったか忘れたがすし以外の食べられそうなものを適当に買った。さあ、小僧ずしを出て茅野駅に戻ろう。

中央本線その2

旅行記本文

小僧ずしを出て茅野(ちの)駅に戻る。

時刻表ではもうしばらく普通電車はないが、もう駅に戻ってもいいだろう。
駅に戻って窓からまちなみをながめる。やっぱり長野県の主要都市だけあって駅前はお店が集まっていてにぎやかだ。そんなふうにして時間を過ごすと新宿方面の電車の発車時刻が近づいた。青春18きっぷを見せて改札を通り、ホームに行く。
電車がやってくる。客がけっこう降りたあとに乗る。無事すわれた。中央本線は茅野から小淵沢(こぶちざわ)まではけっこうすいているのだ。

あまりあくせく電車に乗らず、観光する旅行を始めたのはおととしの10月に京都と金沢を旅行した時である。
やっぱりこういう旅行はいいなあと思いながらやまなみをながめる。そして甲府を過ぎる。

もう暗くなってきた。なにしろしらび平で2時間も待たされたし、茅野でもけっこう電車が来なかったので、きょうはロープウェイに乗るだけの一日になってしまった。まあこういうのもいいだろう。

ことしの夏の残りの青春18きっぷは帰省だけに使うつもりなので、しっかりこの景色を見ておくことにする。
冬の青春18きっぷはどう使おうか。どこかの定期観光バスにでも乗ってみたいが、定期観光バスは朝早いバスが多いから計画するのがむずかしそうだ。まあおいおい考えていこう。
すっかり暗くなって電車は高尾駅に到着した。電車を降りる。あしたは1日ゆっくり休んで夏休みまでもう少し会社で働こうと思いながらアパートに帰っていった。

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