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Sorry, Japanese only! (1995年8月その1)

54.雛形あきこちゃんと握手

説明

背景

1995年は阪神淡路大震災に始まり、某宗教団体のテロが追い打ちをかけた年でした。

そんな中でもアイドルの女の子が何人かデビューしていました。

とあるアイドル雑誌を見ると、気になる女の子がデビューし、デビューイベントを東京、名古屋、大阪で行うという記事が載っていました。

それは雛形あきこちゃんというアイドルでした。よく雑誌で水着になってくれる、多少胸の大きい女の子でした。胸はともかく顔もかわいい女の子でした。以前に松雪泰子さんが主演の「毎度ゴメンなさぁい」という番組にアイドルの笹峰愛(ささみねあい)ちゃんといっしょに出ていて、愛ちゃんとあきこちゃんが姉妹ゲンカをするシーンがおもしろかったなあと思い出しました。

しかし残念ながら、東京でイベントがある日は会社の夏休みです。この年は夏休みを3日つぶして青森旅行に行く予定でしたので、残りの夏休みはずっと実家で過ごす必要があり、ちょっと東京のイベントには行けそうにありませんでした。

しかし名古屋と大阪のイベントは一週間後でしたので行けそうです。土曜に名古屋、翌日に大阪という予定が書いてありました。


計画

8月は青春18きっぷが使えるので、青春18きっぷを使って大垣行き夜行に乗って名古屋のイベントに行けそうです。そんなわけで行くことにしました。

大阪のイベントにも行けそうでしたが、やっぱりやめておこうかと思いました。名古屋のイベントが終わったらまっすぐ東京に帰って翌日は休むことにしました。

雛形あきこちゃんの名古屋のイベントは「テルミナ」という場所で行われるそうです。

4月の菅野美穂ちゃんのイベントは、名古屋から地下鉄に乗った先にある栄(さかえ)という駅のそばの名古屋東映が会場でしたが、話によるとテルミナは名古屋駅のそばらしいので楽だなあと思いました。

今年はかなり青春18きっぷで旅行ができそうでしたので、新宿にあるチケット屋でバラ売りされていた18きっぷを7回分買いました。そのうちの1回分を使って雛形あきこちゃんの握手会に参加することにしました。(なお、7回分のうち3回分は、親に没収されてしまいました。)

こうして、「雛形あきこちゃんと握手するついでに名古屋近郊の私鉄に乗ろうツアー」の開始となったのです。

東海道本線その1

品川駅

山手線は、無事品川駅に到着した。

階段をおり、通路を進んで階段を上がり、去年12月以来ひさしぶりに大垣行き夜行の出るホームにやってきた。しかし、おわーっ!なんだ、この人の多さは!
ホームの左右のどちらかが定期の大垣夜行で、もう一方が臨時大垣夜行が出るホームだろうが、どちらも行列がながーく続いている。とりあえず並ぼうか。

定期の方の電車が入線してきた。ぼくが並んでいるのは臨時の方のようだ。定期の方は通路までいっぱいになったようだ。
臨時も入線してきた。しかし、ぼくが乗るころにはデッキも通路もいっぱいになっていた。
しかたなく、電車の連結器の上の鉄の板の上に乗った。本当はいてはいけない場所なんだろうけど、今日は車掌は来ないだろう。

そして電車は発車する。
もしかして、ここに乗っている客、みんな雛形あきこちゃんのファンで、みんな握手会に参加するため名古屋に行くのかなあ。
そんなことを考えているうちに電車は進んでいく。


品川~浜松

今までは大船を過ぎるとだんだんと降りていく人がいたものだが、今日の客はみんな遠くまで行くらしく、誰も降りない。
なにしろ今日は窓が見えないので外の景色が見えず、今どこにいるか全然わからない。

近くには床にぶったおれている人がいる。男女比はけっこう1:1に近く、女性もけっこう多いようだ。
女性たちは雛形あきこちゃんのファンじゃなさそうだな。ものの本によると、ジャニーズ系のタレントが関西でイベントを行う時に団体で大垣夜行で向かうことがあるそうなので、ジャニーズ事務所ファンかな?

とにかくぼくは立っていた。去年の9月もものすごい混雑であった。あの日は臨時大垣行きがなく、定期のみで混雑したが、臨時があってそれで混雑するのだからすごいものである。
やっぱり8月のこのあたりは大垣行きには乗らない方がいいのかもしれないな、と思った。

そしてようやく電車は浜松に着いた。
とりあえず降りて駅のトイレに向かう。客は多いが、それほど駅の改札の外のトイレに向かう人は多くないのである。


朝食

用をすませたが、相変わらず大垣行きは定期も臨時もお客が多く浜松が目的地の人は少なさそうである。
よくよく考えたら名古屋のテルミナで雛形あきこちゃんのCDを売り出すのはおそらく午前10時だ。
もう浜松に着いているので始発で名古屋に向かってもたぶん10時前には名古屋に着くだろう。

よし、もう大垣行き電車に戻るのはやめて、浜松に始発までいようと思った。
でも駅にずっといるのもなんだから、どこか深夜も開いている食堂がないかどうか探検してみることにした。

ぼくは駅の南口を、西に向けて歩き始めた。やがて市街地から離れ、暗い道になる。
たいして狭い道でもないが、本当にここが浜松市内かと思えるほど暗い場所になった。
それでも自分を信じて進んでいく。

進むとなんだかドライブインのような場所に着いた。こんな早朝なのに営業しているようだ。
メニューを見てみた。「カレーライス298円」とあったので注文してみることにした。

出てきたのは電子レンジでチンするカレーだった。食べてみるとけっこううまい。
こんな場所が駅から遠く離れた場所にあるんだなあと感心しながら店を出た。


浜松~豊橋

そして浜松駅に戻る。もと来た道を無事に戻れるか不安だったが、なんとか駅まで戻ってきた。まだ始発が出るには早い時刻である。
ぼくは駅の北に出て、広場で時間を過ごすことにした。2~3ヶ月前にも「春のレジャートクトクフリーきっぷ」で浜松に来たことがあるが、浜松の駅の北は整備されていて過ごしやすい。

始発の時刻が近づいたので、青春18きっぷを見せて改札を通り、ホームに出る。お客は少なく、ぼくみたいに大垣行きをここで降りた人は少ないようだ。そのうち豊橋行き電車が入線してきた。
乗ってしばらく待つとお客を乗せた電車がやってくる。静岡発の電車だ。浜松より静岡の方が始発が早いので、静岡を始発で出ても浜松の始発に間に合うのだ。覚えておこう。

浜松からの客がほぼ全員乗って、豊橋行きが発車する。もうすっかり夜が明けている。
早朝の電車は浜名湖を北に見ながら進んでいく。そして無事に豊橋に到着した。

さて、このまままっすぐ名古屋に行っても時間が余る。どうせ雛形あきこちゃんのイベントを見た後はまっすぐ東京に帰る必要があるので、まずは寄り道していこうと思った。
それなら、とりあえず飯田線で豊川に行って、名鉄で豊橋に戻って来るのがいいと思った。よし、飯田線に乗ろう。飯田線は豊川止まりの電車ならたくさん走っているからすぐ行けるだろう。ぼくは階段をのぼっておりて飯田線のホームに向かうことにした。


補足

なお、この日ぼくが品川から浜松まで乗った電車が俗に言う「コミケ列車」で、東京で8月に開催されている「コミックマーケット」と呼ばれる、おもに同人誌の売買を行うことを目的とした催し物からの帰りの客が大挙して乗ってきた電車だったということをぼくが知ったのは、この日から約2年後のことであった。

飯田線

旅行記本文

浜松から乗ってきた電車を豊橋で降りた。もう品川から浜松までいっしょだったたくさんの客は姿が見えないようである。

これから飯田線で豊川に向かい、名鉄で豊橋まで戻って来ようと思っている。飯田線は豊川行きならひんぱんに走っているのでただちに飯田線ホームに向かう。電車はもうあった。まずは乗ろう。

豊川行きはたいして混雑していない。じきに発車だ。
飯田線は去年3月に通っているし、去年8月にも通っている。でも時間が違えば見えるものも多少変わるかもしれないし、しっかり景色を見ておこう。

電車は豊橋駅を出るとすぐに市街地を離れていく。そして草原の広がる場所を進んでいく。

そんな草原を見ながら、ゆっくりと電車は右にカーブしていく。

じきに電車は終点、豊川に到着した。ここで降りる。

青春18きっぷを見せて改札を通り、豊川駅を出た。名鉄の豊川稲荷駅はすぐそばらしい。ぼくは名鉄のきっぷを買うため豊川稲荷の駅舎に近づいていった。

名鉄豊川線

豊川稲荷駅

豊橋から乗ってきた電車を豊川で降りた。駅を出ると名鉄の豊川稲荷の駅はすぐそこにある。自動券売機を探したが窓口しかない。窓口に向かってきっぷを頼んだ。

「豊橋まで」
「豊橋ならJRに乗った方が安いよ」

なんとここの窓口は、変なところで親切で、豊橋までの名鉄のきっぷは売らないらしい。ぼくはこの駅員からどうやっても豊橋行きのきっぷは買えないと思った。とするとどうすればいいだろう。考えた末、

「それじゃ『玉ノ井』までのきっぷをください」

できるだけ名鉄に乗っておきたいが、あまり込み入ったところに乗ると雛形あきこちゃんとの握手会に間に合わなくなるし、名鉄名古屋本線からちょっと出っ張ったこの路線くらいがちょうどいいだろうと思ったのである。


豊川稲荷~国府

きっぷを買ってホームに行く。分岐駅の国府(こう)までの電車があったので乗る。さすがに朝早い電車はすいている。そのまま発車だ。

豊川稲荷駅近辺は集落になっていたが、じきに畑の広がる風景になる。飯田線もそうだったが、小高い丘が続いている風景である。

もうすぐ国府というところになり、電車はスピードを落としていった。分岐駅になるくらいだから多少は大きな街かと思ったら小さな集落で、駅も小さい駅であった。そのまま終点国府に到着。

ぼくは電車を降りた。ここから乗るのは「名古屋本線」だから、玉ノ井に向かう電車が出ている新一宮まで直通の電車くらいあるだろうなあと思い、豊橋と反対方向に向かうホームに向かった。

名鉄名古屋本線

旅行記本文

豊川稲荷から乗ってきた電車を終点国府(こう)で降りた。

この駅は分岐駅なのに、とても小さい駅である。駅のまわりも大きな建物はない。

朝早いのでお客も少ない。しばらく待っていると新岐阜行きの電車がやってきた。とにかく乗る。

なにしろ品川から浜松まで連結器のところでずっと立ちづめだったので、席にすわるとパタッと眠ってしまった。

起きたときはもう新名古屋を過ぎていた。でも新一宮にはまだ着いていないようだ。

名古屋の西の風景を見ながら、電車は新一宮に到着した。ぼくは電車を降りる。

目的地の名鉄尾西線、玉ノ井に行く電車はとなりのホームのようだ。ぼくは階段をおりてのぼってとなりのホームに進んだ。

名鉄尾西線

新一宮~玉ノ井

国府(こう)から乗ってきた名鉄の電車を新一宮で降りた。めざす玉ノ井行きの電車はとなりのホームのようだ。階段をおりてのぼってとなりのホームに行く。

念のため目の前の電車が玉ノ井行きであることを確認して乗る。たいして客は乗っていないようである。しばらくして電車は発車した。

新一宮近辺はけっこうな住宅地になっているようである。この電車が進んでも、ところどころに空き地はあるが、住宅はけっこう続いている。

玉ノ井に近づくにつれて、多少空き地が見えるようになってきたが、住宅地であることには変わらない。このあたりは名古屋のベッドタウンになっているようである。

もう少しで玉ノ井というところで、車掌がやってきた。きっぷを回収すると言う。

そう言えば去年9月に乗った京阪石山坂本線でも、坂本に着く直前に車掌がきっぷを回収に来たっけなあと思い出した。「豊川稲荷→玉ノ井」のきっぷを渡した。そして電車は終点、玉ノ井に到着した。


玉ノ井駅~奥町駅

玉ノ井は無人駅だった。なるほど、無人駅だったからきっぷを回収したわけである。

さて、このまま折り返しの電車に乗るのではつまらない。そうだ、となりの駅まで歩いてから新一宮行きに乗ろうと思った。まずは歩こう。

住宅地と空き地が混じった景色の中を歩いていく。JRから離れているのにけっこうな住宅地である。

こっちかなあと思い、自分の信じる方向に歩く。まだまだ時間がかかりそうである。

それでも歩き続けていると、なんとか玉ノ井のとなりの駅、奥町に到着した。他にも客がいて、自動券売機に並んでいる。ようやく自分の順番が来て、新一宮まできっぷを買った。ホームに行こう。


奥町~新一宮

電車がやってきた。乗ってみると多少客はいるようだ。10人以上はいるようだ。そして住宅地の中を電車は進んでいく。

そしてようやく電車は新一宮に到着した。そう言えば今何時か確認していなかった。げっ、もう10時になってしまう。

名古屋のテルミナで雛形あきこちゃんの「笑顔の予感」のCDが売り出されるのはたぶん10時だ。おそらく10時に間に合えば握手会では前の方にすわれそうだけど、10時に間に合わないとうしろの方になってしまいそうだ。

まあしかたないかと思いながら、「奥町→新一宮」のきっぷを改札に渡して通った。そして青春18きっぷを取り出してJR尾張一宮の改札に向かった。

東海道本線その2

尾張一宮~名古屋

奥町(おくまち)から乗ってきた名鉄尾西線の電車を終点の新一宮で降り、改札を通った。そしてとなりの尾張一宮駅の改札に青春18きっぷを見せて通る。

名古屋方面のホームにのぼり、電車を待つ。やってきた。この時間の電車はいつも混雑しているようだ。でもすぐに電車は名古屋に着いた。降りて改札に急ぎ、青春18きっぷを見せて通る。

おそらく雛形あきこちゃんの「笑顔の予感」のCDの発売は朝10時だろうが、もうすっかり10時をまわってしまった。とりあえずテルミナに急ごう。

テルミナの建物はすぐ見つかった。イベントがあるのは屋上だからCDも屋上近くで売っているんだろうと思い、エスカレーターをのぼっていく。

エスカレーターは屋上までは通じていないようだ。エスカレーターで行ける最上階で階段を探し、さらにのぼる。

あったあったCD売り場だ。階段の途中で売っていた。「笑顔の予感」だけ売っていて、握手券も配布しているようだ。もうすっかり人通りが少なくなっていて、並んでいたらしい人たちはほとんどいなくなっているようだ。

「笑顔の予感」を買って握手券をもらっても、ずいぶん番号が大きかった。たぶんかなりうしろの方だろう。まあいいかと思って階段をおりた。


名古屋~枇杷島

さあ、これからどうするか。握手会までは時間があるので、どこか市内をまわれそうだ。

地下鉄は1日乗車券があるのであとでまとめて乗ればいい。だから地下鉄でない路線に先に乗りたい。そうだ、新しくできた「東海交通事業」というなぞの路線が時刻表に載っている。それに乗ろうと考えた。

名古屋駅からだと東海道本線に乗って1駅岐阜方向に進み、枇杷島(びわじま)という所で降りると乗れるようだ。また青春18きっぷを出して改札を通り、岐阜方面のホームに行く。

枇杷島には各駅停車しか停まらないので新快速を見送り、各駅停車に乗る。今度はすわれたが1駅で降りる。わずか1駅しか離れていないのに、どことなく都会っぽくない駅である。すぐそばに新幹線の高架が見える。

枇杷島で電車を降りたぼくは、東海交通事業の乗り場を探すことにした。

東海交通事業

枇杷島駅1

名古屋から乗ってきた電車を枇杷島(びわじま)で降りた。

名古屋のとなりの駅のはずなのに、閑散とした駅である。しかも出口がどこかわからない。それに、駅舎が見あたらない。なぜかホームの上に建物があり、どうやら駅員が中にいるようである。ここが枇杷島駅の駅舎なのだろうか。

ここから「東海交通事業」という、時刻表に載っている鉄道で中央本線の「勝川」まで行く予定である。勝川ってどう読むのかわからないが、自動券売機ならそれほど迷う必要はないだろう。

さて青春18きっぷが使えないのだから、まずは東海交通事業のきっぷを買わなければならない。ためしにホームの上にある建物に入ってみた。

駅員がいて、窓口があるが自動券売機はない。ためしに駅員に話してみた。

「東海交通事業のきっぷはここで売っていますか?」
「売っていますよ。どこまで?」
「『カツカワ』まで。」
「わかりました。『かちがわ』までですね。」


枇杷島駅2

けさの豊川稲荷の駅員みたいに、勝川に行くならJRの方が安いですよとかなんとか言われてきっぷを売ってもらえなかったらどうしよう、などとは考えなかった。

売ってもらったきっぷだが、なぜかみどりの窓口で売っている長距離用のきっぷみたいに、「JR」という文字がずらっと書かれたきっぷであった。JRでないのになぜJRの文字のきっぷを売っているのだろう?

不思議なきっぷであるが、まずはきっぷを売ってもらえたので、発車時刻を確認することにする。

げっ、1時間に1本しか列車が来ない。

でもあと10分ほどで発車のようだ。こんなのでここの路線はやっていけるのだろうか。


枇杷島~勝川

そのうちブロロロロロロと音をたてて、東海道本線とは明らかに違う列車がやってきた。ディーゼル車である。到着してドアが開いた。乗ろう。

客は5人くらいしかいないまま発車する。ディーゼル車は高架をぐんぐんのぼっていく。右に曲がる。

とてもながめのいい路線である。ながめがいいと言っても左右に見えるのは名古屋の市街地なのだが、そんなに高いビルは見あたらず、低い建物がずーっと続いている。東京と違って土地が広いから、あまり高い建物を建てなくてもやっていけるのだろう。

ディーゼル車はずっと高架を進んでいく。各駅に停車するが客の乗り降りはほとんどない。閑散としたままディーゼル車は進み、終点の勝川に到着した。無人駅らしく、きっぷを運転手に渡して降りる。

なんと中央本線の勝川駅は、屋根もついていない通路を200メートルくらい進んだ向こうだと言う。ほかの客もその通路を通って進んでいる。今は8月、もうお昼である。とても暑い。

しかたなく通路を進んでいく。うだるような暑さの中を進んでいく。なにしろきょうは品川から浜松までずっと立っていたのでとても疲れている。

なんとかJRの駅まで来た。これからどうしよう。

すぐにテルミナに向かっても雛形あきこちゃんの握手会までは時間があるので、千種(ちくさ)まで行って、藤ヶ丘まで地下鉄に乗ることにした。そう思い、青春18きっぷを取り出してJRの方の勝川駅の改札に向かった。

名古屋市営地下鉄・東山線

千種~藤ヶ丘

枇杷島(びわじま)から乗ってきた東海交通事業のディーゼル車を勝川(かちがわ)で降り、200メートルくらい歩いて中央本線の勝川駅にやってきた。まずは青春18きっぷを取り出す。

そして改札に18きっぷを見せて通り、ホームにやってきた。こじんまりしたホームである。それほど待たずに名古屋行きの電車がやってきた。乗る。さすがにすわれないなあ。

でも目的地は千種(ちくさ)だからほんの数駅である。市街地ではあるがそれほど高いビルも建っていない中、電車は目的地、千種に到着した。4ヶ月ぶりの千種駅である。電車を降り、18きっぷを見せて改札を通る。4月と同じ階段をおり、地下鉄の自動券売機にやってきた。

4月は栄(さかえ)まできっぷを買ったが、きょうは藤ヶ丘まで買う。自動改札を通って藤ヶ丘行きの電車に乗った。中央本線の電車は混雑していたが、地下鉄はあたりまえのようにすわれてしまった。千種で降りる人も多かったからだ。


昼食

がらがらとした電車はずっと地下を進んできたが、終点が近づくと地上に出てきた。こういう地下鉄は全国に多いが、名古屋にもあるようだ。そして終点、藤ヶ丘に到着。

とにかく終点なのでいったん改札を出なければならない。改札を出ると目の前にそば屋があった。お、こりゃいい。

なにしろきょうは朝5時に浜松でカレーを食べて以来何も食べていないのである。もうお昼だし、まだ雛形あきこちゃんの握手会まで時間があるし、そばを食べてもいいだろう。

そば屋に入り、そばを注文して食べた。きょうもうまかった。さあ、名古屋に戻ろう。


藤ヶ丘~今池

券売機で名古屋まできっぷを買い、また改札を通って地下鉄の電車に乗った。相変わらずお客は少ない。電車は発車し、地下におりていく。

このまま乗っていても名古屋には行けるが、千種から先はすでに4月に乗っている。

それよりも、今池(いまいけ)でこの電車を降り、「桜通線」に乗り換えると、桜通線には久屋大通(ひさやおおどおり)より西しか乗っていないから今池から久屋大通まで乗れてお得だと思った。たいして回り道でもないし、今池で降りて桜通線に乗り換えよう。

あまり混雑しないまま東山線の電車は今池に着いた。ぼくは電車を降り、桜通線へと向かった。

桜通線

今池~名古屋

藤ヶ丘から乗ってきた地下鉄の東山線を今池(いまいけ)で降り、案内に従って桜通線に向かった。

このまま東山線に乗っていても名古屋駅には行けるが、東山線は4月の菅野美穂ちゃんと握手した旅行、6月のぷらっとこだまエコノミープラン旅行、そして今回の旅行で乗り終わっており、どうせならまだ久屋大通より西しか乗っていない桜通線に乗ろうと思ったわけである。

桜通線のホームに行き、電車を待って乗る。これだけ苦労してもあまり東山線と変わりがあるわけではない。多少混雑した中を電車にすわって進む。この中にぼくと同じようにこれから雛形あきこちゃんと握手しようとしている人がいるかもしれないなあ。

電車はなにごともなく久屋大通を過ぎ、名古屋に着いた。ここで降りる。


車椅子

今日はこれから名古屋駅のそばのテルミナの屋上に行くのである。雛形あきこちゃんの握手会である。

発売されたデビュー曲「笑顔の予感」のCDを買うと彼女と握手ができるのである。すでに10時半ごろに一度テルミナに来てCDを買っており、握手券を手に入れている。

地下鉄からはまよわずにテルミナの階段を昇った。そして行列に並ぶ。菅野美穂ちゃんのイベントと同じで、整理券に書いてある数字の順番に並ぶのだ。整理券を確認して列の間に入れてもらい、行列が進むのを待った。

行列が屋上に近づくと、下の方からとんでもないものが運び上げられていくのが見えた。

車椅子に乗せられた男である。ハンデを負っているにもかかわらず、雛形あきこちゃん会いたさにイベントに参加するため他の参加者の手を借りて屋上までやってきたわけである。

車椅子の男が屋上に消えるとぼくもようやく屋上に入れることになった。

しかし椅子なんてものは屋上にない。

どうやらそのままじかに床にすわれということらしい。わはは。

こんな時に備えてきのうの夜に大垣行き夜行を品川駅で待った時に使った尻に敷くための新聞紙を捨てずにとっておいてある。すわる場所を見つけて新聞紙を敷いてすわった。


イベント

そしてしばらく待つと雛形あきこちゃん登場である。

そしてデビュー曲の「笑顔の予感」を聴く。これからいいことがありそうな気がするというような内容の歌である。声援がすごい。なかなかファンを集めているなあと思った。

歌が終わるとジャンケンゲームである。みんな立ち上がり、雛形あきこちゃんといっせいにジャンケンをして勝ち残った人がプレゼントをもらえるというものである。ぼくは早々に負けてしまい、すわる。そしてジャンケンゲームが終わるのを待つ。

それが終わると近況とかをいろいろ話して、そしてもう一度「笑顔の予感」を聴く。今度も声援がすごい。

最後に握手である。敷いた新聞紙を片づけ、一列になって順番を待つ。そして順番が来て握手。女の子の手はやわらかいなあ。


イベント終了

そしてテルミナ屋上をあとにした。まだ午後3時だし、普通列車だけで東京に帰れるだろう。

雛形あきこちゃんも他の消えていったアイドルのようにアイドル寿命が短いのかもしれないけど、かわいいし元気だし、もしもこれからも何枚かCDを出すようなら買ってみたいなあと思った。

これからはドラマとかに出ていくのかなあと思った。アイドルの中にもドラマに良く出る人たちはけっこう長く芸能生活を続けているけど、そんなふうになれるかなあと思った。でも、歌以外はそんなに彼女のドラマとかを見る気にはなれないなあとも考えた。まあいいか。

さて、終わった終わった。急いで東京に帰ろう。

ぼくはテルミナの屋上から他の参加者に混じって階段をおり、通路を進んで名古屋駅に向かった。そして青春18きっぷを取り出して改札へと進んでいった。いろいろあった今回の旅行もあとは東海道線に乗れば終わりだと思った。

東海道本線その3

名古屋~豊橋

雛形あきこちゃんの握手会も終わり、テルミナのビルをおりて名古屋駅に戻ってきた。もう午後3時だが、おととし大阪の京橋で大阪パフォーマンスドールの女の子たちと握手したときは、もっと遅い時刻に名古屋を通過しているので、なんとか普通列車だけで東京に帰れるだろう。

まずは豊橋行きの新快速に乗る。途中までは混雑していたが、そのうち空席ができてすわれた。名古屋の近くのわりには緑の多い景色の中を進み、終点豊橋に着いた。

電車を降りた。なぜかとなりのホームには名鉄の電車が停車している。豊橋は改札を出なくても名鉄に乗り換えられるようだ。


豊橋~静岡

浜松の方に行くには階段をのぼっておりる必要がある。なんだか複雑な通路を通り、なんとか浜松方面のホームに来た。電車がやってきた。

なんと客がたくさん乗っている。これじゃすわれない。つまり、この電車は各駅停車なのだが、新快速は名古屋と豊橋の間のどこかの駅でこの電車を追い抜いたということだ。

うーん、新快速に豊橋まで乗らずに、どこか追い抜く駅で乗り換えなければならないんだな、と気がついた。よし、今度からは時刻表を良く見て、追い抜く駅で浜松行きに乗り換えることにしよう。

浜松行きの電車は静岡県に入り、あとからあとから客が乗ってきて大入り満員になった。じっとがまんして乗る。なんとか浜松に着いた。

浜松からの乗り換え電車ではすわることができた。そのまま静岡に進む。よし、静岡で食事していこう。


帰宅

どうやら静岡からは、東京行き普通列車が出ているようなので、それに乗っていくことにする。静岡は駅ビルになっているようだ。カレーライスでも食べていこう。

カレーライスを食べ終わると東京行きの出る時刻が近づいていた。すっかり暗くなっている。ホームに行って待つ。入線してきた。大垣行き夜行などで使われるボックス席の電車である。けっこう車両数が多いのでがらがらにすいている。発車だ。

あとは東京まで乗り換えなしで行くことができるので楽である。こんなにすいていても、横浜が近づくと混雑してくるんだろうなあと思った。

もう暗いので景色は見えない。来週、再来週も名古屋に向けて大垣行き夜行に乗る。たぶん来週も品川駅は大混雑だから、なるべく早めに品川駅に行って並ぼうと考えながら、東京に帰っていった。

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