55.八百津の鉄板スパゲッティ
説明
1995年の7月~9月はばりばり旅行しました。
特に軸となったのは、雛形あきこちゃんと握手するために行った名古屋の旅行でした。
名古屋駅のそばのテルミナで雛形あきこちゃんと握手するために大混雑の大垣行き夜行に乗り、ついでに名鉄、地下鉄にも乗ってみたのです。
その際、ある所で得た情報によると名鉄はこの9月1日に運賃値上げするという話なので、それならば残った青春18きっぷは名鉄に乗ることにしようと決めました。
それで雛形あきこちゃんなどのアイドルを見に行くのとは別の、純粋に鉄道だけの目的の旅行を8月中に2回することにしました。その際、9月に一般周遊券を使った名鉄旅行をすることにして、そこでまわらない路線を重点的にまわることにしました。
雛形あきこちゃんと握手した日の旅行は立ちづめで苦労したため疲れましたが、なんとか1週間仕事しながら疲れを取り、次の旅行の準備をしました。
こうして8月2回目の旅行の日になり、ぼくは品川駅へと向かったわけです。
東海道本線その1
品川駅1
品川駅にやってきた。大垣行きの出るホームに行こう。
先週の大垣行きは、とにかく混雑していた。雛形あきこちゃんと握手しに名古屋に行く人がこんなにいるとは思えないし、ジャニーズ事務所のタレントのコンサートでもあったのかもしれない。
それとも、8月はいつもこんなに混雑するものなのかもしれない。去年天竜浜名湖鉄道や岳南鉄道に乗るため8月に乗ったことがあるが、あの時は特別すいていて、いつもこれくらい混雑するのがあたりまえなのかもしれない。
そう覚悟してホームに行ったが、あっけないほどホームは閑散としていた。先週とは雲泥の差だ。
いちおう行列を作ってはみたものの、先頭に並べてしまう。そのまましばらく待った。
品川駅2
なんだか人の良さそうなおじさんがやってきた。どうもこの人は大垣行き夜行にあまり慣れていないようだ。
おじさんはぼくを、年の近い男と思ったらしく、いろいろ話しかけてきた。あまり詳しいことは覚えていないが、おもしろい話をする人だった。大阪の人のようだ。そりゃそうだろう、大垣行き夜行に乗る人のうち最も多いのは大阪の人だ。
なんだか知らないうちに時間が過ぎて、電車が入線してきた。先頭のぼくは急いで座席を取り、おじさんを呼び寄せた。
なんとおじさんは席を取ってくれたお礼に、ぼくにビールをおごってくれたのである。ありがたくいただいた。こんなことはめったにない。
なんでもおじさんは、いつもは新幹線の回数券で大阪に行っているそうだが、今は8/11~8/20の期間なので回数券が使えない、だから青春18きっぷを1枚手に入れてこの大垣行き夜行で大阪に行くとのことである。
おじさんとぼくだけだったボックスだったが、発車時刻が近づくとサラリーマンがやってきた。どうやら熱海までに降りてしまう人たちのようだ。しかも1人は女性だ。ぼくもうるさかったようだが、それにもましておじさんの話はまわりの人にはうるさかったのではないかと思う。
品川~岐阜
でもぼくもビールを飲んでいるから話がやめられないとまらない。電車が発車し、横浜を過ぎて、いつもなら景色に見入っている時間でもおしゃべりは続く。
おじさんが、こんなごみごみした電車はいやだ、もう使わないなどと言うので、ぼくは12/28になって回数券が使えなくなったらまた使ってくださいよ、などと言っているうちにサラリーマンたちは降りていく。そしておじさんの方から、もう遅いからしゃべるのはやめようと言い、ぼくも少し眠ることにしたのである。
眠って起きるともう朝である。今日は名古屋を過ぎて岐阜まで進むことにした。
名古屋からも、たいして地元の客は乗ってこない。そして岐阜に着いた。どうやらおじさんは大垣まで乗っていくようだ。おじさんにあいさつしてぼくは電車を降りた。
これから乗るのは名鉄で、新岐阜に行かなければならないが、4月に新岐阜からJR岐阜まで歩いているので道はわかっている。あの時と逆に進めばいいな、と思いながら、ぼくは改札で川崎までのきっぷを渡し、今日の日付の入った青春18きっぷを見せて改札を通った。楽しい一夜だったなあ、と多いながらぼくは新岐阜に向かった。
名鉄・新岐阜~美濃
新岐阜~野一色
品川からいっしょだったにぎやかなおじさんと別れ、大垣行きの夜行を岐阜駅で降りた。青春18きっぷを見せて改札を通る。
まずは新岐阜駅まで歩き、そこから名鉄で美濃まで行くことにする。4月に菅野美穂ちゃんと名古屋で握手した日に新岐阜から岐阜まで歩いているが、どっちの道だったっけと思いながら、名鉄の市電区間のレールに沿って北に進むとなんとか新岐阜駅に到着した。まだ朝7時なのでお客はまばらである。
自動券売機で美濃まできっぷを買って改札を通る。
NATT(名古屋の時刻表)によれば、今の時間帯に美濃に行くには、新岐阜からいったん途中の駅まで行って、徹明町(てつめいちょう)から来る美濃行きに乗り換える必要があるようだ。どんな具合かわからないが、とりあえず行ってみよう。
ホームに停車していた電車は、どことなく古そうな、まっ赤な電車だった。朝早いのでお客も少ない。NATTの通り、美濃までは行かず、途中の野一色(のいしき)行きのようだ。乗ってすわると発車だ。
しばらくは市街地を進む。田神(たがみ)に停車して発車すると、電車は分岐して左に進んでいった。
そして車庫のような場所を通る。車庫を過ぎると畑も見える場所になり、左に曲がって道路の中央を進むようになった。
北にしばらく進むと競輪場前である。ここで徹明町から来る路線と合流するのだが、競輪場前の手前でしばらく停車していた。そして徹明町から来た電車が先に目の前を美濃方向に行き過ぎ、そのあとでこちらの電車が発車し、右に曲がっていく。
それからもつかず離れず2つの電車は道路の中央を進み、やがてこの電車の終点、野一色に到着した。
野一色~美濃
さきほど徹明町の方から来た電車はとなりのホームに停車していた。そしてなぜか、美濃の方から来た電車も停車している。野一色のホームには3台の電車が停車していたのである。
よくわからないけどとにかく美濃行きに乗り換える。お客は相変わらず少ない。そのままどの電車も発車である。今まで乗っていた電車は新岐阜に向けて発車するのかもしれない。
しばらく道路中央を電車は走る。左右に小高い山が見えて、岐阜の平野はのんびりした所のようだ。ここに住宅を建てて住んで名古屋に通う人は少ないのかもしれない。
そのうち道路の北に線路が出て、道路のわきを進むようになる。理由は良くわからないがそういうものなのだろう。
そのうち眠くなってきた。今週は先週と違い、大垣行き夜行の中で多少は眠れたが、さすがに夜行明けなので、少しは眠っておこう。
起きるともうじき美濃に着くころである。このあたりもけっこう広い平野である。そして美濃に到着。電車を降りてきっぷを渡して駅を出た。
さて、長良川鉄道に乗り換えなければならない。美濃市駅はどこだろう。
とりあえず駅前の道を歩いてみた。てくてく歩く。
けっこうな距離を歩くと古びた駅になんとか到着した。美濃市駅である。もちろんこちらはディーゼル車の路線なので架線はない。
時刻表どおりだと美濃太田行きに乗るには数十分待つ必要がある。ぼくは駅で待つことにした。
長良川鉄道
旅行記本文
名鉄の美濃駅から長良川鉄道の美濃市駅まで歩いてきた。
「市」とついているわりにはあたりは人家も少なく、さびしい駅である。駅舎もそれほど大きくなく、けっこう古い駅である。
そのうち美濃太田行きの発車時刻が近づいたのでホームに行く。ディーゼル車がやってきた。けっこう新しい列車だがオールロングシートのディーゼル車であった。お客はそんなに乗っていない。ディーゼル車は発車する。
けっこう見晴らしが良く、おだやかな平野を走っていく。
お客がたくさん乗ってくることもなく、ディーゼル車は美濃太田に到着した。ここで降りる。
さあ、次は去年も乗った太多線だ。可児(かに)まで乗って名鉄に乗り換えよう、そう思って、太多線の出るホームを探した。
太多線
旅行記本文
美濃市から乗ってきた長良川鉄道のディーゼル車を美濃太田で降りた。
去年多治見から岐阜までディーゼル車に乗ったときにこの駅は通ったはずだが、ぐっすり眠っていたので覚えていない。いわばきょうは乗り直しである。
多治見行きのディーゼル車はすぐに見つかった。去年乗ったのと同じようなディーゼル車なのでそれほど迷わずに乗れた。そして発車。
ディーゼル車は美濃太田の市街地を離れていく。
そしてわずか2駅で目的地の可児(かに)に到着である。ディーゼル車を降りる。
青春18きっぷを見せて駅を出る。もし名鉄の駅が美濃と美濃市くらい離れていたらめんどうだなあと思っていたが、こちらは名鉄の駅がすぐそばに見えた。さあ、まず八百津(やおつ)まできっぷを買おうと思い、自動券売機を探した。
名鉄・明智~八百津
新可児~明智
美濃太田から乗ってきたディーゼルカーを可児(かに)駅で降りた。すぐそばに名鉄の新可児駅があった。
ここから名鉄の行き止まり駅、八百津(やおつ)と御嵩(みたけ)に行って戻り、犬山の方に行こうと計画している。
まずは八百津まで行こうと思い、自動券売機できっぷを買った。
新可児ははなぜか行き止まりホームだった。八百津方面も犬山方面も同じ方向に進み、途中で分岐する方式らしい。土地が取れなくてこういう方式にしたのかもしれない。
まずは御嵩行きの電車に明智(あけち)まで乗ることにした。
お客は少なく、お客のわりに長い編成の電車である。
電車は新可児を出るとすぐに集落から出て畑ばかりの景色になった。
明智~八百津
その畑ばかりの景色のまま、電車は明智に着いた。電車を降りると八百津行きのディーゼル車が待っていた。乗ってみるとさらにお客は少ないのに列車の編成は相変わらず長い。
ディーゼル車はさらに集落の少なそうな、山の方向に向けて発車した。
山がどんどん近づいてくる。そして多少大きめの集落も近づいてきた。
そしてディーゼル車は終点、八百津駅に到着した。
外に出ると多少大きめの集落があり、そばに山が迫っている。これ以上レールを延ばすことはできなかったのだろう。
朝食
駅前に喫茶店らしきものがある。
そう言えば今日はまだ何も食べていなかったっけ、と思い出した。
もしここで何か食べることができたら食べていこう、と思った。
ドアをくぐる。喫茶店のようだ。席にすわる。
そこでスパゲッティを注文した。
大垣行き夜行に乗っていて多少体が疲れていたため、しばらくまどろむ。するとスパゲッティがやってきた。
やってきたスパゲッティは、ステーキ用の鉄板に入れられ、鉄板の内側はまるでオムレツのように卵がしいてあった。スパゲッティの卵とじのようだ。
こんなスパゲッティを食べるのは初めてである。食べてみた。もちろんうまい。
こうやってうまいものを食べさせてくれる店に出会えるから鉄道旅行はやめられないのである。
食べきると店に入ってからだいたい1時間が過ぎていた。もうそろそろ次の明智行きのディーゼル車が来るころだろうと思い、お金を払って喫茶店を出た。
八百津~明智
八百津駅に戻り、きっぷを買ってホームに入る。やがて折り返しの列車がやってきた。
1時間ぶりの列車なのに、ほとんどお客がいない。土曜日の午前中だからなあ。
ディーゼル車は発車し、同じ景色の中を進んでいく。
そしてディーゼル車は終点、明智駅へと到着した。
ここから御嵩(みたけ)駅へと向かうつもりだが、御嵩行きの電車がしばらく来ないことを予想して、明智行きのきっぷしか買って来なかった。しかし御嵩行き電車はすぐそこにあり、すぐに発車するようだ。ちょっと無駄になってしまったが、きっぷのことはあまり考えずにすぐに御嵩行き電車に乗り換えることにした。
名鉄広見線
旅行記本文
八百津(やおつ)から乗ってきたディーゼル車を明智で降り、御嵩(みたけ)行きの電車に乗った。
ほとんど客のいない電車はじきに発車した。八百津とそれほど変わりのない、小高い山々が多少遠くに見える景色の中を進んでいく。
それほど時間もかからずに電車は終点、御嵩に到着した。しかし駅前は、八百津よりもさびれていた。八百津みたいに喫茶店があるわけでもなく、ほとんど畑の中にあるような駅であった。なぜこんなところが終点なのかわからないが、深いわけがあるのかもしれない。
電車を降りてきっぷを買う。次の目的地は小牧だ。小牧に行って桃花台新交通(とうかだいしんこうつう)に乗る予定である。
きっぷを買って今まで乗ってきた電車に乗ると、大垣行き夜行に乗った疲れもあり、たちまち眠ってしまった。
気がつくともう新可児(しんかに)も過ぎているようである。相変わらず客は少ない。景色は、人家の少ない草むらの間を進んでいる。
あとちょっとで目的地、犬山に到着である。いいところで目が覚めたものだ。そして終点、犬山に到着。
小牧に行くには上飯田(かみいいだ)行きの電車に乗ればいいんだよな、と思いながら、ぼくは電車を降りて上飯田行きの出るホームを探した。
名鉄小牧線
旅行記本文
御嵩(みたけ)から乗ってきた電車を犬山で降りて、上飯田行きの電車を探した。まずは階段をのぼる。
犬山は路線が集まってくるだけあってホームの数が多いが、なんとか上飯田行きを見つけて乗った。お客は少ない。名古屋の鉄道ってこのくらいしか使われていないんだなあ。なにしろこの路線は名古屋駅に直接行くこともできないし、お客が少ないんだろう。
電車は発車する。このあたりは都会とも田舎ともつかない景色が広がっている。市街地の建物が遠くに見える。かと言って畑もすぐそばに見える。そんな東京では見られない景色を見ながら電車は進んでいく。
そして小牧が近づいた。小牧と言ったらいちおう独立した市だからそれなりに市街地があるかと思ったが、特に市街地にはなっていないようだ。多少家並みが多くなった程度の小牧駅に電車は入っていき、到着した。ここで電車を降りる。
さあ、桃花台新交通に乗ろう。終点でもしバスみたいな交通機関があったら乗ってみたいが、もしなかったらまた小牧に戻って来よう、などと思いながら改札を出て桃花台新交通の乗り場を探した。
桃花台新交通
小牧~桃花台東
犬山から乗ってきた電車を小牧で降りた。さて、桃花台新交通ってどこにあるのだろう。
案内があったので進んでみた。地下に通じる通路があった。進んでみるとどうやら桃花台新交通の駅である。自動券売機できっぷを買って自動改札に通してホームに出た。車両がある。
乗ってはみたが、お客がまるでいない。もしかしたら通勤通学時にはいっぱいになるのかもしれないが、土曜の昼間はこんなものかもしれない。車両は地下の小牧駅を発車する。
そのうち地下から地上に出て、高架を進むようになった。愛知県は市街地が狭く、小牧になるともう家並みが閑散とした場所である。
何駅か進むが、お客はまるで乗ってこない。そのまま終点の桃花台東に着いた。
車両を降りて終点から先を見ると、新交通システムのガイドウェイがぐるっと輪を描いている。どうやら終点に着いた車両はあそこをぐるっと回って引き返してくるようである。まあいろいろなシステムがあるのだろう。
桃花台東駅前~高蔵寺駅
とりあえず駅を出て散歩してみる。多少住宅はあるようだが、一大ベッドタウンというほどでもないようである。
どこかに通じるバス停はないか探してみるとあった。どうやら高蔵寺に行くバスのようである。この付近でまだ乗っていない路線と言ったら名鉄瀬戸線があった。高蔵寺に行けば愛知環状鉄道で瀬戸に行けるから瀬戸線に乗れる。さてバスの発車時刻は?お、すぐ来るようだ。
名鉄小牧線の小牧~上飯田を乗り残してしまうが、また後で乗ることにして名鉄瀬戸線に向かうことにする。バスを待った。じきにバスはやってきた。
バスに乗ってみた。お客は4~5人ほどである。このあたりのバスはこんなものなのかなあと思いながら進んでいく。それなりに住宅のある道を進む。
やがて多少家並みが多くなり、市街地になって終点高蔵寺である。
昼食
バスを降りると駅前にラーメン屋があった。八百津でスパゲッティを食べてはいるが、あれは朝食みたいなものだし、ここで昼食を食べていってもいいだろう。
ラーメン屋に入って注文する。テレビで甲子園の高校野球をやっている。そう言えばそんな季節なんだよなあ。
会社の夏休みが甲子園の高校野球が始まる前に終わってしまうので、ここ最近高校野球をやっているという感覚に乏しい。
もっとも昔は自分より年上の人が一生懸命野球をやっているという思いがあったからくいいるようにテレビを見ていたものだが、今は自分より若いやつが出ているので見る気がしないのかもしれない。
ラーメンがやってきたので食べる。今日もうまい。
ラーメンを食べ終わってひといきついた。さて瀬戸に向かおう。
愛知環状鉄道
高蔵寺~瀬戸市
高蔵寺(こうぞうじ)の駅前のラーメン屋を出て、駅に入っていった。
4月に岡崎から高蔵寺まで乗った時は愛知環状鉄道のホームは中央本線と一緒だったし、岡崎ではJRの自動券売機のとなりに愛知環状鉄道の自動券売機があったから、高蔵寺でも自動券売機があるだろう。自動券売機を見つけ、瀬戸市駅まできっぷを買う。
改札を通って、4ヶ月ぶりに愛知環状鉄道のホームにやってきた。しばらく待つと電車がやってきた。相変わらずお客は少ない。さらに待つと発車する。
高蔵寺を出るとすぐに電車は高架に上がっていく。高架は複線として往復2本分のレールを通すスペースがあるのに1本しかレールが通っていない。森の中を電車は進んでいき、瀬戸市駅に着いた。電車を降り、きっぷを渡して駅を出た。
瀬戸市駅~尾張瀬戸駅
あたりを見回すと、愛知環状鉄道の高架と交差する位置の地上に架線のあるレールがあった。おそらくあれが名鉄瀬戸線だろう。駅も見えた。新瀬戸だろう。
このまま電車に乗って栄町の方に行くと新瀬戸と尾張瀬戸の間を乗り残してしまうので、尾張瀬戸まで歩こうと思った。2駅なので簡単に歩けそうだと思ったからだ。先週も玉ノ井から奥町まで歩いたし、いい運動になりそうだ。
名鉄と並行しているらしい道路に沿って歩く。歩く。歩く。
だいぶ歩いたなあ。あ、駅が見える。あれは何駅だろう。
げっ、まだ、となりの瀬戸市役所前だ。さらに歩く。
どこかで時報の音が聞こえてきた。午後3時のようだ。さらに歩く。
ようやく尾張瀬戸らしい駅が見えてきた。着いた着いた。ぼくは自動券売機できっぷを買おうと、さいふを取り出して駅の入口に近づいていった。
名鉄瀬戸線
旅行記本文
愛知環状鉄道の瀬戸市駅から電車のレールに沿って進み、なんとか尾張瀬戸駅に着いた時には午後3時になっていた。けっこう家並みが多く、商店も多少ある。いい場所のようだ。
今日中に普通列車で東京に帰るには、栄町まで乗るととても遅くなりそうなので、大曽根まで乗って中央線で金山に行って帰ろうと思った。大曽根まできっぷを買い、改札を通って尾張瀬戸のいきどまりホームに行く。
電車に乗る。ここも客は少なかった。学生ばかりで、免許が取れたら電車には乗らなくなってしまうんだろうなあと思った。電車は発車する。
電車は新瀬戸に着いた。さっき降りた瀬戸市のすぐそばだ。けっこう客が乗ってくる。尾張瀬戸より客が多いようだ。そしてまた発車。
大曽根までの道のりをすいすい進んでいく。このあたりは森が多く、森の間に人家があるような場所であった。8月なので森の景色もいい景色で、本当に名古屋の近くなんだろうかと思えるような場所であった。
それでも大曽根が近づくと、だんだんと都会の雰囲気になっていき、やっぱり名古屋なんだなあと改めて思った。そして目的地、大曽根に到着した。電車を降りる。
さあ、あとはJRだけだなと思いながら改札を出た。JRの大曽根駅はそれほど離れていない場所にあるようだ。
中央本線
旅行記本文
すっかりくたびれてぼくは名鉄瀬戸線の大曽根駅を出てJR大曽根駅に向かった。愛知環状鉄道の瀬戸市駅から名鉄の尾張瀬戸まで歩いたのがかなり足に来ている。あしたが休みなのが幸いなのだが。
青春18きっぷを見せて改札を通り、ホームに向かうが、大曽根駅は改札からホームまでが遠い遠い。時間がかかってなんとかやってきた。電車を待ち、乗る。
すわれないけど金山まではたいした距離ではないのでまあいいだろう。もっとも金山から先もすわれなさそうだが。
金山が近づくと建物が多くなってきた。そして金山着。ここで降りる。
あとは東京まで帰ればいいけれど、もうすぐ午後4時だ。電車が遅れると帰れないかもしれないなあと思いながら、ぼくは東海道本線のホームに急いだ。
東海道本線その2
金山~刈谷
大曽根(おおぞね)から乗ってきた電車を金山で降りた。とりあえず東海道本線のホームに行こう。
もうすぐ午後4時だが、おととしの旅行で大阪から帰ってくる途中の名古屋の時刻よりは早く、なんとか普通列車だけで東京に帰れそうだ。とりあえず新快速を待つ。
やってきた。いつも混雑している。まあ立っていこう。電車は豊橋に向けて出発する。
先週名古屋から新快速に乗ってわかったことだが、名古屋から豊橋に向かう新快速は、途中の駅でいつも浜松行きの各駅停車を追い越していく。
新快速に豊橋まで乗って浜松行きに乗ろうとするとホームが違うので、階段を上がっておりなければならない。そして行列ができていて豊橋からはすわれない。
もしも名古屋と豊橋の間のどの駅で追い抜くかわかれば、その駅で乗り換えれば、もしかしたら階段をのぼりおりしなくてもよくて、しかも浜松まですわっていけるのではないか?と思った。時刻表を見ればいい。
どうやら刈谷(かりや)で乗り換えればいいようだ。電車が刈谷に到着するのを待つ。
帰宅
着いた。よし。ホームの向こう側に各駅停車の浜松行きがある。乗り換えよう。
オールロングシートだったがすわれた。あとは眠る。豊橋に着いて、どやどやと客が乗ってきたようだがなおも眠る。
浜松に着いたようだ。電車を降りて静岡行きに乗り換えよう。静岡行きは東京でも見られるボックスシートとロングシートの電車だ。ロングシートにすわって静岡まで進む。
あとは午後7時半ちょっと過ぎに出る東京行きに乗れば熱海とかで乗り換えなくていいから楽だ。それまでの間に食堂に行くことにした。静岡駅の駅ビルは大きい。何か定食でも食べていこう。
定食を食べ終わるとホームに行き、東京行きを待つ。やってきた。大垣行き夜行とほぼ同じボックスシートの電車だ。東京が近づくと混雑するのだろうが静岡ではがらがらだ。
今日も名鉄の値上げ前にたくさん名鉄の電車に乗ることができた。来週も無事に旅行できるかなあと思いながら、東京に帰っていった。
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