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Sorry, Japanese only! (1994年7月その3)

20.茨城の私鉄めぐり

説明

1994年は、ぼくが本格的に全国の鉄道に全部乗ろうと考えた年でした。
1994年の夏は、青春18きっぷを使って東京から多少離れたJR線や私鉄に乗る計画を5回分立てました。その一環としてまず、大垣行き夜行に乗って愛知県に行き、武豊線、明知鉄道などに乗る旅をしました。

さて、大垣行き夜行に毎回乗っていても疲れてしまうので、5回のうち2回は日帰り旅行にします。とりあえず茨城に行くことにしました。
ホリデーパスで佐貫に行けば乗れる関東鉄道竜ヶ崎線には夏前に乗ったのでその他の場所にします。

まずは鹿島鉄道に乗って、終点の鉾田(ほこた)から鹿島臨海鉄道に乗り換えることにします。

あとは水戸に出て水郡線に乗ったり、ほかにも日が暮れるまでいろいろ私鉄に乗ろうと思いました。

旅行当日も無事朝目が覚めて、ぼくはもより駅から上野に向かったのです。

常磐線その1

上野駅

山手線は無事上野駅に到着した。

上野駅から常磐線に乗るのは何度目だったかなあ。首都圏120円大回り旅行とかやった時に乗ったことがあったような気がする。途中下車できないがそれなりにおもしろい旅行であった。

今回は青春18きっぷなのでばりばり途中下車できる。まずは常磐線の石岡で降りて鹿島鉄道に乗る予定である。

常磐線は取手止まりが多く、石岡は取手より先なので取手行きでない電車に乗らなければならない。たまにそういう電車は上野駅の低いホームから出ることがある。

今度の常磐線は山手線と同じ高さのホームから出るようだ。さあ、乗り換えよう。

なんとか常磐線のホームに行く。電車が入線してきたので乗る。多少古い電車である。

発車時刻になり、電車は上野駅を出発していった。


上野~石岡

常磐線は、我孫子(あびこ)までは首都圏大回り旅行で何回か通ったことがある。北千住を過ぎるとまわりにレールが増え、川を渡って進んでいく景色はもう何度も見ている。

友部(ともべ)から仙台までも何回か乗ったことがある。かなり昔、青春18きっぷが出始めたころは東北本線のダイヤが悪く、常磐線の方が早く仙台に着く時代があったからである。

我孫子から友部まではそんなに多くは乗っていない。だから石岡に行くこの旅行は楽しみである。

我孫子を過ぎて利根川を渡ると電車はだんだんと都会を離れていく。家並みも少なくなる。

ホリデーパスが使える限界の土浦も過ぎた。かなり森や畑っぽい景色が続くようになってきた。

土浦から石岡まではそんなに時間がかからずに着いた。石岡で電車を降りる。

それほど都会の駅ではないようだ。さあ、きょうの鉄道旅行の始まりだ。まずは鹿島鉄道のホームを探そう。

鹿島鉄道

石岡~鉾田

上野から乗ってきた常磐線の電車を石岡で降りた。さて鹿島鉄道のホームはどこだろう。

どうやら階段をのぼっておりると行けるようだ。無事鹿島鉄道のホームに行く。ホームで鉾田(ほこた)までのきっぷを売っているようなので買った。

先月乗った関東鉄道竜ヶ崎線の佐貫(さぬき)駅みたいにいったん駅を出る必要があるのと比べると便利である。同じ関東鉄道の下館(しもだて)駅に雰囲気の似ている駅である。

ディーゼル車に乗って出発である。すぐに市街地を離れていく。霞ヶ浦の北を通る路線らしいが霞ヶ浦は見えない。けっこう距離が離れているようだ。

お客は少なすぎず多すぎずいい雰囲気である。いすみ鉄道や小湊鉄道みたいな山の中を走る路線もいいが、こうして平地を走る路線もなかなかいいものだなあと思う。畑や田んぼが見える路線をディーゼル車は進んでいく。

のんびりした路線をしばらく進んで、ディーゼル車は終点鉾田に到着した。この路線は終点まで乗る人が多いようで、改札はけっこう混雑していた。


鉾田~新鉾田

さて鹿島臨海鉄道の新鉾田駅まで歩かなければならない。さあどっちだろう。

とりあえず海岸方向に進んでみる。しばらく進むと踏切があった。どうやらこれが鹿島臨海鉄道のレールのようだ。

おそらく新鉾田駅は左に進むとありそうだが、道は2つある。踏切を渡らずに左に進む道と、踏切を渡ってから左に進む道だ。

ぼくは踏切を渡ってから左に曲がってみた。

鹿島臨海鉄道のレールを左に見ながら進んでいく。ゆるやかに坂道をのぼっていく。

左手の下の方に駅が見えてきた。げっ!道は右に曲がっているけれど、駅の方に通じる方向は草むらになっていて道がない!

ぼくは仕方なく草むらを進んで、かなり疲れて新鉾田駅にやってきた。やっぱり駅と駅の間を歩いて行き来する時は、25000分の1の地図でも見ながら進んだ方がいいなあとこの時思った。もしあとで駅から駅に歩くようなことがあったら、なるべく地図を見ておくことにしようとこの時思ったのである。

さあ、きっぷを買おう。

鹿島臨海鉄道

新鉾田駅

鹿島鉄道の鉾田(ほこた)駅から歩いてなんとか鹿島臨海鉄道の新鉾田駅にやってきた。さてきっぷを買おう。その前に、今度来る列車は鹿島神宮行きか水戸行きか調べよう。

どうやら次に来るのは水戸行きの「急行はまなす」という、2月に札幌に行くために青森から乗った列車と同じ名前の列車のようだ。急行券が乗車券とは別に必要だが200円らしい。乗車券を自動券売機で買い、窓口で急行券を買った。

鹿島神宮行きが先に来たら乗ろうかとも思っていたが、またの機会に乗ることにした。このあたりでは銚子電鉄にも乗っていないので、あとで水戸から鹿島神宮に行き、銚子までバスに乗って行くことにした。

さて新鉾田駅のホームは高架である。改札を通って階段を上がる。お客は全然いない。こんなものなのかな。

しばらく待っていると水戸行きがやってきた。けっこう立派なディーゼル車で、急行だけのことはある。乗ってみると2列席だ。でもお客は全然いない。


新鉾田~水戸

適当な席にすわると発車である。前の方を見ると、モニターがあった。何を映しているのかと言うと、どうやら運転手席から見える前方の風景を映しているようだ。さっそくトンネルが見える。モニターの景色がトンネルに入ると、数秒遅れて今すわっている車両がトンネルに入る。こりゃおもしろい。

車掌がやってきたので乗車券と急行券を見せる。これしか客がいないのにたいへんである。

「臨海」と名のつく路線なのに海は全然見えない。おそらく海からはけっこう離れているのだろう。

トンネルを何本も抜け、森の中を走る。2月に乗った三陸鉄道に良く似た景色だなあと思った。そんなふうにして時間が過ぎる。

自然

森の続く景色が終わり、大洗を過ぎると平野の景色が続いていく。相変わらず客は少なく、のんびりした列車である。

そして終点、水戸に到着した。水戸はJRの駅に鹿島臨海鉄道のホームがあるようだ。まずは階段を上がり、次の水郡線の時刻を調べてみることにした。

水郡線

昼食

新鉾田から乗ってきたディーゼル車を水戸で降りて、水郡線のディーゼル車の発車時刻を調べた。

なんと約2時間も先の発車であった。しかたがない。昼食にしよう。

水戸駅にははじめて降りるので全く街を知らなかったが、とりあえず南口に進んでみた。そして西に進む。喫茶店があった。入ってみる。スパゲッティでも食べよう。

喫茶店

まんがが置いてあったので見ることにする。「炎の転校生」というまんがだ。

読書

えーとなになに…「松本伊代と結婚しろと言ったらするのか!」「する…松本伊代とだったら結婚するぞー!」

主人公「滝沢」のせりふが笑えるものだった。
もちろん伊代ちゃんがヒロミさんと結婚する前に描かれたまんがだろう。なんだかおもしろいまんがだなあと思いながら読み進める。スパゲッティが出てきたので食べる。今日もうまい。

そんなこんなで時間が過ぎた。もう喫茶店を出ることにする。


水戸~上菅谷

水戸駅に戻り、青春18きっぷを見せて改札に入る。鹿島臨海鉄道は一番南のホームだが、水郡線は一番北のホームだ。階段をおりてみるとディーゼル車があった。
新鉾田から水戸まで乗ったディーゼル車は急行なので新型だった。それに比べると水郡線のディーゼル車はいかにも普通列車という感じだが、先月大原から上総中野(かずさなかの)まで乗ったいすみ鉄道や、上総中野から五井(ごい)まで乗った小湊(こみなと)鉄道のディーゼル車よりは新しい感じだった。

さすがに2時間ぶりの列車なので多少混雑している。それでもすわれたのですわる。しばらくすると発車だ。

常磐線と分かれ、川を渡る。渡るともう市街地ではない場所のようである。そのまま進んでいく。
多少家並みの少なくなった場所を北に進み、上菅谷(かみすがや)に着いた。ここで降りる。


上菅谷~常陸太田

すぐとなりに常陸太田(ひたちおおた)行きの列車が停車していたので乗り換える。あまり乗り換える客はいなかった。そのまま出発。

家並みはさらに少なくなり、畑も見えるようになってきた。水戸からそんなに離れていない場所なのに田園地帯が広がっているようだ。
そんなことを考えているうちにディーゼル車は終点、常陸太田に到着した。ディーゼル車を降り、青春18きっぷを見せて改札を出る。

さて、日立電鉄の常北太田(じょうほくおおた)駅はどこかなあ…と思ったが、案ずることはなく、駅舎はJRの駅舎のすぐ近くに見えた。さあ、乗り換えだ。

日立電鉄

常北太田駅

上菅谷(かみすがや)から乗ってきた水郡線のディーゼル車を常陸太田で降り、改札を出るとすぐそばに日立電鉄の常北太田(じょうほくおおた)駅があったので駅舎に入ってみた。

なんとも古そうな駅舎だった。JR常陸太田駅もそれほど新しいものではないが、日立電鉄の駅の方はさらに古い。とりあえず鮎川まできっぷを買う。

ホームに出て電車に乗ると、なんともまあ古い電車であった。こんなに古い電車に乗るのは小学生のころの地元の電車以来かもしれない。
木の床、すすけた天井やつりかわなど、関東にこんな電車があったんだなあと改めて思った。ほとんど客もないまま電車は発車する。


常北太田~鮎川

電車はごとごととゆっくり走る。今まで乗っていたJRのディーゼル車がけっこう新しめのディーゼル車だったので、日立電鉄の電車がさらに古く感じる。
景色は水郡線の景色とそれほど変わりないが、やや水郡線より傾斜が多いような気がした。

そのうち畑の多い景色から住宅の多い景色に移り変わり、常磐線との乗換駅、大甕(おおみか)に到着した。数少ないお客はほとんど降りてしまった。そしてまた発車する。

常磐線を高架でまたぎこし、しばらくは常磐線と離れて住宅街を進むが、やがて住宅がまばらになり、常磐線のレールも見えてきて、終点鮎川に到着した。ここできっぷを運転手に渡して電車を降りた。


鮎川~日立

さて、このまま大甕まで引き返すよりも、歩いて常磐線の駅まで行きたい。どちらに行こうか。

ぼくは日立駅に向かうことにした。てくてく、てくてく、住宅街の道を進む。車通りが多い。
途中海が見えた。やっぱり海はいいなあ。
海が少しだけ見えたので励まされ、なおも進んだ。やっぱり水戸方向に歩いた方が良かったかなあ。でも海が見えたからいいか。
そんなことを考えていると、ようやく日立の町中に入ってきた。貨物の駅らしく、貨車が置いてあるスペースが広く取られている。工業の街だからなあ。

さらに進み、ようやくJR日立駅が見えてきた。だいぶ鮎川から時間がかかった。もう夕方近い。このまままっすぐ帰るのもなんだし、あとは茨城交通にでも乗って行こうかと思いながら、日立駅に入っていった。

常磐線その2

旅行記本文

日立電鉄の鮎川駅から歩いて歩いて、なんとか日立駅にやってきた。青春18きっぷを改札に見せて通る。上野行きのホームに行く。

土曜日の夕方なので学生の客が多い。もう夏休みのはずだから、部活の学生かもしれない。ジャージを着ている学生が多い。

上野行きの電車がやってきた。うわーっ!編成が短い!ぼくが待っていたずっと前まで電車が行ってしまった!

あわてて電車まで走って乗る。ものすごく混雑した電車である。

電車は発車する。ぼくは会社に入って最初の2年は電車通勤だったので、これよりすごい混雑も経験はしているのだが、やっぱり混雑はつらいものである。

日立を何駅か過ぎると、だんだんと学生が降りていく。学生は乗る区間が短いことが多いからである。

さて、これからどうしよう。まだ勝田から出ている茨城交通が残っている。きょう乗ろうかな?
考えた末、乗ることにした。まだ日が沈んでいない。茨城交通の終点の阿字ヶ浦(あじがうら)まで行くと日が暮れるだろうが、なんとか上野まで帰れそうだ。

電車はまだまだすわれないようだが、勝田で降りるのでがまんして進む。

ようやく電車が勝田に着いた。電車を降りる。茨城交通ではすわれるかなあと思いながら、茨城交通のホームを探した。

茨城交通

勝田~阿字ヶ浦

日立から乗ってきた大混雑の電車を勝田で降りて、茨城交通のホームを探した。

どうやら改札を出なくても乗り換えられるようだ。ホームで阿字ヶ浦(あじがうら)まできっぷを買った。

そしてディーゼル車に乗る。今日はディーゼル車にたくさん乗った日だったが、鹿島臨海鉄道や水郡線のディーゼル車ほど新しくなく、鹿島鉄道のディーゼル車と同じくらいの古さであった。でも日立電鉄の電車よりは新しいようだ。

ディーゼル車は発車する。夕方のJRを離れる列車なので、多少は客がいる。若い女性の客が多いが年輩の客もいることはいる。

勝田は市街地であったが、勝田を出るとすぐに畑の広がる風景になる。そんな畑が長いこと続いていく。

那珂湊(なかみなと)に着いた。なんとも古い駅舎であった。なんだか私鉄の駅というよりもJRの駅っぽい駅だなあと思った。そしてまた発車していく。畑もそれほど目立たなくなり、どちらかと言うと森が多くなった。

夕暮れ

線路は左にカーブしていき、あたりも暗くなってきた。そして終点、阿字ヶ浦に到着した。ここで降りる。


夕食

海岸沿いの駅のはずなのに、なんともさびれた駅であった。駅のまわりには雑木林があり、終点と言うにはさびれ過ぎている駅であった。

細い道が続いているので歩いてみることにした。歩き続けると、海水浴場みたいな場所に続いていた。でももう暗くなっているので客はほとんどいなかった。

海水浴場

でも海の家は営業していた。ためしに天ぷら定食をたのんでみたらOKだった。待っていると天ぷら定食が出てきた。うーん、うまい。

食事

やっぱり港がすぐ近くにある場所の海産物の天ぷらはうまいなあと思いながら定食を食べ終えた。さあ、駅に戻ろう。

阿字ヶ浦駅に戻り、勝田行きのディーゼル車に乗る。お客はさっきよりだいぶ少ない。海水浴に来る客はほとんど車なのだろう。

景色も見えない中をディーゼル車は進み、無事勝田駅に到着した。さあ、あとは常磐線に乗って寮に帰ろう。

常磐線その3

旅行記本文

阿字ヶ浦(あじがうら)から乗ってきたディーゼル車を勝田で降りて、上野行きの常磐線ホームに進む。

数時間前に日立から勝田まで乗ってきた電車とは違ってそれほど混雑していないと思うがどうだろう。
上野行きがやってきた。時間も遅いのでどうやらすわれそうだ。

すわって今日の旅行を振り返る。鹿島臨海鉄道の新鉾田から鹿島神宮までを乗り残してしまったので乗ってみたい。その時は、東京から水戸までバスに乗り、鹿島神宮まで来たらバスで銚子に行き、銚子電鉄に乗ったらまたバスで東京まで戻りたいなあと思った。

電車は水戸を過ぎ、まっくらな中を上野に向かって進んでいった。取手を過ぎるとだんだんとにぎやかになってくる。水郡線の上菅谷(かみすがや)から北は夏休み明けにでも乗ってみたいが、そのためには上野を朝5時過ぎに出る常磐線に乗らないといけないな、と思った。

松戸を過ぎると東京都内だ。この時間はもうそんなに混雑しない。早く寮に帰って休もう。

景色はさらに家並みが増え、日暮里を過ぎ、終点上野に到着した。山手線で寮に帰ろう。

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