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Sorry, Japanese only! (1994年6月その1)

17.いすみ・小湊・竜ヶ崎

説明

1994年は、ぼくがはじめて全国の鉄道に乗ろうとこころざした年でした。
2月の北海道旅行、4月に何回かおこなった首都圏の旅行があまりにも楽しかったので、もっともっと乗っていない場所に行ってみたいと思い、青春18きっぷの使えない5月には東京近辺の私鉄にたくさん乗っていました。

私鉄の旅も一段落し、また4月みたいにちょっとだけ遠くに行ってみたくなりました。どこがいいでしょう。

ぼくは、千葉県にある、小湊鉄道といすみ鉄道がまっすぐ1本で結ばれているのに気がつきました。ここに乗るのが良さそうです。
そしてここに乗るには、小湊鉄道の入り口である五井(ごい)に安く行くことができるホリデーパスを、4月の旅みたいに使うのが良さそうです。
いすみ鉄道の入り口の大原駅にはホリデーパスでは行けませんが、ホリデーパスで行けるぎりぎりの駅、茂原(もばら)から数百円ちょっとで行けるようなので、青春18きっぷも使えないことだし、茂原~大原間はホリデーパスとは別に運賃を払って乗ろうと思いました。

それから大切なものがあります。それは最近売っている「MATT」という名前の小型の時刻表です。
小型の時刻表は便利なのですが、小型なだけにいろいろ省略される駅とかあって不便なのです。
ですが、このMATTは、おもに首都圏の列車時刻が書いてある小型時刻表ですので、それほど駅が省略はされていません。むしろ、私鉄などは大型時刻表で始発・終電しか載っていない路線でもちゃんと載っていて便利です。
ですのでMATTを持っていこうと思いました。

とりあえず朝適当な時刻に起きて、小湊鉄道といすみ鉄道のどちらから先にまわるかはMATTを見ながら決めようと思い、ホリデーパスを買って出かける日を待ちました。
そして総武本線の千葉行きの電車に乗ったのです。

総武本線

旅行記本文

千葉行きの電車は、錦糸町の手前で地上に出た。

きょうは4月以来ひさしぶりにホリデーパスを買って、まだ乗ったことのない小湊鉄道といすみ鉄道に乗る予定である。電車は江戸川を渡って千葉県に入っていく。

さて、きょうはどのように鉄道に乗るかまだ決めていない。MATT(関東の時刻表)を持ってきているので車内で決めようと思っている。

MATTを確認してみる。小湊鉄道の時刻は・・・げっ、半分以上のディーゼル車は終点の上総中野(かずさなかの)まで行かないみたいだ。
上総中野まで行くのは3時間に1本くらいだから、もし先に五井に行って小湊鉄道に乗ると五井で何時間も上総中野行きを待つことになってしまう。

先に外房線の大原まで行って、いすみ鉄道経由で上総中野に行き、そこから小湊鉄道に乗るルートだとどうなるだろう・・・
いすみ鉄道はほとんどのディーゼル車が上総中野行きだ。そして今から外房線に乗って大原に行く時刻だと、うん、上総中野でたいして待つことなく小湊鉄道に乗れる。

よし!きょうは先に外房線に乗ろう!そう決めた。
そのうち電車は千葉に到着する。ぼくは電車を降りて外房線のホームに向かった。

外房線

千葉~茂原

千葉で外房線に乗り換える。目的地はいすみ鉄道の出ている大原だが、次の外房線の行き先は上総一ノ宮(かずさいちのみや)で、大原より手前のようだ。

どうせ今使っているきっぷはホリデーパスで、茂原(もばら)までしか行けないのだ。そして茂原は上総一ノ宮より手前だ。だから茂原で降りて大原まできっぷを買えば大原で精算しなくてすむから楽だ。そう考えて今度の電車は茂原で降りることにする。

上総一ノ宮行きの電車は多少混雑しているがそれほどでもない。そのまま発車。千葉の市街地を南に進んでいく。蘇我からは家並みが少なくなり、緑の広がる景色になる。

大網(おおあみ)までは120円おおまわり旅行でよく来た場所だ。そこから先も、去年青春18きっぷでぐるっと外房線から内房線を一周したことがある。大網からしばらくするとホリデーパスで行ける端の駅、茂原だ。ここで電車を降りる。

茂原は社会の教科書に出てきた場所だ。大きすぎず小さすぎない駅なので社会の教科書に出てきたのだろう。でも来たことのない場所だったので全然イメージできなかった。その場所に今降りている。


茂原~上総一ノ宮

とは言ってもぼくは4年ちょっと東京(近郊)で暮らしているのだ。だから小さな街だなあと感じる。なんでもここには電機メーカーの工場があるらしいが、そのメーカーにでも勤めていない限り用事がなさそうな場所だ。まずは大原まできっぷを買おう。

きっぷを買うときっぷを改札に見せてホームに行く。

ホームに来たときに思い出した。確か去年外房線に乗ったとき、上総一ノ宮で編成の一部が切り離されて、それで安房鴨川行きの車両に移動させられたっけなあと思い出した。
だからちゃんと安房鴨川まで行く車両に乗らないと大原まで行けないなあと考えた。案内をよく見て、安房鴨川行きの車両が来そうな場所に行く。

ようやく安房鴨川行きの電車がやってきた。うん、安房鴨川行きの車両が来た。うわあ、さっきより混雑しているなあ。とりあえず乗ろう。

電車にはサーフボードを持った若い人たちがたくさんいた。男が多く女は少ない。なるほど、安房鴨川に近づかないとそれほど海岸が近くないと思っていた外房線だが、けっこうサーファーが乗っているんだなあ。まだ6月なのに。
こういう若い人たちはてっきり自家用車、それもワゴン車に乗っているものとばかり思っていたが、けっこうJRを使う客が多いようで安心した。電車は発車していく。


上総一ノ宮~大原

上総一ノ宮に着いた。予想通り編成の一部が切り離されるようだ。そしてこちらの車両はほとんど客が降りず、混雑したまま進んでいく。

これから乗るいすみ鉄道はどれくらい混雑するかな。サーファーはいすみ鉄道に乗るはずはないし、それほど混雑しないといいなあと思いながら緑の多い景色をながめる。

そしてようやく目的地の大原に到着した。電車を降りる。なんとサーファーたちも降りる客がけっこういる。このあたりって海岸に近いのだろうか?

ぼくは学生時代、サーフィンみたいな女の子にもてそうなスポーツなんて、いやもてなさそうなスポーツでさえも、全くできなかった。なにしろ小学校からずっと体育の成績は悪かったからだ。だから趣味もアイドルとか鉄道とかなのだ。
だから全国のどこが海が近いか、まだよくわからない。まあまだまだ全国の鉄道には乗り始めたばかりだし、きょうもがんばっていすみ鉄道に乗ろう。

さあ、いすみ鉄道の駅はどこだろう。どうやらけっこうJRから離れているらしい。サーファーでない若者の中にはいすみ鉄道に向かう客もけっこういるようだ。ぼくは彼らについていくことにした。茂原からのきっぷを渡して大原の改札を通った。

いすみ鉄道

旅行記本文

茂原(もばら)から乗ってきた電車を大原で降り、きっぷを渡して改札を出る。MATT(関東の時刻表)のとおりだとそんなに乗り換え時間がない。

外房線からけっこういすみ鉄道にやってくる客がいる。若い客が多い。なんとか駅舎に着いた。さあ、きっぷを買おう。きっぷの自動券売機は別に客が並んではいなかった。無事きっぷが買えた。上総中野(かずさなかの)行きに乗ろう。

ディーゼル車にやってきた。今年2月の北海道旅行以来ディーゼル車によく乗っている。まだまだ全国にディーゼル車はたくさんあるだろうから、もっと乗りたいなあと思う。けっこうたくさん客を乗せてディーゼル車は発車する。

しばらくは平野を進む。そのまま数十分が過ぎる。だんだんと客が降りていく。上総中野まで行く客はそれほど多くないようだ。

そのうち平野の景色も終わり、森に入っていく。線路のすぐそばが森なのである。そして木々がディーゼル車のすぐ近くに見える。登り坂なので列車のスピードは遅く、景色がはっきりと見えるのだ。やっぱりローカル線っていうのはいいものだなあ。

山

そんな森の登り坂の景色がずっと続き、ようやく終点の上総中野に到着した。残ったわずかな客といっしょにディーゼル車を降りる。いや、いい路線だったなあ。

上総中野駅は房総半島のまんなかであるが、それなりに人家のある集落らしい。4月に行った久留里線(くるりせん)の上総亀山に多少似ているところがある。それほど観光名所って場所でもなさそうだ。

さあ、ここから小湊鉄道(こみなとてつどう)に乗って五井(ごい)に行かなければならない。でもこの駅、跨線橋とかなさそうだし、どう乗り換えるんだろう?

案ずることはなく、すぐ近くに五井行きのディーゼル車があった。ホームを歩いて乗り換えられる。いったん改札を出る必要もないようだ。ぼくは五井行きのディーゼル車に向かった。

小湊鉄道

旅行記本文

大原から乗ってきたディーゼル車を上総中野(かずさなかの)で降り、跨線橋も中間改札もないホームを歩いて五井(ごい)行きの小湊鉄道のディーゼル車に乗った。

いすみ鉄道はそれなりに客がいたが、小湊鉄道の方は全然客がいない。多少は大原から五井にぬける客がいるかと思ったがそれほどでもない。そんなものなのかなあ。

ディーゼル車は発車する。いすみ鉄道と多少景色は違うが、人家の少ない場所を通ることには変わりない。森の中を走る路線である。4月に乗った、JRの久留里線(くるりせん)より森は深いかもしれない。

そのまま進んでいく。進むにつれて森はそれほど深くなくなっていくが、相変わらず人家は少ない。久留里線より少ないかもしれない。客も乗ってこない。

それでも五井が海岸沿いにあるからだんだんと海に近づくふんいきで、なんとかディーゼル車は終点の五井駅に到着した。

お昼は過ぎたようだが、きょうはもう少し乗っていない路線に乗りたいので先を急がなければならない。ディーゼル車を降りるとただちに内房線千葉行きの電車の出るホームに向かった。

内房線

旅行記本文

五井(ごい)で上総中野(かずさなかの)から乗ってきた小湊鉄道のディーゼル車を降りる。ここから数時間ぶりにホリデーパスが使えるのでしばらくきっぷを買う必要はない。

4月は改札を出た五井駅だが、きょうはそのまま千葉行きの電車に乗り換えだ。電車がやってくる。

外房線は国鉄時代にも乗ったが、内房線はJRになってからしか乗っていない。最初に乗ったのは川崎から木更津までフェリーに乗った時だったと思う。

船

このあたりの景色は工場とか多くてけっこう殺風景だが、それでもまあ120円おおまわり旅行では行けない区間だからたまにしか来ることはないと思うとしっかり景色を見ておきたくなる。そのうち蘇我を過ぎて千葉の市街地が近づいてくる。

まずは本千葉。ここで降りて京成の千葉中央駅まで歩いたことがある。あの時は京成に絶対乗ろうと思って乗ったわけではなく、単に京成の方が運賃が安そうだから乗ったんだった。

でも本千葉から千葉中央まではまっすぐな道があるわけではなく、道に迷いながら進んだなあと思い出す。

そして電車は市街地に入っていき、終点の千葉駅に到着した。電車を降りる。

さて、せっかく千葉に来たので、ここは1つ、千葉都市モノレールに乗ってみたいと思う。

千葉駅から出ているらしいのでぜひ乗ってみようと思い、ぼくは改札に進んでホリデーパスを見せて通り、モノレールの案内を探すことにした。

千葉都市モノレール

千葉駅

五井(ごい)から乗ってきた電車を千葉で降り、モノレールの案内を探した。なんとか見つかった。行ってみよう。

通路を進むと駅っぽい場所に出た。JRに比べるとなんとも小さい駅舎だが、自動券売機できっぷは売っているようだ。目的地の千城台(ちしろだい)まで買う。一番大きい数字の分だけ金を入れればいいだろう。無事きっぷが買えた。自動改札を通ろう。

ホームに出るとモノレール車両が停車していた。なんと車両の下にレールがない。

ぼくは今まで、羽田空港のモノレールとか、あと先月に西武球場のところで新交通システムに乗ったくらいで、そのくらいしかモノレールに乗っていない。だからモノレールっていうのは下にコンクリートがあるものと思っていた。

しかしここのモノレールは、上にレールっぽいものがあり、車両がぶら下がっているのだ。こんなものもあるんだなあ。まずは乗ろう。

多少は客がいるが、それほどのこともなく、すわれた。こんな客の数でこの路線はやっていけるのかなあ。


千葉~千城台

しばらく待つと発車だ。けっこう高いところを通るモノレールなので、駅前の車がけっこう低い位置に見える。ながめがいいなあ。

そんなながめも長くは続かない。千葉の市街地はそれなりに広いみたいだが、高いビルがある場所はせまく、すぐに住宅があまり多くない区画に出る。

それにしても緑の多いところだなあ。あれは競技場か。客の乗り降りもけっこうあり、短い区間で降りていく客がちょこちょこといる。

そしてこのモノレール、けっこうアップダウンが多い。羽田空港のモノレールもアップダウンはそれなりにあったからなあ。

総武本線と違ってそんなに平坦な場所は通らないようだ。総武本線が通らない場所を遠回りして通る交通機関なのだろう。そんな景色がしばらく続く。

そしてようやく緑が少なくなり、総武本線のレールが見えてきた。どうやらこのモノレールは総武本線をまたぐようだ。そして都賀(つが)駅に到着。ほんの少し客が降り、けっこうな数の客が乗ってくる。

終点の千城台まではもうすぐだ。客の多くなった車両が発車する。するととたんに車両はのぼり勾配をのぼっていった。

なるほどなあ。「台」って名前からして、千城台は標高の高い場所なのだろう。モノレールって、勾配に強い交通機関なんだろうなあ。

勾配をぐいぐいのぼり、ようやく終点の千城台に到着である。たくさんの客といっしょにぼくも降りる。改札を出ないと帰りのきっぷが買えない。


千城台~都賀

自動改札を通って券売機のところに行き、都賀まできっぷを買って改札を通り、車両に乗る。さっきよりすいている。そして発車。

丘の上のながめのいい場所から、かなり急な坂を今度はおりていく。モノレールってこんな場所がけっこう多いのかなあ。

もと来た道をおりていき、それほど時間もかからずに都賀に到着した。ここで降りる。自動改札にきっぷを通して通る。

さあ、まだ日は暮れていない。まっすぐ寮には帰らずに、まだ乗っていない常磐線の佐貫から竜ヶ崎に向かう鉄道に乗ろう、そう考えてJRの都賀駅に向かった。

成田線

旅行記本文

千城台(ちしろだい)から乗ってきた千葉都市モノレールの車両を都賀(つが)で降り、JRの駅に向かった。ホリデーパスを改札に見せて通る。もちろん無事通れる。

ホームに行って待つと電車がやってきたので成田まで電車に乗る。120円おおまわり旅行でいつも通っている千葉県の景色である。左右に見える木々がいい。ふだん山手線の駅の近くで働いている身にとって自然が見える鉄道というものはとてもいごこちがいいものである。

佐倉を過ぎて成田の市街地に入っていき、無事乗換駅の成田に到着である。何度も来た駅なのでだんだんなじみになっていくような気がする。階段をのぼっておりて我孫子行きに乗り換える。

都賀から成田までの電車と違い、我孫子行きはとてもすいていた。もう夕方だから客の数もこんなものなのだろう。この景色もけっこうなじみである。

緑の多い景色を電車は進んでいくと常磐線のレールが見えてきた。そして成田よりは大きい我孫子駅に到着。電車を降りる。

さあ、もうだいぶ日が暮れてきたが、あと少し、きょうはここから佐貫(さぬき)まで行って竜ヶ崎まで列車に乗らなければならない。もう少しがんばろうと思い、ぼくは階段をのぼっておりて取手より遠くに向かう常磐線の電車を待つことにした。

常磐線その1

旅行記本文

成田から乗ってきた電車を我孫子で降りる。120円おおまわり旅行で何度も乗り換えた駅だが、まだまだ慣れるというほどではない。
もう午後遅く、暗くなり始めている。常磐線下りホームに行き、何本か取手止まりの電車を見送り、ようやく次の目的地の佐貫(さぬき)に向かう電車がやってきた。乗る。さすがに混雑しているなあ。

電車が発車する。我孫子から佐貫まではそれほど長い時間はかからないはずだよなあと思いながら電車に乗っていく。利根川を渡って取手に着く。
取手を発車する。このあたりはそれほど来る場所ではないので景色をじっくり見ておこう。
でもきょうはいすみ鉄道と小湊鉄道の景色があまりにも良かったので、それと比べると常磐線の景色は単調に感じる。何度も乗っている成田線よりも単調なくらいだ。

夕暮れ

思ったよりも時間がかかり、電車は目的地、佐貫に到着した。だいぶ暗くなってきた。さあ、きょう最後の私鉄だ。がんばって竜ヶ崎に行こうと思い、ぼくは電車を降りた。

関東鉄道

佐貫~竜ヶ崎

我孫子(あびこ)から乗ってきた電車を佐貫(さぬき)で降りた。竜ヶ崎に向かう列車はどこだろう。
どうやらいったん改札を出なければならないようだ。ホリデーパスを取り出して改札を通る。佐貫は土浦より上野に近いからちゃんとホリデーパスで通れる。

JRの駅舎の近くに、JRよりややこぶりな駅舎があった。竜ヶ崎行きの列車が出る駅舎のようだ。
駅舎に入り、竜ヶ崎まできっぷを買う。それほど待たないうちにディーゼル車がやってきたので乗る。もう暗く、景色はそんなに見えなさそうだ。
客は少ない。こんなのでこの路線はやっていけるのだろうか。まあ、高校生とかで混雑する時間もあるんだろうと思っているうちに発車する。

佐貫自体たいして大きな街ではなかったが、沿線は全く住宅が見えなくなる。4月に下館から取手まで乗ったほうの路線もそれほど住宅が多いわけではなかったが、こっちの路線はさらに少ないような気がする。
よくこんな路線が残れたなあと思っているうちにディーゼル車は終点竜ヶ崎に到着である。ここは多少沿線より住宅は多いが、佐貫より少なさそうだ。とりあえず列車を降りて改札を通ろう。そして駅舎を出てみる。


かわいいこ

さてどうしようか、と駅前を見たら食堂があった。
どうせ東京に帰ってもコンビニで弁当を買って食べるだけだし、きょうはここで夕食にしようかと思い、入ることにした。
入ってみた。ふつうの食堂だ。親子丼でもたのむことにする。テーブルのそばのいすにすわる。

ふとそばのたたみの席を見ると、うわーかわいいねこだなあ。
たたみにはどでーんとねこがねていたのである。

ねこ

食堂のねこというと、大学の留年中にバイトで出かけた先の食堂を思い出す。食堂の高さ2メートルくらいのところにテレビがあって、テレビのそばに板があって、そこにねこがねていたのである。ここなら安全だ。なでられることもない。
でもここの食堂のねこは、たたみにねていたのである。近づけばなでられそうだ。でもねているのをわざわざ起こすのもかわいそうなのでそのままねかしておくことにした。

たたみ

親子丼がやってきた。きょうもうまいめしを食べることができた。なにしろまともに昼めしを食べていないのでここのめしは貴重だった。ねこはまだねている。かわいいなあ。

食事

親子丼を食べ終え、なごりおしい気持ちでねこと別れる。竜ヶ崎はねこの思い出の場所になったのである。


竜ヶ崎~佐貫

食堂を出て竜ヶ崎駅に戻る。そして来ていたディーゼル車に乗る。もうすっかり暗くなっているし、お客もほとんどいない。そして発車。
ディーゼル車はもと来た道を戻っていく。たいした景色でもないことはわかっているので目を凝らして見たりはしないことにする。
そして終点の佐貫に到着。ディーゼル車を降りる。

さあ、何度も使ったホリデーパスだが、きょうはあとは上野まで行って寮まで戻れば終わりだ。上野行きに乗ろうと思い、ホリデーパスを取り出してJRの方の駅舎に進んだ。

常磐線その2

旅行記本文

竜ヶ崎から乗ってきたディーゼル車を佐貫(さぬき)で降りて、JRの駅に向かう。そしてきょう1日使ってきたホリデーパスを取り出し、改札に見せて通る。

上野行きがやってきた。乗る。ボックス席とロングシートのあるそれほど変わりのない電車だ。さすがに休日はそれほど混雑もしていないのですわれる。なにしろ常磐線の電車は車両数が多い。そして発車。

もう暗いので景色は見えないが、なんとか寮まで帰れそうだ。取手を過ぎて鉄橋を渡っていく。

東京に来てから、120円おおまわり旅行をすることがけっこうあり、東金線まで乗ってきた。しかしやっぱりきょうみたいに私鉄とかも含めて乗っていくと楽しいと思う。
いすみ鉄道の車窓から見える草の多さとか、千葉都市モノレールから見える風変わりな景色とか、いろいろおもしろかった。
そんなことを思い出しているうちに松戸を過ぎて、また鉄橋を渡る。別の鉄橋を渡ると北千住だ。

明かりの多くなった窓の外を見ながら電車は日暮里に着き、山手線が見えてくる。そしてじきにこの電車の終点、上野に到着する。きょうもいい旅ができたなあ。

もうホリデーパスの近辺で行ける場所と言ったら栃木県の真岡鐵道(もおかてつどう)くらいだ。千葉の銚子電鉄もホリデーパスの範囲から若干はずれているくらいだが、あそこには真岡と違って東京から高速バスが来ているからなるべくなら高速バスで行きたいなあ。

そんなこれからのことを考えながら、ぼくは山手線に乗り換えることにした。さあ、また会社だ。夏休みまでは青春18きっぷは使えない。それまでどこに行こうか、もう少し寮で考えよう。

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