46.名古屋の地下鉄旅行
説明
1996年も3月が近づきました。青春18きっぷはこの春から1枚つづりで5回分というきっぷにルールが変更になってしまっています。だから5回旅行しようと考えました。
5回のうち3回は、大垣行きの夜行に乗ろうと思いました。時刻表を見ていると、名古屋の地下鉄には毎月10日に600円で地下鉄・市バス乗り放題のきっぷが出ているということがわかりました。この日以外はもっと高いようです。たまたま1996年3月10日は日曜日でした。
名古屋の地下鉄にはだいぶ乗っていたので、大垣行き夜行で名古屋に行き、残っている地下鉄に全部乗ろうと思いました。乗った後は、名鉄も少し残っているので乗ろうと思いました。
そんなわけでいつもなら金曜夜出発ですが、この日は土曜日夜の出発になりました。翌週から「ムーンライトながら」という指定席のある快速が走り始めるので、まだながらが走っていない期間では最後の大垣行き夜行になりました。
このようにして、2ヶ月ぶりに品川に向かったのです。
東海道本線その1
品川駅
2ヶ月ぶりに品川駅にやってきた。
5年前の7月に始まり、1年ブランクをおいて3年前の11月から何度もこの夜行大垣行きに乗ってきた。
小中学校のときは必要に迫られて買った時刻表で、実家近くの列車のページしか必要なかったのだが、実家から遠い場所のページを見ていつか行ってみたいと思ったものだった。その中には大垣行きの夜行もあったし、常磐線に何本も通る寝台特急ゆうづるとかもあった。ゆうづるはなくなってしまったが、大垣行きは残っている。
そして就職し、大垣行きにやっと乗れるようになったわけである。
しかし、来週から時代が変わる。おそらく来週から走り始める快速「ムーンライトながら」は東京始発で、品川は横須賀線のとなりの方のホームに停車するだろうから、この臨時ホームに定期大垣行きと臨時大垣行きが並んで発車を待つのはあと6日なのだ。
そんなことも感じさせないまま、いつものように人が並ぶ。きょうは土曜なので金曜ほど客が多くなさそうだが、それでもそれなりに客は多い。なにしろ大学生はずっと春休みなのだ。ぼくも大学生のうちにもっと長い旅行をたくさんしたかったが、いかんせん金のなかった身なので休みは実家に帰るしかなかったのだ。せいぜい余った18きっぷで大学近くの日帰り旅行をするくらいだった。
ぼくはきょうも臨時の方に並ぶ。来週からはここのホームには臨時しか来なくなるので、どういう景色になるのだろう。また来月あたりに見てみたい。
発車
今回の最初の目的地は名古屋の手前にある金山(かなやま)という駅だ。と言うのも、名古屋の地下鉄にすべて乗るのが今回の目的であり、名城線は金山から久屋大通(ひさやおおどおり)まで乗っているので残りの区間に乗る必要があり、金山で降りるのが都合がいいのだ。いつもの岡崎で降りるのと違い、おそらくコンビニとかはないだろう。どこかで朝食とか食べられればいいのだが。
それにしてもこの春の青春18きっぷ、先週松江から網干(あぼし)まで使ったきっぷだが、1月20日までのきっぷだと使う前にあらかじめ日付を入れてもらうことができたはずだった。しかし今回のスタンプを押すところが5個あるきっぷはどうやら、大垣行きに乗るときは車掌にスタンプを押してもらう方式らしい。
でも足かけ4年間大垣行きに乗ってきた経験から言えば、いつもかなりの混雑で、車掌が通るスペースなんかないんじゃないかと思うんだけどなあ。
降りる駅で川崎までのきっぷを見せて、18きっぷに日付を入れてもらえればいいんだけどなあ。そう思った。そんなことを思いながら待つ。
きょうは今までと同じで、まず定期大垣行きが入線してきて、数分後に臨時大垣行きが入線してくる。臨時の方に乗り込む。きょうはすわれた。やがていっぱいになる。
そのうち定期大垣行きが発車だ。そしてこっちの電車も発車。約10回目になる大垣行き旅行が始まった。
就寝
さすがに土曜日なので、ネクタイをしめた会社帰りの人は少ない。それでもそれ以外の人が多いので客は多いようだ。多摩川を渡っていつものように川崎に停車。そして発車。
横浜を過ぎて、小田原までの間に何人か客は降りていく。そして熱海。多少車内はすいてきたが車掌がまわれるほどではなさそうだ。どうやらきょうは18きっぷに日付を入れてもらえなさそうだ。
前の席の方で、近くの席の客たちに向かって何か話している人がいる。
指定席のない大垣行き夜行が2本走るのも今週が最後なので、この瞬間を大事にしようとか、そんなことを言っているのかもしれない。
いずれにしてもいっしょに長距離電車に乗る仲間がいるのはいいなあと思いながら彼をながめる。そう言えばムーンライトながらにはグリーン車がないという話だから、大垣行き夜行のグリーン車が走るのも今週限りということだ。
青春18きっぷで乗れない席だから一度も乗ったことはないが、一度乗った方が良かったかもしれない。でも18きっぷが使えない時は混雑するそうだし、縁のない場所なのだろう。
そのうち眠くなって眠っていく。きょうは岡崎でなく金山まで行くので多少長く眠れそうだ。
金山到着
目が覚めた。浜松を過ぎているようだ。でももう少し金山までは時間がある。もうちょっと眠ろう。
また目が覚めると金山に近づいていた。もう眠らないでおく。名古屋の市街地が近づいていく。そして電車は無事金山に到着した。
席を立つ。地下鉄の接続駅だからもう少し降りる客がいてもいいものだが、この電車は名古屋で降りる人と大垣まで行く人の数が同じくらいなので、この車両で降りるのはぼくだけのようだ。ドアを開けてデッキに行く。出口は右側だ。
ずでーん
と、出口をふさぐようなかっこうで、若い女性がすわっている。しばらく前でどくのを待ったが、起きあがろうともしない。
弱ったなあ、もし男ならすきまから割り込んで出てもいいかもしれないが、なにしろ女だからたとえ脚でも体にさわったとたんにチカンと言われてしまいそうだ。どうしよう。
もう少しよく考えたら、ほかの出口に行けばよかったのかもしれないが、なにしろ起き抜けでねぼけていたので、ほかの出口に行っているうちにドアが閉まってしまうと考えたぼくは、しょうがないか、この女性をまたいで出ようと考えた。なんともまぬけなものである。
よっこらしょと若い女性をまたぎこす。あいかわらずじゃまだからどこうとは思っていないようだ。けっとばそうとすれば簡単にけっとばされるのだからあぶないと思ってどこうとは思わないようだ。
おっと、バランスをくずした。とっさに手すりにつかまろうとした。何かをつかんだ。
しかし手すりだと思ったものは、青いビニールシートにつつまれた自転車だったのだ!しかも固定とかされていないものだった!
ぼくは自転車を持ったまま、自転車といっしょにホームに前のめりにぶったおれた。若い女性は相変わらずすわったままのようだ。ずでーん。
改札
金山の駅員がやってきた。あれこれ女性に文句をつけたかったが、ぼくもねぼけていた。結局出たことばは、自転車を指さして、
「すいません、これ、ぼくのじゃありません。」だった。
ともかく駅員といっしょに自転車を車内に入れる。そして大垣行きが発車していく。
あの自転車、ぶっこわれているかもしれないなあ。まあ、あの子のせいだからしょうがないか。自転車がこわれていないことを祈りながらホームを進み、階段を上がる。
そして川崎までのきっぷと1日目のスタンプが押された青春18きっぷを取り出す。新しい青春18きっぷが出てからもう10日もたっているので、金山の改札も特に間違えることもなく、川崎までのきっぷは回収され、18きっぷの2日目に3月10日の日付が押されて戻ってきた。
さあ、地下鉄に向かおう。去年4月に名城線に乗ったとき、金山は渋谷や新木場と違って地下鉄は地下だったよなあと思い、くだり階段を探した。
名城線その1
金山~名古屋港
品川から乗ってきた電車を金山で降りて改札を通った。この駅は名古屋駅よりも地下鉄に乗り換えやすいはずだ。
案内をよく見て、とにかく下に向かう階段をどんどんおりていく。すると名古屋で地下鉄に乗り換える時間の数分の一で地下鉄の改札に出た。
しかし、自動券売機を見ても、いつもの高い値段の一日乗車券しか売っていないようだ。今日は3月10日なので、ノーマイカーデーフリーきっぷが売っているはずなのだが。
試しに有人改札に行ってみたらそこで売っていた。無事買って改札を通る。
まずは名古屋港に行く。そして東名古屋港まで歩く予定だ。NATT(名古屋の時刻表)によれば、東名古屋港を出る始発の電車は朝8時過ぎでけっこう時刻が遅いようなので、その電車に間に合うように歩ければいいなあと思った。
ホームがいくつかあるようだが、案内に名古屋港とあるし、ここでいいだろう。終点なので名古屋港行きに乗ればいいなと思っていたら名古屋港行きがやってきたので乗る。発車。
日曜で朝早いので地下鉄はがらがらだ。もっとも昼間でもがらがらかもしれない。お客が少ない中、地下鉄はすいすい進み、無事名古屋港に到着した。
バス
自動改札にノーマイカーデーフリーきっぷを通して出る。さて東名古屋港まで歩かなければならない。
駅を出るとバスターミナルがあった。そうだ!このきっぷはバスも乗れるようだ。目の前のバスも乗れるだろう。
たぶん東名古屋港に抜けるルートからははずれていそうだが、ほんの数停留所ならバスに乗った方がいいだろうと考え、目の前の名古屋行きバスに乗った。もちろんお客はぼくだけだ。
乗ってしばらくしてバスが発車する。もちろん道は渋滞なんかしていない。ほんの2~3停留所ほど進んだところでボタンを押してノーマイカーデーフリーきっぷを見せてバスを降りた。さあ、何時間かかるかわからないが、東名古屋港まで歩こうと思い、目の前の道を歩き始めた。
名鉄築港線
徒歩
地下鉄名古屋港駅から乗ってきたバスを降りて歩きだした。
そこには大きな橋があった。たぶんこの橋を渡って、右に曲がって多少歩けば名鉄の東名古屋港駅に行けると思ったので、とりあえず橋を渡ることにした。
だいぶ歩いたけど、まだまだ橋のまんなかのようだ。ちょっと休もう。
ぼんやりと、川と言うより運河と言った方がいい水路をながめてみた。青春18きっぷで名古屋まで来て、なんでこんなところにいるんだろうなあ。
まあいいかと思い、また歩きだした。そしてようやく橋を渡りきり、右に曲がって進み始めた。
自動車の都市、名古屋だけあって、道もけっこう広くて車もすいすい通っていく。今は日曜の朝だから、たいした車もないのかもしれないが。そんなふうにしてだいぶ歩いた。まさか駅を見落としてはいないだろうな?
案ずることはなく、そのうち左手に、高架のレールっぽいものが見えてきた。あれが東名古屋港駅かな?
東名古屋港~大江
道路をはずれて進んでみると、まさにその通りだった。東名古屋港駅だ。しかし、大垣行き夜行を金山で降りてからだいぶ時間がたっているのに、なんとまだ始発の大江行きの電車が出る時刻になっていなかった。
おととし乗った鶴見線の大川、去年乗った小野田線の長門本山、1月に乗った南海の水軒や山陽本線の和田岬と同じように東名古屋港も朝晩しか電車が来ない場所なのである。
また、高架のレールが何のためにあるのかよくわからないが、大江行きの線路は高架とは別に地上に敷かれている線路だった。
まずは金山まできっぷを買って待つ。
大江行きがやってきた。降りてくる客が多少いる。10人もいなかった。これから乗る客も10人もいない。まあ、わざわざ1駅だけレールを敷いたのだから、客がまったくいないというわけではなさそうだ。電車も他の名鉄路線の電車とたいして変わらない。乗ってすわってしばらく待つと発車する。
名古屋の港付近の工業地帯っぽい景色の中を電車は進み、無事大江駅に到着した。ここで電車を降りる。
大江~金山
あとは金山に行くだけである。日曜の朝なので常滑線の客もそれほどいなかった。金山の方に行く電車が無事到着し、乗ると客の数はたいしたことはなく、無事すわれた。そして発車。
去年9月にここに乗った時はずっと眠っていたので、今日は起きて景色をながめてみておく。とは言っても住宅地と空き地が続いているだけである。でも金山が近づくとだんだんと市街地になっていく。大きな建物もそこここに見える。
そして数時間前に出た金山駅に無事到着した。名鉄の金山駅のホームはJRの東海道本線ホームと中央本線ホームの間にあるので、なんだか変な駅だなあと思いながら、階段を上がって改札を通った。さあ、また地下鉄の駅に行こう。
名城線その2
旅行記本文
3時間ぶりに金山駅に戻ってきた。名鉄の改札はJRの改札のとなりなので、地下鉄に行くには3時間前に通った道をそのまま進むことになる。
そして地下鉄の改札に来た。1日券を自動改札に通して進む。今度は新瑞橋(あらたまばし)行きに乗ればいい。ホームに来て新瑞橋行きを待つ。
やってきた。でもまだ朝9時を過ぎたところなのでやっぱり電車はがらがらである。
電車は進んでいくがさっぱり乗り降りのないまま新瑞橋に着いた。ここで降りる。
あとちょっとで名古屋の地下鉄も完乗である。さあ、桜通線に乗り換えて野並(のなみ)に行こう。
桜通線
新瑞橋~野並
金山(かなやま)から乗ってきた名城線の電車を終点新瑞橋(あらたまばし)で降り、桜通線のホームを探した。名古屋の地下鉄のほかの乗換駅と同じく、新瑞橋も名城線と桜通線の2路線しか乗り入れていないのでホームは楽に見つかった。
まずは終点の野並(のなみ)に行く電車に乗る。やってきた。さすがに日曜の午前中なので客は少なく、楽にすわる。発車。
もしかしたら東山線の藤ヶ丘みたいに地上に出るのかなあと思ったが、予想に反して地下のまま、終点野並に到着した。
終点ではいったん改札を出て、地上に出ないとおもしろくない。地上に出た。うーん、光がまぶしい。
朝食
そこは住宅地であった。ところどころ空き地もある。
東京だと地下鉄の通るところが住宅地になっていて、そんなにお店もないなんて、都営三田線の高島平の方くらいだけど、ここは高島平よりも車通りの少なさそうなところである。
こんなところだから朝営業している食堂なんかなさそうだなあと思ったら、喫茶店を見つけた。時間はあるし、モーニングセットでも頼もうか。
そう言えば1月にも高知の市電の終点近くの喫茶店でモーニングセットを食べたっけなあ、その前はおととし稚内で食べたっけなあと思い出しながらトーストを食べた。
多少おなかもふくれたところで喫茶店を出て地下鉄に戻ることにする。
野並~久屋大通
階段をおりてノーマイカーデーフリーきっぷで改札を通る。もうこれで名古屋の地下鉄で乗っていない場所は桜通線の新瑞橋~今池と名城線の久屋大通~大曽根だけになったので、まとめて乗るのだ。
ホームに停車している電車に乗る。相変わらず客は少ない。久屋大通で降りればいいんだよなと思っているうちに発車だ。
日曜午前の地下鉄は相変わらず客も少ないまま、去年東山線から桜通線に乗り換えた今池を通る。これで桜通線も全部乗ったことになった。客が少ないままさらに進む。
そして目的地、久屋大通に着いた。ここで降りて名城線に乗り換えだ。去年4月には名城線から桜通線に乗り換えたから逆の乗り換えということになる。なんとか乗り換えられるだろうと思ってぼくは電車を降り、名城線のホームへと向かった。
名城線その3
旅行記本文
桜通線を久屋大通(ひさやおおどおり)で降りて名城線に乗り換えである。名古屋の地下鉄は東京の大手町みたいに4路線も5路線も乗り入れてくる駅はなく、どの駅も2路線ずつしか乗り入れないため乗り換えやすい。
去年4月の旅行では名城線から桜通線に乗り換えたが、今度は逆の乗り換えである。なんとか乗り換えてホームに来た。大曽根行きに乗ればいい。
大曽根行きがやってきた。さっきよりちょっとだけ客が多いが、それでも空席がある。乗って進む。
日曜の午前中の客の数はこんなものなんだろう。けっこう時間がかかってようやく終点、大曽根に到着した。これでぼくは名古屋も地下鉄完乗となった。
しかし去年時間がなくて名鉄瀬戸線は大曽根~栄町間を乗り残している。さっそく乗ろうと思い、自動改札を通る。このきっぷはバスも通れるので持っていくことにする。そして階段を上がっていく。
野並以来30分ぶりに地上に出た。JRの駅がそばにある。
名鉄の改札はそれほど離れていなかったよな、と思いながらぼくはとりあえず名鉄の自動券売機に向かった。
名鉄瀬戸線
旅行記本文
久屋大通(ひさやおおどおり)から乗ってきた地下鉄を大曽根(おおぞね)で降り、名鉄瀬戸線の駅まで来て、自動券売機で栄町まできっぷを買った。
そして改札を通って去年8月に降りたホームに行く。栄町行きの電車がやってきた。乗る。
名古屋の中心地に進む電車なのに、今まで乗ってきた地下鉄と同様に客は少なかった。日曜の朝の電車ってみんなこんなものなのだろうか。
電車は都会と言うにはややこじんまりした家並みの中を進んでいくが、そのうち地下に入っていった。栄町は地下鉄の栄の近くなのに、私鉄が地下に進む余地があるんだなあ、まあ、近鉄のなんばも地下鉄密集地なのに地下に私鉄の駅があるから似たようなものかと思いながら電車は進んでいく。
そしてようやく電車は終点、栄町に到着した。地下の駅だ。でもそんなに客はいない。まずは電車を降りて改札を出る。
さてここから上飯田まで行かなければならない。バスがあったらいいなあと思い、とりあえず地上に出ることにする。階段をのぼっていく。
ようやく地上に出た。今まで地下にいたので東西南北がわからない。
去年の4月に菅野美穂ちゃんと握手したときに来た名古屋東映は栄町の出口からは多少離れているようだ。とりあえず上飯田行きのバス停があることを信じて歩いてみることにした。
バス・栄~上飯田
バス停
大曽根(おおぞね)から乗ってきた名鉄の電車を栄町(さかえまち)の地下駅で降り、階段を上がって地上に出た。さて、ここから名鉄の上飯田(かみいいだ)駅に行きたい。
上飯田駅は地下鉄もその他の電車も全然来ていない孤立した駅であるが、栄は名古屋の中心地だし、栄から上飯田までバスが出ていることを信じてバス停を探した。
おお、やっと見つけた。なんと上飯田行きは1時間に1本しかない。
でも幸いなことにあと10分でやってくるようだ。とりあえず待とう。
やってきた。栄が始発ではないらしく、どこかから客を乗せてきていた。金山で買った毎月10日に売っている1日乗車券を見せると無事乗れた。客はほんの5人程度である。日曜朝10時過ぎなのにいつもこんな人数なのだろうか。
栄~上飯田
バスは発車する。車が全然渋滞していないのでバスはすいすい進んでいく。乗る客も全然ない。
栄は中心街といった感じの場所であったが、ちょっとバスが走るだけですぐにお店とかが全然なくなり、家並みはあるものの住宅街っぽい場所になった。道も細くなった。車通りが全然ない。
バスはとにかく信号とかに引っかかることもなく、すいすいと進んでいく。名古屋ってこんな場所なんだなあ。
そして「次は終点、上飯田です」のアナウンスがあった。そして電車の高架が見える場所にバスは入っていった。
そして高架駅の下にバスは到着。ぼくを含む客はバスを降りた。これでこの1日乗車券も用済みとなったのである。
駅のまわりには商店とかがいくつかある。ぼくはこの変な場所をながめてみた。
名鉄小牧線
旅行記本文
栄から乗ってきたバスを上飯田で降りた。
ここはお店がいくつか固まっている場所のようである。そして商店のまんなかにちょっと高い建物があり、建物に向けて北から線路の高架が突き刺さるように通っており、行き止まりになっている。なるほど、これではこの線路は南に向けて延長するなんてできないなあ。なんでこんなつくりにしたんだろう。
なにはともあれ新鵜沼(しんうぬま)まできっぷを買っていくことにする。青春18きっぷがあるのだから、鵜沼から岐阜まではJRで行った方がいいだろう。きっぷを買うとてくてく階段を上がり、改札を通ってホームに来た。
電車に乗る。去年犬山から小牧まで乗った時もすいていたが、上飯田でもすいているようだ。そのまま高架のホームを発車。電車は進んでいく。上飯田は名古屋の市街地のはずれのようで、すぐに畑の広がる景色になる。線路は高架をおり、進んでいく。
去年降りた小牧に着いた。今日もあまり乗り降りはなく、さらに進んでいく。こんな客の数で名鉄は本当に大丈夫か心配になる。
そして電車は終点、犬山に着いた。電車を降りる。さあ、新鵜沼行きの電車に乗り換えだ。ホームはどこだろう。
名鉄犬山線
旅行記本文
上飯田(かみいいだ)から乗ってきた電車を犬山で降り、新鵜沼(しんうぬま)行きのホームを探した。
よくよく考えたらこの駅には去年の8月に来ているんだった。それほど乗り換えにくい駅というわけでもなく、階段を上がっておりて無事新鵜沼行きのホームに着いた。しばらく待つ。
電車がやってきた。新鵜沼にはどの列車も停車するだろうと思い、電車に乗る。それほど混雑していない。名鉄ってすいているなあ。
あとは去年の9月にも通った場所である。モノレールの駅のある犬山遊園を過ぎ、電車は道路との共用橋を通っていく。電車が通るときは車がよけ、よけている間に電車が通るのである。
橋を渡ると電車はまた道路の外に出てしばらく進む。そしてしばらく進むと目的地、新鵜沼である。ぼくは電車を降りた。
さて、ここから高山本線の鵜沼駅に行くにはおそらく駅の中に連絡通路があるんだろうと思ったが、どうせなら駅の外を歩いてJRの駅に行ってみたいと思い、まずはいったん名鉄の改札を出てみることにした。
高山本線
新鵜沼~鵜沼
犬山から乗ってきた電車を新鵜沼(しんうぬま)で降りた。電車を降りずに新岐阜まで乗った方が速いのだが、青春18きっぷを持っているのでここから先はJRに乗って節約するのである。まだJRの方の岐阜行きが出るまで時間があるのでいったん新鵜沼の改札の外に出ることにした。
もしかしたら歩いてJRの鵜沼まで行けるかもしれないなあと思い、駅のまわりを散歩してみることにした。
なんでも新鵜沼には名鉄からJRへの渡り線があるそうなのでそれを確認してみようというねらいもある。
しかし、歩いてみるとすぐに行き止まりになる。
そんなことを繰り返し、どうしてもJRの駅は見つからず、渡り線も見つからなかった。仕方ない。あきらめて名鉄の新鵜沼駅に入ろう。ためしに青春18きっぷを見せて入ってみたらちゃんと改札を通してくれた。
改札の中にはJR鵜沼に行く連絡通路があり、通路を進むとたちまちJRのホームに着いたのである。そこで岐阜行きのディーゼル車を待った。
鵜沼~岐阜
ディーゼル車がやってきた。乗るとそれほどお客はおらず、楽にすわれた。そして発車。何回か乗ったことのある高山本線を通っていく。
そのまま岐阜駅に到着した。去年は岐阜駅にはかなり世話になっているが、今年は今日以外は通過するだけになりそうだ。
東海道本線に乗り換えるわけではないのですぐに出口に向かう。すんなりと出口に着き、青春18きっぷを見せて通る。
昼食
さて、今日は名鉄と地下鉄にかなり乗ったが、最後に乗る名鉄は徹明町(てつめいちょう)から競輪場前に至る区間である。
去年8月に乗った、岐阜駅前から忠節(ちゅうせつ)に至る路線で徹明町に行ってもいいが、どうせなら歩いていこうと思った。
去年は名古屋や岐阜に何回か来ており、味噌煮込みうどんやみそかつ定食を何回か食べているので、もし徹明町までの間に味噌煮込みうどんが食べられる食堂があれば入ってみようと思った。
そんなわけで徹明町に向けて北に歩く。名鉄の新岐阜駅を過ぎてさらに歩く。
右手に食堂を見つけた。いい雰囲気の店構えである。入ってみよう。
ねらいどおり味噌煮込みうどんが食べられる店だった。注文する。今日は朝から歩き通しだったので、しばらくゆっくりしよう。
しかしそんなに待たないうちにうどんがやってきた。
そして何回目かになる味噌煮込みうどんを食べる。ずるずるずる。今日もうまかった。
おなかもいっぱいになったところで徹明町に向かうことにした。
名鉄・徹明町~競輪場前
徹明町~競輪場前
味噌煮込みうどんを食べてうどん屋を出ると右に曲がり、北に進んで徹明町(てつめいちょう)を目指した。
なんとか市電のレールがT字に交わる交差点にやってきた。岐阜駅前~忠節を結ぶ線路の停留所と、美濃市に向かう停留所は若干離れている。美濃市方面の停留所に向かう。せまい安全地帯である。
美濃市の方向から電車がやってきて、お客が降りる。降りたあとにぼくたちお客が乗る。どちらも2~3人しかなく、日曜なのに(あるいは日曜だからか?)お客は少なかった。じきに発車する。
徹明町は岐阜の中心街で、車が多い。車が多いということは少なくとも車に乗っている人は名鉄には乗らないということである。
そんなわけで車の多い中心街の道路中央のレールの上を電車は進んでいく。
確か去年8月に新岐阜から美濃市まで乗った時の競輪場前は、若干畑が見える、多少市街地からはずれた場所だったように思う。
ということはそのうちこのレールも市街地からはずれるんだろうなあと思ったら、やっぱり畑が見えてきた。客が少ないまま電車は進んでいく。
そして右手に去年乗ったレールが見えてきたところで競輪場前に到着である。電車を降りた。これで岐阜県の名鉄はすべて乗ったことになる。
残った名鉄は河和(こうわ)線の富貴(ふき)~河和だけだが、今年の夏にでも乗ろうと思った。
競輪場前駅~岐阜駅
さて、あとはもう鉄道に乗る必要はないから、歩いてJR岐阜駅に行くことにした。
まずはレールに沿って新岐阜方向に歩く。
そのうちレールが右に曲がる。レール沿いに進めば新岐阜に行けそうだ。
しかしなんとなくレールからはずれてまっすぐ南に進んでみたくなった。進んでみよう。
てくてく進む。市街地から離れて田んぼが広がる場所にやってきた。
しかしレールが見える。高山本線のようだ。このへんで右に曲がろう。
いろいろ歩いて、なんとかJR岐阜駅までやってきた。ちょっと疲れた。でもまだ午後2時だ。
この時間なら普通列車だけで東京まで帰れるが、あしたは会社だ。ぼくの体力はだいじょうぶかなあと思った。
さすがに来週は青春18きっぷの旅はお休みである。ムーンライトながらが走り始めるが、乗るのは3週間後にする。来週は埼京線が新宿から恵比寿まで乗り入れるので、朝早く恵比寿に行って川越まで埼京線に乗ってみようと思った。
そんなことを考えながら、ぼくは青春18きっぷを取り出してJR岐阜駅の改札を通った。
東海道本線その2
旅行記本文
名鉄の競輪場前停留所からとっぷりと1時間ほどかけてJRの岐阜駅まで歩いてきた。もう午後2時だし、まっすぐ東京に帰ろう。
不便な形式になった青春18きっぷを改札に見せて通り、豊橋方面のホームに行く。
新快速がやってきた。きょうも満席である。乗って進む。名古屋で客がたくさん降りていくが同じくらい乗ってくるのですわれないまますごす。でも豊橋までの途中でなんとかすわれた。
浜松で乗り換えて静岡に着いた。
きょうは日曜で、あしたは仕事なのでできるだけ休んでおきたいが、静岡からはしばらく待つと東京行きが出る。きょうもたぶんすわれるから眠れるだろう。
それならきょうも夕食は静岡で食べよう。また食堂街に行き、ラーメンでも食べることにする。食事してひといきついた。
なにしろ先週今週と連続で旅行しているし、きょうは朝は金山駅ですっころんでしまったし、名古屋港から東名古屋港まで歩いたり、岐阜でも競輪場前から岐阜駅まで歩いたりしたのでつらい。
でも青春18きっぷが分割不可能になってしまい、4月10日までに5回使わなければならないのだ。そんなわけで毎週毎週18きっぷ旅行をしなければならない。来週くらいは休んで、再来週から3週連続で旅行だ。
静岡から東京行きに乗る。大垣行き夜行と同じボックス席の車両だ。乗るとただちに眠る。起きたころにはもう熱海を過ぎて神奈川県に入っていた。席も多少埋まっていた。東京が近づくとさらに客が増えるだろう。
きょうは名古屋の地下鉄に全区間乗れたし、いい旅行だったなあと思いながら東京に帰っていった。
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