JavaScriptを有効にしてください

Sorry, Japanese only! (1998年3月その1)

93.近鉄特急と大阪の地下鉄

説明

背景

1998年も春の青春18きっぷの季節が近づきました。そのころ、ぼくは5回分のうち2回分を山陰旅行、さらに2回分を長野の旅行に使おうと考えていました。さて残り1回分をどうしましょう。

山陰旅行と同じく大垣行きの夜行にでももう1回乗ろうか、と考えていました。

そんな矢先にぼくが旅行好きだと知っている同じ職場の女性にこんな質問をされました。
「ねえ、立川から出ている夜行バスのこと知らない?」
「はい、レッツ号ですね。神戸の方まで行っていますよ。」
「えっ、バスの名前がレッツゴーって言うの?」

そんな話をしているうちに、そう言えばこのレッツ号に乗るついでに青春18きっぷの1回分を使うことができるなあと考えたぼくは、

「このバス、3月に乗ってきますよ。予約のやり方もメールしますよ。」

と言い、かくしてバスによる大阪の旅行が決定したのです。


計画1

大阪でまだ乗っていない路線に乗ろうと考えました。それはこの時点では以下の通りでした。

・大阪市営地下鉄中央線の弁天町~大阪港
・テクノポート線全線
・ニュートラムのフェリーターミナル~中ふ頭
・大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線の鶴見緑地~門真南(かどまみなみ)
・大阪高速鉄道(モノレール)の千里中央~大阪空港
・近鉄の生駒にあるケーブルカー

これらには全部乗ろうと考えました。しかし、まっすぐ大阪に行っても時間が余りそうです。どこか寄り道がしたいです。

さて、他に乗りたい路線を考えましたが、以下のものが挙げられそうです。

・近鉄の大和八木(やまとやぎ)の、近鉄大阪線から近鉄京都線に至る渡り線
・近鉄の伊勢中川から奈良方面に向かう路線(名古屋~なんばの特急が通る渡り線ではない)
・近鉄の上本町(うえほんまち)の地上ホーム


計画2

これらに乗るには、ムーンライトながらで名古屋に着いた後で、亀山経由で松阪に行き、京都行き特急で大和西大寺(やまとさいだいじ)まで行き、そこから乗り換えて生駒で降りてケーブルに乗り、そこから上本町まで行けばよさそうです。

計画が決まり、ムーンライトながらの指定席券とバスの指定席券が買える1ヶ月前になったので、まずはムーンライトながらの指定席券を手に入れました。

次にぼくはまず時刻表に書かれた電話番号に電話して予約を入れた後で立川に行き、立川バスの案内所に行ってお金を払ってバス指定席券を受け取りました。その場所はさきほどの女性にメールしました。
(1998年当時案内所は、立川駅の北口を出て右に曲がってすぐの所にありました。)

そして青春18きっぷも買って、またムーンライトながらに乗る日がやってきたのです。


補足

なお、かんじんのレッツ号ですが、最初に話した女性からこう質問されました。
「となりに男の人がすわることもあるの?」
そして、
「女性専用の車両はないからそういうこともありますよ。」
と言ったら、
「あっそう。」
と言われてしまいました。どうやら彼女は夜行高速バスに乗ることはあきらめたようです。

東海道本線その1

旅行記本文

京浜東北線の電車は、無事横浜駅に到着した。

今日も横浜駅でムーンライトながらを待つ。横浜駅の近くにはコンビニがないことがわかっているので、あらかじめアパートから横浜に行く途中のコンビニで食べ物や飲み物を買ってきている。

びゅうプラザのとなりのパンフレット置き場でパンフレットを見る。
この3月でニューワイド周遊券がなくなり、その代わりの「周遊きっぷ」では航空機が片道しか使えないので、航空機が往復使えてJRが乗り放題のきっぷはないかなと思ったからだ。
どうやら全日空系の旅行会社にそういうパック旅行があるらしいが、ちょっと高いホテルに1泊以上泊まらないといけないようだ。なかなかむずかしそうである。

またいつものように11時50分に18きっぷにスタンプを押してもらって改札を通り、ホームに行く。
去年の12月は東京から乗ったが、横浜から乗るときみたいに窓側の席にすわるため通路側の席の人にどいてもらうことが少なくていいなあと思った。今日もどいてもらって窓側に乗る。

今日は名古屋で関西本線に乗り換えだから岡崎でなくて名古屋まで行くんだなと思いながら眠ろうとする。
小田原でどかどかお客が乗ってくる。春の18きっぷシーズンは自転車を分解してシートにつつんでながらに持ち込む人が多かったりするんだけど、今日はどうだろう、などと思いながら眠る。

なんとか眠れたようで、目が覚めると豊橋を過ぎているようだった。名古屋まで眠ろうとまた眠る。この車両は名古屋で切り離される車両だから寝過ごしても大丈夫だろう。

そして今日も無事名古屋駅に到着した。今まで横浜の時点で数十分遅れることはあっても名古屋で遅れることはなかったが今日もそうだった。他の人に続いてぼくも降りる。いったん改札を通ってトイレに行こう。

関西本線

旅行記本文

ムーンライトながらを名古屋で降り、改札を出てトイレに行く。また改札を通る。
今日は駅弁は買わないことにしよう。これから松阪に行くので松阪の牛肉の弁当を買おうと考えた。その代わり、名古屋駅は駅のホームにコンビニがあるという話なので行ってみることにした。東海道本線のホームにあるそうだ。

なんとかコンビニを見つけたが、営業時間は朝7時からだった。いくらムーンライトながらの客が多くても、それに合わせてコンビニを営業するほどのこともないのだろう。しかたがない。買い物は松阪に着いてからだ。関西本線ホームに行こう。

なんとか入線前にホームに行くことができて、それほど混雑もしていなかった。なんとかすわれそうだ。亀山行きがやってきた。
もう何度も乗った電車だが、今日でしばらく乗り納めの電車である。なにしろ、亀山近辺で通学時間なので混雑するのだ。今日もそうだろう。

電車は発車する。この電車に乗るのは1年2ヶ月ぶりだが、特に景色に変化もなく、愛知と三重の県境の、川を何本か渡る景色を通り過ぎていく。そして四日市を過ぎる。

四日市を過ぎて数駅すると、高校生がどんどん乗ってくる。いっぱいになったところで亀山に着いた。高校生たちと一緒に降りる。
高校生をやりすごすことにして亀山のベンチですわったこともあったが、今日は高校生についていこう。階段を上がっておりて松阪の方に進むディーゼル車に乗り換えることにした。

紀勢本線

亀山~一身田

亀山で名古屋から乗ってきた電車をおおぜいの高校生といっしょに降り、松阪の方に向かうディーゼル車に乗り換えた。
さすがに高校生がたくさん乗るディーゼル車なので、車内はすでに高校生でいっぱいだった。
とりあえず入り口のそばに立つ。ディーゼル車が発車する。

最初は林の近くを通ったが、やがて林がとぎれて津に近い平野を進むようになった。
そして津の1駅手前の一身田(いしんでん)という駅に着いた。
いっせいに高校生たちは降りていった。窓の外を見ると高校らしき建物が見える。そうか、三重県では駅のそばに高校があるのか、とうらやましく思った。

うらやましく思ったわけは、ぼくが高校時代、高校もより駅に自転車を置いて、そこから2キロ離れた高校まで通っていたからである。
そう言えば去年1月に近鉄四日市から乗った湯の山線でも通学客がたくさんいたっけなあと思い出した。


一身田~松阪

高校生が全員降りたので、デッキから車内に入る。ボックス席ばかりの車両である。1車両ほど進んだ方が席が空いているようだ。
残っているお客は地元の客、そしてわずかだが青春18きっぷ客っぽい男たちがいる。まずはすわろう。

ディーゼル車は進んで、津に着いた。
ここからも近鉄には乗り換えられるが、京都行き特急は走っていない。松阪まで行って京都行きに乗るのが今日の計画である。

なぜか津では乗り降りがあまりない。
向かいのホームを見ると高校生が見える。どうやら亀山行きで一身田の高校に向かう高校生のようである。また進む。

駅を出るとすぐ市街地を離れる。あまり山は多くない地形である。がらがらのディーゼル車はすいすい進んで目的地、松阪に着いた。ここで降りる。
さあ、いったん改札の外に出て近鉄のきっぷを買おうと思い、階段を上がった。

近鉄山田線

朝食

亀山駅から乗ってきたディーゼル車を松阪で降りた。これから近鉄の特急で大和西大寺(やまとさいだいじ)まで行きたいのでいったん改札を出る必要がある。

出口が海側と、海と反対側にあるようだが、海と反対側の建物の方が大きそうで特急券を売っていそうだったので海と反対側に行き、青春18きっぷを見せて改札を出た。

近鉄の窓口があったので大和西大寺経由生駒行きの乗車券と大和西大寺までの特急券を買った。京都行きの特急は1時間に1本なので数十分待つのだが、次の特急が空いていた。特にやることもないので改札に入る。

鳥羽と同じでJRと近鉄は改札が共通だった。ホームで駅弁が売っていた。どうやら松阪牛の駅弁らしい。1200円だ。買っていすにすわって食べた。かなりうまい駅弁である。


松阪~大和八木

食べ終わってしばらくすると京都行き特急がやってきたので乗って自分の席を探す。おっ、これはずっと前から乗りたかった2階だてビスタカーではないか!

7年前と違い、最近は禁煙でも2階席なのである。いつも2階の列車に乗るときは下の席にすわっているが、今日は2階にすわれたので幸運である。できれば東北・上越新幹線にMAXが走る前に乗りたかったけど。

特急は松阪を出て田園地帯を走り、伊勢中川を過ぎると山の中に入っていった。ほとんどがらがらの2階だて電車は山の間を通り抜け、長いことかかってようやく大和八木に着いた。さてここからが今日の一番のみどころだ。


大和八木~大和西大寺

大和八木を発車した電車は、ポイントを渡って名古屋行きの線路に移った。さらに進むとまたポイントがあり、右に分岐して高架をおりていった。

そのまま北向きになって線路を進み、また右に曲がってやや東寄りに進むと目の前に橿原線のレールが見えてきた。そして合流。

いつでもそうだが、特別な列車に乗らないと通れないレールを通るのはおもしろいものである。

特急は奈良の盆地を進んで大和西大寺に着いた。ここで降りる。
さてみどころを1つ見たが、今日はまだまだたくさんみどころがある。次は生駒のケーブルカーだ。ぼくはなんば行きの電車を待った。


補足

なお、「鉄道地図は謎だらけ」という書籍によれば、この日通った京都と賢島を結ぶ特急しか通らない大和八木の路線を「新ノ口連絡線(にのくちれんらくせん)」と呼ぶとのことである。

近鉄奈良線その1

旅行記本文

松阪からやってきた特急を大和西大寺で降り、なんば行きを待つ。電車がやってきた。とてもお客が多く、すわれないまま進む。でも生駒で降りればいいのでそれほど時間はかからない。じきに生駒に着いた。

3年前に筑波のケーブルカーに乗ってから、全国のケーブルカーに乗ってきたが、今日のケーブルカーはどんなながめなんだろうと期待しながら、自動改札にきっぷを通して駅を出た。さあ、ケーブルカーに乗りに行こう。

近鉄・鳥居前~生駒山上

のぼり

生駒駅を出て、ケーブルの乗り場を探す。なんだかみやげもの屋通りっぽい古びたアーケードがある。以前JR武蔵溝ノ口から東急溝の口まで続いていた乗り換え通りのようだ。

アーケードを抜けるとケーブルの駅に出た。きっぷを買って改札を通り、ケーブルカーに乗る。土曜日だけどまるでお客がいない。じきに発車だ。

ちょっとだけケーブルが上ると宝山寺だ。ここでいったん降りる。まだ生駒の町中の駅である。ここで生駒山上行きのケーブルに乗り換えだが待ち時間がある。

どうも鳥居前~宝山寺のケーブル2本に対して宝山寺~生駒山上のケーブル1本が対応していて、次に鳥居前から来る客を待って生駒山上行きが発車するらしい。しばらく待つ。

次のケーブルがやってきた。さっきよりお客がいる。子供連れがけっこういる。
生駒山上行きに乗る。すわれない人が出るほどではなかった。いよいよ発車。街を出てながめのいい景色になる。どうやら登山道がそばにあるようだ。

歩いている人が見える。そして途中駅に停車。さすがに乗り降りはないし、そばに人家もない。登山する人のための駅なのだろうか。

さらに登り、上からのケーブルとすれ違う。ながめはさらに良くなり、奈良の平野がきれいに見えてきた。そしていよいよ生駒山上駅に到着した。まずは降りる。


くだり

すると何かの施設の入り口が見えた。どうやら遊園地らしい。まわりに車が数台見える。ここまでは車でも来られるのだ。そして生駒駅からの登山道も来ているようだ。でも土曜日で学校が休みでないからたいしてお客もいないようである。

ぼくはすぐに引き返すことにした。自動券売機は鳥居前までだけでなく、生駒以遠の近鉄駅までのきっぷも売っていた。目的地の上本町まで買うことにする。

またケーブルに乗り、ながめを楽しんで宝山寺におりた。さすがに午前中におりる人は少なく、すいていた。さらに鳥居前におりる。

鳥居前駅を出た。ここで昼食にしても良いが、せっかく上本町に行くのだし、上本町まで行ってから昼食にすることにした。みやげもの屋通りを通り、生駒駅に着いた。

近鉄奈良線その2

生駒~上本町

生駒のケーブルカーを降りて、また生駒駅までやってきた。ケーブルカーの頂上の駅で買った上本町までのきっぷで改札に入る。

やってきたなんば行きはまたまた大混雑だった。乗ってほとんど景色も見ないまま進む。

これから行きたいのは上本町の地上ホームなので、布施か鶴橋で堅下の方からやってくる電車に乗り換えなければならない。鶴橋なら階段を使わずに乗り換えられるが、布施だと階段をおりる必要がある。

でもあまりにも混雑がひどいので布施で降りてしまった。階段をおりて上本町行きを待つ。
やってきたがなんば行きと同じくらい混雑していた。あーあと思いながら乗り換えた。それでも鶴橋でほとんどお客は降りた。

あとは7年ぶりに乗る区間であるが、今度は地上である。鶴橋を出た電車は、どこで地下に行くレールと分岐したかわからないまま地上の上本町駅に入り、いきどまりホームに到着した。まずは降りる。


昼食

なんだか雰囲気のいいところだなあと思いながら、改札を出た。そして出口を出て振り返ると、上本町はデパートと一体化した駅のようだ。まわりをながめると、やっぱりけっこうな都会である。さて、まずは食事だ。

横断歩道を渡るとカレー屋を見つけた。ここにしよう。でも都会のカレー屋は具が少なさそうだ。どうせ具が少ないのなら、と思い、ここはチーズ入りのカレーを頼んでみた。うん、けっこううまい。いいカレーが食べられてよかったなと思いながら店を出た。

さて、これから地下鉄に乗るわけだが、その前に上本町の高速バスのターミナルでも探そうと思った。いつか上本町からバスに乗る機会があるかもしれないからだ。また駅に入り、階段をのぼってあちこちまわってみた。駐車場があり、ホテルの入り口がある。

さらに進んでみると、駐車場のわきにこじんまりとした待合室があった。待合室に入ると高速バスのきっぷ売り場がある。よし、これで道順は覚えた。またホテルの入り口の前を通って上本町駅のあるデパートに戻ってきた。

長堀鶴見緑地線

谷町九丁目~谷町六丁目

上本町のバスターミナルから再びデパートに戻ってきたぼくは、デパートの階段をくだって上本町のなんば方面の階に出た。そして地下鉄の谷町九丁目の案内を探した。

意外と長い距離を進んで地下鉄の自動券売機にやってきた。
ここで地下鉄の1日乗車券を買った。今日はそんなに地下鉄に乗るわけではないが、大阪は初乗り運賃が高いので、なんとかトントンにはなりそうだ。

谷町線の大日方面の電車に乗ればいいんだよな、と思いながらホームに行き、大日行きの電車に乗って1駅、谷町六丁目まで進んだ。ここで電車を降り、今日の目的地の1つである延伸した長堀鶴見緑地線の門真南(かどまみなみ)へと向かう予定である。


谷町六丁目~門真南

案内に従い長堀鶴見緑地線のホームにやってきた。電車が来る。長堀鶴見緑地線に乗るのは3度目であるが、今日も狭い電車である。お客は去年おととしに比べるとだいぶ増えてきたような気がするが、すわれないほどではない。

電車は進む。京橋を過ぎて何駅か進むとお客がだいぶ降り、少なくなってきた。

鶴見緑地に着く頃にはすっかりがらがらになってしまった。

さて、いよいよ延伸区間だ。とは言っても地下の路線だ。秋田新幹線みたいに区間によって乗りごこちが違うようなこともなく、電車は終点、門真南に到着した。

まずはここで降りる。改札を通って外に出てみた。


門真南駅周辺

鶴見緑地と違い、この駅のそばには大きな建物があった。なんとドーム型の建物のようだ。

近くに行って案内を見ると「なみはやドーム」と書いてある。どうやらスケート場のようだ。

近くになんだか変な形のオブジェがあった。オブジェの名前が書いてあったが、筆記体だったので「Se*** T***」としか読みとれなかった。

ドームの他にはもう1つ建物があったが、他にめぼしい建物も見つからない。

まあ、何かのイベントがある時に使える駅のようだ。地下鉄の終点としてはまあまあの駅のような気がした。


門真南~森ノ宮

特に他に何もすることはないので、また門真南駅に戻り、改札を通ってまた電車に乗った。

今回も行きと同じくお客は少ない。
京橋を過ぎると若干お客が増えたが、それほどのこともなく、電車は森ノ宮に到着した。ここで降りる。

さあ、次の目的地は新しくできた大阪港トランスポートシステムの路線である。地下鉄の中央線が乗り入れているようなので森ノ宮で乗り換えるわけである。今日も階段をのぼりおりして中央線ホームに向かった。

大阪港トランスポートシステムその1

森ノ宮~弁天町

森ノ宮で長堀鶴見緑地線を降り、案内に従って中央線に向かった。やがて中央線のホームに来た。

まずはここからコスモスクエア行きの電車に乗り、コスモスクエアで降りる予定である。
コスモスクエア行き電車がやってきたので乗る。お客はそれほど多くない。
大阪の地下鉄は御堂筋線以外はみんなお客の数はこんなものなんだろう。

電車は本町駅を過ぎていく。

やがて電車は地上に出た。門真南から地下に入って久しぶりの地上である。高速道路の高架が近くに見える。

そのまま大阪環状線が見えて、弁天町である。ここで大阪環状線をまたぎこす。


弁天町~コスモスクエア

電車は海沿いに近づいてきた。そのまま地上を走ると思いきや、大阪港の手前でまた地下にもぐってしまった。

そして地下の大阪港のホームに停車する。ここから大阪港トランスポートシステムである。

再び電車は発車し、そのまま地下を進んでいった。よくよく時刻表の路線図を見ると、大阪港とコスモスクエアの間には運河があるではないか。大阪港トランスポートシステムは運河の下を通っているのだ。

そして地下のままスピードが遅くなり、終点コスモスクエアに到着だ。ここで降りる。お客はわずかである。

階段を昇り、まずは精算機の前に来た。谷町九丁目で買った大阪市営地下鉄の一日乗車券を入れ、つづけてレインボーカードを入れる。すると精算券が出てきて、一日乗車券とレインボーカードが返ってきた。ちゃんと大阪港からコスモスクエアまでの運賃がレインボーカードから引かれているようである。

精算券とカードを取り、自動改札に行って精算券を入れて改札を出た。


コスモスクエア駅周辺

駅の外に出ると、そこはまさに再開発地帯である。東京で言うと、レインボーブリッジができてゆりかもめができてないころのお台場近辺がこんな風景だったなあと思い出す。

空き地がたくさんある。ところどころに大きなビルがあるが、道路には車も少なく、やはりできたての土地なんだなあと思う。

とりあえずしばらく歩いてみる。海がかなり近くにあるはずだが、なんとなく海が近くにあるという感じがしないのが不思議である。

そのうち大きな建物の前に出た。しかし、建物の前には門番らしい人がいる。
入る時に何か言われはしないか心配になる。どこか門番のいない入り口はないかなあ。

階段を昇り、歩道橋のような建造物の上に出ると、そこにも大きな建物の入り口があり、門番はいなかった。

ぼくはここから大きな建物に入ってみることにした。

大阪港トランスポートシステムその2

バス

コスモスクエア駅から多少歩いたところにある大きな建物を歩道橋に面した入り口から入ってみると、そこは吹き抜けの広い空間だった。

案内を見ると、どうやら東京タワーやサンシャインと同じで、高い所に昇るエレベーターがあって有料らしい。

1Fではなぜかローソンが建物の中に入り口を開けていた。

まあ、特に金を払って昇ることもないだろうと思い、ローソンに行って飲み物を買って過ごした。

そして建物を出た。なぜか近くにバス停を見つけた。しかも大阪市営バスだ。ということは今持っている一日乗車券で乗れる。コスモスクエアにも行っている。

コスモスクエアからは歩いてきたが、かなり歩いてきたため無料ならバスに乗って帰ってもいいかと思い、バスを待つことにした。

やがてバスが来て、乗る。一日乗車券を見せたらそのまま乗れた。
お客はぼく1人というわけではなく2~3人いたが、それにしても少ない。

乗って2~3分もするとバスは終点、コスモスクエアに着いた。

それにしてもバスが通っているということは、ひょっとしたらこのバス、大阪港トランスポートシステムよりも市内に行くのは安いかもしれないなあと思う。この路線の前途がちょっぴり気になった。


コスモスクエア~中ふ頭

バスを降り、自動券売機の前に来た。ここから住之江公園まで行く予定だが、一日乗車券は中ふ頭から住之江公園までの間しか使えないし、レインボーカードは使えるが、もしここでレインボーカードを通して改札に入ってしまうと住之江公園まで運賃が引かれてしまう。

そんなわけで中ふ頭まできっぷをレインボーカードで買った。

きっぷを入れて改札を通り、住之江公園行きの電車の前に来た。ここからは去年もフェリーターミナルに行くのに使ったニュートラムの車両なのだ。ニュートラムの車両がコスモスクエアまで乗り入れているのである。

多少お客がいるが、1両あたり10人にも満たない状態でニュートラムの車両は発車した。

じきに車両は地上に出た。

この前は夜だったが、今は昼間だ。昼間のニュートラムは海沿いの景色が良くて気持ちがいい。
ニュートラムは中ふ頭を過ぎた。


中ふ頭~住之江公園

駅に着くごとにお客がどんどん乗ってくる。まわりを見ると団地がたくさん建っていてベッドタウンになっているようだ。ここの路線は通勤路線として安泰のようである。

フェリーターミナルを過ぎ、かなり混雑してきた。そのうち住之江公園に近づいた。

終点の住之江公園の手前で左を見ると、競艇のボートが見えた。ふ~ん、住之江公園には競艇があるのか、地下鉄のある所に競艇があるなんてうらやましいなあと思った。もっともぼくはギャンブルはやらないが。

ニュートラムは終点、住之江公園に着いた。さあ、ここからまだ乗っていない大阪空港まで開通したモノレールまで行かなければならない。四つ橋線で西梅田まで行って阪急に乗り換えて蛍池まで行ったり、大国町で御堂筋線に乗り換えて江坂から北大阪急行経由で行ってもいいが、ここはリッチな気分でリムジンバスにでも乗って行った方が良さそうだ。

そのためには、四つ橋線をなんばで降りてOCATに行き、そこから伊丹空港行きリムジンバスに乗るのが良さそうだ。なぜなら、リムジンバスは大阪~伊丹空港もOCAT~伊丹空港も同じ運賃なのだ。

そう考え、ぼくはニュートラムを降り、四つ橋線に通じる長いくだり階段をおりて行った。

四つ橋線

住之江公園~なんば

ニュートラムからくだり階段をおり、四つ橋線のホームまでやってきた。そして停車していた西梅田行き電車に乗った。

さすがにニュートラムからの接続電車なのでけっこう混雑している。とは言えすわれないほどではない。やっぱり大阪の地下鉄は御堂筋線以外そんなに混雑していないようだ。

今日はここからなんばに行き、OCATまで行って伊丹空港行きバスに乗り、まだ乗っていない延伸された大阪のモノレールの大阪空港から千里中央に乗る予定である。

電車は発車した。あまり混雑せず、すいすいと地下を進み、去年やおととしに乗り換えた大国町にやってくる。
さらに進み、なんばに到着である。ここで降りる。

階段を上がり、改札にやってきた。ぼくは今、大阪港トランスポートシステムのコスモスクエア→中ふ頭の乗車券と、大阪市営地下鉄の1日乗車券を持っている。

とりあえず精算機に行き、コスモスクエア→中ふ頭の乗車券を入れて、続けて1日乗車券を入れてみたが、1日乗車券がはじかれてしまった。やっぱり有人改札を通る必要があるようだ。有人改札に行き、コスモスクエア→中ふ頭の乗車券を渡し、1日乗車券を見せて改札を出た。


OCAT1

階段を上がり、地上に出た。さてOCATはどこだろう。

ぐるっと見回すとそれらしい建物があったので、入ってみた。

とぼとぼと階段を上がっていく。
そのうちバスターミナルの待合室っぽい空間に出た。つい数時間前に上本町の駅の近くにあったバスターミナルに良く似た空間である。

おお、ここだここだ。去年10月に熊本からやってきた高速バスは、いったんこのターミナルに入ったんだった。まちがいなくここがOCATであることがわかった。

さて伊丹空港行きバスはどこから出るのだろう。

しばらく探してみて、なんとか伊丹行きバス乗り場を見つけた。でもすぐにバスは出るらしい。
あまり忙しいのもなんなので、次のバスにすることにした。


OCAT2

まずは自動券売機で伊丹行ききっぷを買い、あたりを観察してみた。

南海の高速バスの路線廃止のお知らせがあった。なんでも南海は、長野、富山、岡山、松山、鹿児島行き高速バスから撤退するというお知らせであった。

高速バスは急速に広がったが、お客がそんなにいないのに路線だけできた場所も多いらしく、撤退する場所もあるのだろう。もともとそんなに利益の出ない商売だし、しかたがないのかもしれないなあと思った。

テレホンカードの自動販売機も見つけた。かわいいねこの絵柄のテレホンカードらしいので買っていく。そしてそのうち伊丹行きのバスがやってきて、乗車時刻になった。

さあ、どんな景色が見えるのかな、とわくわくしながら、ぼくはバスに乗り込んだ。

バス・OCAT~伊丹空港

旅行記本文

OCATを出た伊丹空港行きバスは、すぐに高速に上がらずにいったん地上におりた。
すると地上にもバス停があり、そこから10人くらい乗ってきた。知っている人はみんなこっちから乗るのだろう。お客を乗せると高速に上がる。

そう言えば北大阪急行はすぐそばに高速道路が通っていたし、大阪高速鉄道も万博記念公園のあたりは高速道路だったから、なんばからまっすぐ北に進むのかな、と思った。
しかしバスは少し北に進むとすぐ左に曲がり、右に曲がり、左に曲がり、を繰り返す。
お堀を何回も渡っているようだ。大阪は水の都なのだろう。

大阪は地下鉄ばかりで、中心部は大阪環状線以外ほとんど地上の鉄道がない。
だからバスみたいな交通機関でないと大阪がお堀ばかりということはよくわからない。

そして淀川を渡る。もう兵庫県に入ったようだ。
そしてそこからは北北西に進んでいるようだ。たぶん福知山線か阪急宝塚線に沿って進んでいるのだろう。
そのうち空港っぽい広い場所が近づいた。高速をおりて進み、2年ぶりの伊丹空港に到着した。まずはバスを降りよう。

大阪高速鉄道

大阪空港駅

なんばのOCATから乗ってきたリムジンバスを伊丹空港で降りる。さすがに何の用事もなくやってきたのはぼくぐらいで、あとの人は大きい荷物を持ってゆったりと空港へ向かっていく。リムジンバスを使う人は時間に余裕のある人たちらしく、そんなにあわてて走ったりはしない。

さて、これから乗るモノレールの駅はどこにあるかとあたりを見回すと、バスが停まった場所から南の方に見えた。バスから歩くのはぼくだけである。

階段の入口らしき場所に着こうとしたとき、その階段から急ぎ足で大きな荷物を持った人たちがどやどやと降りて空港に向かっていく。モノレールは急いでいる人が使う乗り物なのである。リムジンバスとは対照的だ。

階段を昇って自動券売機に向かう。きっぷを買って自動改札を通り、エスカレーターを上がってホームに来た。

さすがにできたてなので新しい。


大阪空港~蛍池

停車していた車両に乗る。そんなにお客はいない。航空機が到着する時は混雑するのだろうが、そうでない時はこのくらいの客数のようだ。

やがて発車した。

モノレールによくあるように、右へ左へ曲がり、大きくアップダウンする。

なんとこのモノレールは、付近の団地の窓のそばをこれみよがしに通過していくのである。

これじゃなかなか開通できないわけだよなあと妙に納得した。

さらにぐにゃぐにゃ曲がって蛍池に到着した。2年前に伊丹空港を使った時に、空港からバスに乗って来た場所である。


蛍池~千里中央

なんと乗ってくるお客が多い。よくわからないが、交通の流れとして蛍池~千里中央のお客がけっこう多いのかもしれないなあと思った。

また発車し、さらに右に左にジグザグに曲がる。

やっと高速道路が見えてきて並ぶとそれほど時間もたたないうちに2年前に来た千里中央にやってきた。
これで今日乗る新しい電車はここまでで、あとは高速バスの出る三ノ宮まで進んでバスを待てば良い。

時間はまだたっぷりあるが、もう大阪には乗っていない路線はないので、あくせくどこかに行くこともないだろう。とりあえず江坂に出て、2年前の11月に寄った「長崎ちゃんめん」で夕食にすることに決めた。

あとで考えると、せっかく地下鉄の1日乗車券があるのだから、もう少しどこかに行けば良かったかもしれないが、当時のぼくは大阪に関する知識が不足していて、とりあえず鉄道に乗れればもう用事はないと考えていたのである。

モノレールを降り、改札を出た。2年前の記憶をたどりながら、北大阪急行の駅へと向かった。

北大阪急行

千里中央~江坂

大阪のモノレールを千里中央駅で降りた。2年前の記憶をたどりながら、階段をおりていく。

そのうち北大阪急行の自動改札に来た。レインボーカードを通して改札に入る。

停まっていた電車に乗って待つと、あたりまえのように電車は発車する。土曜日の午後、梅田の方に向かう電車はかなりすいている。

地下から地上に出る。高速道路にはさまれた風景だ。2年前に乗った時より時間が早いのでながめがいい。

そのまま線路を南へ進んでいく。

また江坂駅にやってきた。今日は時間に余裕がある。電車を降りて自動改札に来た。

レインボーカードを通して江坂の駅を出た。


夕食

さてここからだが、おととしの11月にマジィ・イン江坂に2度目に泊まった時に夕食を取った長崎ちゃんめんに再び行くのである。ぼくは同じ食堂に2度、3度と繰り返して行くのが何よりも好きなのである。特にうまかった店は何度も行きたいものである。

たまにうまかった店がつぶれていたりするとものすごく悲しい。
しかしうまい店に限ってすぐつぶれてしまう。そんな食堂を何軒も知っている。だからうまい店を見つけたら飽きるまでそこで食事をするのである。

長崎ちゃんめんまでの多少長い道を、てくてく、てくてくと北に歩く。

そして長崎ちゃんめんに入り、ちゃんめんを注文する。今日もうまい。

すっかりおなかもいっぱいになって長崎ちゃんめんを出た。

御堂筋線

江坂~新大阪

御堂筋線の江坂駅の北の方にある長崎ちゃんめんという食堂を出たぼくは、また江坂駅まで歩いていった。

大阪市営地下鉄1日乗車券を取り出し、自動改札に入った。

さて、今日はこれから立川行き高速バスの出る三ノ宮まで行けば良い。バスが出るのは午後10時なのでまだまだ余裕がある。

だが、ぎりぎりの時間に行ってもバス停の場所がわからなくて乗り遅れるかもしれないので、まだ日も暮れていないけど三ノ宮に行くことにした。江坂から三ノ宮に行くのは、どうせ青春18きっぷがあるのだから新大阪か梅田で乗り換えれば良い。

梅田では何回も乗り換えているが、新大阪で乗り換えるのは去年1回だけだったので、もう一度新大阪で乗り換えようと思った。それも、去年は時間が無くてまっすぐ乗り換えるだけだったが、今日は余裕があるので新大阪でちょっとだけ駅のまわりを回ってみようと思った。

江坂のホームに上がり、なかもず行き電車を待って乗った。

おだやかな空を見ながら、新大阪のホームに着いた。

降りて1日乗車券を自動改札に通す。今日の1日乗車券の役目はここまでだ。


新大阪駅周辺

今回はまっすぐJRの改札に向かわず、いったん駅の北の道を通ってみることにした。

けっこうこっちの方は車通りも少なく、いい雰囲気だ。新幹線沿いにしばらく歩いて在来線のレールに出た。

在来線のレールを見るとどことなく東海道線と離れたレールが見えた。
そう言えば大阪駅を通らず、淀川を2回渡らずに高槻方面から西宮方面に進める貨物線があって、関西空港から姫路まで直通の臨時列車が通ったって話を聞いたことがある。

たぶんそのレールなんだろうと思った。

しばらく在来線のレールをながめてみたが、在来線への入り口が見つからず、結局新幹線のレールの南に進んで西にちょっと歩いてみることにした。

ぐるっと回って、ようやくJRの入り口に入った。在来線への通路を見つけ、また東に進んだ。

ようやく在来線改札にやってきた。ここに来るのは1995年10月の旅行以来だ。さて、とりあえず三ノ宮に進もうと思い、ぼくは松阪以来数時間ぶりに青春18きっぷを取り出し、有人改札にきっぷを見せて東海道線の神戸方面のホームに進んだ。

東海道本線その2

旅行記本文

新大阪の駅前を散歩した後、JR在来線の改札を青春18きっぷを見せて通り、姫路行き新快速のホームに向かう。
新快速がやってきた。さすがに青春18きっぷシーズンの新快速はすわれない。ゴトゴトと新快速は大阪に向かう。

大阪でかなり客が降り、乗ってくる。また淀川を渡る。最近JR東西線ができてから新快速は尼崎に停車するようになった。もう日が暮れており、街の明かりを見ながら新快速は進む。
そして三ノ宮に着いた。この春の青春18きっぷ1日目の使用はここまでである。改札に18きっぷを見せて通る。

まずは立川に行くバス停を探そう。三ノ宮駅の南側をあちこちまわってみる。
バスターミナルっぽいところをまわってみるが、立川行きじゃない。時間はあるのでいろいろまわる。

やっと見つけた。立川行きのバス停は、駅の南の大通り、すなわち阪神三宮駅の真上の、およそバスターミナルとは思えないふきさらしの場所にあったのである。

だいぶ探すのに時間がかかった。ぎりぎりの時間に着くようにしなくて良かった。
まずはこれでひと安心。でもまだ発車まで2時間以上ある。

歩き疲れたので、江坂の長崎ちゃんめんで食事したにもかかわらず、もう1回食事してすわって休むことにした。

JR三ノ宮駅の西、阪急三宮駅の近くに飲食店街があったので、定食屋を探して焼肉定食を食べる。食事が目的でなくすわることが目的なので、とにかくゆっくり食べる。そして1時間近くが過ぎる。
店を出てバス停に行くがだれもいない。

そのうちお客が集まってきた。なんだか若い女性が多い。年上の女性もいる。男は数えるほどしかいない。
ようやく立川行きバスが到着した。
このバスは明石大橋近くの舞子(まいこ)というところの始発だが、やはりここで乗る人の方が多いようだ。

ぼくはチケットを運転手に渡して乗り込んだ。

高速バス・三ノ宮~立川

旅行記本文

三ノ宮で立川に行く夜行バス「レッツ号」に乗った。

今日のお客はなんと女性7割、男性3割という客の数であった。お客が全員乗ると発車である。
いつものようにバスの案内ビデオが流れると、もう夜遅いのですぐに消灯になってしまう。ぼくもきのうムーンライトながらに乗っていて、しかも歩き疲れていることもあってすぐに眠ってしまった。

目が覚めるともう高速道路を降りているようだ。
立川の近くのインターチェンジは八王子と国立府中しかないので、たぶん国立府中で降りて国道20号で立川に向かっているのだろう。
せまい道を通ってなんとか立川駅前に到着した。バスを降りる。

去年10月以来ひさしぶりの夜行バスの旅だったが、やっぱりいいものだなあと思う。この朝のぼーっとした頭で駅前に降り立つのがいい。
あと4回分青春18きっぷが残っている。無事旅行できたらいいなと思いながら立川駅に入ってきっぷを買った。アパート近くのコンビニで朝食でも買って食べてお昼まで眠ろう。

関連リンク